平成24年8月25日

[流れ星]

     第276回数学的な応募解答

      <解答募集期間:6月10日〜71

[各種三角形の確率]

2011年の岐阜薬科大学の入試問題です。一部か改題しています。

正n角形(nは3以上の整数)の頂点から重複を許して3点A,A,Aを選ぶとき、次の問いに答えよ。

「1」n=6とする。 3点A,A,A

(1)三角形ができる確率を求めよ。

(2)直角・鋭角・鈍角三角形ができる確率をそれぞれ求めよ。

「2」 n=2k(kは3以上の整数)とする。3点A,A,A

  (1)三角形ができる確率をkを用いて表せ。

  (2)直角・鋭角・鈍角三角形ができる確率をそれぞれP,Q,Rとするとき、kを用いて表せ。また、 

      

NO1「uchinyan  06/10 1624分受信 更新7/1

<コメント*この解答は,にいばりZ12さんの,NO4「にいばりZ12 07/16 0121分受信  更新7/22
のご指摘により誤りがあることが判明し,uchinyanさんご本人の希望により削除しました。
修正改訂版の,NO5「uchinyan 08/12 1755分受信更新8/13,をご覧ください。>

 

 

NO2「浜田明巳」  06/18 0849分受信 更新7/1

<コメント:。「間違った解答を送ってしまし、申し訳ありませんでした」8月25日記>

<水の流れ:こちらこそ確認を怠り申し訳ありませんでした。8月25日記>

 

「浜田明巳」  06/18 0851分受信 更新7/1

パソコンでシミュレーションをしてみた.
 それによると,三角形になる確率はほぼ1に収束,直角三角形になる確率は0に,鋭角三角形は1/4に,鈍角三角形は3/4にそれぞれ収束することが分かる.

(十進BASIC)
RANDOMIZE
DIM t(3)
DIM Ax(3)
DIM Ay(3)
DIM hen2(3)
LET shikoukaisuu=10000
LET gosa=1/1000000
FOR k=2 TO 1000
   LET s=0
   LET p=0
   LET q=0
   LET r=0
   FOR kaisuu=1 TO shikoukaisuu
      FOR j=1 TO 3
         LET t(j)=INT(RND*(2*k))
         LET Ax(j)=COS(t(j)/(2*k)*(2*PI))
         LET Ay(j)=SIN(t(j)/(2*k)*(2*PI))
      NEXT j
      IF t(1)<>t(2) AND t(2)<>t(3) AND t(3)<>t(1) THEN
         LET s=s+1
         FOR j=1 TO 3
            LET jj=MOD(j,3)+1
            LET hen2(j)=(Ax(jj)-Ax(j))*(Ax(jj)-Ax(j))+(Ay(jj)-Ay(j))*(Ay(jj)-Ay(j))
         NEXT j
         FOR j=1 TO 3-1
            FOR jj=j+1 TO 3
               IF hen2(j)>hen2(jj) THEN
                  LET dummy=hen2(j)
                  LET hen2(j)=hen2(jj)
                  LET hen2(jj)=dummy
               END IF
            NEXT jj
         NEXT j
         IF ABS(hen2(1)+hen2(2)-hen2(3))<gosa THEN
            LET p=p+1
         ELSEIF hen2(1)+hen2(2)>hen2(3) THEN
            LET q=q+1
         ELSE
            LET r=r+1
         END IF
      END IF
   NEXT kaisuu
   PRINT 2*k;s/shikoukaisuu;p/shikoukaisuu;q/shikoukaisuu;r/shikoukaisuu
NEXT k
END

 

NO3「kasama    06/19 1415分受信

kasama    06/20 0940分受信

kasama    06/21 1915分受信 更新7/1

「1」

6個の頂点から重複を許して3点を選ぶ場合数は63=216です。

(1)

三角形の頂点の選び方の組合せは6C3ですが、その順列は3!×6C3=6P3=120なので、

三角形の確率=120/216=5/9

(2)

正六角形の頂点を0,1,2,,5として、できた三角形を調べ上げると、

鋭角三角形

No

頂点(組合せ)

