平成11年5月9日

  オイラーの公式を利用した微分・積分

   <水に流れ>の授業編                          

 オイラーの公式e^ix=cos x+isin x(iは虚数単位)を用いると、

三角関数が指数関数に表現できます。

 

だから、三角関数の微積分は指数関数の微積分になるので、

e^x・sin xやe^x・cos xの形の微分、積分はオイラーの公式を用いると

便利です。

 

 そこで、基本的な考え方を紹介します。

連立方程式 e^ixcos x+isin x…@

      e^(ix)cos x−isin x…A

sinx、 cos xについて、解くと、

sin x={e^ix−e^(ix)}/2i  ,cos x={e^ix+e^(ix)}/2となりす。

 

 このとき、虚数単位iを含む微積分では、iを通常の定数と同様に扱います。

途中分母の実数化をしてもできます。

 

(1) ここで、書いてみます。まず、積分からいきます。

∫e^x (cos x+isin x)dx=∫e^x・e^ixdx

=∫e^(1+i)xdx=e^(1+i)x(1+i)+C

=(1−i)/2・e^x・e^ix+C

=(1−i)/2・e^xcos x+isin x)+C

=1/2・e^xcos xsin x)+i/2・e^xsin xcos x)+C

 

 ここで、実部と虚部を比較して、結果を得る。

∫e^x cos xdx=1/2・e^xcos xsin x)+C

∫e^x sin xdx=1/2・e^xsin xcos x)+C

 

(2) 次に、微分です。

() =e^x cos x 、  g()=e^x sin x として、

()=e^x (cos x+isin x) とおくと、

   =e^x・e^ix 

   =e^(1+i)x とかける。

h’()(1+i)・e^(1+i)x 

   =(1+i)・e^x・e^ix 

   =(1+i)・e^x(cos x+isin x)

    =e^xcos xsin x)+ie^xcos xsin x

 

 ここで、実部と虚部を比較して、結果を得る。

f’() =e^xcos xsin x) 、g’()=e^xcos xsin x

 皆さん、こんな微積分があったら、オイラーの公式を使って解いてください。

 

高校の先生が答案をみて、どんなコメントを言われるか楽しみですね。

    自宅:mizuryu@aqua.ocn.ne.jp




Back