平成14年12月15日
[流れ星]
第109回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:11月24日〜12月14日>
[自然数の分割]
* 太郎さんは、生徒と一緒に大学入試問題を眺めていたところ、慶應義塾大学に出ていた次のような問題をみつけました。
皆さん、チャレンジください。
NO1 「H7K」さんの解答 11/24: 12時35分 と13時35分 受信 更新12/15
早速,109回の解答です.
(1)
7,1+6,2+5,3+4,1+1+5,1+2+4,1+3+3,2+2+3より,p3(7)=8
また,p4(7)=8+3(1114,1123,1222)=11より,p4(7)-p3(7)=3
(2)
p_2(n)=[n/2]+1
(3)
p_k(n)=p_{k-1}(n)+p_k(n-k)
(4)
p_3(6n)=p_2(6n)+p_2(6n-3)+...+p_2(3)+1
=sum(k=1 to 2n)[3k/2] + 2n+1
=3n(n+1)+1
NO2 「中川」さんの解答 11/26: 01時50分 受信 更新12/15
(1)3個以下の和で7を表す方法は,
7, 1+6, 2+5, 3+4, 1+1+5, 1+2+4, 1+3+3, 2+2+3 の8通りあるから,
p<sub>3</sub>(7)=8
p<sub>4</sub>(7)-p<sub>3</sub>(7) は, ちょうど4個で7を表す方法の個数で,
1+1+1+4, 1+1+2+3, 1+2+2+2 の3通りあるから,
p<sub>4</sub>(7)-p<sub>3</sub>(7)=3
(2)nを表すとき, 1個の和はnの1通り.
2個の和は, (xの整数部分を[x]で表すと)
1+(n-1), 2+(n-2), …, [n/2]+(n-[n/2])
の[n/2]通りある. よって, p<sub>2</sub>(n)=1+[n/2]
(3) pk(n)-pk-1(n)
は, ちょうどk個の自然数の和でnを表す方法 …(i) の個数だが,
(i)のうちの1通りを,
a1+a2+…+ak=n (ai は自然数) …(ii) とおき,
ai-1=bi とおくと,
(ii)⇔b1+b2+…+bk=n-k
(bk は負でない整数) であり, b1〜bk のうち0のものを除けば,
これは, k個以下の自然数の和でn-kを表す方法 …(iii) の1つに他ならず,
(i)と(iii)は1対1に対応する.
よって, pk(n)-pk-1(n)=(i)=pk(n-k) だから, pk(n)=pk-1(n)+pk(n-k)
(4) p3(6n)=p2(6n)+p3(6n-3)
(∵ (3))
=1+3n+p3(6n-3) (∵ (2))
p3(6n-3)=p2(6n-3)+p3(6n-6) =1+[(6n-3)/2]+p3(6n-6)
=1+(3n-2)+p3(6(n-1)) より,
p3(6n)=p3(6(n-1))+6n …(iv)
n≧2のとき, (iv)のnを2, 3, …, nとした式を辺ごと加え,
p3(6n)=p3(6)+6(2+3+…+n)
p3(6)=p2(6)+p3(3)=(1+3)+3=7 だから,
p3(6n)=7+6(2+3+…+n)=1+6(1+2+3+…+n)=1+3n(n+1)=3n2+3n+1
(n=1のときも成り立つ)まり, 1+n/2 を越えない最大の整数.
NO3 「toru」さんの解答 11/26: 12時39分 受信 更新12/15
No.109の解答を試みます。
(1) P3(7)は、7,6+1,5+2,5+1+1,4+3,4+2+1,3+3+1,3+2+2 でアは8、
P4(7)はP3(7)に加えて、4+1+1+1,3+2+1+1,2+2+2+1がありイは3
(2) P2(n)はnが偶数の時、n,(n-1)+1,-----,n/2 + n/2 で (n+2)/2
nが奇数の時、n,(n-1)+1,-----,(n+1)/2+(n-1)/2
で(n+1)/2
合せて考えればウは(n+2)/2
(3) Pk(n)-Pk-1(n)はnをk個に分割する数で、それぞれは0にはならない
ので、まずk箇所に1を配ってしまうと考えると、残りのn-kをk個以下に分
割する数と等しくなる。よって エはn-k
(4) (2),(3)より P3(6n)=P2(6n)+P3(6n-3)
=3n+1+P2(6n-3)+P3(6n-6)=6n+P(6(n-1))
=6n+6(n-1)+P(6(n-2))=6n+6(n-1)+6(n-2)+P(6(n-3))=-----
---=6n+6(n-1)+-----+6x2+P3(6)=3(n+2)(n-1)+P2(6)+P3(3)
=3(n+2)(n-1)+4+3=3n^2+3n+1 ----オ
大学入試はもう25年近く昔で、現在は数学とは全く関係ない仕事をしています。い
ろいろ思い出しながら楽しんで解きました。ボケ防止のつもりで、また参加させても
らおうと思っています。今後ともよろしくお願いします。ペンネーム Toru
NO4 「Kashiwagi」さんの解答 11/29: 19時47分 受信 更新12/15
第109回解答
(1)題意より7= 7,6+1,5+2,4+3,5+1+1,4+2+1,3+3+1,3+2+1であるのでP3(7)= 8
全く同様にしてP4 (7)= 11 因ってP4 (7)−P3(7)= 3となる。
(2)nに数値を当て嵌め書き出して見ると、以下の様になる。
P2 (1)=1 |
P2 (2)=2 |
P2 (3)=2 |
P2 (4)=3 |
P2 (5)=3 |
P2 (6)=4 |
P2 (n-1)=n/2 |
P2 (n)=(n+2)/2 |
即ち、nが奇数の時:(n+1)/2を越えない
nが偶数の時:(n+2)/2を越えない
(3) 更に(1)の思考を最続けると、
P3 (7)−P2(7)=
4 = P3 (4)
P4 (7)−P3(7)=
3 = P4 (3)
P5 (7)−P4(7)=
2 = P5 (2) であるから、
Pk
(n)−Pk−1(n)= Pk (n−k) となる。
(4) (3)の結果とP3 (3)=3を使い、以下の計算を行うと、
P3 (12)−P3(6)= 12
P3
(18)−P3(12)= 18
P3
(24)−P3(18)= 24
・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
P3 (6n)−P3(6n-6)= 6n
これらの総和をとると、
P3 (6n)−P3(6)=6(n+ n-1+・・・・・+2)
=3(n2+n−2)
因って、P3 (6n)=3n2+3n+1である。
NO5 「三角定規」さんの解答 12/08: 16時49分 受信 更新12/15
《感想》私は,(3)を,表の中の数値をいじくっていて偶然見つけました。おそらくあっていると思います。これを証明しようといろいろやってみたのですが,うまくいきませんでした。入試では,きちんと証明しなければいけないのですよね。これ,ちゃんとできた受験生ってどれほどいるのだろう。<解答解説>に期待します。
<水の流れ>皆さんの解答と同じところがあります。また、自然数の分割方法はまだ、一般に表されていない未解決問題です。