平成１６年８月８日
[流れ星]
第１４１回数学的な応募問題解答ＮＯ２
＜解答募集期間：７月１８日～８月８日＞
［カプレカ数］
太郎さんは、「カプレカ数」について、質問を受けたとき、このような問題を考えました。
４桁の自然数（全数字が等しい数を除く）をａとし、その各位の数字の順を、大小順にしたものから小大順にしたものを引いた差をｆ（ａ）とする。任意のａに対して、
問題１：１回の操作 ｆ（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題２：２回の操作（ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題３：３回の操作（ｆ○ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題４：４回の操作（ｆ○ｆ○ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題５：５回の操作（ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題６：６回の操作（ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
問題７：７回の操作（ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ○ｆ）（ａ）＝６１７４となるａを大小順にした数を求めよ。
＜１８日夜記入コメント：いずれの操作で、初めて６１７４となる最初のａを見つけてください。＞
ＮＯ４「kasama」 7/23: 11時23分受信
更新8/8更新
このときのはデーター量が多いから、申し訳ありませんが、割愛させてもらいます。
「kasama」 7/23: 18時52分受信
更新8/8更新
さらに、このときもデーター量が多いから、申し訳ありませんが、割愛させてもらいます。
「kasama」 7/28: 16時58分受信 更新8/8更新
カプレカ数（正確にはカプレカルーチンというそうですね）について数学的に考えてみました。
何世紀も前から研究されていたトピックだと思っていましたが、以外と新しいのですね。ネット上で「Investigation into Kaprekar Process」(Robert W.Ellis &
Jason R.Lewis 2002/10/27)というpaperを見つけたのでこれで勉強しました。
【問題１～６】
各数が6174に遷移している様子と各操作回数毎の数の合計を簡単なプログラムを用いて調べました。結果を下表にしまします。
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【考察】
4桁の自然数(全数字が等しい数を除く)が、問題の操作(カプレカ操作)により6174に到達する理由について調べました。
まず、4桁の数をabcdとします。すると、9≧a≧b≧c≧d≧0としても構いませんから、4桁の自然数を大小順にした数Aは
A = 103a
+ 102b
+ 10c + d
また、小大順にした数Bは
B = 103d
+ 102c
+ 10b + a
と表せます。よって、その差は
A-B = 103(a-d)
+ 102(b-c)
+ 10(c-b) + d-a = 999(a-d) + 90(b-c)
となります。ここで、9≧a≧b≧c≧d≧0ですから、
a-d∈{1,2,3,･･･,9}
b-c∈{0,1,2,3,･･･,9}
です。なので、A-Bの値は直積{1,2,3,･･･,9}×{0,1,2,3,･･･,9}に対応付けて考えることができます。{1,2,3,･･･, 9}×{0,1,2,3,･･･,9}⇒A-Bの関係を表にすると
|
A-B |
b-c |
||||||||||
|
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
||
|
a-d |
1 |
9990 |
9810 |
9711 |
9621 |
9531 |
9441 |
9531 |
9621 |
9711 |
9810 |
|
2 |
9981 |
8820 |
8721 |
8622 |
8532 |
8442 |
8532 |
8622 |
8721 |
8820 |
|
|
3 |
9972 |
8730 |
7731 |
7632 |
7533 |
7443 |
7533 |
7632 |
7731 |
8730 |
|
|
4 |
9963 |
8640 |
7641 |
6642 |
6543 |
6444 |
6543 |
6642 |
7641 |
8640 |
|
|
5 |
9954 |
8550 |
7551 |
6552 |
5553 |
5544 |
5553 |
6552 |
7551 |
8550 |
|
|
6 |
9954 |
8640 |
7641 |
6642 |
6543 |
6444 |
6543 |
6642 |
7641 |
8640 |
|
|
7 |
9963 |
8730 |
7731 |
7632 |
7533 |
7443 |
7533 |
7632 |
7731 |
8730 |
|
|
8 |
9972 |
8820 |
8721 |
8622 |
8532 |
8442 |
8532 |
8622 |
8721 |
8820 |
|
|
9 |
9981 |
9810 |
9711 |
9621 |
9531 |
9441 |
9531 |
9621 |
9711 |
9810 |
|
となります。A-Bの値を重複を除いて、書き並べると、
5544,5553,6444,6543,6552,6642,7443,7533,7551,7632,7641,7731,8442,8532,8550
8622,8640,8721,8730,8820,9441,9531,9621,9711,9810,9954,9963,9972,9981,9990
となり、カプレカ操作後の数A-Bは上記の30種類に分類されることがわかります。ですから、操作を続けていったときの数字の遷移は、上記のケースについて調べればよいことになります。実際に調べてみると、
5544⇒9810⇒9621⇒8532⇒7641
5553⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
6444⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
6543⇒8730⇒8532⇒7641
6552⇒9963⇒6642⇒7641
6642⇒7641
7443⇒9963⇒6642⇒7641
7533⇒7641
7551⇒9954⇒5553⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
7632⇒6552⇒9963⇒6642⇒7641
7641
7731⇒6543⇒8730⇒8532⇒7641
8442⇒9954⇒5553⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
8532⇒7641
8550⇒9972⇒7731⇒6543⇒8730⇒8532⇒7641
8622⇒6543⇒8730⇒8532⇒7641
8640⇒8721⇒7443⇒9963⇒6642⇒7641
8721⇒7443⇒9963⇒6642⇒7641
8730⇒8532⇒7641
8820⇒8532⇒7641
9441⇒9972⇒7731⇒6543⇒8730⇒8532⇒7641
9531⇒8721⇒7443⇒9963⇒6642⇒7641
9621⇒8532⇒7641
9711⇒8532⇒7641
9810⇒9621⇒8532⇒7641
9954⇒5553⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
9963⇒6642⇒7641
9972⇒7731⇒6543⇒8730⇒8532⇒7641
9981⇒8820⇒8532⇒7641
9990⇒9981⇒8820⇒8532⇒7641
となり、高々7回の操作で7641に到達します。また、そのときの操作回数はa-d、b-cを計算すればわかります。
