平成14年6月29日
[流れ星]
第100回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:6月16日〜6月30日>
[1次リーグの勝点]
太郎さんは、2002年ワールドカップのサッカー1次リーグの勝ち点について興味を持っています。前後半90分の試合を行って、
勝ったら勝ち点3点、引き分けたら勝ち点1点、負けたら0点となっています。
ここで、問題です。実はこの問題は第60回の応募問題と同じです。エレガントな解法を期待しています。
問題1:3チームでこの勝ち点方法でリーグ戦を行ったとき、
(1)1チームの勝ち点の取り方は、何点から何点まであって、それらは何通りの試合から生まれるか。
(2)3チームの勝ち点の取り方をすべてあげてください。
問題2:4チームでこの勝ち点方法でリーグ戦を行ったとき、
(1)1チームの勝ち点の取り方は、何点から何点まであって、それらは何通りの試合から生まれるか。
(2)4チームの勝ち点の取り方をすべてあげてください。
問題3:5チームでこの勝ち点方法でリーグ戦を行ったとき、
(1)1チームの勝ち点の取り方は、何点から何点まであって、それらは何通りの試合から生まれるか。
(2)5チームの勝ち点の取り方をすべてあげてください。
NO1<スモークマン>さんの解答 6月17日 16:37受信 更新6月29日
1-1
(x3+x+1)2=x6+2x4+2x3+x2+2x+1 から、6,4,3,2,1,0 の得点分布となる。
1-2
上の式に、y3+y+1 を掛けると、1+2+2+1+2+1=9 に、3を掛けた27通りとなる。
2-1
(x3+x+1)3=(x6+2x4+2x3+x2+2x+1)(x3+x+1)
=x9+3x7+3x6+3x5+6x4+4x3+3x2+3x+1 だから、9,7,6,5,4,3,2,1,0 となる。
3-1
9,7,6,5,4,3,2,1,0 に、3,1,0 を足したら、12,10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0 となる。
NO2<kashiwagi>さん1回目の解答 6月19日 8:15受信 更新6月29日
今回は記念すべき100回目ですね。一口に100回と長言いますが、月に2問づつですから年に24問として4年以上お続けになっていらっしゃるわけですね。
いやはやこはもの凄いことですね。
私は昨年の7月に偶然この欄を見つけ投稿させて頂いておりますが、速さを競わず、じっくりと考えさせる問題に徹されていらっしゃるところが好きです。
しかし、作問も5回位ならどうにかなるでしょうが、10回、20回と増えるに従い、ネタ切れになります。そんなものどこ吹く風というようにいなしていらっしゃいますが、努力に頭が下がります。
大変とは思いますが、今後とも続けられ我々の頭を鍛えて頂くとともに、ご指導を宜しくお願い申し上げます。取り敢えず、100回に! !!!! 乾杯 !!!!!
今回の問題はずっと考えておりましたが、昨日のスモ−クマンさんの解答をみて、私の考え方と表現は異なるが、同じだなと感じましたので、全て(1)のみですが送付させて頂きます。ご指導下さい。しかし、重複組み合わせの結果、勝ち点のとりかたが、チーム数の組み合わせ方と同じとは目からうろこです。
この考え方で(2の方も考えておりますが、未だ結論に至っておりません。考え方がまとまりましたら送付させて頂きます。ご指導の程宜しくお願い申し上げます。
第100回解答
勝ち点の取り方は勝つ,負ける及び引き分けるという3種類のカテゴリーから重複を許して、2,3及び4個とる組み合わせであるから各々の問題の(1)は以下の表の様になる。
一般化してみましたが、非常に簡単且つ綺麗な値になるのですね。感嘆致しました。
チーム数 |
勝ち点の取り方 |
3 |
3H2 =4C2=6 |
4 |
3H3=5C3=5C2=10 |
5 |
3H4=6C4=6C2=15 |
n |
3Hn=2+nCn=(n+2)(n+1)/2 |
NO3<kashiwagi>さん2回目の解答 6月22日 19:51受信 更新6月29日
お世話になります。組み合わせによる(2)の説明は未だできませんが、再度(1)を見直しておりましたら、非常に面白く、奇麗な形にまとまりました。
しかも、チーム数nの場合が間違えておりました。因って、解答の表を再度作成致しましたので再送させて頂きます。
私が知らないだけで、極々当たり前の定理かも知れませんが、自分で苦労して到達した結果ですので愛着があります。尚、誤解が生じ易い表現を避けるため、勝ち点の