角度(Degree)

A1

A2

A3

A2A1A3

A3A2A1

A1A3A2

1

0

2

4

60

60

60

2

1

3

5

60

60

60

鈍角三角形

No

頂点(組合せ)

角度(Degree)

A1

A2

A3

A2A1A3

A3A2A1

A1A3A2

1

0

1

2

30

30

120

2

0

1

5

30

120

30

3

0

4

5

120

30

30

4

1

2

3

30

30

120

5

2

3

4

30

30

120

6

3

4

5

30

30

120

直角三角形

No

頂点(組合せ)

角度(Degree)

A1

A2

A3

A2A1A3

A3A2A1

A1A3A2

1

0

1

3

30

60

90

2

0

1

4

30

90

60

3

0

2

3

60

30

90

4

0

2

5

60

90

30

5

0

3

4

90

30

60

6

0

3

5

90

60

30

7

1

2

4

30

60

90

8

1

2

5

30

90

60

9

1

3

4

60

30

90

10

1

4

5

90

30

60

11

2

3

5

30

60

90

12

2

4

5

60

30

90

よって、

 鋭角三角形の確率=3!×2/216=1/18

 直角三角形の確率=3!×12/216=1/3

 鈍角三角形の確率=3!×6/216=1/6

 

「2」

n個の頂点から重複を許して3点を選ぶ場合数はn3です。

(1)

三角形の頂点の組合せはnC3=(n-2)(n-1)n/6だから、

 三角形の確率

=

=

=

(2)

n角形の中にできた三角形の角を円周角と考えて、次のように円弧に対応付けます。

A1⇔円弧A2A3

A2⇔円弧A3A1

A3⇔円弧A1A2

すると、正n角形の頂点を結んで三角形を作ることは、頂点を区切りとして、円周を3つの円弧に分割するのと同じです。そして、分割された円弧と半円の長さを比較することで、

 円弧<半円なら円周角は鋭角

 円弧=半円なら円周角は直角

 円弧>半円なら円周角は鈍角

つまり、

 @.半円より大きい円弧があれば、鈍角三角形

 A.半円と等しい円弧があれば、直角三角形

 B.@A以外なら、鋭角三角形

と判定することができます。

@鈍角三角形について。半円より長い円弧ができる場合数を求めます。

右図のように、正n角形の頂点を0,1,2,,n-1とします。頂点0を固定して、他の2個の頂点を選択する場合を考えます。すると、半円より大きな円弧を時計回りに作るには、緑枠で囲んだ頂点から残りの2つを選択すればよいことがわかります。その場合数はn/2-1C2通りですが、固定した頂点01,2,,n-1と変化しますから、すべての組合せはn×n/2-1C2=n(n-4)(n-2)/8通りです。よって、

 

Rn

=

=

=

です。極限値を計算すると、

 

Rn

=

=

=

3/4

A直角三角形について。半円と同じ長さの円弧ができる場合数を求めます。

上と同様に考えて、頂点0を固定します。すると、頂点0n/2で半円に等しい円弧ができますから、残り1個の頂点は緑枠で囲んだ中から選択すればよいことがわかります。その場合数はn/2-1通りですが、固定した頂点01,2,,n-1と変化しますから、すべての組合せはn×(n/2-1)通りとなります。よって、

 

Pn

=

=

=

です。だから、

 

Pn

=

=

0

B鋭角三角形について。

上記の@、A以外のケースなので、

 

Qn

=

三角形の確率

-

(Pn+Qn)

=

=

です。よって、

 

Rn

=

=

=

1/4

 

 

 

  

