平成15年4月15日

[流れ星]

        第117回数学的な応募問題解答

          <解答募集期間:4月1日〜4月15日>

[人生模様]

   

太郎さんの学校では、離任式が今年から3月の下旬に行われる終業式の中でありました。特に、担任のある場合は
生徒の驚きは大変なものがあります。19年間在職されて、今年退職される先生の話の中で、「人生には、3つの坂があります。
登り坂、下り坂、あと1つ皆さん、分かりますか?」生徒からは返事のないのを見計らって、「それは まさか の さか です。皆さん、この まさか に出会ったときに 動じることなく、人生を生き抜いてください。」大変ユニークな話でした。

ここで、問題です。

人生の中で、n個の登り坂とn個の下り坂に出会ったとします。
そうすると、どんなライフライン(人生模様)ができるでしょうか。
ただし、人生の始まりの地点から、決して下がらないとしてください。
例えば、n=1場合は、(登り、下り)は良いですが、(下り、登り)は起こらないとします。したがって、1通り。
    n=2場合は、(登り、登り、下り、下り)、(登り、下り、登り、下り)は良いが、
           (登り、下り、下り、登り)、(下り、下り、登り、登り)などは起こらないとします。
    したがって、2通りのライフライン(人生模様)があることになります。

問題1:n=3の場合は、何通りのライフライン(人生模様)になるか。

問題2:n=4の場合は、何通りのライフライン(人生模様)になるか。

問題3:一般に、何通りのライフライン(人生模様)になるか。nで示してください。

NO1「H7K」さん      3/31: 21時01分 受信 更新4/15
(微かな記憶を辿り)カタラン数では.
以下,(n,r)=nCrとします.
1. C_3=(6,3)/4=5.
2. C_4=(8,4)/5=14.
3. C_k=(2n,n)/(n+1).

NO2「Kashiwagi」さん  4/03: 08時36分 受信 更新4/15

117回解答

今、登りを○、下りを×で表すと

問1.

n=3の場合は○×合計6個のものを並べる順列、ないし、6個の中から3個を選ぶ組み合わせだから、C=20通りである。
このうち、最初に×のくる組み合わせ10個と×の連続で○より×の数が先行する組み合わせ5個を引くと、求めるものは5個となる。

 

問2.

n=4の場合も同様にして、C=70通りである。このうち題意に適さない組み合わせは

56個であるので、求めるものは14個である。

 

問3.

ところで、n=1の場合は2通りのうち1個、n=2の場合は6通りのうち2個である。

この4つの事例を良く見ると、

求める組み合わせ/全部の組み合わせ=1/(n+1)となっている事が分かる。因って、

求める組み合わせ=全部の組み合わせ/(n+1)となる。

これより、nの場合は

  2nC/(n+1)が求めるものである。

<「Kashiwagi」さんから>今回の問題の一般解の美しさには感嘆致しました。問題文の事例を分かりにくくしているのはこの解答に至るためだったと気づきました。こ
れは試行錯誤で見つけられたのですか?それとも有名な定理なのですか。

<水の流れ>今回は、カタラン数の本質を知っていれば、身近な出来事と結びつけて作問できます。
過去の応募問題で このカタラン数になる応募問題は

「大縄飛び」」
http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/kadai/kadai36a.html

「正2n角形」
http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/kadai/kadai44a.html

「机の積み方」

http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/kadai/kadai59a.html

後、「釣り銭」の問題もあります。

で、ときどき 作問しています。お立ち寄りください。ライフラインとか人生模様なってのは私の飾り言葉にしか過ぎませんけど。

NO3「toru」さん    4/04: 09時34分  受信 更新4/15
第117回解答

問題1 登り:A 下り:BとしてAAABBB、 AABABB、AABBAB、ABAABB、ABABABの5通り。
問題2 同様にAAAABBBB、AAABABBB、AAABBABB、AAABBBAB、AABAABB、AABABABB、
AABABBAB、AABBAABB、AABBABAB、ABAAABBB、ABAABABB、ABAABBAB、ABABAABB、
ABABABABの14通り。
問題3 登り、下りの順に条件がないとすると2nCn通り。このうち条件に合わないものは、
左から見ていった場合(Bの数)>(Aの数)となる点が存在する。
A:n個B:n個 計2n個の並びのうち(Bの数)>(Aの数)となる点があるものの集合をUとし、
A:n-1個 B:n+1個、計2n個のの並びを集合をVとする。Uから任意の並びuをとり、
初めて(Bの数)>(Aの数)となった点より後ろのAとBを入れ替えて
できた並びをvとすると、uは初めて(Bの数)>(Aの数)となった点より前では、
(Bの数)=(Aの数)+1、それより後ろでは(Aの数)=(Bの数)+1なので、
ここのAとBを入れ替えることでvは A:n-1個 B:n+1個の並びとなり、vはVの要素である。
さらにu≠u’なら明らかにv≠v’ だから、(Uの要素の数)≦(Vの要素の数)--?。逆にVから任意の並びをとっても、必ず(Bの数)>(Aの数)となる
点が存在し、初めてそうなった点より後ろのAとBを入れ替えることで全く同じ議論で(Uの要素の数)≧(Vの要素の数)---?が示される。??より
(Uの要素の数)=(Vの要素の数)=2nCn-1。 これから、求めるライフラインの数は
2nCn−2nCn-1=(2n)!/n!n!−(2n)!/(n-1)!(n+1)!=(2n)!/n!(n+1)!=2nCn/(n+1)

