平成28年5月8日

[流れ星]

     第333数学的な応募解答

      <解答募集期間:4月10日〜5月8日>

正三角形の一辺の長さ

 

 正三角形ABCの内部の点Pについて、PA=4,PB=3,PC=5とする。このとき正三角形の一辺の長さを求めよ。

 

<水の流れ:ある本に上の問題がありましたが、答は(25+12√3)の正の平方根と書いてあって、これに至る過程が書いてありません。

      しかも、今のところこの答えには至っていません。誰か教えてください。>

 

NO1uchinyan         04/10 1411分 受信 

uchinyan         04/12 1606分 受信 

uchinyan         04/13 1129分 受信  更新 5/8

 (解法1)

ACP A の回りに時計回りに回転し AC AB に重ね P の移動先を D とし,

BAP B の回りに時計回りに回転し BA BC に重ね P の移動先を E とし,

CBP C の回りに時計回りに回転し CB CA に重ね P の移動先を F とします。

すると,六角形ADBECF ができますが,これは,

AD = AP = 4,∠DAP = BAC = 60°,△ADP は正三角形,PD = 4DB = 5BP = 3,△BPD は3辺が 3, 4, 5 の直角三角形,

BE = BP = 3,∠EBP = CBA = 60°,△BEP は正三角形,PE = 3EC = 4CP = 5,△PEC は3辺が 3, 4, 5 の直角三角形,

CF = CP = 5,∠FCP = ACB = 60°,△CFP は正三角形,PF = 5FA = 3AP = 4,△FAP は3辺が 3, 4, 5 の直角三角形,

となって,

1辺 4 の正三角形,1辺 3 の正三角形,1辺 5 の正三角形,と,3辺が 3, 4, 5 の直角三角形が3つ,

から構成されます。

これより,△ABC の1辺を a とし,面積を考えると,△ABC = 3/4 * a^2,で,

六角形ADBECF = ABC * 2 = 3/4 * a^2 * 2 = 3/2 * a^2

六角形ADBECF = ADP + BPD + BEP + PEC + CFP + FAP

= 1辺 4 の正三角形 + 1辺 3 の正三角形 + 1辺 5 の正三角形 + 3辺が 3, 4, 5 の直角三角形 * 3

= 3/4 * 4^2 + 3/4 * 3^2 + 3/4 * 5^2 + 3 * 4 * 1/2 * 3

= 3/2 * (25 + 123)

3/2 * a^2 = 3/2 * (25 + 123)

a^2 = 25 + 123

a = (25 + 123)

そこで,△ABC の1辺は,√(25 + 123),になります。

 

(解法2)

ABP AB に関して折り返し P の移動先を Q とし,

BCP BC に関して折り返し P の移動先を R とし,

CAP CA に関して折り返し P の移動先を S とします。

すると,六角形AQBRCS ができますが,これは,

AQ = AS = AP = 4,∠QAS = BAC * 2 = 120°,△AQS は頂角が 120°で等辺が 4 の二等辺三角形,QS = 43

BR = BQ = BP = 3,∠RBQ = CBA * 2 = 120°,△BRQ は頂角が 120°で等辺が 3 の二等辺三角形,RQ = 33

CS = CR = CP = 5,∠SCR = ACB * 2 = 120°,△CSR は頂角が 120°で等辺が 5 の二等辺三角形,SR = 53

RQ = 33QS = 43SR = 53,より,△RQS 345 の直角三角形,

となって,これらの三角形から構成されます。

これより,△ABC の1辺を a とし,面積を考えると,△ABC = 3/4 * a^2,で,

さらに,頂角が 120°の二等辺三角形の面積は,1辺が二等辺三角形の等辺と同じ正三角形に等しいので,

六角形AQBRCS = ABC * 2 = 3/4 * a^2 * 2 = 3/2 * a^2

六角形AQBRCS = AQS + BRQ + CSR + RQS

= 1辺 4 の正三角形 + 1辺 3 の正三角形 + 1辺 5 の正三角形 + 3辺が 33, 43, 53 の直角三角形

= 3/4 * 4^2 + 3/4 * 3^2 + 3/4 * 5^2 + 33 * 43 * 1/2

= 3/2 * (25 + 123)