NO4「にいばりZ12    07/16 0121分受信  更新7/22

第276回各種三角形の確率の問題ですが

正n角形(nは3以上の整数)の頂点から重複を許して3点A,A,Aを選ぶとき、次の問いに答えよ。

「1」n=6とする。 3点A,A,A

(1)           三角形ができる確率を求めよ。

時間切れで応募がかなわなかったのに恐縮ですが、第275回の箱とボールの問題と同様に考えると

6個の箱に3個のボールを入れて01個の確率を求める・・・@

又は、3つのさいころを振って3個とも違う確率を求める・・・A

と同値だと思うのです。

@の場合

1×5/6×4/65/9・・・京都大学の入試問題の回答をカンニングしてしまいました・・・。

Aの場合

(6×5×4)/(6×6×6)=5/9

と書けます

いずれにしても確率を求める場合の数の分母は重複順列になると思いますが

Uchinyanさんと浜田明巳さんの回答では重複組み合わせを用いています

Kasamaさんは重複順列を用いており結果は私と同様でした。

Uchinyanさんや浜田明巳さんはこれまでのさまざまな見事な回答を拝見すると誤答をするとは考えられません

また、掲載されている限り正答なのだと思うのですが

私には、どうも理解できませんでした。

<水の流れ:これは分母・分子で数え方を同じにすれば良いのではないでしょうか。

つまり、組み合わせの考え方と 順列の考え方です。結果は同じです。722日記>

<水の流れ:お詫び 「にいばりZ12」さんからご指摘があったのですが、私の勘違いで

うっかりした浅はかな思考回路にはいったのが原因です。ここに、お詫びします。

そこで、「uchinyan」さんから訂正版届きましたので、下記に載せます。

813日記>

 

NO5「uchinyan  08/12 1755分受信 更新8/13

その後,ふと目にしたのですが,NO4「にいばりZ12」さんのご指摘は正しいと思います。

したがって,私の解答は間違いを含んでいます。大変失礼をしました。

簡単な例で考えてみると...

正3角形の場合,頂点を 123 とすると,

重複を許して3点を選ぶのは,重複組み合わせで考えると,次の 3H3 = 5C3 = 10 通り です。

しかし,その選び方には右に書いた重みがあります。

(1,1,1),重み 1,三角形はできない

(2,2,2),重み 1,三角形はできない

(3,3,3),重み 1,三角形はできない

(1,1,2),重み 3,三角形はできない

(1,1,3),重み 3,三角形はできない

(1,2,2),重み 3,三角形はできない

(2,2,3),重み 3,三角形はできない

(1,3,3),重み 3,三角形はできない

(2,3,3),重み 3,三角形はできない

(1,2,3),重み 6,三角形ができる

確率を考える場合には,この重みを考慮しなければなりません。

したがって,正3角形の場合,頂点から重複を許して3点を選ぶ際に三角形ができる確率は,

3C3/3H3 = 1/10

は,間違いで,重みを考慮した,

(6 * 1)/(1 * 3 + 3 * 6 + 6 * 1) = 6/27 = 2/9

が正しいです。

これは,重複がある場合は,

重みが一定ではないために,単純に組み合わせで考えるのは間違い,ということです。

ご指摘のとおり,重みが常に 1 で一定の順列で考える必要があります。

実際,順列で考えれば,

(3C3 * 3!)/3^3 = 6/27 = 2/9

となって,組み合わせで重みを考慮した場合と一致します。

 

なお,重複がない場合は,

重みが一定なので組み合わせで考えても大丈夫で,結果は一致します。

しかし,今回の場合はそうはいかないよ,という訳です。大変失礼致しました。

また,にいばりZ12 さん,貴重なご指摘を大変ありがとうございました,

以下に,順列で考え直した修正版を示します。

どうせなので,一般的に次の問題を解いてしまいましょう。

 

問題0

正n角形(nは3以上の整数)の頂点から重複を許して3点 A1A2A3 を選ぶとき,

次の問いに答えよ。

(1) 三角形ができる確率を求めよ。

(2) 直角・鋭角・鈍角三角形ができる確率をそれぞれ PnQnRn とするとき,それらを求めよ。

また,lim[n->]{Pn}lim[n->]{Qn}lim[n->]{Rn} を求めよ。

 

正n角形の頂点を反時計回りに X1X2...Xn とします。

また,以下の説明の都合上,正n角形の外接円を考えその中心を O とします。

すると,X1X2...Xn はすべてこの円周上にあり,どの 3 点も同一直線上にはありません。

 

