平成15年9月28日

[流れ星]

        第126回数学的な応募問題解答

          <解答募集期間:9月28日〜10月26日>

[自然数解]

   

先日行われた第44回国際数学オリンピック(IMO)日本大会で、日本選手の成績は金メダル1個、銀メダル3個 銅メダル2個でした。
また、成績上位国 1位 ブルガリア 2位 中国(満点1人) 3位 アメリカ 
4位 ベトナム(満点2人) 5位 ロシア 6位 韓国 7位 ルーマニア 8位 トルコ 9位 日本と大健闘でした。
そこで、来年出場したいという意欲にある皆さんに、次のような問題を提供します。

問題1.次の等式を満たす自然数の組(a、b、c)をすべて求めよ。

(1+1a)×(1+1b)×(1+1c)=2

ただし、1aはaの逆数のことです。

問題2.次の等式を満たす自然数の組 (a、b)は存在しないことを示しなさい。

      a−2b=0

<出典:問題1は1995年の英国数学オリンピック2次試験から。29日に記載>

NO1「H7K」さん       9/27: 20時52分 受信 更新10/26
問題2について
a^2を素因数分解した時の2の個数は偶数,一方,2b^2を素因数分解した時の2の個数は奇数.
問の式はa^2=2b^2と変形できるが,先より明らかにこの式を満たす自然数解は存在しない.//

a=√2 * bだが,√2が無理数であるので明らか,なんてやるのは反則かな? ^^;

      「H7K」さん        9/27: 21時19分 受信 更新10/26
問題1.

a>=b>=cとする.明らかにc>1.
(5/4)^3=125/64<2より,c<4.

c=2のとき:
(a+1)(b+1)/ab=4/3より,ab=3(a+b+1)…(*)
また,(8/7)^2<4/3より,b=2,3,4,5,6.
(*)に順次数値を代入すると(簡単なので略),a>=bかつa in Nなのはb=4,5,6のとき.

c=3のとき:
同様に,ab=2(a+b+1),(6/5)^2<3/2=2/(4/3)より,b=3,4.
これも先と同様に検証すると,b=3,4のとき.

以上より,題意を満たすのはこれだけ.それぞれの場合につきaを計算すると(a,b,c)の組は
(15,4,2) 16/15 * 5/4 * 3/2 =2
(9,5,2) 10/ 9 * 6/5 * 3/2 =2
(7,6,2)   8/ 7 * 7/6 * 3/2 =2
(8,3,3)   9/ 8 * 4/3 * 4/3 =2
(5,4,3)   6/ 5 * 5/4 * 4/3 =2
のみ.

NO2「Kashiwagi」さん 9/29: 7時50分 受信 更新10/26
126回解答

問題1.

左辺は全て仮分数である。因って三項の積が1×1×2と言うようなことは起らない。

では考えられるものは例えばa+1=b、b+1=cで (c+1)/a = 2 の様な場合である。

これより三元連立方程式を解いて、自然数a=3、b=4、c=5を得る。

以上より、求めるものは

(3,4,5)(3,5,4)(4,3,5)(4,5,3)(5,3,4)(5,4,3)となる。

 

問題2.

a2−2b2=0を因数分解すると

a−√2b)(a+√2b)=0

a,bは自然数であるから、a−√2b=0でなければならない。

ところが√2bは無理数であり、上式を成立させるにはaも無理数でなければならない

ことになり、最初の条件であるaは自然数に矛盾する。因ってa2−2b2=0を満たす

自然数の組(a、b)は存在しない。

 Kashiwagi」さん  10/03: 7時55分 受信 更新10/26

お世話になります。本日出勤途中に電車の中で考えておりましたら、3/24/3の積に すれば良いことに気づきました。そんな訳で今回得た他の解を送信させて頂きます。
 (2,6,7)(2,7,6)(6,2,7)(6,7,2)(7,6,2)(7,2,6)

Kashiwagi」さん  10/05: 9時32分 受信 更新10/26

お世話になります。何気なく計算していたら閃きましたので解答を送付させて頂きます。
何回も々申し訳ございません。どうもキチンと整数論で考えないといけないようですね。
本日は忙しいので月曜日から時間を見つけ、じっくり取り組んで見ます。分かりましたら 返信させて頂きますのでご指導の程宜しくお願い申し上げます。
(2,4,15)(2,15,4)(4,2,15)(4,15,2)(15,4,2)(15,2,4)