3/2 * a^2 = 3/2 * (25 + 123)

a^2 = 25 + 123

a = (25 + 123)

そこで,△ABC の1辺は,√(25 + 123),になります。

 

(解法3)

(解法1)のように,

ACP A の回りに時計回りに回転し AC AB に重ね P の移動先を D とすると,

AD = AP = 4,∠DAP = BAC = 60°,△ADP は正三角形,

PD = 4DB = 5BP = 3,△BPD は3辺が 3, 4, 5 の直角三角形,より,

APD = 60°,∠BPD = 90°,となって,∠APB = APD + BPD = 60°+ 90°= 150°,です。

または,(解法2)のように 六角形AQBRCS を作れば,

AQS は頂角が 120°の二等辺三角形,△BRQ は頂角が 120°の二等辺三角形,

RQS 345 の直角三角形,となるので,

AQS = 30°,∠BQR = 30°,∠SQR = 90°,となって,

APB = AQB = AQS + SQR + BQR = 30°+ 90°+ 30°= 150°,です。

いずれにせよ,∠APB = 150°がいえるので,BP の延長に A から垂線を下ろしその足を H とすれば,

APH = 30°,AH = AP * 1/2 = 4/2 = 2PH = AP * 3/2 = 4 * 3/2 = 23

なので,三平方の定理より,

AB^2 = AH^2 + BH^2 = AH^2 + (BP + PH)^2 = 2^2 + (3 + 23)^2 = 25 + 123

そこで,△ABC の1辺は,√(25 + 123),になります。

 

(解法4)

APB = α,∠BPC = β,∠CPA = γ,α + β + γ = 360°,とします。

PAB に余弦定理を使って,AB^2 = 4^2 + 3^2 - 2(4)(3)cosα = 25 - 24cosα,

PBC に余弦定理を使って,BC^2 = 3^2 + 5^2 - 2(3)(5)cosβ = 34 - 30cosβ,

PCA に余弦定理を使って,CA^2 = 5^2 + 4^2 - 2(5)(4)cosγ = 41 - 40cosγ,

AB^2 = BC^2 = CA^225 - 24cosα = 34 - 30cosβ = 41 - 40cosγ,

5cosβ = 3/2 + 4cosα,5cosγ = 2 + 3cosα,

ここで,γ = 360°- (α + β),なので,

cosγ = cos(360°- (α + β)) = cos(α + β) = cosαcosβ - sinαsinβ,

cosαcosβ - cosγ = sinαsinβ,

(cosαcosβ - cosγ)^2 = (sinαsinβ)^2 = (1 - (cosα)^2)(1 - (cosβ)^2)

- 2cosαcosβcosγ + (cosγ)^2 = 1 - (cosα)^2 - (cosβ)^2

2cosαcosβcosγ - (cosα)^2 - (cosβ)^2 - (cosγ)^2 + 1 = 0

2cosα(5cosβ)(5cosγ) - (5cosα)^2 - (5cosβ)^2 - (5cosγ)^2 + 25 = 0

2cosα(3/2 + 4cosα)(2 + 3cosα) - (5cosα)^2 - (3/2 + 4cosα)^2 - (2 + 3cosα)^2 + 25 = 0

24(cosα)^3 - 25(cosα)^2 - 18(cosα) + 75/4 = 0

96(cosα)^3 - 100(cosα)^2 - 72(cosα) + 75 = 0

(24(cosα) - 25)(4(cosα)^2 - 3) = 0

-1 <= cosα <= 1 なので,

4(cosα)^2 - 3 = 0cosα = ± √3/2

cosα = 3/2 のとき,

AB^2 = 25 - 24(3/2) = 25 - 123AB = (25 - 123) < (25 - 12(3/2)) = 7 < 3 = PB,実現不可能,

cosα = - 3/2 のとき,

AB^2 = 25 - 24(- 3/2) = 25 + 123AB = (25 + 123)

