平成10年 9月 3日
「有名な数学者の人名当てクイズ」
<解 答 編>
さて、問題です。数学史を読んでいると、いろいろの「・・・の父」と言う言葉が
あるテーマに関して最初に研究したとか、発明したとか、最初に論文や著書を出し
たとかででてきます。 次の述べる父は誰ですか?
紀元前600年頃のギリシヤの哲学者:抽象的な幾何学を導入し、演繹的思考の発達を
試み、多くの発見をし、同時に幾何学的事実を収集した。
2. |
3巻から成る大著「幾何学原論」の父 |
答え「ユークリッド」 |
紀元前330年頃のギリシヤ系の人。ユークリッドはニュートン以前のあらゆる数学者
のうちで最も有名である。彼は数冊の本を著しているが、彼の評判を高めた有名な本
の1つが「幾何学原論」である。この13巻の本の中にユークリッドは当時の幾何学
のすべてを集めた。
3. |
幾何学の作図を、定規とコンパスとに限定した父 |
答え「アポロニウス」 |
アポロニウスは紀元前260年頃から200年頃の偉大な幾何学者で、アレクサンドリア
に学び、そこで講義をしたようである。彼は円錐曲線の体系的研究をし、「円錐曲
線」という8巻から成る大著がある。作図は1つのコンパスと1本の定規のみでし
なければ ならないと定義のように述べた最初の人である。
4. |
微積分における記号表示の父 |
答え「ライプニッツ」 |
ライプニッツはニュートンとは全く独立して、17世紀に微積分を発見したことで知
られている。ライプニッツは、微分・積分という名を用いた。今日微積分学で用いら
れる記号の多くは彼の功績によるものである。
ガウスは1777年に生まれた。彼が優れた数学者であるとともに偉大な天文学者でもあ
った。1801年に出版された彼の「整数論」は今日でもなお、数論の立派な書物である
ことに変わりはない。ゲッチンゲンに建設された磁気観測所から彼は電信を近隣の町
に送った。これが電信の実用性を示す最初のものであった。
6. |
713年に出版された「推測論」の中に彼の名を冠した特殊な数がある。 |
答え「ベルヌーイ」 |
ヤコブ・ベルヌーイはスイスの多くの傑出した数学者を出したベルヌーイ一家の1人 で、
1687年にバーセル大学の数学教授に任命された。積分学に関する研究を最初に 出版した数
学者である。彼の死後出版された「推測論」には彼の名にちなんだ ベルヌ ーイ数を定義し
ている。
7. |
弦の振動問題の完全な解と「解析的力学」の父 |
答え「ラグランジュ」 |
- 彼は18世紀の最大の数学者と言われている。彼はイタリヤのトリノに生まれ、そこ
に科学学士院を設立した。その後ベルリンに行き、最後には教授としてパリに行った。 彼は
若くして数学に大きな貢献をし、全生涯を通じて多くの著書や論文を休むことなく 書き続け
た。彼の記念すべき著書は「解析力学」で、1つの基本原理から力学全体を演 繹的に取り扱
っている。彼が弦の振動を扱ったのはトリノの頃であった。以前の解法の 不備を指摘し、完
全な解を与えた。
8. |
平面上に球面を投影されて作った世界地図の父 |
答え「メルカトール」 |
彼は生涯を研究に捧げたフランダースの数学者であり、地理学者であった。彼の優れ た世界
地図は1569年に完成され、メルカトール投影図法と言われる。経線と緯線が直 交し、方角が
直線で表されるため、18世紀以来航海用の地図として用いられてきた。
また、メルカトールは地図、地球儀、それに天文学上の機具を、彼の時代としては驚く ほど
精密に作った彼の仕事は息子の2人によって受け継がれた。
次は、アルファベットのシャッフル問題です。
ヒントをよく読んで、有名な数学者の名前を当ててください。
9. |
DIME−SEARCH(10セント銀貨を探せ)
われに支点を与えよ、さらば地球を動かして見せよう。 |
S(アルキメデス) |
え ARCHIMEDES(アルキメデス) |
彼は最も古い時代紀元前3世紀の数学者の1人。彼が偉大な才能の持ち主であった ことは
彼の発見からよく知られている。彼の書いたいくつかのものは今でも存在してい る。この
には円、螺旋形、球、円筒形、そして算数に関する研究などが含まれている。
10. |
SCARED SET(おびえた仲間)
彼は決してこんな仲間には属していなかった。というのは、彼は数学者になる
前は軍隊に入っていたのだから。 |
答えDESCARTES(デカルト) |
彼はガリレオと同時代の人で1596年フランスのトゥールの近くで生まれた。数学者 として、
解析幾何学に貢献したことは最もよく知られている。著者に彼の名にちなんで 名付けられた
デカルト座標が用いられている。彼はこの有益な発見を最初に発表した人 であった。デカル
トは代数、幾何に関する研究と同様、「幾何学」という名の座標幾何 学に関する最初の学術
論文を出版した。
11 |
MENU SALE(メニュー売ります)
彼は独創的な優れた仕事をした紀元前1世紀の数少ない数学者の1人であっ
た。 |
答え MENELAUS(メネラウス) |