Kashiwagi」さん  10/10: 7時26分 受信 更新10/26

お世話になります。少々時間が取れましたので、頂いた解は5組存在しますと言う ヒントに基づきじっくり考えてみました。
整数論と仮分数の考え方をミックスし、どうにか解に辿着く 事が出来ました。色々計算し、最少数は2と3しかなさそうだとの直観でせめると、あーら不思議 と言うくらい簡単に解けました。
正解に至る模範解答を楽しみに待たせて頂きます。 面倒なので、a
bcとして一組のみ書かせて頂きます。
 (2 4 15) (2 5 9) (2 6 7) (3 3 8) (3 4 5)

NO3「toru」さん     9/30: 12時45分 受信 更新10/26
 
問題1、与式は、a,b,cについて対称であるから、a≦b≦cとして考える。
この時(1+1/a)≧(1+1/b), (1+1/a)≧(1+1/c) だから(1+1/a) ^3≧(1+1/a)(1+1/b)(1+1/c)=2
 左辺はaが大きくなるほど小さくなり a=4の時、(1+1/4)^3=125/64<2 だから、a≦3すなわちa=1 or 2 or 3となる。
1) a=1 の時 与式は(1+1/b)(1+1/c)=1となるが(1+1/b)(1+1/c)>1だから不適
2) a=2 の時 与式は(1+1/b)(1+1/c)=4/3展開して整理するとc(b-3)=3b+3よりb-3>0で
 c=3+12/(b-3) これから(b≦cも考慮して)b=4の時c=15, b=5の時c=9, b=6の時c=7 が題意を満たす。
3) a=3 の時 与式は(1+1/b)(1+1/c)=3/2 展開して整理するとc(b-2)=2b+2 よりb-2>0で
 c=2+6/(b-2) これから(b≦cも考慮して)b=3の時c=8, b=4の時c=5,が題意を満たす。
以上まとめると(2,4,15) (2,5,9) (2,6,7) (3,3,8) (3,4,5) (およびその並べ替え)が、題意を満たす。

問題2 1から始めて1ずつたしていって得られる数を自然数として、加法と乗法を定義すると次の性質が成り立つ。
  (1)自然数の部分集合には最小の要素が存在する。
  (2)与えられた自然数a,bについてa<nbとなるような自然数nが存在する。
まず、(1)(2)より(3)自然数aとa^2 の偶奇性は一致することを示す。
 (2)のnは自然数の部分集合だから(1)から細小の要素がありそれをq+1(q=0,1,2--)とすれば
qb≦a<(q+1)b となりa=qb+r (r=1,2,--(b-1))とおける。またさらにa=q’b+r’とおけたとし、q>q’
 すなわちq≧q’+1とすれば、a≧qb≧(q’+1)b=q’b+b>q’b+r’=a (q<q’でも同様)で矛盾するからq=q’
従ってr=r’となりこのおき方は一通りに決まることが分かる。(除法の原理) 
b=2の時を考えれば、a=2q+r(r=0 or 1)
 すなわちすべての自然数は偶数(r=0)と奇数(r=1)に分けられる。
ここでa^2=(2q+r)^2=2(2q^2+2qr)+r^2 (r=0ならr^2=0,r=1ならr^2=1)よりaが偶数(奇数)ならa^2も偶数(奇数)。
逆にa^2が偶数(奇数)の時、aは奇数(偶数)ではあり得ない(aが奇数(偶数)ならa^2も奇数(偶数)となる)から偶数(奇数)となり(3)が示された。
 ある自然数の組(a,b)についてa^2-2b^2=0 が成り立つと仮定する。この集合のaに着目すれば
(1)からaが最小となる要素が存在し、この1つを(c,d)とする。
c^2=2d^2よりc^2は偶数、
 従って、(3)からcも偶数、c=2c’(c’も自然数でc>c’)とすれば
2c’^2=d^2となってd^2も偶数で(3)からdも偶数となる、d=2d’(d’も自然数)とおくとc’^2=2d’^2が成り立ちcが最小とした仮定に矛盾する。

前回はさぼってしまいましたが、またよろしくお願いします。問題2のような問いは
どこまで明らかとして扱ってよいか、迷うところがあります。 
a^2-2b^2=(a-√2b)(a+√2b)=0より、√2=a/b、√2は無理数だから矛盾というのは明らかにダメにしても、
a^2=2b^2として両辺を素因数分解すると左辺は2が偶数個、右辺は2が奇数個で矛盾というのはどうでしょう。
素因数分解は一通りに決まると言うことを証明しなければいけないのかと思ったりして、
結局、解答のようにしてみましたが、まわりくどくてどうも好きになれません。ところで数学オリンピックというのはどういった人達が参加するのですか?