(1)

n 点から重複を許して 3 点を選ぶのは n^3 通り。

三角形になるのは,どの 3 点も同一直線上にないことから異なる 3 点を選べばいいので nC3 通り。

そこで確率は,分子の三角形の方は頂点の入れ替えを考慮して 3! = 6 通りを掛けて,

nC3/n^3 = (n(n-1)(n-2)/6 * 6)/n^3 = (n-1)(n-2)/n^2

になります。

 

(2)

まず,A1 X1 に固定し,直角三角形と鈍角三角形の個数を数えます。

鋭角三角形の個数は,三角形全体から直角三角形と鈍角三角形の個数の和を引けばいいです。

さらに,X1 を端点とする外接円の直径に対する円周角が直角になるので,

直径及び X1 から見て直径よりも右側の点を考えれば十分です。

これは,左に入り込んだ点は,X1 を動かすと重複して数えてしまうので,考えなくていいからです。

また,k 2 以上の整数として,n = 2k-1 では直径の両端に点が取れず,n = 2k では取れます。

そこで...

 

n = 2k-1 の場合

三角形全体は,nC3 = (2k-1)C3 = (2k-1)(2k-2)(2k-3)/6 個。

(a) 直角三角形

0 個。

(b) 鈍角三角形

A1 X1 に固定すれば,X3 に対して 1 個,X4 に対して 2 個,...Xk に対して (k-2) 個で,

1 + 2 + ... + (k-2) = (k-1)(k-2)/2 個。

A1 X1 X(2k-1) と動かすとそれぞれ (k-1)(k-1)/2 個ずつで (k-1)(k-2)(2k-1)/2 個。

(c) 鋭角三角形

三角形全体 - 直角三角形 - 鈍角三角形

= (2k-1)(2k-2)(2k-3)/6 - 0 - (k-1)(k-2)(2k-1)/2 = k(k-1)(2k-1)/6 個。

確率は,正n角形の頂点から重複を許して 3 点を選ぶのが,

n^3 = (2k-1)^3 通り

だったのと,分子の三角形の方は頂点の入れ替えを考慮して 3! = 6 通りを掛けて,

Pn = P(2k-1) = (0 * 6)/((2k-1)^3) = 0

Qn = Q(2k-1) = (k(k-1)(2k-1)/6 * 6)/((2k-1)^3) = k(k-1)/(2k-1)^2

Rn = R(2k-1) = ((k-1)(k-2)(2k-1)/2 * 6)/((2k-1)^3) = 3(k-1)(k-2)/(2k-1)^2

となり,

lim[n->]{Pn} = lim[k->]{P(2k-1)} = lim[k->]{0} = 0

lim[n->]{Qn} = lim[k->]{Q(2k-1)} = lim[k->]{k(k-1)/(2k-1)^2} = 1/4

lim[n->]{Rn} = lim[k->]{R(2k-1)} = lim[k->]{3(k-1)(k-2)/(2k-1)^2} = 3/4

 