取り方と勝ち点の数で分けてみました。ご指導の程宜しくお願い申し上げます。
第100回解答
チーム数 |
勝点の取り方 |
階差 |
重複する勝点数 |
階差 |
勝点の数 |
階差 |
2 |
3H1=3 |
|
0 |
|
3 |
|
|
|
3 |
|
0 |
|
3 |
3 |
3H2=6 |
|
0 |
|
6 |
|
|
|
4 |
|
1 |
|
3 |
4 |
3H3=10 |
|
1 |
|
10-1=9 |
|
|
|
5 |
|
2 |
|
3 |
5 |
3H4=15 |
|
3 |
|
15=3=12 |
|
|
|
6 |
|
3 |
|
3 |
6 |
3H5=21 |
|
6 |
|
15 |
|
|
|
7 |
|
4 |
|
3 |
7 |
3H6=28 |
|
10 |
|
18 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
n |
|
n-3 |
|
3 |
n |
3Hn-1=(n+1)n/2 |
|
(n-2)(n-3)/2 |
|
3(n-1) |
|
NO4<遊楽街>さんリンク解答 6月22日 21:15受信 更新6月22日
NO5<H7K>さんの解答 6月23日 20:52受信 更新6月22日
最近、組版関係(TeX)ばかりやっていたので、数学はちょっとやっていませんでした。
1.(1)勝ち点6:33(1)
5:-
0:00(1
2.(1) 9:333(1
8:-
7:331(3
6:330(3
5:311(3
4:310(6
3:300(3,111(1
2:110(3
1:100(3
0:000(1
3.(1) 12:3333(1
11:-
10:3331(4
09:3330(4
08:3311(6
07:3310(12
06:3300(6,3111(4
05:3110(12
04:3100(12,1111(1
03:3000(4,1110(4
02:1100(6
01:1000(4
00:0000(1
7
333333
333331
333330
333311
333310
333300,333111
333110
333100,331111
333000,331110
331100,311111
331000,311110
330000,311100,111111
311000,111110
310000,111100
300000,111000
110000
100000
000000
これ以降:(nチームの場合)
3n-4以外は全てあり得る。(明らかなので略)
m点のとり方を考える。
m>3n-6のときは、1通り
それ以外は、300->111に置き換えることで違うものが出てくる
つまり、m点の取り方は[「できるだけ3と0だけのやり方」での0の数/2]+1通りとなる。
では、では、「それぞれの...」(答えをf(n,m)とする)を考える。
m=3p+l(l=0,1,2)と書けるはずである。
「置き換えられた3の数」が0の場合の通り数は_{n-1}C_l*_(n-1-l)C_p=p!l!(n-1-p-l)!/(n-1)!.
...
「置き換えられた3の数」がq個の場合、_{n-1}C_{l+3q}*_(n-1-l-3q)C_{p-q}={p-q}!{l+3q}!(n-1-p-l-2q)!/(n-1)!.
...
qは0-[(n-1-p-l)/2]まで動くので、
f(n,m)=\sum^{\max([(n-1-p-l)/2],p)}_{q=0}
{}_{n-1}C_{l+3q}{}_{n-1-l-3q}C_{p-q}
となる。
// おや、これは遊楽街氏のやつと同じだ...
(重複する勝点数について):
1こ置き換えられるのは3が一個でもあって、0が2個以上あるときだから3(n-4)通り
2こ置き換えは3が2こ以上、0が4こ以上->3(n-7)通り
よって、重複する勝点数(U)は
3{(n-4)+(n-7)+....}
n=3pの場合、U=3((3p-4)+(3p-7)+...+2) (p-1項)
=3(3p-2)(p-2)/2=(3p-2)(3p-3)/2=(n-2)(n-3)/2
n=3p+1の場合、U=3((3p-3)+(3p-6)+...+3)+1 (p-1項+1)
9(p-1)p/2+1=(n-4)(n-1)/2+1=(n-2)(n-3)/2
n=3p+2の場合、U=3((3p-2)+(3p-5)+...+4+1) (p項)
=3(3p-1)p/2=(3p)(3p-1)/2=(n-2)(n-3)/2
よりU=(n-2)(n-3)/2.