平成21年3月22日

[流れ星]

     第221回数学的な応募問題解答

      <解答募集期間:3月1日〜3月22日

[10の倍数]

先日、生徒から受けた質問から次のような問題を考えました。

今、1から数えて順に15まで自然数がある。ここから重複を許さずn個の数を選び、

それらを全部掛け合わせて得られる数をTとする。ここで、Tがkの倍数となる個数を

(k)と表すことにする。例えば、T(2)=7、T(3)=5、T(5)=3

となります。それでは次の質問に答えてください。

問題1:T(2)、T(5)、T(10)の値を求めよ。

問題2:T(2)、T(5)、T(10)の値を求めよ。

問題3:T(2)、T(5)、T(10)の値を求めよ。

 

<「uchinyan」さんからの質問です。31日午後136分>

「ここで、Tnがkの倍数となる個数をTn(k)と表すことにする。」
この「個数」とは,「選んだ n 個の数の組の個数」でしょうか?

それとも,「Tn の個数」でしょうか?
取り敢えず,「選んだ n 個の数の組の個数」と思って解きましたが,違うのか
もしれません。

<水の流れ:誤解を招くような表現で申し訳ありません。「選んだ n 個の数の組の個数」の考えで作問しました。上の題意と捉えて応募を頂ければ幸いです。ここに修正させていただきます。>

        (31日午後7時記入)

NO1uchinyan  3/01 1336分受信 更新3/22

第221回数学的な応募問題
[10の倍数]
ごめんなさい。題意がよく分からないです。
「ここで、Tnがkの倍数となる個数をTn(k)と表すことにする。」
この「個数」とは,「選んだ n 個の数の組の個数」でしょうか? それとも,「Tn の個数」でしょうか?
取り敢えず,「選んだ n 個の数の組の個数」と思って解きます。
Tn の個数」の場合は難しそうな気がします。(考察)に少し示します。

問題1:
選んだ 2 個の数を a, b とし,ab を考えます。
なお,2 個選ぶ全体の場合の数は 15C2 = (15 * 14)/2 = 105 です。
(1) T2(2)
全体から,a, b ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
2
の倍数でない,奇数,は 8 個なので,
T2(2) = 105 - 8C2 = 108 - (8 * 7)/2 = 105 - 28 = 77
(2) T2(5)
全体から,a, b ともに 5 の倍数でない場合を引けばいいです。
5
の倍数でないのは 15 - 3 = 12 個なので,
T2(5) = 105 - 12C2 = 108 - (12 * 11)/2 = 105 - 66 = 39
(3) T2(10)
T2(5)
から,a, b ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
ただし,重複しないように,2 の倍数でなくしかも,
a
5 の倍数 かつ b 5 の倍数ではない 2 * (8 - 2) = 12
a, b
5 の倍数 2C1 = 1
そこで,
T2(10) = 39 - (12 + 1) = 39 - 12 = 26

問題2:
選んだ 3 個の数を a, b, c とし,abc を考えます。
なお,3 個選ぶ全体の場合の数は 15C3 = (15 * 14 * 13)/6 = 455 です。
(1) T3(2)
全体から,a, b, c ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
2
の倍数でない,奇数,は 8 個なので,
T3(2) = 455 - 8C3 = 455 - (8 * 7 * 6)/6 = 455 - 56 = 399
(2) T3(5)
全体から,a, b, c ともに 5 の倍数でない場合を引けばいいです。
5
の倍数でないのは 15 - 3 = 12 個なので,
T3(5) = 455 - 12C3 = 455 - (12 * 11 * 10)/6 = 455 - 220 = 235
(3) T3(10)
T3(5)
から,a, b, c ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
ただし,重複しないように,2 の倍数でなくしかも,
a
5 の倍数 かつ b, c 5 の倍数ではない 2 * (8 - 2)C2 = 2 * 6C2 = 2 * (6 * 5)/2 = 30
a, b
5 の倍数 かつ c 5 の倍数でなはい 2C2 * (8 - 2) = 1 * 6 = 6
a, b, c
5 の倍数 ありえません
そこで,
T3(10) = 235 - (30 + 6) = 235 - 36 = 199

問題3:
選んだ 4 個の数を a, b, c, d とし,abcd を考えます。
なお,4 個選ぶ全体の場合の数は 15C4 = (15 * 14 * 13 * 12)/24 = 1365 です。
(1) T4(2)
全体から,a, b, c, d ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
2
の倍数でない,奇数,は 8 個なので,
T3(2) = 1365 - 8C4 = 1365 - (8 * 7 * 6 * 5)/24 = 1365 - 70 = 1295
(2) T4(5)
全体から,a, b, c, d ともに 5 の倍数でない場合を引けばいいです。
5
の倍数でないのは 15 - 3 = 12 個なので,
T4(5) = 1365 - 12C4 = 1365 - (12 * 11 * 10 * 9)/24 = 1365 - 495 = 870
(3) T4(10)
T4(5)
から,a, b, c, d ともに 2 の倍数でない場合を引けばいいです。
ただし,重複しないように,2 の倍数でなくしかも,
a
5 の倍数 かつ b, c, d 5 の倍数ではない 2 * (8 - 2)C3 = 2 * 6C3 = 2 * (6 * 5 * 4)/6 = 40
a, b
5 の倍数 かつ c, d 5 の倍数でなはい 2C2 * (8 - 2)C2 = 1 * 6C2 = (6 * 5)/2 = 15
a, b, c
5 の倍数 かつ d 5 の倍数でなはい ありえません
a, b, c, d
5 の倍数 ありえません
そこで,
T4(10) = 870 - (40 + 15) = 870 - 55 = 815

