NO.290     '99 1/18   Junko     連続自然数の和(1)

 

 

1/16に行われたセンタ−試験<数学U・B>に次のような問題が出題されています。

 

 

整数15はつぎのように連続した正の整数の和として表すことができる。

15=1+2+3+4+5=4+5+6=7+8

1より大きい整数nについて、これを連続した2つ以上の正の整数の和で表すことができるかどうかを調べるプログラムを作った。

 

途中省略

 

(3)2から9までの数をnとして、このプログラムを実行する。

このとき、Yesが1回も表示されないnを小さい順に書くと、□、□、□である。

Yesが1回も表示されないというのは、連続した2つ以上の正の整数の和で表すことができないということを意味します。

答えは2,4,8です。

「連続自然数の和として表すことができない数は、2mという形をしたものに限る」ように思います。

試しに16,32,64と調べてみると、確かにそうなっています。

そしてそれ以外のものは、連続した正の整数の和として表すことができるようです。なぜなのでしょう?

NO.295     '99 1/20   水の流れ     連続自然数の和(2)

 

 

15の奇数の約数は1,3,5,15の4個ですから、

 15=15

 15=7+8

 15=4+5+6

 15=1+2+3+4+5

の4種類に分解できます。

 「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法はNの奇数の約数の個数に等しいのです」

だから、Junkoさんが言われるように、N=2mの場合は不可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

NO.296     '99 1/20   Junko     連続自然数の和(3)

 

 

整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法をNの性質によって分類しながら示します。

 

[x]はガウス記号を表します。これはxを越えない最大の整数を与えます。

 

 

 

奇数

N=[N/2]+([N/2]+1)とできるからです。

たとえば、15=7+8のように。

 

 

3の倍数

N=([N/3]−1)+[N/3]+([N/3]+1)とできるからです。

つまり、Nをまず3等分します。15=5+5+5

真ん中を中心に先頭は1を引き、最後は1を足す。15=4+5+6

ただし、[N/3]−1≧1より、N≧6

 

 

5の倍数

N=([N/5]−2)+([N/5]−1)+[N/5]+([N/5]+1)+([N/5]+2)とできるからです。

つまり、Nをまず5等分します。15=3+3+3+3+3

真ん中を中心に前半は1づつ引き、後半は1づつを足します。15=1+2+3+4+5

ただし、[N/5]−2≧1より、N≧15

 

 

以下同様に・・・奇数の倍数ならば、同じようにできると思います。ただし、Nはある定数以上という条件つきです。

 

 

これだと奇数ばかりですので、偶数について考えました。

 

2×奇数

N=N/2+N/2 (ここで、N/2は奇数ですから、iの1より)

 ={[N/4]+([N/4]+1)}+{[N/4]+([N/4]+1)}

 ={[N/4]+([N/4]+1)}+{([N/4]−1)+([N/4]+2)}

 =([N/4]−1)+[N/4]+([N/4]+1)+([N/4]+2)

とできます。

例えば、10=5+5

      =(2+3)+(2+3)

      =(2+3)+(1+4)

      =1+2+3+4

ただし、[N/4]−1≧1より、N≧8です。

 

 

4×奇数

N=N/4+N/4+N/4+N/4

   (ここで、N/4は奇数ですから、iの1より)

 ={[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}

 ={[N/8]+([N/8]+1)}+{([N/8]−1)+([N/8]+2)}+{([N/8]−2)+([N/8]+3)}+{([N/8]−3)+([N/8]+4)}

 =([N/8]−3)+([N/8]−2)+([N/8]−1)+[N/8]+([N/8]+1)+([N/8]+2)+([N/8]+3)+([N/8]+4)

とできます。

例えば、44=11+11+11+11

      =(5+6)+(5+6)+(5+6)+(5+6)

      =(5+6)+(4+7)+(3+8)+(2+9)

      =2+3+4+5+6+7+8+9

ただし、[N/8]−3≧1より、N≧32です。

 

