平成15年7月27日

 第1回 「 数理的パズルから数の面白さを発見しよう」

第1話  『4を4つ使って自然数を作ることから』「Four Fours」問題
  
       4月21日・ 28日実施

1.起源  w.w.R.ボールさんが1913年に4を4つ使っていろいろな自然数を作ってみようと提案したのが起源とされています。
例えば、0=44−44、とか

      24=4!−(4−4−4)、39=44−(÷.4)・・・

 

この問題は、w.ホエウェルさんが9を4個使っていろいろな整数を作ってみようという、「ド・モルガンさんへの1859年の手紙がきっかけである。

 <この部分は、「新数学事典」(大阪書籍)904ページを参照して記入>

 

 2.使える記号 四則演算(+,−,×÷ ,!,ガウス記号[   ],・・・)        

使える数字 4!=4×××1=24

.4=0.4 ,  ..4=0.04  .()=0.444・・・=4/9

 

3.発展 Four ones(1を4つ使って)

 Four twos(2を4つ使って) 

 Four threes(3を4つ使って) 
 Four fives(5を4つ使って)

 Four sixs(6を4つ使って) 

 

4.思いっきり青春 思いっきりチャレンジ で 同じ数字を4つ使って、自然数を表してください。

自分またはグループで完成させてみよう。

 

 

 

 

第2話  『小町算』 問題                          5月12日実施

(小町算・・・1,2,3,4,・・・、9の間に+、−、×÷等の計算記号を入れて、その計算をした答えが100とかあるいは99などのある特定の数にする計算の遊びを小町算(こまちざん)と読んでいる)

 

1.起源:小町算という呼び名は寛保3年(1743年)に出版された中根彦循(1701〜1761)の著「勘者御伽双紙」にあり、この本は多くの数学遊戯が解説されている。

 

2.例 1+2×3+4×5−6+7+8×9=100

 生徒の発見から(1)1+2+3−4+5+6+78+9=100
        (2)1+2+34−5+67−8+9=100
        (3)1+23−4+5+6+78−9=100
        (4)1+23−4+56+7+8+9=100
        (5)12+3+4+5−6−7+89=100
        (6)12+3−4+5+67+8+9=100
        (7)12−3−4+5−6+7+89=100
        (8)123+4−5+67−89=100
        (9)123−4−5−6−7+8−9=100
       (10)123+45−67+8−9=100
       (11)123−45−67+89=100 
 最初の数字1の前に「−」をつけると、
(12)−1+2−3+4+5+6+78+9=100
 

3.発展:9〜1へと逆順もつくられている。

 

(例えば、9−8+76−5+4+3+21=100など)
(* 現在 時間がなかったこともあり、生徒からの発見はきていない。夏休みの課題にしてある) 

(* 現在 時間がなかったこともあり、生徒から

4.思いっきり青春 思いっきりチャレンジ で 自分またはグループで完成させてみよう。

 

 

第3話  『曽呂利新左衛門の今日は米1粒』 問題 5月19日実施

 

「今日は米1粒をください。そして、明日からは前日の2倍ずつ1ヶ月間ください。1粒、2粒と日々戴くのは面倒ですから1ヶ月後にまとめて戴きたい」
皆さん!こんな話を聞いたことがあるでしょう。戦国武将豊臣秀吉(1537〜1598)「当時は羽柴秀吉」の御伽衆(話相手をする人々)の1人に泉州堺の鞘師(刀の鞘を作る職人)の曽呂利新左衛門(?〜1603)がいました。彼は鞘師としての腕前だけでなくおどけた話や狂歌の名手として、機知に富み話上手で、常に秀吉のそばに仕え大変恩寵を受けていました。
 あるとき、秀吉が新左衛門に何か褒美を与えるが何が欲しいかを尋ねると、新左衛門は、「今日は米1粒・・・。」と望み、秀吉も「何だその位の望みか」と簡単に承知しました。

準備するもの:玄米1合、天秤、ピンセット、藁半紙、

そこで、皆さん!米??粒で10グラムとして計算して、一体何トン位になるか計算してください。今風にいうと、米60kgで1俵といいます。新左衛門さんは一体何俵の米俵をもらうことになるでしょう。また、1年間に1成人はだいたい米を??俵位食べるといいます。この米粒は1成人の年分にあたるでしょうか。ただし、1ヶ月30日とします。ちょっと考えてください。

<参考文献:理系への数学2000年11月号 現代数学社から話題を引用>


生徒の活動 
1.グループA ;2の累乗を230 =536、870、912まで順次計算していく                 
2.グループB ;玄米をわら半紙にあけて、ピンセットで500粒数える。
         次に、電子はかりに乗せて 重さを量る。

         結果 12.5gとなる。したがって、400粒が10g

3.全員で、1ヶ月後は何粒になり、重さは何kgになるか計算する。

  60kgで1俵だから、何俵になるかをみる。

  結果は223,7俵となる。現代では1成人で223年余りの食料になる。

生徒の感想:

(1)2倍していっただけでも、1ヶ月経つと大きな数になると分かった。

(2)1ヶ月で223年分もらえるなんてなんとお得なことか。16世紀にこんな計算をした曽呂利新左衛門さんはすごい人だと思った。親に使ってみたい。

(3)始め、簡単な計算と思っていたが、予想もしていない大きな数字になったので驚いた。とても楽しく計算できたし、自分の能力を高めることができた。

(4)1粒の米から1ヶ月経つと5億4千万粒にもなるのですごいと思った。曽呂利さんはこれをうまく使って、秀吉を困らせたことはすごく頭がいいと思う。

(5)新左衛門さんはとても頭がいいなあーと思った。親にやってみたいけど、逆に親が可愛そうになってきた。数字は怖いと思った。

(6)実際にお米を使って確かめたので“楽しかった”