令和3年8月22日

[流れ星]

  第404数学的な連続応募問題

    <解答募集期間:8月22日〜919日>

        田代神社の算額(2)

田代神社

岐阜県養老郡養老町高田  田代神社

 奉納算額

      現存する算額(養老町指定文化財)  縦65cmチ横99cm

上の写真は、天保12年(1841)8月に関流和算家谷松茂門人・土屋信義門人が奉献した年次算額である。

第403に続いて、田代神社の奉納算額の第四問、第五問です。

 

 

 

 第四問題

訓読

 今図の如く平方内に最多弧背二条を設け、側円[円柱これを截これを斜し、その截面刑則円と名就く。]及び青・黄・赤・白・黒十一円有り。ただ黒径の若干を云うとき、最多側の長径を得る術を問うに如何。

 答えて曰く、放斜率四千零四を置き、これに六千零五十四箇を加え得た平方これを開き、極を号して方斜五十三を置き、これに四十零を加えて得た内より極を減じ、余りを黒径に乗じて最多円の長径を得る。

 

関 流 谷松茂門人 土屋武三郎信篤 

謹考

 

 

 

 題意

正方形内に四分円弧を書き、その内に円弧に接する最大な青円を書き、順次に接する黄、黒円の二個ずつ入れる。

 そして正方形の二辺に長軸と短軸がそれぞれ平行になるような楕円が正方形と円弧に接している。その楕円に内接する最大な赤円を書き、この赤円と楕円の長軸の端でこの楕円に接する円を白円とする。黒円が与えられているとし、白円が最大となるような楕円の長軸の長さを求めよ。

 

第五問題

訓読

 今図の如く平方内に弧背二条を設け側円及び甲乙丙一十[すなわち乙は半円なり]有り。しこうして、側円短径をして丙円径の如からしむ。ただ方面の若干を云うとき側円の長径を得る術を問うに如何。

 答えて曰く、六十二万零二百八十九箇を置き、平方を開いて、以て八百九十七箇を減ずる、余り七百二十零箇を以て、これを除き平方これを開いて得た方円に乗じて側円長径を得る。

同 土屋恭次郎信義 謹考

 

天保十二年    幽斎   谷松茂謹閲(落款)

辛丑八月

注 谷松茂は天保十二年十月三日に死去ゆえ、亡くなる直前の奉納である。

 

 

 題意

与えられた正方形の内に二個の半円弧を書き楕円と甲乙丙の十個の円を入れる(乙円は半円である)。楕円の短径が丙円の直径に等しいとき楕円の長径を求めよ。

 

お詫び:上の術文を823日に訂正しました。

ご迷惑をおかけしました。

 

 

参考文献   

1 「岐阜県の算額の解説」 木重治 著

2 養老・上石津神社の棟札・絵馬・古文書資料集 

岐阜県神社庁養老上石津支部 発行 2018年発行

 

 

追加問題1(提供者 ジョーカーさん)楕円と接線に関する公式

 

追加問題2(提供者 ジョーカーさん)

 

4問題を解くにあたり、必要なら次の補題を利用してください。

 

皆さん、問題や質問に答えてください一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。