PC = 5 < AB = (25 + 123) < (25 + 12(2)) = 7 = 4 + 3 = PA + PB,実現可能,

以上より,△ABC の1辺は,√(25 + 123),になります。

 

(解法5)

ab を単位ベクトル,k を正の実数,として,ベクトルBA = ka,ベクトルBC = kb,とします。

|a| = |b| = 1ab = cos(60°) = 1/2AB = BC = CA = k,です。

P は △ABC 内の点なので,xy を正の実数として,p = ベクトルBP = xa + yb,と書けます。

PB = |p| = 3pp = (xa + yb)(xa + yb) = x^2 + y^2 + xy = 9

PA = |ka - p| = 4(ka - p)(ka - p) = ((k - x)a - yb)((k - x)a - yb) = (k - x)^2 + y^2 - (k - x)y = 16

PC = |kb - p| = 5(kb - p)(kb - p) = ((k - y)b - xa)((k - y)b - xa) = (k - y)^2 + x^2 - (k - y)x = 25

整理すると,xy の2次の項を消去できて,

2kx + ky = k^2 - 7kx + 2ky = k^2 - 16x = (k^2 + 2)/(3k)y = (k^2 - 25)/(3k)

PB = 3 の式,x^2 + y^2 + xy = 9,に xy を代入すると,

((k^2 + 2)/(3k))^2 + ((k^2 - 25)/(3k))^2 + ((k^2 + 2)/(3k))((k^2 - 25)/(3k)) = 9

3k^4 - 150k^2 + 579 = 0k^4 - 50k^2 + 193 = 0k^2 = 25 ± 123

つまり,AB^2 = 25 ± 123AB = (25 ± 123),です。ここで,

AB = (25 - 123) < (25 - 12(3/2)) = 7 < 3 = PB,実現不可能,

PC = 5 < AB = (25 + 123) < (25 + 12(2)) = 7 = 4 + 3 = PA + PB,実現可能,

そこで,△ABC の1辺は,√(25 + 123),になります。

 

(ちょっとだけ一般化)

一般に,PA = pPB = qPC = r,の場合,(解法1)と同様に 六角形ADBECF を作れば,,

1辺 p の正三角形,1辺 q の正三角形,1辺 r の正三角形,と,3辺が p, q, r の直角三角形が3つ,

から構成されるので,△ABC の1辺を a として,ヘロンの公式も使って。

六角形ADBECF

= ABC * 2 = 3/4 * a^2 * 2

= 3/4 * p^2 + 3/4 * q^2 + 3/4 * r^2 + ((p+q+r)(-p+q+r)(p-q+r)(p+q-r))/4 * 3

a^2 = (p^2 + q^2 + r^2 + (3(p+q+r)(-p+q+r)(p-q+r)(p+q-r)))/2

ABC の1辺 = a = ((p^2 + q^2 + r^2 + (3(p+q+r)(-p+q+r)(p-q+r)(p+q-r)))/2)

になります。

p = 4q = 3r = 5,で一致するのは明らかでしょう。

 

(感想)

この問題の類題を,なんと,算数問題,として解いたことがあります。

もちろんこのままでは算数では無理ですが,

1辺が 1 cm の正三角形の面積を近似値として与え,△ABC の面積はいくつですか,

とすれば,算数問題になります。具体的にはこれ。

http://www.sansu.org/kakomon/toi015.html

そのときに苦労して思い付いたのが(解法1)です。

算数なので使える道具が限られるのがある意味ヒントになり,あれこれ動かして思い付きました。

うまく動かすと,正三角形と直角三角形になり面積が容易に求められるのがミソです。

(解法2)も似たようなものですが,算数の範囲に収めるのは少し難しそうです。

でも,中学数学の範囲ですね。

(解法3)(解法1)(解法2)と組み合わせた解法で,やはり,中学数学の範囲です。

もっとも,本質は(解法1)(解法2)のアイディアにあるのですが。

(解法1)の一部で ∠APB = 150°を示し後は三平方の定理,というのが一番簡単かも知れません。

一方,普通に高校までの数学で解こうと思うと,座標とか三角比に頼りたくなりますが,

むやみにやると,なかなか面倒になるかも,です。ここでは少し工夫した解法を書いておきました。

(解法4)は三角比による解法です。∠APB = 150°を知っているのでそれを求めるようにしましたが,

所詮は整数係数の3次方程式なので,大変かも知れませんが解くことはできます。

(解法5)はベクトルによる解法ですが,実質は斜交座標による解法です。

通常の座標では √ がちらついて大変そうですが,これは思いの外スッキリと解けました。

なお,(解法4)(解法5)では P の存在条件をもう少し調べた方がいいのですが,

そこは他の解法より明らかといえるので省略しています。

 

