平成11年8月22日
<美しい数学の話>
第5話 「全国高校野球はポアソン分布?」
 NO1:太郎さんは4月に、 春の全国高校野球の結果を次のように調べました。
春の全国高校野球は沖縄尚学高校が沖縄県として、初めての優勝 おめでとうございます。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 今回を例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。
(1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を[1]
(2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合を[2]
(3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合を[3]
 以下、この逆転の回数で、[4]、[5]、[6]と分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。 決勝戦までの31試合をこのように分析しました。その結果、[1]は14試合、[2]は5試合、[3]は6試合、[4]は3試合、[5]は2試合、[6]は1試合 でした。
そこで、丸数字の奇数は14+6+2=22
これを31で割ると22/31=0.71・・・ で高い確率で勝っています。 これで、ジンクスは確かだ言えます。
また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で15試合 このうち@のチームが12チームあります。 4回から6回で3試合、7回から9回で6試合、延長戦の場合が7試合でした。
一言で言うと、早いイニングで先取点が入ると高い確率で勝ち易いと言えます。ここで、逆転につぐ逆転だった[6]の分類のスコアを書きます。皆さんは、どんな試合が一番印象に残っていますか?

得点掲示

2 

3 

横 浜

P L

×

[1]は1回表、[2]は1回裏、[3]は3回表(その後PLが勝ち越したからカウントします)
[4]は3回裏、[5]は6回表(その後PLが勝ち越したからカウントします)
[6]は8回裏 として、カウントしましたし、一番動きの激しい試合でした。
また、[5]の試合はは31日の行われた平安と駒沢大の延長10回と 準決勝の沖縄尚学とPLの延長12回の2試合でした。
夏の試合はどんな予想もできないドラマが待っていますか。 楽しみに待つことにします。
 では、同じようにして、夏の甲子園も調べました。
その結果、[1]は24試合、[2]は13試合、[3]は7試合、[4]はなし、[5]は4試合 でした。
そこで、丸数字の奇数は24+7+4=35
これを48で割ると35/48=0.73・・・ で高い確率で勝っています。 これで、夏もジンクスは確かだ言えます。
また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で20試合 このうち[1]のチームが16チームあります。 4回から6回で13試合、7回から9回で11試合、延長戦の場合が4試合でした。

 さて、こんなデータを発表しようと思っていたとき、「誰かに解かせたくなる算数・数学の本:秋山仁(幻冬舎文庫)」の本を読んでいたら、交通事故、天災など、まれにしか起こらない偶然の出来事は「ポアソン分布」という特殊な確率分布の状態にしたがって起こるといわれている。そして、例として、春のセンバツ野球を資料として挙げてありました。本と同じ表現を引用します。たとえば野球の試合を行ったとき「9回裏までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、”まれにしか起こらないこと”の1例です。先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、勝ち越しがなかったことになる。そこで、例として、春の横浜とPL得点経過でみます。

1回の表の1点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。1回の裏の2点は逆転だからカウントします。
3回の表の2点は勝ち越しではないので、カウントしないが、3回の裏の1点は勝ち越しだからカウントします。
6回の表の2点は勝ち越しではないので、カウントしないが、8回の裏の1点は勝ち越しだからカウントします。
 以上、逆転または勝ち越しが回数として3回をカウントします。この点<水の流れ>と回数の解釈が異なります。
この数え方でみると、本の中では、春のセンバツ(良く読むと1994年のセンバツの資料のようです)の結果は

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.5483×31

 17.0128

    17

 1回 0.3293×31

 10.2083

    10

 2回 0.0988×31

  3.0628

     3

 3回 0.0197×31

  0.6107

     1

上の表のようでした。では、どのようにしてポアソン分布を利用して求めたか書きます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は
P(x)={(m^x)/x!}×e^(−m)   です。
ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は
m=(1×10+2×3+3×1)/31=0.613…
 これは、この年のセンバツでは、逆転または勝ち越しが1試合平均0.613回起こったことを意味しています。
太郎さんの持っている99年度の春、夏の逆転または勝ち越し回数を言いますから、

 逆転・勝ち越しが起った回数

1999年度春のセンバツ

1999年度夏の大会 

   0  回

     13試合

     24試合

   1  回

     10試合

     17試合 

   2  回

      7試合

      6試合

   3  回

      1試合 

      1試合

 誰かポアソン分布をしているか調べてください。お願いします。
<参考文献:「誰かに解かせたくなる算数・数学の本:秋山仁(幻冬舎文庫)>              

 NO2<Jun さんからの調査結果 > 8月26日受信
mathematicaで計算はしてみました。
(1)春のセンバツ
m=(1×10+2×7+3×1)/31=0.8710…