NO4「芋焼酎」さん  9/30: 19時55分 受信 更新10/26
初めまして。芋焼酎と申します。

第126回の自然数解の問題を読んでいたら解けたのでお送りします。結構時間かかりました。

問題1
与式=(a+1/a)*(b+1/b)*(c+1/c)
とすると、分母と分子を相殺するのが手っ取り早いです。
そうすると、

a+1 n(a+1)+1 m(n(a+1)+1)+1
---- * --------  * --------- = 2
a n(a+1) m(n(a+1)+1)

となります。第2項はa+1の倍数が分母に来るということになります。第3項は第2項の分子の倍数が
分母にきます。これを計算すると、
a = 1 + n + 1/nm
となり、n,mは1以外にaの解を満たすことができません。n,mに1を代入すると、

a+1 (a+1)+1 (a+1)+2
---- * --------  * --------- =2
a (a+1) (a+1)+1

このような式になります。
また、aは3となるので、
答えは、(a,b,c) = (3,4,5),(4,3,5),(5,3,4),(3,5,4),(4,5,3),(5,4,3)
となります。


問題2です。
a,b自然数とすると、
a/b=√2
とすることができます。しかし、b=1で、a=√2となり、これは矛盾です。
よって仮定は満たされないので、式は成り立ちません。

   「芋焼酎」さん  9/30: 22時01分 受信 更新10/26 
こんばんは。
問題1は
> a = 1 + n + 1/nm
とかいていましたが、
a = 1 + 1/n + 1/nm
ということで、n=2で、a=2もみたされます。

よって答えは先ほどの答えと(2,6,7)…の6組の全部で12組でしょうか。
まだあったらおてあげです。笑

問題2はもう少し考えます…
自明じゃ問題にならないですよね〜。やけに簡単すぎると思いました。
  

   「芋焼酎」さん   10/02: 16時17分 受信 更新10/26
どうも芋焼酎です。
3度目ですね。何度も何度もすいません。

問題1は、
(a+1)(b+1) c
----------- = -----
2ab (c+1)
と変形します。
すると、

(a+1)(b+1) = kc
2ab        = k(c+1)
となり、cを消去すると、
(a-1)(b-1) = 2 + k
となります。このkを1の場合から順番にあてはめ、合うaとbを
探します。
そうすると得られる組み合わせは、
(2,4,15)6組
(3,3,8)3組
(2,5,9)6組
(2,6,7)6組
(3,4,5)6組
計27組です。どうでしょう?
k=13で、15が出てくるのでおそらくこの先は無いと思います。
なんでかわかりませんが…。

問題2ですが、
ちょっと友人に聞きましたので、解答を示します。
a~2 = 2・b^2
となります。aは自然数なのでaは偶数です。
ということで、a = 2c(cは任意の自然数)となります。
上式のaに代入すると、4・c^2 = 2・b^2、2・c^2 = b^2となります。
今度は、bは偶数ということになります。
ゆえに、b = 2d(dは任意の自然数)となります。
これを代入すると、4・d^2 = 2・c^2、2・d^2 = c^2
となります。
こうすると、与式から解いた、a/b = √2は
√2 = a/b = 2c/2d = c/dとなります。
同様に、
c/d = 2e/2f = e/f
となり、
√2 = a/b = c/d = e/f …
と永久に続きます。ゆえに、√2は分数で表すことができないので、
√2は無理数であることが証明されました。

よって、元の式はa,bに当てはまるような自然数の解は存在しません。

NO5「kasama」さん   9/30: 22時45分 受信 更新10/26
<コメント>
今回も楽しい問題を出題して頂きありがとうございました。前回は本当に難問でした。
中尾様の解答をみても理解するのがやっとの状態です。
 さて、今回も解答をお送りさせて頂きます。私の年齢では数学オリンピックに出場できませんが(もっとも、高校生であったとしても、到底無理な話ですが)、
オリンピックに出場した気分で問題に取り組みました。
<水の流れ>確か、数学オリンピック開催年の7月1日時点で18歳以下であり、かつ高校または中学に在学している者とあります。 