NO2「浜田明巳」         04/12 1146分 受信  更新 5/8

(a/2,√3/2・a),B(0,0),C(a,0)(a>0),P(x,y)とする.
 PA=4,PB=3,PC=5から,
  (x−a/2)(y−√3/2・a)=4・・・(1)
  x+y=3・・・(2)
  (x−a)+y=5・・・(3)
 (1)(2)から,
  −ax−√3・ay+a=7・・・(4)
 (2)(3)から,
  2ax−a=−16
 a≠0から,
  x=(−16)(2a)・・・(5)
 (4)に代入すると,
  −(−16)/2−√3・ay+a=7
  ∴−2√3・ay=−a−2
 a≠0から,
  y=(+2)(2√3・a)・・・(6)
 (5)(6)(2)に代入すると,
  (−16)(4a)(+2)(12a)=9
  ∴3(−32a+256)(+4a+4)=108a
  ∴4a−200a+772=0
  ∴a−50a+193=0
  ∴a=25±√432=25±12√3
 a>0から,
  a=(25±12√3)1/2
 △PBC,△PCA,△PABにおいて,
  |5−3|<a<5+3,|5−4|<a<5+4,|4−3|<a<4+3
  ∴2<a<7
 x>0,y>0から,a>16
  ∴a>4
 まとめると,
  4<a<7
 ここで,
  7{(25+12√3)1/2}=49−(25+12√3)=24−12√3=12(2−√3)=12(√4−√3)>0
  (25+12√3)1/2−4=(25+12√3)1/2−√16>0
  4{(25−12√3)1/2}=16−(25−12√3)=12√3−9=3√3(4−√3)=3√3(√16−√3)>0
  ∴(25−12√3)1/2<4<(25+12√3)1/2<7
  ∴a=(25+12√3)1/2・・・(答)

 

NO3「早起きのおじさん」 04/12 1153分 受信  更新 5/8

この問題は少しズルをして、腕力で解いてみます。

 

正三角形の一辺の長さをaとおきます。

 

一辺aの正三角形ABCの面積は、 です。

また、ABCPABPBCPCA です。

ヘロンの公式より各三角形は、

なので、

式を簡単にするためとおき整理します。

荒く見積もって(上の図を見て)、  くらいかなと、みておきます。

 

ここから強引に式を整理していきます。

 

各辺を二乗して、各辺を整理すると、

整式の部分は左辺、根号の部分は右辺に集め公約数で約すと、

 

各辺を二乗して、整理すると、

整式の部分は左辺、根号の部分は右辺に集め公約数で約すと、

 

各辺を二乗して、整理すると、

 

整理すると、

  ・・・  (1)

さて、ここでズルをします。

 が解なので、

の両辺を2乗して整理すると、なので、式(1)を因数分解します。

 

 ・・・ (2)

 

式(2)の黄色の部分について調べます。

やり易いように、Aをxに直して4次関数として考えます。

 

これを元に増減表を作ります。

表の上段は問題ないと思います。

y‘=0となるxの値は、3次方程式を解かねばなりませんが、荒っぽく整数でみていきます。

中段は、y‘は負の値から始まりますが、だんだん増加してx=7で初めて正になるということです。

y‘は6710112021の間で符号が変わります。

yは17182223の間で符号が変わります。

 

y=0の4次方程式の解を調べています。

17182223の間に解があります。

しかし、最初にみたように、x(A)の範囲に当てはまらないので、式(2)の黄色の部分ははずせます。

解の存在のことを考える場合には、67の間のことが気になりますが、上のことから無視できます。

(実数解がないことは簡単に説明できますが)