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.4185×31

 12.9749

    13

 1回 0.3645×31

 11.3008

    10

 2回 0.1588×31

  4.9213

     7

 3回 0.0461×31

  1.4288

     1

(2)夏の大会
m=(1×17+2×6+3×1)/48=0.6667…

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.5134×48

 24.6440

    24

 1回 0.3423×48

 16.4293

    17

 2回 0.1141×48

  5.4764

     6

 3回 0.0254×48

  1.2170

     1

これによれば春の大会は、13,11,5,1(合計が31にならないのですが、)
夏の大会が25,16,5,1(これも合計が48になりませんね。)です。
いい線いっているように思います。
<水の流れ:コメント> 逆転または勝ち越しが1試合平均は春は0.8710回起こり、
夏は0.667回起こっています。比較すると、夏は春より、逆転または勝ち越しが少なかったことを意味しています。
 また、夏の方がよりポアソン分布していることが分かりました。
来年の戦いはこのポアソン分布を吹き飛ばすような、逆転につぐ逆転劇を見せて欲しいですね。
Junさん貴重なデータをありがとうございます。

NO3<水の流れの調査結果 > 平成12年4月5日更新
平成12年の春の大会を同じく調べました。ご覧下さい。
太郎さんは4月に、 H12年春の全国高校野球の結果を次のように調べました。
春の全国高校野球は神奈川県の東海大学相模高校が、初優勝しました。 おめでとうございます。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 今回を例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。
(1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を[1]
(2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合を[2]
(3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合を[3]
 以下、この逆転の回数で、[4]、[5]、[6]と分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。 決勝戦までの31試合をこのように分析しました。その結果、[1]は16試合、[2]は4試合、[3]は6試合、[4]は2試合、[5]は3試合でした。
 そこで、丸数字の奇数は16+6+3=25
これを31で割ると25/31=0.81・・・ で高い確率で勝っています。 これで、ジンクスは確かだ言えます。
また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で17試合 このうち[1]のチームが14チームあります。 4回から6回で5試合、7回から9回で8試合、延長戦の場合が1試合でした。
ここで、前回と同じく、野球の試合を行ったとき「9回裏までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、”まれにしか起こらないこと”の1例です。先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、勝ち越しがなかったことになる。そこで、例として、平成12年春の鳥羽高校と長野商との得点経過でみます。

得点掲示

2 

3 

鳥 羽

長野商

×

 1回の表の1点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。1回の裏の2点は逆転だからカウント1します。
3回の表の3点は再逆転だからカウント2します。
4回の裏の3点は再々逆転だからカウント3します。
5回の表の1点は同点で勝ち越しではないので、カウントはしない。
6回の表の2点は勝ち越しだから、カウント4します
 以上、逆転または勝ち越しが回数として4回をカウントします。この試合が一番動きの激しい試合であったことを意味しています。表にします。2000年夏の大会も準備します。 

 逆転・勝ち越しが起った回数

2000年春のセンバツ

2000年夏の大会 

   0  回

     16試合

     試合

   1  回

      7試合

     試合 

   2  回

      5試合

     試合

   3  回

      2試合 

     試合

   4  回

      1試合 

     試合

上の表がポアソン分布をしているかをみてみます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は
P(x)={(m^x)/x!}×e^(−m)   です。
ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は
m=(1×7+2×5+3×2+4×1)/31=27/31=0.871…
 これは、この年のセンバツでは、逆転または勝ち越しが1試合平均0.871回起こったことを意味しています。

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.4185×31

 12.9749

    16

 1回 0.3645×31

 11.3008

     7

 2回 0.1588×31

  4.9213

     5

 3回 0.0461×31

  1.4288

     2

 4回 0.0100×31

  0.31102

     1

太郎さんは、この2000年夏の調べてみます。H12年4月5日記入
NO4<水の流れの調査結果 > 平成12年8月21日更新

平成12年の夏の大会を同じく調べました。ご覧下さい。
夏の全国高校野球は和歌山県の智弁和歌山高校が、春決勝戦に東海大相模高校に敗れた無念さを胸に、3年ぶり2回目の優勝しました。 おめでとうございます。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 今回を例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。
(1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を[1]
(2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合を[2]
(3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合を[3]
 以下、この逆転の回数で、[4]、[5]、[6]と分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。 決勝戦までの48試合をこのように分析しました。その結果、[1]は30試合、[2]は12試合、[3]は4試合、[4]は無し、[5]は1試合、[6]は無し、[7]は1試合でした。
そこで、丸数字の奇数は 30+4+1+1=36 、丸数字の偶数は 12 だけです。
 これを48で割ると36/48=0.75 で高い確率で勝っています。 これで、ジンクスは確かだ言えます。
また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で25試合 このうち[1]のチームが21チームあります。
4回から6回で11試合、7回から9回で10試合、延長戦の場合が2試合でした。
 また、この夏の大会は、先攻をとって勝った試合が28試合、後攻が勝った試合が20試合ありました。

必ずしも後攻が有利とはいかなかったようです。
さらに、この暑い中で待たされていることもあって、1回の表で得点のあったのが16試合・裏で得点があったのが10試合もありました。前半、1回から3回まで両チームが得点のなかったのが、たった10試合しかありませんでした。
 さて、ここで、前回と同じく、野球の試合を行ったとき「9回裏までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、”まれにしか起こらないこと”の1例です。先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、勝ち越しがなかったことになる。そこで、例として、決勝戦の智弁和歌山高校と東海大浦安との得点経過でみます。

得点掲示

2 

3 

智弁和歌山

11

東海大浦安

2回の表の2点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。3回の裏の2点は逆転だからカウント1します。
4回の表の1点は同点ですので、カウントはしません。
5回の裏の2点は勝ち越しだからカウント2します。
6回の表の2点はこれも同点ですので、カウントはしません
6回の裏の1点は勝ち越しだからカウント3します
8回の表の5点は再逆転ですので、カウント4します
 以上、逆転または勝ち越しが回数として4回をカウントします。この試合が動きの激しい試合であったことを意味しています。
 同じようにカウント4の試合は、愛媛県丹原高校と青森県光星学園との試合も8対10で、逆転・再逆転・再々逆転・再々々逆転の好試合でした。

 逆転・勝ち越しが起った回数

2000年春のセンバツ

2000年夏の大会 

   0  回

     16試合

     27試合

   1  回

      7試合

     15試合 

   2  回

      5試合

     3試合

   3  回

      2試合 

     1試合

   4  回

      1試合 

     2試合

上の表がポアソン分布をしているかをみてみます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は
P(x)={(m^x)/x!}×e^(−m)   です。
ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は
m=(1×15+2×3+3×1+4×2)/48=32/48=0.6666…
 これは、この年のセンバツでは、逆転または勝ち越しが1試合平均0.6666回起こったことを意味しています。以外と少ないと感じました。皆さんは、どのように思われました。

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.5134×48

 24.643

    27

 1回 0.3423×48

 16.430

     15

 2回 0.1141×48

  5.477

     3

 3回 0.0254×48

  1.219

     1

 4回 0.0042×48

  0.202

     2

以上、これで、全国大会春・夏4回目の統計でした。
NO5<水の流れの調査結果 > 平成13年4月4日更新

第73回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の優勝戦があり、常総学院(茨城)が仙台育英(宮城)を7対6で破り初優勝を果たした。1994年に準優勝するなど強豪で、5回目のセンバツ出場で、悲願を達成し、21世紀初の紫紺の優勝旗は常総学院(木内監督)に渡りました。おめでとうございます。
今回、21世紀枠があって、沖縄県の宜野座高校と福島県の安積高校の2校増えています。
 太郎さんは、前回の4回と同様な調査結果を報告します。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 2001年センバツを例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。
(1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を[1]
(2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合を[2]
(3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合を[3]
 以下、この逆転の回数で、[4]、[5]、[6]と分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。 決勝戦までの33試合をこのように分析しました。
その結果、[1]は21試合、[2]は9試合、[3]は3試合、あとの回数は起きませんでした。
そこで、丸数字の奇数は 21+3=24 、
丸数字の偶数は 9 だけです。
 これを33で割ると24/33=0.727 で高い確率で勝っています。 これで、ジンクスは確かだ言えます。また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で15試合 このうち[1]のチームが14チームあります。
4回から6回で9試合、7回から9回で6試合、延長戦の場合が4試合で、サヨナラ勝ちは3試合でした。
 また、このセンバツ大会は、先攻をとって勝った試合が15試合、後攻が勝った試合が18試合ありました。
さて、ここで、いつも同じように、野球の試合を行ったとき「9回裏(延長)までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、”まれにしか起こらないこと”の1例です。先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、勝ち越しがなかったことになる。そこで、例として、大会初日の福井商業高校と桜美林との得点経過でみます。

得点掲示

2 

3 

福井商業

11

桜美林

1回の表の1点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。1回の裏の1点は同点だからカウントしない。
2回の表の1点は勝ち越しだから、カウントは1とします。
2回の裏の1点は同点だからカウントしない
3回の表の2点は勝ち越しだから、カウントは2とします。
6回の裏の4点は勝ち越しだからカウント3します
9回の表の5点は再逆転ですので、カウント4します
 以上、逆転または勝ち越しが回数として4回をカウントします。この試合が動きの激しい試合であったことを意味しています。
 同じようにカウント4の試合は、姫路工業高校と日大三高との試合も5対8で、逆転・再逆転・再々逆転の好試合でした。

 逆転・勝ち越しが起った回数

2001年春のセンバツ

2001年夏の大会 

   0  回

     14試合

    空白 

   1  回

     13試合

    空白   

   2  回

      4試合

    空白  

   3  回

      なし 

    空白  

   4  回

      2試合 

    空白  

上の表がポアソン分布をしているかをみてみます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は
P(x)={(m^x)/x!}×e^(−m)   です。
ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は
m=(1×13+2×4+3×0+4×2)/48=29/33=0.8787…
 これは、この年のセンバツでは、逆転または勝ち越しが1試合平均0.8787回起こったことを意味しています。以外と少ないと感じました。調査していると同じような結果になり、夏の大会より、これでも多い方です。

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.4153×33

 13.704

    14

 1回 0.3649×33

 12.043

    13

 2回 0.1604×33

  5.292

     4

 3回 0.0470×33

  1.550

     0

 4回 0.0103×33

  0.341

     2

以上、5回目の調査報告でした。

NO6<水の流れの調査結果 > 平成13年8月28日更新

平成13年度第83回夏の全国高校野球は西東京代表の日大三高が、21世紀最初の大会で深紅の大優勝旗を手にしました。 9回目に出場で圧倒的な打力を持って初優勝しました。おめでとうございます。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 今回を例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。
(1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を[1]
(2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合を[2]
(3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合を[3]
 以下、この逆転の回数で、[4]、[5]、[6]と分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。 決勝戦までの48試合をこのように分析しました。その結果、[1]は27試合、[2]は9試合、[3]は5試合、[4]は6試合、[5]は1試合、[6]は無しでした。
そこで、丸数字の奇数は 27+5+1=33 、丸数字の偶数は 15 です。
 これを48で割ると33/48=0.688 の確率で勝っています(過去6回の統計では、もっとも低い)。 これで、ジンクスは一応確かだ言えます。
また、この[]数字の決まったイニングは1回から3回で23試合 このうち[1]のチームが20チームあります。
4回から6回で14試合、7回から9回で10試合、延長戦の場合が1試合でした。
 また、この夏の大会は、先攻をとって勝った試合が32試合、後攻が勝った試合が16試合ありました。

必ずしも後攻が有利とはいかなかったようです。
さらに、この暑い中で待たされていることもあって、1回の表で得点のあったのが17試合・裏で得点があったのが9試合もありました。前半、1回から3回まで両チームが得点のなかったのが、たった8試合しかありませんでした。
 さて、ここで、前回と同じく、野球の試合を行ったとき「9回裏までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、”まれにしか起こらないこと”の1例です。先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、勝ち越しがなかったことになる。そこで、例として、2日目の松山商業高校と駒大苫小牧高校との得点経過でみます。

得点掲示

2 

3 

松山商業高

駒大苫小牧

1回の表の1点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。1回の裏の2点は逆転だからカウント1します。
2回の表の1点は同点ですので、カウントはしません。3回の表の2点は勝ち越しだからカウント2します。
3回の裏の4点はち越しだからカウント3します。5回の表の2点は同点ですので、カウントはしません。
6回の表の1点は勝ち越しですので、カウント4します
 以上、逆転または勝ち越しが回数として4回をカウントします。この試合がこの大会で最も動きの激しい試合であったことを意味しています。
 

 逆転・勝ち越しが起った回数

2001年春のセンバツ

2001年夏の大会 

   0  回

     14試合

     33試合

   1  回

      13試合

     11試合 

   2  回

      4試合

     なし

   3  回

      なし

     3試合

   4  回

      2試合 

     1試合

上の表がポアソン分布をしているかをみてみます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は
P(x)={(m^x)/x!}×e^(−m)   です。
ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は
m=(1×11+3×3+4×1)/48=24/48=0.5…
 これは、この年のセンバツでは、逆転または勝ち越しが1試合平均0.5回起こったことを意味しています。これは統計を取った中では、一番低い数字でした。それだけ逆転や勝ち越しの少ない大会でした。皆さんは、どのように思われました。

 逆転・勝ち越しが起こる確率

 理論値

 実際の試合数

 0回 0.6065×48

 29.114

    33

 1回 0.3033×48

 14.557

    11

 2回 0.0758×48

  3.639

     0

 3回 0.0126×48

  0.607

     3

 4回 0.00158×48

  0.0758

     1

以上、これで、全国大会春・夏6回目の統計でした。実際の値と理論値がちよっと合っていませんね。

 

   <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

 

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