 

以下同様に・・・2m×奇数ならば、同じようにできると思います。ただし、Nはある定数以上という条件つきです。

こうして考えていくと、「水の流れ」さんのおっしゃっている

「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法はNの奇数の約数の個数に等しい」というのもうなづけるのですが、疑問も生じます。

 

N=15の分解について、単独、約数3をもつから3つに分解できる、約数5をもつから5つに分解はいいとして、約数15をもつことと、15=7+8との分解をどう関連づけていいのかわからないのです。

 

 

またN=111の分解について、111=3×37より、単独、約数3をもつから3つに分解できる(111=36+37+38)、奇数だから2つに分解できる(111=55+56、前段で言ったこと)はいいとして、約数37をもつから37に分解できる、というわけにはいかないと思うのです。強引にやるなら、

 

111=3+3+3+・・・+3(37個)

   =(3+3+・・・+3)+3+(3+3+・・・+3)

   ={(-15)+(-14)+・・・+2}+3+{4+・・・+20+21}

でも、負の数はだめですよね。先程述べたNはある定数以上という条件にひっかかるわけです。

私はとんでもなく見当違いな考え方をしているのでしょうか? もっと別な分解の仕方があるのでしょうか?

 

NO.299     '99 1/21   水の流れ     連続自然数の和(4)

 

 

 

15=1×15

  =1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1

  =−6−5−4−3−2−1+0+1+2+3+4+5+6+7+8

  =(−6−5−4−3−2−1+0+1+2+3+4+5+6)+7+8

  =0+7+8

  =7+8

となり、和は0ですから。その和は15で変わらないのです。

 

111=3+3+3+・・・+3(37個)

   =(3+3+・・・+3)+3+(3+3+・・・+3)

   ={(-15)+(-14)+・・・+2}+3+{4+・・・+20+21

   ={(-15)+(-14)+・・・14+15}+16+17+18+19+20+21

   =0+16+17+18+19+20+21

   =16+17+18+19+20+21

負の数の処置をどうするかだけでした。

 

 

 

 

 

 

NO.300     '99 1/21   水の流れ     連続自然数の和(5)

 

 

「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法はNの奇数の約数の個数に等しい。」

 

 

<証明>Nがある奇数の約数(2k+1)を持つとき、(ただし、kは整数)

a×(2k+1)=Nとなるaを「真ん中」として連続数が作れる。

そこで、aを「真ん中」として、mを最小数、Mを最大数とする。

N=m+(m−1)+・・・+a+・・・+(M−1)+M・・・@

これは、aの左側はk個、aの右側はk個、そして、真ん中の1個の合計(2k+1)個の数が並んでいる。

もし、mが負の数のときには、少し考えてみます。

m+(m−1)+・・・+0+・・・+(−m−1)+(−m)=0 ・・・A

より、@−A=N−0=N

すなわち、(−m+1)+・・・+(M−1)+M=N ・・・B

これは,正の数だけで作った連続数の和です。

 

ところで、@の形でつくった連続の和は当然「奇数個」です。

Bの場合は、@の奇数個から、Aの奇数個を引きますから、当然「偶数個」の連続数の和です。

以上から、1個の奇数の約数から、必ず@またはBの形の1通りの連続数の和が得られます。

 

 

 

逆に、1通りの連続数があったとき、1個の奇数があるだろうか?

調べます。

1通りの連続数が与えられたとき、それは@かBのどちらかの形です。

@なら、奇数個より、真ん中の数が1つ存在して、それに応じて奇数1つが決まる。

Bなら、偶数個だから、Aの奇数個を作って、 @の負から始まる奇数個の和をつくる。このとき、真ん中の数が1つ存在して、それに応じて、他の別の奇数が1つが決まる。

したがって、「奇数の約数」と「正の連続数の和」は1対1に対応して、その個数は一致する。   <証明終わり>

 

 

 

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