n = 2k の場合

三角形全体は,nC3 = (2k)C3 = (2k)(2k-1)(2k-2)/6 個。

(a) 直角三角形

A1 X1 に固定すれば,直径の他の一端は X(k+1) k-1 個,

A1 X1 X(2k) と動かすとそれぞれ k 個ずつで 2k(k-1) 個。

(b) 鈍角三角形

A1 X1 に固定すれば,X3 に対して 1 個,X4 に対して 2 個,...X(k-1) に対して (k-2) 個で,

1 + 2 + ... + (k-2) = (k-1)(k-2)/2 個。

A1 X1 X(2k) と動かすとそれぞれ (k-1)(k-1)/2 個ずつで k(k-1)(k-2) 個。

(c) 鋭角三角形

三角形全体 - 直角三角形 - 鈍角三角形

= (2k)(2k-1)(2k-2)/6 - 2k(k-1) - k(k-1)(k-2) = k(k-1)(k-2)/3 個。

確率は,正n角形の頂点から重複を許して 3 点を選ぶのが,

確率は,正n角形の頂点から重複を許して 3 点を選ぶのが,

n^3 = (2k)^3 通り

だったのと,分子の三角形の方は頂点の入れ替えを考慮して 3! = 6 通りを掛けて,

Pn = P(2k) = (2k(k-1) * 6)/((2k)^3) = 3(k-1)/2k^2

Qn = Q(2k) = (k(k-1)(k-2)/3 * 6)/((2k)^3) = (k-1)(k-2)/4k^2

Rn = R(2k) = (k(k-1)(k-2) * 6)/((2k)^3) = 3(k-1)(k-2)/4k^2

となり,

lim[n->]{Pn} = lim[k->]{P(2k)} = lim[k->]{3(k-1)/2k^2} = 0

lim[n->]{Qn} = lim[k->]{Q(2k)} = lim[k->]{(k-1)(k-2)/4k^2} = 1/4

lim[n->]{Rn} = lim[k->]{R(2k)} = lim[k->]{3(k-1)(k-2)/4k^2} = 3/4

 

となります。

(別解)

(2)の各種の三角形の数え方に関して,次のような方法もあります。

 

外接円O 上の 弧X(i)X(i+1) の長さを 1 とし,A1 = X1 と固定した場合で,

A2A3 A1 に対して反時計回りとし,弧A1A2 = x,弧A2A3 = y,弧A3A1 = z とすると,

xyz 1 <= x, y, z <= n-2 を満たす整数で,x + y + z = n

となります。そして,

O の直径を一辺とする三角形が直角三角形で,直径に対する弧の長さが n/2 であることから,

x = n/2 又は y = n/2 又は z = n/2 となるときが直角三角形,

n/2 < x 又は n/2 < y 又は n/2 < z となるときが鈍角三角形,

1 <= x, y, z < n/2 となるときが鋭角三角形,

です。

このことを使うと,k 2 以上の整数として...

 

n = 2k-1 の場合

(a) 直角三角形

n/2 = (2k-1)/2 = k - 1/2 は整数にならないので 0 個。

(b) 鈍角三角形

z > n/2 = (2k-1)/2 = k - 1/2z >= k,の場合を考えると,

x + y + z = n = 2k-1z = (2k-1) - (x + y) >= k2 <= x + y <= k-1

そこで,1 <= x, y <= k-1 の下で,2 - y <= x <= (k-1) - y なので,

1 <= y <= k-2 のときだけが可能で,1 <= x <= (k-1) - y で,(k-1)-y 個,となって,

1 + 2 + ... + (k-2) = (k-1)(k-2)/2 個。

y > n/2x > n/2 の場合も考えるとこの 3 倍ですが,

A1 X1 X(2k-1) と動かすと △A1A2A3 を辺の巡回的な入れ替えを重複して数えるので

3 で割ることになり,結局,単に 2k-1 倍して (k-1)(k-2)(2k-1)/2 個。

(c) 鋭角三角形

1 <= x, y, z < n/2 = (2k-1)/2 = k - 1/2 < k1 <= x, y, z <= k-1

x + y + z = n = 2k-11 <= z = (2k-1) - (x + y) <= k-1k <= x + y <= 2k-2

そこで,1 <= x, y <= k-1 の下で,k - y <= x <= (2k-2) - y なので,

1 <= y <= k-2 のとき,k - y <= x <= k-1 y 個,

y = k-1 のとき,1 <= x <= k-1 k-1 個,

結局,1 + 2 + ... + (k-2) + (k-1) = k(k-1)/2 個。

A1 X1 X(2k-1) と動かすとそれぞれ k(k-1)/2 個ずつで (k-1)(k-2)(2k-1)/2 個,ですが,

これだと △A1A2A3 をその辺の巡回的な入れ替えを重複して数えているので 3 で割って,

(k-1)(k-2)(2k-1)/6 個。

 