アレクサンドリア出身のメネラウスは紀元前1世紀の人である。現存する彼の球面三
角法に関する研究はよく知られている。上級の幾何学においてチェバの定理の後にメ
ネラウスの定理学ぶ。これは三角形の辺またはその延長と交わる直線を取り扱ってい
る。
12. |
A DACRON(ダクロン、合成繊維の商標名)
彼は1つのダクロン・シャツも「手に入れる」ことはできなかった。しかし、
その時代に3次方程式の解法を「獲得」したようである。 |
答え CARDANO(カルダノ) |
このイタリヤ人の名は英語で、しばしばCardanと綴られている。彼は16世紀
の人で、算数と代数に関する著作を出版して有名になった。イタリヤの数学者タル
タリヤが3次方程式の解法を発見し、カルダノがそれを引き継いで代数に関する著
書を発表した。
13. |
ULE E(ルール E)
イスの数学者。ある定数に彼の名のかしら文字がつけられている。 |
答え EULER
(オイラー) |
彼は多くの優れた数学者を出したベルヌーイ一家と親密な間柄にあった18世紀のス
イスの数学者である。彼は数学のあらゆる分野にわたる多くの著述があり、盲目に
なった後もなお研究を発表しつづけた。自然対数の底である記号eは1713年に彼が
初めて用いたものである。彼は現在も用いられている三角法の記号やπをさらに一
般的なもの にした。
14. |
ROME DIVE(ローマよ、沈め)
彼は微積分の発見者を決定するための委員会のメンバーに選ばれた。 |
答え DE MOIVRE
(ド・モアブル) |
彼は生涯の大部分をロンドンに過ごした18世紀のフランスの数学者である。
ニュー トンの主著「プリンキピア」(自然哲学の数学的原理)は彼に数学へ
の関心を抱かせた。 三角法におけるド・モアブルの定理は有名である。微積
分の発見者はニュートンはライ プニッツかを審議する委員会のメンバーに王
立協会から任命された。
15. |
彼の講義に出席する人は聴講者か数学者であった。そして、いばらの道
(a gorsy path)を歩まねばならなかった。 |
え PYTHAGORAS(ピタゴラス) |
彼は古代の最も有名な数学者の1人である。彼は紀元前6世紀に人である。研究後、
彼はイタリヤにあるギリシア人の町クロトンに行き、そこで学校を創設した。ピタゴ
ラスは幾何学を教育の必須教科とした。彼の弟子たちの発見の多くはピタゴラスの功
績にされていた。このギリシアの哲学者は大きな影響力をもっていたことは疑いない。
ピタゴラス学派は政治にまで関与し、反対から解散させられ、ピタゴラスは亡命中に殺
害された。
16. |
彼が発明した計算機には、多くの留め金(a clasp)が用いられたこ
とは疑う余地のないことである。 |
答え PASCAL(パスカル) |
パスカルはデカルトと同時代の人である。彼は幼い頃から幾何学に対する天分を発揮 し、非常に早く
ユークリッド幾何学をマスターし、哲学者としても数学者としても名声 を博した。また確率論に関す
る多くの独自の研究にも、サイクロイドの研究にも功績が あった。19歳のとき最初の計算機を作り、
1649年には計算機製造に対し、王より 特権が与えられた。
17. |
の考えには新しくない(not new)ものもあったが、彼に匹敵する
がいなかったことは疑いない。 |
答え NEWTON(ニュートン |
|
アイザック・ニュートン(1642〜 1727)は英国で最も偉大な数学者である。
彼の功績を評価するに当たって、どんなに賞賛してもしすぎることはないでしょう。多 くの数学者に
よって、彼があらゆる時代を通じて最大の天才であったと言われている。
18 |
物理学における彼の仕事はnine ties
よりもっと大きな賞をもたらした。 |
答え EINSTEIN(アインシュタイン) |
疑いもなく彼は過去数百年を通じて最も素晴らしい数学・物理学者であった。彼は 1879年南ドイツのウルム市内でユダヤ人の両親から生まれた。若い頃から明敏な数学 者で、スイスのチューリヒの工科大学で数学と物理学を学んだ。彼は相対性理論の研究 で起こった多くの問題を解決するために数学を用いた。34歳のとき、ベルリン大学の 教授となった。それは一般相対性の理論を発表した1916年であった。1921年に彼はノ ーベル物理学賞を受賞し、それ以後、物理、統計学、数学の発展に貢献した。
彼は数学の天才と言われ、新しい数学を用いることによって自然界の多くの矛盾を解 決する事が出来た。
もしもひとつの方程式でアインシュタインを表すとすれば、それはE=mc^2であ ろう。ここでEは質量mが変換によって放出したエネルギーであり、cは電磁気の波の 速度である。
******* 以上の問題と答えについて
問題の出典
A Quizbook
ヘフォード バブ 著 三橋重男 訳
東 京 図 書
自宅:mizuryu@aqua.ocn.ne.jp
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