結局、

 ・・・ (3

だけ見ればよいことになります。

最初にみたように、複合の+のときが当てはまります。

 

「早起きのおじさん」 04/17 1811分 受信  更新 5/8

333解答_2 

 

正三角形の一辺の長さをaとおきます。

Cを中心として、APCを図のように回します。

すると、∠PCP’=60°となるので、CPP’は、正三角形です。

また、PPBは辺の長さが、345なので∠PBP’=90°です。

四角形PBPCの面積を二通りで考えます。

比較して、

 

両辺を2乗して整理すると、

 

さらに、両辺を2乗して整理すると、

2次方程式として解くと、

 

ここで、なので、

 

上の図をみると、6a7程度なので、36a249となり、複合の+のときが当てはまります。

 

「早起きのおじさん」 04/20 1813分 受信  更新 5/8

333解答_3 

 

正三角形の一辺の長さをaとおきます。

Cを中心として、APCを図のように回します。

すると、∠PCP’=60°となるので、CPP’は、正三角形です。

また、PPBは辺の長さが、345なので∠PBP’=90°です。

PBCに正弦定理を使います。

PBC=α、∠PCB=βとおくと、∠BPC180°−(α+β)です。

よって、

 

そこで、αとα+βの正弦の値を調べます。

 

APBにおいて、

BAP60°−∠PAC60°−∠CBP’=60°−(90°−α)=α−30°

ABP60°−α

よって、

 

次に、PBP’において、

PBP’=90°

BPP’=∠BPC60°=180°−(α+β)60°=120°−(α+β)

BPP=∠BPC60°=180°−(90°−α)(60°−β)(α+β)30°

よって、

よって、

連立させて、について解くと、

 

(1)2乗して、(2)、(3)を代入すると、

 

「早起きのおじさん」 04/23 0003分 受信  更新 5/8

なお、∠APB150°ですが、これを使うとあっけなく解けます。

PABに余弦定理を用いると、

 

NO4「スモークマン」     04/15 2111分 受信  更新 5/8

スクリーンショット 2016-04-13 23 29 55

 

NO5「にいばりZ12      04/20 0428分 受信  更新 5/8

 

正三角形ABCの内部の点Pについて、PA=4,PB=3,PC=5とする。このとき正三角形の一辺の長さを求めよ。答は(25+12√3)の正の平方根

 

正三角形ABCの一辺の長さをaとします。

 

PAB、△PBC、△PACの面積はヘロンの公式から

PAB=((a+3+4)(-a+3+4)(a-3+4)(a+3-4))1/2/4=((a+7)(-a+7)(a+1)(a-1))1/2/4・・・@

PBC=((a+3+5)(-a+3+5)(a-3+5)(a+3-5))1/2/4=((a+8)(-a+8)(a+2)(a-2))1/2/4・・・A

PBC=((a+4+5)(-a+4+5)(a-4+5)(a+4-5))1/2/4=((a+9)(-a+9)(a+1)(a-1))1/2/4・・・B

また、

ABC=PAB+PBC+PBC=a23/4・・・C

が言えるので

((a+7)(-a+7)(a+1)(a-1))1/2+((a+8)(-a+8)(a+2)(a-2))1/2+((a+9)(-a+9)(a+1)(a-1))1/2=a23・・・D

  この解は確かにa=(25+1231/2)1/2となりますが、解き方が複雑すぎて手に余ります。

 

xy座標に正三角形ABCを据えます。

頂点をA(y軸上)、底辺(x軸に平行)をBCとし、重心(内心、外心)をの原点Oとします

A(0,a/3)

B(-a/2,-a/12)

C( a/2,-a/12)

Pの座標を(xy)とすると

 (x- 0)2+(y-a/3 )2=42・・・E

 (x+a/2)2+(y+a/12)2=32・・・F

 (x-a/2)2+(y+a/12)2=52・・・G

FとGから

-2ax=42

-2ax-a2=42-a2

2ax+a2=-42+a2・・・H

EとHから

x- 0)2+(y-a/3 )2=42

 (x+ a)2+(y-a/3 )2= a 2・・・I

Iは中心O(-a, a/3),半径aの円の方程式です。

このことから、

OA= OB= OP=a

が言えるので

BOP=αと置くと

 