n = 2k の場合

(a) 直角三角形

z = n/2 = (2k)/2 = k の場合を考えると,

x + y + z = n = 2kz = 2k - (x + y) = kx + y = k

そこで,1 <= x, y <= k-1 の下で,x = k - y なので k-1 個。

y = n/2x = n/2 の場合も考えるとこの 3 倍ですが,

A1 X1 X(2k) と動かすと △A1A2A3 を辺の巡回的な入れ替えを重複して数えているので

3 で割ることになり,結局,単に 2k 倍して 2k(k-1) 個。

(b) 鈍角三角形

z > n/2 = (2k)/2 = kz >= k+1,の場合を考えると,

x + y + z = n = 2kz = 2k - (x + y) >= k+12 <= x + y <= k-1

そこで,1 <= x, y <= k-1 の下で,2 - y <= x <= (k-1) - y なので,

1 <= y <= k-2 のときだけが可能で,1 <= x <= (k-1) - y で,(k-1)-y 個,となって,

1 + 2 + ... + (k-2) = (k-1)(k-2)/2 個。

y > n/2x > n/2 の場合も考えるとこの 3 倍ですが,

A1 X1 X(2k) と動かすと △A1A2A3 を辺の巡回的な入れ替えを重複して数えているので

3 で割ることになり,結局,単に 2k 倍して k(k-1)(k-2) 個。

(c) 鋭角三角形

1 <= x, y, z < n/2 = (2k)/2 = k1 <= x, y, z <= k-1

x + y + z = n = 2k-11 <= z = (2k-1) - (x + y) <= k-1k <= x + y <= 2k-2

そこで,1 <= x, y <= k-1 の下で,k - y <= x <= (2k-2) - y なので,

1 <= y <= k-2 のとき,k - y <= x <= k-1 y 個,

y = k-1 のとき,1 <= x <= k-1 k-1 個,

結局,1 + 2 + ... + (k-2) + (k-1) = k(k-1)/2 個,

A1 X1 X(2k) と動かすとそれぞれ k(k-1)/2 個ずつで k(k-1)(k-2) 個,ですが,

これだと △A1A2A3 をその辺の巡回的な入れ替えを重複して数えているので 3 で割って,

k(k-1)(k-2)/3 個。

 

その後の確率は同じです。

もちろん,鋭角三角形は,三角形全体から直角三角形と鈍角三角形を引いても求められます。

ただ,この解法だと,鋭角三角形も他の場合と同様にして比較的簡単に求まります。

また,ほとんどが同じような計算の繰り返しなので,その意味では単純です。

さて,いよいよ今回の問題は...

 

問題1:

n = 2k = 6k = 3 なので,

(1) nC3/n^3 = (n-1)(n-2)/n^2 = (5 * 4)/6^2 = 5/9

(2)

直角三角形 = 3(k-1)/2k^2 = (3 * 2)/(2 * 9) = 1/3

鋭角三角形 = (k-1)(k-2)/4k^2 = (2 * 1)/(4 * 9) = 1/18

鈍角三角形 = 3(k-1)(k-2)/4k^2 = (3 * 2 * 1)/(4 * 9) = 1/6

 

問題2:

n = 2k の場合なので,

(1) nC3/n^3 = (n-1)(n-2)/n^2 = (k-1)(2k-1)/2k^2

(2)

Pn = P(2k) = 3(k-1)/2k^2

Qn = Q(2k) = (k-1)(k-2)/4k^2

Rn = R(2k) = 3(k-1)(k-2)/4k^2

lim[n->]{Pn} = lim[k->]{P(2k)} = lim[k->]{3(k-1)/2k^2} = 0

lim[n->]{Qn} = lim[k->]{Q(2k)} = lim[k->]{(k-1)(k-2)/4k^2} = 1/4

lim[n->]{Rn} = lim[k->]{R(2k)} = lim[k->]{3(k-1)(k-2)/4k^2} = 3/4

 

となります。

 

(考察+感想)

この問題,実は,以前の「第204回数学的な応募問題[正n角形の3頂点]」とほとんど同じです。

ただ,あの時は,確率の分母が,三角形の個数,だったので,極限を取る前の値が少し違います。

しかし,その差,というか比,は,(nC3 * 3!)/n^3 = (n-1)(n-2)/n^2 で,

n -> ∞ では,この比が 1 になるので,極限値は同じになります。

今回は,あの時の解法だけだと少しつまらないので,(別解)として少し違う解法も書いておきました。

まぁ,実質は同じなんですが (^^;