【問題1】

 

@解の存在範囲の特定

まず、abcとしても考えても一般性を失いません。すると、

 (a,b,c)=(4,4,4)のとき(1+1/4)(1+1/4)(1+1/4)=125/64<2

なので、a4では不都合であることがわかります。明らかにa=1ではいけないので、与式に解が存在するとすれば、a23でなければなりません。

 

A各ケースでの解の算出

a=2の場合]

 (b,c)=(7,7)のとき(1+1/2)(1+1/7)(1+1/7)=96/49<2

なので、b7では不都合なので、解が存在するとすれば、b3456でなければなりません。

b=3の場合

 (1+1/2)(1+1/3)(1+1/c)=2 ⇒ 解なし

b=4の場合

 (1+1/2)(1+1/4)(1+1/c)=2 ⇒ c=15

b=5の場合

 (1+1/2)(1+1/5)(1+1/c)=2 ⇒ c=9

b=6の場合

 (1+1/2)(1+1/5)(1+1/c)=2 ⇒ c=7

以上から、a=2のときの解は、(a,b,c)=(2,4,15),(2,5,9),(2,6,7)となります。

a=3の場合]

 (b,c)=(5,5)のとき(1+1/3)(1+1/5)(1+1/5)=48/25<2

なので、b5では不都合なので、解が存在するとすれば、b34でなければなりません。

b=3の場合

 (1+1/3)(1+1/3)(1+1/c)=2 ⇒ c=8

b=4の場合

 (1+1/3)(1+1/4)(1+1/c)=2 ⇒ c=5

以上から、a=3のときの解は、(a,b,c)=(3,3,8),(3,4,5)となります。

 

B解を拡張

Aの結果を基に、abcの制約を外して、解を求めると、以下の27個になります。

(2,4,15),(2,5,9),(2,6,7),(2,7,6),(2,9,5),(2,15,4),

(3,3,8),(3,4,5),(3,5,4),(3,8,3),

(4,2,15),(4,3,5),(4,5,3),(4,15,2),

(5,2,9),(5,3,4),(5,4,3),(5,9,2),

(6,2,7),(6,7,2),

(7,2,6),(7,6,2),

(8,3,3),

(9,2,5),(9,5,2),

(15,2,4),(15,4,2)

 

【問題2】

たぶん、期待された解答ではないでしょうけれど・・・与式を

 (a/b)2=2 ⇒ a/b=2

と変形して、

2が有理数でない⇒a/bが有理数でない⇒abが自然数でない

と考えます。つまり、問題の証明を√2が有理数でないことの証明に帰着させます。√2が有理数でないことの証明方法はいくつかありますが(入試でも、たまに出題されるようですね)、整数論の問題なので証明も整数論でやります。

[証明]

背理法で証明します。√2が有理数であると仮定します。すると、√2は適当な素因数に分解できて

 √2=p1α1p2α2・・・pnαn

両辺を2乗すると、

 2=p12α1p22α2・・・pn2αn

となりますが、左辺の素数2の指数は1ですが、右辺の素数はすべて偶数となっています。これは、素因数分解の一意性に反します。よって、√2が有理数ではありません



NO6「まりも猫」さん 9/30: 23時51分 受信 更新10/26
問題2.次の等式を満たす自然数の組 (a、b)は存在しないことを示しなさい。

証明  a−2b=0 =2b

a>0、b>0で両辺の平方根を取ると a=√2b となり、

したがって b/a=√2 となる。

ここで、√2  は、無理数なので、互いに素であるようなa,bは存在しないので、等式を満たす自然数の組 (a、b)は存在しない   (証明終わり)

NO7「UnderBird」さん10/01: 11時32分 受信 更新10/26
<コメント>
よろしくお願いします。毎回ワードの添付ファイルですが、皆さんは主にどうやって解答ファイルを作成しているのでしょう

<水の流れ>ワードの添付ファイルで構いません。ただ、数式が大変だと思っています。
多くの応募者はワードの添付ファイルです。他には「一太郎」 また、「中川幸一」さんは、「Mathematica」です。
 さらに、「kasama」さんは、HTML形式で書かれていますから、一番簡単ですけど。変換しなくていいからです。
 以上、参考になりましたでしょうか。しかし、気がついたのですが、その後、添付ファイルが送信されませんでした。
もし、お忘れならすぐに、お送りください。