2asin(α/2)=3    ・・・J

2asin(π/6-α/2)=4   ・・・K

と書けます。

Jからsin(α/2) =3/(2a)

Kのsin(π/3-α/2)を加法定理で展開し

sin(π/6)=1/2

cos (π/6)=31/2/2

cos(α/2)=(1- sin(α/2) 2)1/2=(1- (3/(2a)) 2)1/2

を代入し

2a ((1-(3/(2a) 2)1/2-331/2/(4a))=4

a 2-3/(2a) 2=16+1231/2+27/4

a 2=25+1231/2・・・・・・回答

 

3,4,5がピタゴラス数なので幾何的に解く方法があると思います。

皆さんの回答を見るのが楽しみです。

 

「にいばりZ12      04/29 0250分 受信  更新 5/8

 

正三角形ABCの内部の点Pについて、PA=4,PB=3,PC=5とする。このとき正三角形の一辺の長さを求めよ。答は(25+12√3)の正の平方根

 

A別解

PA=4

PB=3

PP’「BCPC=5

 

 

 

 

Q,D,E
 

 

 

 

 

 

 

 

 


APCCを中心に反時計回りにABに一致するまで回転し、その時のPP’とします

この時△CPP’は辺長5の正三角形、△PBPは辺長3,4,5の直角三角形となります

いま、CからPP’に垂直な半直線と、BからPP’に平行な半直線を引きその交点をQとします

BQCは∠BQC=Rの直角三角形です

BからPP’に垂線の足を下したときPP’との交点をDQCPP’との交点をEとします

BDP’∽PBP’からDP=9/5BD=QE=12/5

PE=5/253/2

より

QB=5-5/2-9/5=7/10

QC=12/5+53/2

BC2= QB2+QC2=25+123・・・・・回答

ようやく初等的な回答を思いつきました。これなら、三角形の相似と、ピタゴラスの定理で解けるので

中学校レベルで何とかなりそうです。(PBP=Rが成り立つところをうまく使い切るのがこの問題の骨子ですね)

3,4,5以外のピタゴラス数であれば(直角三角形に気づかず)思いつかなかったと思います。

高校以上になると、座標や三角関数、微分積分で力ずくで結構解けてしまうので、総合幾何がないがしろにされる傾向がありますが、ラングレーの問題などは数学セミナー(や先生の問題)にも出題され学生時代に友人らとともに頭に汗をかいた記憶があります。

 

 

NO6「他力本願」        04/23 1211分 受信  更新 5/8

 

時折、問題を拝見させて頂いているのですが、普段は、私には難易度が高すぎて手も足もでません。ただ、今回の問題は見覚えがあったので、コメントさせて頂きます。

 

 

今回の問題、Martin Erickson 著、”Aha! Solutions (ISBN: 9780883858295) 46 ページの問題 Whats the side length ?  と同じかと思います。この本の出版は 2008 年ですが、この手の問題自体はかなり以前から知られているようです (1990 年代の数学オリンピックに出題されたらしい)。私の力不足で初出は分かりませんでした。 あくまでも、私見ですが、どうやら Pompeiu (ポンペイウ) の定理 (1936 年発表) に行き着くようです。

 

この本での解法を簡単に説明すると、正三角形 ABC の頂点 B を中心に時計回りに 60 度回転させた時、点 P が移動した先を点 Q とします。三角形 BQC において、辺 BQ CQ の長さはそれぞれ 3 4。また、角 CQP 90 度、角 BQP 60 度。なので、角 BQC 150 度 となります。

 

ここで余弦定理より、

 

BC^2 = 3^2 + 4^2 - 2*3*4*cos(150°) = 25 + 12*3

 

となることが分かります。

 

図を描けば (見れば) 一目瞭然かと思いますので、以下に、この本の問題と解答の Google Books へのリンクを貼っておきます。

 

What’s the side length?