NO6「浜田明巳」  08/23 1456分受信 更新8/25

最初に「2」を解答する.
「2」正2k角形をA………A2kとする.
(1)正2k角形の頂点から3点を選ぶ組合せは,重複を許すので,(2k)/3!=4k/3(通り).
 三角形の頂点となる組合せは,2k通り.
 故に確率は,
  2k(4k/3)[{2k(2k−1)(2k−2)}(3・2・1)](4k/3)
 ={(2k−1)(k−1)}(2k&l t;sup>)

(2)直角三角形となるのは,斜辺が外接円の直径となればよい.
 斜辺の直径の選び方は,Ak+1,Ak+2,Ak+3,………,A2kのk通り.
 そのおのおのに対して,直角の頂点の選び方は,(2k−2)通り.
 故に直角三角形となる確率は,
  P{(2k−2)}(4k/3)
 ={(k−1)}(2k)

 鈍角三角形となる確率を求める.
 点A,Aを選ぶと,残りの点はA の1通り.
 点A,Aを選ぶと,残りの点はA,Aの2通り.
 点A,Aを選ぶと,残りの点はA〜Aの3通り.
 ・・・
 点A,Aを選ぶと,残りの点はA〜Ak−1(k−2)通り.
 この場合,合計1+2+3+………+(k−2)=1/2・(k−2)(k−1)(通り)
 点A,A(4≦m≦k+1)を選ぶ場合も同様に,1/2・(w)。襦檻甥・・k−1)通り.
 点A,Am(5≦m≦k+2)の場合も,1/2・(k−2)(k−1)通り.
 ・・・
 点Ak+1,Am(k+3≦m≦2k)の場合も同様.
 点Ak+2,Am(k+4≦m≦2k,m=1)の場合も同様.
 点Ak+3,Am(k+5≦m≦2k,1≦m≦2)の場合も同様.
 ・・・
 点A2k−3,Am(2k−1≦m≦2k,1≦m≦k−4)の場合も同様.
 点A2k−2,Am(m=2k,1≦m≦k−3)の場合も同様.
 点A< ;sub>2k−1,A(1≦m≦k−2)の場合も同様.
 点A2k,A(2≦m≦k−1)の場合も同様.
 まとめると,2k・1/2・(k−2)(k−1)=k(k−1)(k−2)(通り)
 故に鈍角三角形となる確率は,
  R{(k−1)(k−2)}(4k/3)
 ={(k−1)(k−2)}(4k)

 鋭角三角形となる確率は,
  Q{(2k−1)(k−1)}(2k)−P−R
 ={(2k−1)(k−1)}(2k){( k−1)}(2k){(k−1)(k−2)}(4k)
 =(k−1){(2k−1)−6−3(k−2)}(4k
)
 ={(k−1)(k−2)}(4k
)

 またn→∞のとき,k→∞となるので,
  lim(n→∞)Pn=lim(k→∞){(k−1)}(2k
)
 =lim(k→∞){(1−1/k)}(2k)=0
  lim(n→∞)Qn=lim(k→∞){(k−w)。・・・k−2)}(4k
)
 =lim(k→∞){(1−1/k)(1−2/k)}/4=1/4< ;br>   lim(n→∞)Rn=lim(n→∞)3Qn=3/4

「1」(1)「2」から確率は,
  {(2・3−1)(3−1)}(2・3
)=5/9
(2)直角三角形となる確率は,
  P6={(3−1)}(2・3
)=1/3
 鋭角三角形となる確率は,
  Q6={(3−1)(3−2)}(4・3
)=1/18
 鈍角三角形となる確率は,
  R6=3Q6=1/6
<br&g t;
(参考)上記の式はk=2のときも成立する.
 三角形となる確率は,4C3/(
/3!)=3/8
 直角三角形となる確率は,P4=4/(
/3!)=3/8
 鋭角三角形となる確率は,Q4=0
 鈍角三角形となる確率は,R4=0

(最後に)誤答に失礼しました.分母の2kH3を(2k)
/3!とすればよかった訳です.
 