(
考察)
最初に述べたように,「個数」を「選んだ n 個の数の組の個数」と思って解きましたが,
それとも,「Tn の個数」でしょうか?
しかしこの場合は,1 * 24 = 2 * 12 = 3 * 8 = 4 * 6 = 24 のような重複を除かなければならず,
全部を調べ上げるのはともかく,効率よく調べるのは難しそうな気がしています。
取り敢えず,プログラムで調べた結果を示しておきます。

T2(2) = 52
T2(5) = 27
T2(10) = 16

T3(2) = 190
T3(5) = 112
T3(10) = 84

T4(2) = 455
T4(5) = 294
T4(10) = 251
(
感想)
題意が今一つ掴めませんでした。勘違いしている可能性があります。

NO2「新俳人澄朝」3/06 1155分受信 更新3/22

NO3kashiwagi 3/09 2039分受信 更新3/22

221回解答

1.

@2の倍数ということは偶数であれば良く、2数同士の積で奇数となるのは、奇数×奇数しかないので全ての組み合わせから奇数の組を引けば良い。

22)=152 –82 =105-28 =77

 

A5の倍数は以下の様に表されるため、

5×○(1015以外)→12

10×○(515以外)→12

15×○(510以外)→12

5×10

5×15

10×15

      以上より39となり、T25)=39

 

B10の倍数は以下の様に表されるため、

10×○(515以外)→12

5×○(10を除く偶数)→6

15×○(10を除く偶数)→6

5×10

10×15

      以上より26となり、T210)=26

2.

@2の倍数ということは偶数であれば良く、3数同士の積で奇数となるのは、奇数×奇数×奇数しかないので全ての組み合わせから奇数の組を引けば良い。

32)=153 –83 =455-56 =399

 

A5の倍数は以下の様に表されるため、

5×○×△(1015以外の数から選ぶ)→12×11/266

10×○×△(515以外の数から選ぶ)→12×11/266

15×○×△(510以外の数から選ぶ)→12×11/266

5×10×○(15以外の数から選ぶ)→12

5×15×○(10以外の数から選ぶ)→12

10×15×○(5以外の数から選ぶ)→12

5×10×15  →1

      以上より235となり、T35)=235

B10の倍数は以下の様に表されるため、

10×○×△(515以外の数から選ぶ)→12×11/266

5×○×△(2数の積が偶数であり1015以外の数から選ぶ)→122 –6266-1551

15×○×△(2数の積が偶数であり510以外の数から選ぶ)→上記と同様に51

5×10×○(15以外の数から選ぶ)→12

10×15×○(5以外の数から選ぶ)→12

5×15×○(10以外の偶数から選ぶ)→6

5×10×15  →1

      以上より199となり、T310)=199

 

3.

@2の倍数ということは偶数であれば良く、4数同士の積で奇数となるのは、奇数×奇数×奇数×奇数しかないので全ての組み合わせから奇数の組を引けば良い。

42)=154 –84 =35×39-35×2 =35×37 =1295

 

A5の倍数は以下の様に表されるため、

5×○×△×◇(1015以外の数から選ぶ)→12×11×10/3×2220

10×○×△×◇(515以外の数から選ぶ)→12×11×10/3×2220

15×○×△×◇(510以外の数から選ぶ)→12×11×10/3×2220

5×10×○×△(15以外の数から選ぶ)→12×11/266

5×15×○×△(10以外の数から選ぶ)→12×11/266

10×15×○×△(5以外の数から選ぶ)→12×11/266

5×10×15 ×○ →12

      以上より870となり、T45)=870

 

B10の倍数は以下の様に表されるため、

10×○×△×◇(515以外の数から選ぶ)→12×11×10/3×2220

5×○×△×◇(3数の積が偶数であり1015以外の数から選ぶ)→123 –63220-20200

15×○×△×◇(3数の積が偶数であり510以外の数から選ぶ)→上記と同様に200

5×10×○×△(15以外の数から選ぶ)→12×11/266

10×15×○×△(5以外の数から選ぶ)→12×11/266

5×15×○×△(2数の積が偶数であり、10以外の数から選ぶ)→122 –6266-1551

5×10×15  →12

      以上より815となり、T410)=815    

皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、
メールで送ってください。待っています。