平成12年2月12日

[流れ星]

    第45回数学的な応募問題

 <解答募集期間:2月6日〜2月20日>

       [野球の貯金]

 太郎さんは、大の巨人ファンであることはもう皆さん!ご存じでしょう。

昨年セ・リーグを制した中日ドラゴンズはシーズン135試合を通して、常に、勝ち星が負け星を上まわっていました。

いわゆる貯金があったのです。さて、今年ジャイアンツが(a+b)試合戦って、勝ち数がaで、負け数がbであったとします。

そして、この(a+b)試合中、常に貯金の状態(勝ち星が負け星を上まわっていて、勝ち負けが同数は除く)で勝敗の推移の仕方の確率を求めたくなりました。すなわち、a>bである。ここで、問題です。

問題1:a=3,b=2で終わる確率を求めてください。

問題2:a=4,b=2で終わる確率を求めてください。

問題3:常に貯金の状態、勝ち数がaで、負け数がbで終わる確率を求めてください。

問題4:一般の場合から、今年ジャイアンツが、a=77,b=58で終わる確率を求めてください。

 太郎さんは、早速、問題1,問題2で、実際に勝ち負けを書いてみてようと思っています。

No1<清川(kiyo)>さんからの解答 2/10 21:13受信  2/12更新   

数学的ではないのですが、小さい数で規則性を見つけて一般式を推理しました。

解答:パスカルの三角形が関係していると思います。

n=a-b とする。

a>b=1 n 通り

a>b=2 n(n+3)/2 通り

a>b=3 n(n+5)(n+4)/6 通り

a>b=4 n(n+7)(n+6)(n+5)/24 通り

以上のことから、以下のことが推理されます。

(a-b)/b×C(a+b-1,b-1)

全体の場合の数を2^(a+b)=2^135とすると求める確率は、

a=77,b=58  約 0.0025474835 となると思います。

ヒントを見て、(a-b)/bの意味が理解出来ました。

<水の流れ> 2/10 22:49 発信

 ☆☆ 清川 育男 様 ☆☆ いつもご応募くださいまして、ありがとうございます。

 私の考えとちょっとずれがあるようです。

座標平面上の点(b、a)原点(0,0)との最短経路の道順を考えてください。

ただし、直線y=xの上側(境界線含まず)の経路が常に、貯金のある勝敗経路です。

この点カタラン数とよく似ています。

 実際に、この適した経路は

a=3,b=2 のとき、

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(0,3)→(1,3)→(2,3)

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(1,2)→(1,3)→(2,3)

 の2通り。

a=4,b=2 のとき

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(0,3)→(0,4)→(1,4)→(2,4)

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(0,3)→(1,3)→(1,4)→(2,4)

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(0,3)→(1,3)→(2,3)→(2,4)

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(1,2)→(1,3)→(1,4)→(2,4)

(0,0)→(0,1)→(0,2)→(1,2)→(1,3)→(2,3)→(2,4)

以上の5通り あります。当然、点(b、a)原点(0,0)との最短経路の道順は、C(a+b、b) ですが。 

No2<清川(kiyo)>さんからの解答 2/11 19:45受信  2/12更新 

前回送りました推定式は間違っているのでしょうか。

        Pascal semi-triangle

 

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16

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14

 

14

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14

 

28

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

42

 

48

 

27

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10

42

 

90

 

75

 

35

 

 

 

 

 

 

 

 

11

 

132

 

165

 

110

 

44

 

10

 

 

 

 

 

 

12

132

 

297

 

275

 

154

 

54

 

11

 

 

 

 

 

13

 

429

 

572

 

429

 

208

 

65

 

12

 

 

 

 

14

429

 

1001

 

1001

 

637

 

273

 

77

 

13

 

 

 

15

 

1430

 

2002

 

1638

 

910

 

350

 

90

 

14

 

 

16

1430

 

3432

 

3640

 

2548

 

1260

 

440

 

104

 

15

 

右斜め下方につながって場合の数が現れると思います。

左端はカタラン数が現れます。 

 <水の流れ> 2/11 21:39分 発信 2/12 更新

いつも、こちらこそ お世話になっています。

 わあー! 凄い!お見事です。私が浅はかでした。あっています。

お気を悪くなさらないでください。ごめんなさい。

Pascal semi-triangle

の中の数字を見ながら、理解しています。有り難うございます。早速、「私の一日」2/11の文を修正します。

ネーミングも素晴らしいです。お借りします。 

尚、左端のカタラン数とは、1,2,5,14,42,132,429,1430,・・・のことです。

 座標平面上の点(b、a)原点(0,0)との最短経路の道順を考えて、直線y=xの上側(境界線含まず)の経路が常に、貯金のある勝敗経路です。この経路の総数をK(a,b)とくと、次のような漸化式が成り立ちます。

K(a,b)=K(a―1,b)+K(a,b―1)で、

境界については、K(0,0)=1、K(a,a)=1 a>0 にします。

K(a,b)=(a−b)/(a+b)×C(a+b、b) で「清川(kiyo)」さんと同じになります。

問題3:常に貯金の状態、勝ち数がaで、負け数がbで終わる確率を求めてください。

 この確率は勝敗の起こり方の中で、常に貯金の状態である経路を考えますので、(a−b)/(a+b)になりますが・・・

問題4:一般の場合から、今年ジャイアンツが、a=77,b=58で終わる確率を求めてください。

  したがって、(77−58)/135=0.14074・・・

「清川(kiyo)」さんの頭脳にはいつも驚かされています。尊敬し、賞讃します。今後とも、よろしく ご指導ください。      

No3<sambaGREEN>さんからの質問 2/13 1:40受信  2/13更新 

「野球の貯金」の問3,問4の「水の流れ」さんの解答と「kiyo」さんの解答が違うように思えるのですが,

どうなんでしょう?私も「kiyo」さんと同じように考えていましたが・・(ただ,私には一般式が出せなかった,爆)

設問の捉え方がちがうのでしょうか?

また,設問で思いだしましたが,「勝ち負けの確率は1/2とする」というような一文が必要だったのではと思います。

<水の流れ>「sambaGREEN」さんからの質問の回答 2/13 記入 2/13 更新

問3は、最初、「kiyo」の式を浅学のあまり、理解できなかったのですが、Pascal semi-triangle の表を見ていたら、同じ数列になっていましたので、納得しましたが・・・、問4は、例えば、5試合行って、常に預金を保ちつつ、3勝2敗にで終わる確率を求めとします。このとき、○○○××、○○×○×の2通りの起こり方があります。で、3勝2敗で終わる場合は、C(5,3)=10通りあって、常に預金を保っている場合の確率は、2/10=0.2のつもりで作問しました。だから、全事象を2^5=32とならないように、勝ち負けの確率を1/2とするただし書きを書きませんでした。

この違いです。出題してからも、この考え方になる恐れは心配していました。シーズンが77勝58敗で終わったとき、常に預金を保っている勝敗の起こり方の確率を求めよ。としたほうがよかったかもしれません。この点は出題者の難しい問題作りになってきます。いずれにしても、考え方に混乱をさせたことをお許しください。

 

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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