(最後に)第204回とほぼ同じ内容なので,解き方がどうしても同じになってしまいました.
 唯一の違いは,頂点を重複して選ぶことですが,n→∞のとき,三角形となる確率が1になり,大変興味深い.
 直角,鋭角,鈍角三角形になる確率の極限が,それぞれ0,1/4,3/4になることも大変興味深いです.これは鋭角よりも,鈍角三角形の方がより自然に存在するということでしょうか.

「浜田明巳」  08/25 1302分受信 更新8/25

心配になったので,n=4(k=2),n=6(k=3)の場合の計算を十進basicで行ってみた.

 

!276_2.bas
OPTION BASE 0
RANDOMIZE
DIM Ax(5)
DIM Ay(5)
DIM t(2)
DIM hen2(2)
LET shikoukaisuu=10000000
LET gosa=1/10000000
!
正四角形の場合
LET p4=0
FOR kaisuu=1 TO shikoukaisuu
   FOR j=0 TO 2
      LET t(j)=INT(RND*4)
   NEXT j
   IF t(0)<>t(1) AND t(1)<>t(2) AND t(2)<>t(0) THEN
   ! 3
点が相異なれば直角三角形ができる
      LET p4=p4+1
   END IF
NEXT kaisuu
PRINT "
試行回数=";shikoukaisuu;"のとき"
PRINT "
正四角形の場合"
PRINT "
直角三角形になる確率=";p4/shikoukaisuu
PRINT
!
!
正六角形の場合
LET s6=0
LET p6=0
LET q6=0
LET r6=0
FOR j=0 TO 5
   LET Ax(j)=COS(j/6*2*PI)
   LET Ay(j)=SIN(j/6*2*PI)
NEXT j
FOR kaisuu=1 TO shikoukaisuu
   FOR j=0 TO 2
      LET t(j)=INT(RND*6)
   NEXT j
   IF t(0)<>t(1) AND t(1)<>t(2) AND t(2)<>t(0) THEN
   ! 3
点が異なれば三角形ができる
      LET s6=s6+1
      ! 3
辺の長さの2乗を計算
      FOR j=0 TO 2
         LET jj=MOD(j+1,3)
         LET hen2(j)=(Ax(t(jj))-Ax(t(j)))*(Ax(t(jj))-Ax(t(j)))+(Ay(t(jj))-Ay(t(j)))*(Ay(t(jj))-Ay(t(j)))
      NEXT j
      ! 3
辺の長さの2乗を小さい順に並べ替える
      FOR j=0 TO 1
         FOR jj=j+1 TO 2
            IF hen2(j)>hen2(jj) THEN
               LET dummy=hen2(j)
               LET hen2(j)=hen2(jj)
               LET hen2(jj)=dummy
            END IF
         NEXT jj
      NEXT j
      IF ABS(hen2(0)+hen2(1)-hen2(2))<gosa THEN
         LET p6=p6+1
      ELSEIF hen2(0)+hen2(1)>hen2(2) THEN
         LET q6=q6+1
      ELSE
         LET r6=r6+1
      END IF
   END IF
NEXT kaisuu
PRINT "
正六角形の場合"
PRINT "
三角形ができる確率=";s6/shikoukaisuu
PRINT "
直角三角形になる確率=";p6/shikoukaisuu
PRINT "
鋭角三角形になる確率=";q6/shikoukaisuu
PRINT "
鈍角三角形になる確率=";r6/shikoukaisuu
END

 

 計算結果は,
試行回数= 10000000 のとき
正四角形の場合
直角三角形になる確率= .3750067 3/8)

正六角形の場合
三角形ができる確率= .5553108 5/9)
直角三角形になる確率= .3332732 1/3)
鋭角三角形になる確率= .0554558 1/18)
鈍角三角形になる確率= .1665818 1/6)
となり,ほぼ考察の結果と一致する.

 

 

皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、

メールで送ってください。待っています。