平成11年5月11日
3次方程式の解法<カルダノ・タルタリアの方法>
<水の流れ> 授業編
3次方程式 Ax^
3+bx^2+Cx+D=0 (A≠0)・・・@ において、両辺をAで割って,x^
3+px^2+qx+r=0 ・・・A とおく。次に、x=y−p/3
・・・ B とおき、2次の項を消す。y^
3+ay+b=0 ・・・ C の形にする。[なぜなら、f(x)=x^
3+px^2+qx+rとしたとき、f'(x)=3x^
2+2px+q,f'(x)=6x+2p=0より、x=−p/3 いわゆるxをp/3
だけ、平行移動して、変曲点をy軸上に移すと2次の項がなくなる。]
ここで、y=u+v ・・・D とおき、整理すると
(u+v)^
3 +a(u+v) +b=0 から(u^
3+v^3+b)+(u+v)(3uv+a)=0 ・・・E となるから、u^
3+v^3=−buv=−a/33 ・・・F
を満たすu,v を求めることにする。u^
3・v^3 =(−a^3/27) ・・・G として、 u^3とv^3 は2次方程式t^2+bt−a^3/27=0 ・・・H を解いてでてくる。
ただし、u≦vとする。
また、その1組を(u,v)とすると、当然(uω,vω^
2),(uω^2,vω )も解である。
ただし、
ω、ω^2 は1の立方解で虚数解を表す。次に、ここから、yを求め、xがでる。
よって、x=u+v−p/3=α
(実数解)x=uω+vω^
2−p/3=β (虚数解)x=uω^
2+vω−p/3=γ (虚数解)それでは、トリボナッチ数列の特性方程式 x^
3−x^2−x−1=0をカルダノ・タルタリアの解法に従って、解いてみます。
f(x)=x^
3−x^2−x−1 とおいて、f’(x)=3x^
2−2x−1 ,f’’(x)=6x−2=0 より x=1/3
次に、x=y+1/3
とおき、2次の項を消す。(y+1/3)^
3 −(y+1/3)^2 −(y+1/3) −1=0∴ y^
3−4/3y−(38/27)=0ここで、y=u+v とおき、整理すると
(u+v)^
3−4/3 (u+v)−(38/27) =0 から{u^
3+v^3−(38/27)}+(u+v)(3uv−4/3)=0 ・・・さらに、次の連立方程式から、u,vを求める。
u^
3+v^3=(38/27)uv=4/9
ここで、u^
3・v^3 =(64/729) として、 u^3とv^3 は2次方程式t^2−(38/27)t+(64/729)=0
∴
729t^2−1026t+64=0また、判別式をDとすると、D/4=(513)^
2 −729×64=216513=(81)^
2 ×33よって、t=(513±81√33)/729=(19±3√33)/27
u≦vとして、
u=
3√(19+3√33)/3、v= 3√(19−3√33)/3以上から、
x=
3√(19+3√33)/3+ 3√(19−3√33)/3+1/3・・・実数解
x=ω
3√(19+3√33)/3+ω^2 3√(19−3√33)/3+1/3・・・虚数解
x=ω^
2 3√(19+3√33)/3+ω 3√(19−3√33)/3+1/3・・・虚数解
ここで、
3√(19+3√33)は(19+3√33)の3乗根を表します。すなわち、
3√ は 3乗根の記号です。(*後、この実数解はニュートンの近似式で求めてみると、x≒1.8になります。)
さらに、まだ見ぬ21世紀の偉大な数学者達はこのホームページをみて、
トリボナッチ数列の一般項をきれいな美しい式で表してくれることを期待します。
<水の流れ> より