NO8「15KARATSOUL」さん10/19: 00時27分 受信 更新10/26
お久しぶりです。15KARATSOULです。
あまりに久しぶりの挑戦なのでボケをかましているでしょうがそこらへんはご勘弁を。では。

問題1の解答です。
a≦b≦cとして考えます。与式を変形して,
1/c=((a-1)b-a-1)/(a+1)(b+1)……@
cは自然数ですからa≠1かつb≠(a+1)/(a-1)……Aです。
@の両辺の逆数をとると
c=(a+1)(b+1)/((a-1)b-a-1)
この式をa=2から調べていきます。
ま,アタリをつけたわけです。(苦笑)

@)a=2のとき
Aよりb≠3です。このとき,
c=3(b+1)/(b-3)=3+12/(b-3)
cは自然数ですからb≧4です。
この式から条件を満たす自然数の組(b,c)を探しますと
(4,15),(5,9),(6,7)がありますから,(∵b≦c)
(a,b,c)=(2,4,15),(2,5,9),(2,6,7)
となります。あとはこれらの( )内の数の順列が解となると思います。

A)a=3のとき
Aよりb≠2です。このとき,
c=4(b+1)/(2b-4)=2+6/(b-2)
@)と同様に考えてb≧3で探しますと
(3,8),(4,5)がありますから,
(a,b,c)=(3,3,8),(3,4,5)
となり,解はこれらの( )内の数の順列になると思います。

B)a≧4のとき
a=b=c=4としますと,与式より
(1+1/4)^3=125/64<2
となり不適となります。
a≦b≦cとして考えてますから,
a,b,cのどれも4以上になると与式を満たしません。
1+1/a,1+1/b,1+1/cのどれも1+1/4以下になりますから。
つまり与式を満たす自然数の組(a,b,c)は存在しません。

以上です。多分。

問題2の解答です。
a=1のとき,またはb=1のときは与式を満たしませんので
aもbも1ではありません。
a≧2,b≧2で与式が成立していると仮定します。
ところで,2以上の自然数nについて,
n^2はnの持つ素因数をそれぞれ偶数個持ちます。
2乗してますから。
ですからb^2はbの持つ素因数をそれぞれ偶数個持っています。
とすると2b^2は素因数としての2を奇数個持つことになります。
ところが与式より,
a^2=2b^2
ですから,a^2は素因数としての2を奇数個持つことになります。
これはa^2がaの持つ素因数をそれぞれ偶数個持つことに矛盾します。
従って,与式を満たす自然数a,bは存在しません。多分。

NO9「中尾」さんから一般の場合 10/7.10/8.10/13受信 更新10/26

第126回数学的な応募問題(問題1)を一般化した問題を考えて、少し面白い結果が得られました。

なお、このメールの内容の(日記での)公開は10月26日以降にお願いします。それまでは、こちらの「楕円曲線の話題のページ」にも公開しません。
九州大学の金子昌信様より、自明な解を教えてもらったので、追加しました。
公開予定日(10/26)まで、2週間をきりました。反響を楽しみにしています。

<水の流れ>最終の10/13受信のを載せておきます。
-------------------------------------------
不定方程式 (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2 について


n>=2を正整数の定数とする。
x_1,x_2,...,x_nを正整数の変数とする不定方程式
 (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2
について、以下の定理1〜3が証明できました。

n>=1に対して、
   F_n(x_1,...,x_n)=(1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)
とする。一般に、任意の正整数m,nに対して、
   F_n(x_1,,..,x_n)=F_1(x_1)...F_1(x_n),
   F_{m+n}(x_1,,..,x_{m+n})=F_m(x_1,...,x_m)F_n(x_{m+1},...,x_{m+n})
であることに注意する。

定理1.
  任意のn>=2に対して、
      F_n(x_1,...,x_n) = 2
  は少なくとも1つの正整数解(a_1,...,a_n)を持つ。
 n>=3なら、少なくとも2つの正整数解を持つ。

証明)
       a_1=2^(2^0),a_2=2^(2^1),a_3=2^(2^2),...,a_{n-1}=2^(2^{n-2}),
       a_n=2^(2^{n-1})-1
  または、
      a_1=n, a_2=n+1, ..., a_n=2n-1
  とすると、簡単な計算により、
       F_n(a_1,...,a_n) = 2
  であることが分かる。
   n=2の場合は、上記の2つの解は一致する。
   n>=3の場合は、上記の2つの解は異なる。■