これはカタラン数ですね、カタラン数の一般項の求め方はいくつかあるようです。上記は、私のオリジナルでは全然ありませんが、
以前に格子の一点から一点までの最短距離で対角線より下へ出ない、下へ出たものは、そこで折り返して、一対一対応だか
ら、と書いてあるのを読んで何か騙されたような気分になっていたのを、少しアレンジして、もう少し厳密にまた図がなくても分かるように書いたつもりですが、
くどいと言われそうですね。 ペンネーム Toru

NO4「浜田」さん    4/07: 14時58分  受信 更新4/15
次の通り.エクセルのマクロで解きました.GRAPESで調べたところ,6次以下のnの整式で表す事は出来ないようです.

n 組合せ
1 1
2 2
3 5
4 14
5 42
6 132
7 429
8 1430
9 4862
10 16796
11 58786
12 208012
13 742900

Option Explicit
Const n_MAX As Integer = 13 '********
Sub Macro1()
    Sheets("Sheet1").Select
    Dim a(n_MAX * 2) As Integer
    Dim n As Integer
    For n = 1 To n_MAX
      Cells(n, 1).Value = n
      Cells(n, 2).Value = 0
      Call saiki(n, 1, a())
    Next n
End Sub
Sub saiki(ByVal n As Integer, ByVal m As Integer, ByRef a() As Integer)
    Dim takasa As Integer
    Dim b(1) As Integer
    Dim j As Integer
    a(m) = -1
    While a(m) <= 1
      takasa = 0
      For j = 0 To 1
        b(j) = 0
      Next j
      For j = 1 To m
        takasa = takasa + a(j)
        If a(j) = -1 Then
          b(0) = b(0) + 1
        Else
          b(1) = b(1) + 1
        End If
      Next j
      If takasa >= 0 And b(0) <= n And b(1) <= n Then
        If m < n * 2 Then
          Call saiki(n, m + 1, a())
        Else
          Cells(n, 2).Value = Cells(n, 2).Value + 1
        End If
      End If
      a(m) = a(m) + 2
    Wend
End Sub

NO5「UnderBird」さん 4/09: 12時51分 受信 更新4/15
カタラン数についての詳しい解説が次のHPにあります。

http://www80.sakura.ne.jp/~aozora/taiwa/node85.html
今回この解説以上の解答は私には無理でしたので、ご紹介(もしかしたらこのHPを
知っていらっしゃるかも知れませんが)させていただくのみでお願いします。

<水の流れ>そうです。あまり見てはいませんが、このサイトを開いたことはあります。
参考になりますね。でも、あまり研究はしていませんが、

私のサイトでは、以下にあります。
http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/jyugyo/bokansu3.htm

http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/jyugyo/suugaku21.html


NO6「中川幸一」さん 4/14: 19時40分 受信 更新4/15
今回は図形を描いたので一太郎で作りました。
問題3の解答をかなり手抜きしてしまいました。
求め方等は他の人がしてくれていると思いますが, もし誰もしていないようでし
たら改めてメールをお送りします。


NO7「午年のうりぼう」さん 4/15: 23時58分 受信 更新4/20

第117回数学的な応募問題 [人生模様]

(解答)              

 

 

 

 

図1(通り)

14

 

↓×2

↓×3

↓×4

↓×5

↓×(n+1)

図2(通り)

=2

=6

=20

=70

2n

 


表 1

 

問題文の「人生模様」を図1のように表す。ただし、この「人生模様」は右上または右

下にのみ進めるとする。また、「地下」に潜ることを認めるとすると、「人生模様」は図

2のように表すことができる。ただし、この「人生模様」は右上または右下にのみ進める

とする。ここで、図1中の丸数字はその地点まで行く「人生模様」の数を表している。

 

 表1は、図1と図2との関係をまとめたものである。

 

問題1.

    表1により、5通り。…(答)

 

問題2.

    表1により、14通り。…(答)

 

問題3.

    表1により、      …(答)

 

 

NO8 「RARAちゃん」  4/16: 10時47分 受信 更新4/20

問題1の答え:5とおり

 

問題2の答え:19とおり

 

問題3の考え:

 

2進数とみなして、

登り=1、くだり=0として人生の前半に+を溜め込まないとつらいらしい。

後半の人生は前半に照らしあわせて、下記のように最低でも1,0が反対のならべかたとそれ以上の数の組み合わせのような気がします。すべてのケースの洗い出しは自力では難しくてできない。

例えば前半1100なら後半は”0011”とそれ以上の

”0101

”0110

”1001

”1010

”1100

 

まるで自分のことのように思えて感慨深いです。お邪魔しました。

 

    

 

<自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp