令和7年2月3日

<大相撲の巴戦>

巴戦のルール

大相撲で千秋楽に3人の力士A,B,Cが同率トップで並んだ場合,優勝決定戦を巴戦で行う。
くじ引きで最初の対戦者をA、Bとし、控えの人をCとします。
ルールは最初にAとBが対戦し、その勝者と控え力士Cが対戦する。
次のその勝者と控え力士が対戦する。
こうして最初に2連勝した力士を優勝とする。
3人の力士が互角のとき,このようなルールで優勝が決まるまで、無数の場合が考えられる。
3人の力士A,B,Cが優勝する確率は樹形図を用いて考えてみる。
 樹形図では,AとBの対戦を〇,BとCの対戦を△,CとAの対戦を□で表す。
また,それぞれA,,Cが2連勝して優勝が決定した場合を
と表す。下記の樹形図上に,確率を書きます。
3人の実力を互角としたので,各人が各対戦で勝つ確率は1/2です。
 

最初に,,Bが戦ってAが勝つ確率は
最初の取り組みから考えてみると,A対B→A対CでAが優勝する確率は、
となる。
このようにして,Aが優勝する確率をピックアップしてみると。
 最初のAとBの対戦でAが勝った場合
・・・@
最初のAとBの対戦でBが勝った場合
・・・A です。
 

ここで,Aの確率を無限等比数列の和の公式を用いて求めてみる。
@のときは初項が
,公比がより
 
 

Aのときは初項が,公比がより

よって,Aの優勝する確率は  となる。

また、樹形図からBの優勝する確率も同じです。
次ぎに、Cの優勝する確率は


 以上から、A,,Cの優勝する確率の比は,A:B:C=5:5:4

確率はA=B=,C=このような巴戦は最初に2勝するまで永遠に続きます。

 ルール的には,最初の控え力士は約7%の不利があり、巴戦は公平ではありません。
 では、公平な戦い方はリーグ戦による方法です。
最初に,AとBが戦い、AとBの敗者と控えのCが戦い,
最後にAとBの勝者とCと戦います。3人で2勝した力士の優勝です。
ところが,3人が1勝1敗のときは,再度,3人のよるリーグ戦の再開です。
誰かが2勝するまで、このリーグ戦を繰り返します。

参考に、過去の3人による巴戦の結果を示しておきます。

最近では,令和7年1月場所にあり,下記の結果,大関 豊昇龍が優勝

平幕 金峰山● 寄り切り 〇大関 豊昇龍
平幕 王鵬 ● 寄り倒し 〇大関 豊昇龍

 

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