平成14年7月20日

[流れ星]

        第101回数学的な応募問題解答

          <解答募集期間:7月1日〜7月20日>

[円を分割]

   

太郎さんは、「数学A」の教科書で次のような問題をよく見かけます。

問題1:平面上にn本の直線があり、どの2本も平行でなく、また、どの3本も同一の点を通らないものとする。

このとき、これらのn本の直線によって平面がa個の領域に分けられたとすると、

 

(1)数列{an }において、最初の6項を求めてください。

(2)数列{an }において、一般項an をnの式で表してください。

 

 さて、同じようなことを円の中で考えてみることに気がつきました。

 

問題2:円周上にn個の点があり、そのすべての組み合わせが線で結ばれています。ただし、内部の点で3本以上の線が交差しないように、その点が結ばれているものとする。このとき、これらの直線によって、円の内部がb個の領域に分けられたとすると、

 

(1)数列{bn }において、最初の6項を求めてください。

(2)数列{bn }において、一般項an をnの式で表してください。

  * 太郎さんは、まだ、この答えを知っていません。

 

 

NO1<H7K>さんの解答1回目 6月30日 13:57受信 更新7月20日

1.
a_1=2,a_2=4,a_3=7,a_4=11
より、a_n=n(n+1)/2+1

よって、a_5=16,a_6=22

2.
b_1=1,b_2=2,b_3=4,b_4=8である。

b_5=5+11=16
b_6=6+25=31
となる。

 (2) なんかb_6はa_9と関係有りそう...

 

NO2<H7K>さんの解答2回目 7月02日 18:47受信 更新7月20日

2(2)c_n+n=b_nとしてc_nを定義すると

c_n=c_{n-1}+(n-2)+(n-3)+(n-4)*2+(n-5)*3+....+2*(n-2)+(n-3)
   =c_{n-1}+(n-2)+sum^{n-3}_{k=1}(n-2-k)k

   =c_{n-1}+(n-2)+sum^{n-3}_{k=1}\{(n-2)k-k^2}

   =c_{n-1}+(n-2)+(n-2)^2(n-3)/2-(n-3)(n-2)(2n-5)/6

   =c_{n-1}+(n-2){1+(n-2)(n-3)/2-(n-3)(2n-5)/6}

が成立する。

 (横切った線の本数などより。)

よって、

b_n=b_{n-1}+1+(n-2)\{1+(n-2)(n-3)/2-(n-3)(2n-5)/6\}(=n^3/6-n^2+17/6*n-2)

b_1=1なので

b_m=1+sum^{m}_{k=1}(b_k-b_{k-1})
=1+sum^{m}_{k=1}(k^3/6-k^2+17/6*k-2)
=1-2m+17/12*m(m+1)-m(m+1)(2m+1)/6+1/6*(m^4/4+m^3/2+m^2/4)
=1/24*m^4-1/4*m^3+23/24*m^2-3/4*m+1

なお、ちなみに

d_n=(b_{n+2}-b_{n+1})-(b_{n+1}-b_n)
=n{1+n(n-1)/2-(n-1)(2n-1)/6\}-(n-1)\{1+(n-1)(n-2)/2-(n-2)(2n-3)/6}
=...
=1+n(n-1)/2}

 

NO3<遊楽街>さんの解答    6月30日 18:43受信 更新7月20日

「円を分割」 で、dvi形式(TeXの出力形式)、pdf形式、gif形式を用意してあります。ご覧ください。凄いレポートですよ。

NO4<kashiwagi>さんの解答   6月30日 19:12受信 更新7月20日

問題1.(1)

 参考に示されている図を使用し、更に線の数を増やしていくと以下の結果を得る。

an

領域数

階差

a1

2

 

 

 

2

a2

4

 

 

 

3

a3

7

 

 

 

4

a4

11

 

 

 

5

a5

16

 

 

 

6

a6

22

 

(2)上記結果より階差数列は初項2、差が1の等差数列であるから計算すると、

  an=(n^2+n+2)/2 となる。

 

問題2.(1)

 問題1と同様にして、参考図を利用し、更に円周上の点を増やしていくと、以下の結果を得る。

bn

 

階差cn

 

階差dn

 

階差en

 

b1

1

 

 

 

 

 

 

 

 

c1

1

 

 

 

 

b2

2

 

 

d1

1

 

 

 

 

c2

2

 

 

e1

1

b3

4

 

 

d2

2

 

 

 

 

c3

4

 

 

e2

2

b4

8

 

 

d3

4

 

 

 

 

c4

8

 

 

e3

3

b5

16

 

 

d4

7

 

 

 

 

c5

15

 

 

e4

4

b6

31

 

 

d5

11

 

 

 

 

c6

26

 

 

e5

5

b7

57

 

 

d6

16

 

 

 

 

c7

42

 

 

e6

6

b8

99

 

 

d7

22

 

 

 

 

c8

64

 

 

 

 

b9

163

 

 

 

 

 

 

(2)因って、3回階差数列を計算すれば良い。結果を以下に示す。

  dn = (n^2−n+2)/2

  cn = n(n^2−3n+8) /2

  bn = {n(n−1)(n^2−5n+18) +24}/24 

 

NO5<やぎ>さんの解答1回目   7月01日 01:37受信 更新7月20日

問題のBnの一般項のみ解答します。

Bn=(n^4−6n^3+23n^2-18n+24)/24

 

NO6<やぎ>さんの解答類題    7月02日 03:15受信 更新7月20日

第101回の問題2の類題

N角形にすべての対角線を引くとN角形は対角線でいくつの部分に分けられるか。

ただしN角形は凸型とし、3本以上の対角線がN角形の内部で交叉しないものとする。

解答をCnとすればCnBn-Nなので

 Cn=(n-1)(n-2)(n^2-3n+12)/24 となる。

 C3=1:C4=4:C5=11:C6=25 ------

 

NO7<やぎ>さんの解答2回目   7月06日 05:54受信 更新7月20日

第 101回 問題2 解答

 

                                    各頂点を結ぶ時に分割されて新しく出来る部分の数

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                                                                

 

 

 

 

7角形の場合を表に示したが最初に円として一つの区域があるので全体として(1+56)=57となる。

     左の図はP3の頂点から3本目の対角線を引いたところまでを図示している。この時新しくできた

   部分が5個であるので表のP3のところ左から3番目が5となっている。

 

   これをn角形に拡張すると

 

 

 

 <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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