 

 

この他にも、一般解として、座標、作図、余弦定理の連立方程式、対称性による解法などが知られているようです。あと、変わったところしては、高さが 0 の四面体 P-ABC を考えて、Piero della Francesca の公式  (四面体の各辺の長さが判っている時、その四面体の体積を求める公式、いわゆる、四面体のヘロンの公式) を適用して、体積が 0 になるとして方程式を解いても答えが得られます (結果としては、余弦定理の連立方程式と同値)

 

が、いずれも力技が必要だったり計算量が多かったりするので、この問題に関しては、各辺の長さが 345 となる三角形が直角三角形であることを利用した回転による解法が、まさに、Aha! Solution ではないかと思います。

 

また、整数解も興味が持たれているようで (これが、数学オリンピックに出題された模様)、上記本でもこの問題の解法の直後にも触れられています (一般解を使用)

 

以下に、各種の解法へのリンクも貼っておきます。いずれも、一般解を扱っています。

 

Point in a triangle (余弦定理の連立方程式、作図、整数解、回転、対称性

Geometry Problem Revised (回転、座標)

 

 

いずれのリンク先は、英語ですが、図や数式があるので理解できるかと思います。

 

NO7「二度漬け白菜」     05/01 1115分 受信  更新 5/8

 

本問を一般化した次のような問題を考え,これに解答を与える.

 

[一般化問題]
「正三角形ABCの内部に点Pがあり,PA=xPB=yPC=z である.
このとき正三角形の一辺の長さを xyz で表せ.」


[
解答]
正三角形ABCの一辺の長さを L とする.
ABCの面積を [ABC] というふうに書くことにする.

直線ABに関して,点Pと対称な点をD
直線BCに関して,点Pと対称な点をE
直線CAに関して,点Pと対称な点をF
とする.

APB≡△ADB,△BPC≡△BEC,△CPA≡△CFA であるから,
(
六角形ADBECFの面積)=2*[ABC] である.
また,
(
六角形ADBECFの面積)=[ADF]+[BED]+[CFE]+[DEF]
でもある.
つまり,
2*[
ABC]=[ADF]+[BED]+[CFE]+[DEF] ---(1)

BDEにおいて,BD=BE=y,∠DBE=120°であるので,DE=(3)*y
同様に考えて,EF=(3)*z FD=(3)*x
ヘロンの公式を使って,
[
DEF]=(3/4)*((x+y+z)*(-x+y+z)*(x-y+z)*(x+y-z)) ---(2)

(1)(2)より,
2*((
3)/4)*L^2=((3)/4)*x^2+((3)/4)*y^2+((3)/4)*z^2+(3/4)*((x+y+z)*(-x+y+z)*(x-y+z)*(x+y-z))

これより,
L^2=(1/2)*(x^2+y^2+z^2)+((
3)/2)*((x+y+z)*(-x+y+z)*(x-y+z)*(x+y-z))

つまり,
L=
((1/2)*(x^2+y^2+z^2)+((3)/2)*((x+y+z)*(-x+y+z)*(x-y+z)*(x+y-z))) (一般化問題の答え)

 

 

本問は,x=4y=3z=5 の場合であるので,
L^2=(1/2)*(4^2+3^2+5^2)+((
3)/2)*((4+3+5)*(-4+3+5)*(4-3+5)*(4+3-5))
=(1/2)*(50)+((
3)/2)*(12*4*6*2)
=25+12*
3

つまり,
正三角形の一辺の長さは,25+12*3 の正の平方根.

 

 

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Yahoo知恵袋にも同じ問題が投稿されていますね.
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181851046


『平面幾何 パーフェクト・マスター』 (鈴木晋一 編著  日本評論社)という本があります.
この本の54頁には,今回の数学的な応募問題とほぼ同じ問題が収録されています.この本の162頁には解答が載っているのですが,その解法は上記のYahoo知恵袋のものと同様のものです.

 

<水の流れ:この問題に関して奥行きの深さに驚いています。皆さんからのいろんな解法と情報に末筆ながら深く深く感謝する次第です。勉強になりました。数学って本当に素晴らしい学問です。最高と叫びたい。>

皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。