定理2.
    n=1,2,3,4,5に対して、
       2-1/(2^(2^n-1)) < F_n(x_1,...,x_n) < 2
    を満たす正整数x_1,x_2,...,x_nは存在しない。

証明)
 [n=1の場合]
    正整数x_1が
       2-1/2 < F_1(x_1) < 2 ------- (i)
    を満たすと仮定する。
       2-1/2 < 1+1/x_1 < 2
     より、
          2 >  x_1 > 1
     を得るが、これを満たす正整数x_1は存在しない。
     よって、(i)は正整数解を持たない。■

 [n=2の場合]
    正整数x_1,x_2(ただし、x_1 <= x_2)が
       2-1/2^3 < F_2(x_1,x_2) < 2 ------ (ii)
    を満たすと仮定する。
    x_1=1は(ii)を満たさないので、x_1 >= 2である。
    x_2 >= 2^2と仮定すると、
       1 <  F_1(x_2) <= 1+1/2^2
    より、
       2-1/2 = (2-1/2^3)/(1+1/2^2) <= (2-1/2^3)/F_1(x_2) < F_1(x_1) <
2/F_1(x_2) < 2
    つまり、
       2-1/2 < F_1(x_1) < 2
    を得るが、[n=1の場合]より、これを満たす正整数x_1は存在しない。
    よって、x_2 < 2^2を得る。

    また、x_1 <= x_2より、
       (1+1/x_2)^2 <=  F_2(x_1,x_2) <= (1+1/x_1)^2  ----- (1)
    を得る。(ii),(1)より、
       2-1/2^3 < (1+1/x_1)^2 ------ (2)
       (1+1/x_2)^2  < 2 ------ (3)
    なので、
       x_1 < 1/{sqrt(2-1/2^3)-1} ≒ 2.707778735729046038448485093
       x_2 > 1/{sqrt(2)-1} ≒ 2.414213562373095048801688724
    でなければならない。
    条件より、x_1=2, x_2=3 でなければならないが、
        F_2(2,3)=2
    なので、(2,3)は(ii)を満たさない。よって、(ii)は正整数解を持たない。■

 [n=3の場合]
    正整数x_1,x_2,x_3(ただし、x_1 <= x_2 <= x_3)が
       2-1/2^7 < F_3(x_1,x_2,x_3) < 2 ------ (iii)
    を満たすとする。
    x_1=1は(iii)を満たさないので、x_1 >= 2である。
    x_3 >= 2^4と仮定すると、
       1 <  F_1(x_3) <= 1+1/2^4
    より、
       2-1/2^3 = (2-1/2^7)/(1+1/2^4) <= (2-1/2^7)/F_1(x_3) <
F_2(x_1,x_2) < 2/F_1(x_3) < 2
    つまり、
       2-1/2^3 < F_2(x_1,x_2) < 2
    を得るが、[n=2の場合]より、これを満たす正整数解(x_1,x_2)は存在しない。
    よって、x_3 < 2^4を得る。

    また、x_1 <= x_2 <= x_3 < 2^4より、
       (1+1/x_1)*(1+1/2^4)^2 <  F_3(x_1,x_2,x_3) <= (1+1/x_1)^3  ----- (4)
    を得る。(iii),(4)より、
       2-1/2^7 < (1+1/x_1)^3
    なので、
       x_1 < 1/{(2-1/2^7)^(1/3)-1} ≒ 3.871791255197218623214528186
    でなければならない。
    また、x_1 >= 2より、1+1/x_1 <= 2-1/2なので、(iii)より、
       2-1/2^7 < F_3(x_1,x_2,x_3) <= (2-1/2)*(1+x_2)^2
    である。つまり、
       x_2 < 1/{sqrt((2-1/2^15)/(2-1/2))-1} ≒ 6.464469745960035034038112043
    でなければならない。
    ここで、2 <= x_1 <= 3, x_2 <= 6, x_3 < 2^4 である(x_1,x_2,x_3)の有限の
    組合せについて、(iii)を満たすものが存在しないことを確認できる。
    よって、(iii)は正整数解を持たない。■

