考え方:具体的にM=1から10までぐらい分割方法を考えて、まずは調べてみます。
自然数Mの分割した自然数の数列をa(1)≦a(2)≦a(3)≦・・・≦a(n)としても
一般性を失わない。(和の順序を問わない)
M | 分割方法の数 | 積が最大となるn | 数列 { a(1),a(2),・・・} |
1 | 1 | 1 | { 1 } 注:特別扱い |
2 | 2 | 1 | { 2 } |
3 | 3 | 1 | { 3 } |
4 | 5 | 1 、 2 | {4} 、 {2 ,2} |
5 | 7 | 2 | {2,3} |
6 | 11 | 2 | {3,3} |
7 | 15 | 2 、3 | {3,4}、{2,2,3} |
8 | 22 | 3 | {2,3,3} |
9 | 30 | 3 | { 3,3,3} |
10 | 42 | 3 、 4 | {3,3,4}、{2,2,3,3} |
11 | ? | 4 | { 2,3,3、3} |
12 | ? | 4 | { 3,3,3,3} |
<研究材料>
自然数Mの分割方法の数とその分割個数nは研究に値します。
以上から、次のことが予想されます。
(1)Mを3で割った剰余系で分類される。
(2)2≦a(i)≦ 4 注:M=1のときは特別扱いとする。
(3)2個の2(2×2=4)と1個の4は同じ積となる。
M=4,7,10、・・・・
(4)たかだか2個の a(i)が2(または1個のa(i) が4)で、他は全て3ばかり
<証明>(2)
積 a(1)a(2)a(3)・・・a(n) が最大となるように、nおよび a(1)、a(2)・・・、
a(n) を決めたとき、
(@)a(1)=1と仮定する。
このとき、数列 a(2)+1,a(3) ,a(4),・・・,a(n) は
{a(2)+1}+a(3) +a(4)+・・・+a(n)
= a(1)+a(2)+a(3) +a(4)+・・・+a(n) =M
をみたし、a(2)+1>a(1)a(2)=1・a(2)= a(2)
{a(2)+1}・a(3)・……・a(n) > a(1)・a(2)・a(3)・……・a(n)
よって、a(1)a(2)a(3)・・・a(n) の最大性に矛盾する。
以上より、2≦ a(1)≦a(2)≦a(3)≦・・・≦a(n)
(A)5≦ a(n) と仮定する。
このとき、数列 a(1),a(2),a(3),・・・,a(n−1),a(n)−2,2は
a(1)+a(2)+a(3)+・・・+a(n−1)+{a(n)−2}+2
= a(1)+a(2)+a(3)+・・・+a(n−1)+a(n)=M
をみたし、{a(n)−2}・2 =2a(n) −4=a(n) +{ a(n)−4}
> a(n) a(1)・a(2)・a(3)・……・a(n−1)・{a(n)−2}・2
> a(1)a(2)a(3)・・・a(n)
よって、a(1)a(2)a(3)・・・a(n) の最大性に矛盾する。
したがって、 a(1)≦a(2)≦a(3)≦・・・≦a(n)≦ 4
<証明>(3) 自明
<証明>(4)
a(1)=a(2)=a(3)=2 と仮定すると、
このとき、数列 3,3,a(4),a(5),・・・,a(n) は
3+3+a(4)+a(5)+・・・+a(n)
=2+2+2+a(4)+a(5)+・・・+a(n) =M
をみたし、3×3>2×2×2= a(1)a(2)a(3) より
3・3・a(4)・a(5)・……・a(n) > a(1)a(2)a(3)・・・a(n)
これも、a(1)a(2)a(3)・・・a(n) の最大性に矛盾する。
よって、2はたかだか2個、4は2と2に相当するので、ほかに2がないときに限り、
たかだか1個である。
そこで、
<研究結果>
以上のように、結果は“ほとんどのa(i)が3”ということになりました。3という値に意味が
あるのではないかと思い、a(1),a(2),a(3),・・・,a(n) を有理数まで、拡大します。
nを固定して、(相加平均)≧(相乗平均)を利用すると、
{a(1)+a(2)+a(3)+・・・+a(n)}/n
≧ {a(1)a(2)a(3)・・・a(n)}の正のn乗根 *記号でなく言葉でごめん
よって、 a(1)a(2)a(3)・・・a(n)≦[{a(1)+a(2)+a(3)+・・・+a(n)}/n]^n
={M/n}^n
ここで、 a(1)=a(2)=2、a(3)=・・・=a(n)=M/n のとき、等号が成立
次ぎに、{M/n}^n=f(n) とおいて、f(n)の定義域を正の実数の範囲まで、
拡大します。
f(x)= {M/x}^x と直して、対数を取って、
Y=logf(x)=x(logM−logx)
微分して、Y’={logf(x)}’= logM−logx−1= log(M/xe)
さらに、f(x)と Y=logf(x)の増減は一致するので、下の増減表を得る。
x | 0 | M/e | ||
{logf(x)}’ | + | 0 | − | |
logf(x) | ↑ | 極大 | ↓ | |
f(x) | ↑ | 極大 | ↓ |
よって、x= M/eのとき、f(x)は最大値をとる。
このとき、M/x=e 、そして、この実数xは、もともと自然数nだったから、
M/x≒M/n=a(i) (i=1,2,3,・・・,n)
超越数e=2,71828・・・ に最も近い整数が3ということです。
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