  [n=4の場合]
    正整数x_1,x_2,x_3,x_4(ただし、x_1 <= x_2 <= x_3 <= x_4)が
       2-1/2^15 < F_4(x_1,x_2,x_3,x_4) < 2 ------ (iv)
    を満たすと仮定する。
    [n=3の場合]と同様にして、x_4 < 2^8を得る。
    (iv)より、F_1(x_1) < F_2(x_1,x_2) < F_3(x_1,x_2,x_3) < 2であるので、
    [n=1,2,3の場合]の結果より、
       F_1(x_1) <= 2-1/2,
       F_2(x_1,x_2) <= 2-1/2^3
    を得る。これらと、x_1 <= x_2 <= x_3 <= x4 < 2^16より、
       2-1/2^15 < F_4(x_1,x_2,x_3,x_4) <= (1+1/x_1)^4,
       2-1/2^15 < F_4(x_1,x_2,x_3,x_4) <= F_1(x_1)*(1+1/x_2)^3 <=
(2-1/2)*(1+1/x_2)^3,
       2-1/2^15 < F_4(x_1,x_2,x_3,x_4) <= F_2(x_1,x_2)*(1+1/x_3)^2 <=
(2-1/2^3)*(1+1/x_3)^2
    である。よって、
       x_1 <= 1/{(2-1/2^15)^(1/4)-1} ≒ 5.285340230912947356226970375,
       x_2 <= 1/{((2-1/2^15)/(2-1/2))^(1/3)-1} ≒
9.936721159824501634036322335,
       x_3 <= 1/{sqrt((2-1/2^15)/(2-1/2^3))-1} ≒
30.49926129902252646083691237
    でなければならない。
    ここで、x_1<=5,x_2<=9,x3<=30,x_4<2^8である(x_1,x_2,x_3,x_4)の有限の
    組合せについて、(iv)を満たすものが存在しないことを確認できる。
    よって、(iv)は正整数解を持たない。■

  [n=5の場合]
    正整数x_1,x_2,x_3,x_4,x_5(ただし、x_1 <= x_2 <= x_3 <= x_4 <= x5)が
       2-1/2^31 < F_5(x_1,x_2,x_3,x_4,x_5) < 2 ------ (v)
    を満たすと仮定する。
    [n=4の場合]と同様にして、
      x_1 <= 6,
      x_2 <= 13,
      x_3 <= 45,
      x_4 <= 510,
      x_5 < 2^16
    を得る。ここで、上記を満たす(x_1,x_2,x_3,x_4,x_5)の有限の組合せにつ
いて、
    (v)を満たすものが存在しないことを確認できる。
    よって、(v)は正整数解を持たない。■

定理3.
   n=2,3,4,5,6に対して、
    (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2
   ならば、
    max{x_1,x_2,...,x_n} <= 2^(2^{n-1})-1
   である。
   よって、F_n(x_1,...,x_n)=2の正整数解(x_1,...,x_n)は有限個である。

証明)
 n=2,3,4,5,6に対して、
  (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2および1+1/x_1>1より、
    (1+1/x_2)...(1+1/x_n) < 2
であるが、定理2より、
    (1+1/x_2)...(1+1/x_n) <= 2-1/(2^(2^{n-1}-1))
となる。よって、
    1+1/x_1 = 2/{(1+1/x_2)...(1+1/x_n)} >= 2/{2-1/(2^(2^{n-1}-1))} =
1+1/(2^(2^{n-1})-1)
である。簡単な計算により、
           x_1 <= 2^(2^{n-1})-1
を得る。同様にして、
           x_i<=2^(2^{n-1})-1   , i=2,..,n
を得る。よって、
        max{x_1,x_2,...,x_n} <= 2^(2^{n-1})-1
が証明された。■


定理2,3は一般のnに対しては証明できなかったので、予想としました。

予想1.
  任意のn>=6に対して、
   2-1/(2^(2^{n-1}-1)) < (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n) < 2
  を満たす正整数x_1,x_2,...,x_nは存在しない。

予想2.
  任意のn>=7に対して、
  (1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2
  ならば、
   max{x_1,x_2,...,x_n} <= 2^(2^{n-1})-1
  である。
  よって、(1+1/x_1)(1+1/x_2)...(1+1/x_n)=2の正整数解は有限個である。

予想1が成立するならば予想2が成立することは容易に分かる。

予想1,予想2は正しそうに見えますが、証明できるでしょうか?
または、反例を見つけることができるでしょうか?

これらの予想の解決に向けて、挑戦してみてはいかがでしょうか?
    

NO10「中川幸一」さん  10/26: 02時48分 受信 更新10/26

 

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