平成11年5月5日

          [流れ星]

    第15回数学的な応募問題

 <解答募集期間:5月5日〜5月22日>

<解答募集延長期間:〜5月29日>

    [ダーツの確率]


 

 太郎さんのお子さんは中学生です。次のような問題をもらって来ました。

  1. 三角形ABCにおいて、点Aから辺BCに垂線AHを引きます。
  2. このとき、三角形ABCの外接円の半径を、2辺の長さAB,ACと

    垂線の長さAHで表しなさい。(図1参照)

     

  3. ある円において、点Pで直角に交わっている図2のような2本の弦AC、
  4. BDがあります。このとき、AP=2,BP=4,CP=3でした。

    この円の半径を求めなさい。(図2参照)

  5. ある円において、点Pで直角に交わっている図3のような2本の弦AC、
  6. BDがあります。このとき、AP=a,BP=b,CP=c,DP=d

    でした。この円の半径を a,b,c,dを用いて表しなさい。

     (図3参照)


     

     

     

    太郎さんは、先日のゴールデンウイークにある電気店の大売り出しに

     行って来ました。ここで、問題です。

  7. この電気店では、当たりとはずれの場所が図4のような丸い的でダーツ

  競技を行っていました。的内の任意の点Pで交わる4本の弦を引き、

  的を8つの部分に分けてありました。

   ただし、4本の弦はそれぞれ45度で交わっていました。

  この8つの部分を交互に赤と白に4つに塗り分けてありました。

  赤が当たりで、白がはずれです。当たりである確率求めてください。

    


 


太郎さんは童心にかえって、ダーツ競技を楽しんでいましたが、当たりと

  はずれの確率が気になってしかたがありません。

 

    皆さんも、考えてください。 

 

      <浜田 明巳>さんからの解答5月12日


 第15回数学的な応募問題(ダーツの確率)解答

 問題4を十進BASICのプログラムmondai15.10bを作成し求めました.内容は次の通りです.

 的を原点中心,半径1の円とします.乱数を使って,4本の弦の交点(xc,yc)を求め,x軸とのなす角をt+π/4*jj=1,2,3,4,0t<π/2)とします.4直線の方程式は,

  f(j)=(x-xc)*sin(t+π/4*j)-(y-yc)*cos(t+π/4*j))=0

となります.

 ダーツが当たった場所を(x,y)とし,f(1)*f(2)*f(3)*f(4)の符号が正のとき当たり,負のときはずれとします.当たりを赤の点,はずれを黒の点で表示します.

 この試行を1000000(max)回繰り返し,確率を求めます.

 このプログラムにより,答は,

   499652 / 1000000 = .499652

つまり,1/2となります.

              浜田 明巳

 

!mondai15.10b

set window -1.1,1.1,-1.1,1.1

randomize

dim lx(4,2),ly(4,2)

let max=1000000

let count=0

let xc=1

let yc=1

do while sqr(xc*xc+yc*yc)>1

let xc=2*rnd-1

let yc=2*rnd-1

loop

let t=pi*.5*rnd

for j=0 to 3

if cos(t+pi*.25*j)<>0 then

let a=1+tan(t+pi*.25*j)*tan(t+pi*.25*j)

let b=2*(yc-xc*tan(t+pi*.25*j))*tan(t+pi*.25*j)

let c=(yc-xc*tan(t+pi*.25*j))*(yc-xc*tan(t+pi*.25*j))-1

let d=b*b-4*a*c

for jj=1 to 2

let lx(j+1,jj)=(-b+(3-2*jj)*sqr(d))*.5/a

let ly(j+1,jj)=(lx(j+1,jj)-xc)*tan(t+pi*.25*j)+yc

next jj

else

for jj=1 to 2

let lx(j+1,jj)=xc

let ly(j+1,jj)=(3-2*jj)*sqr(1-xc*xc)

next jj

end if

next j

set line color "green"

for tt=0 to 2*pi step pi/360

plot lines:cos(tt),sin(tt);

next tt

plot lines

for j=1 to 4

plot lines:lx(j,1),ly(j,1);lx(j,2),ly(j,2)

next j

for kaisuu=1 to max

let x=1

let y=1

do while sqr(x*x+y*y)>1

let x=2*rnd-1

let y=2*rnd-1

loop

let fugou=1

for j=0 to 3

let fugou=fugou*sgn((x-xc)*sin(t+pi*.25*j)-(y-yc)*cos(t+pi*.25*j))

next j

if fugou>=0 then

let count=count+1

set line color "red"

else

set line color "black"

end if

plot lines:x,y

next kaisuu

print count;"/";max;"=";count/max

end

P>    


 

 


<水の流れ:コメント>5月16日

浜田さんから、4番についてパソコンを利用した解法を頂きましたが、他の解法も考えられます。

是非、1,2,3番を利用した解答をお待ちしています。


 

<ヨッシー>さんからの解答5月20日

 

1.答え:AB・AC/2AH

 

 考え方:

  実際に外接円を書き、AHの延長と外接円との交点をDとします。

  BCの中点をMとします。

  BCの垂直二等分線と、ADの垂直二等分線の交点Nが外接円の中心、

  NCが半径となります。

  三角形MNCについて、∠NMC=90度より

  NC^2=MC^2+MN^2

  MC=BC/2,MN=|(AH−HD)/2|

  BC=BH+HC=√(AB^2−AH^2)+√(AC^2−AH^2)

  HD=BH・CH/AH △AHC∽△BHDより。

  を代入して整理すると、求められます。

 

2.答え:√65/2

 

 考え方:

  △ABDに、問題1の結果を当てはめると、

  AB=2√5、AD=√13、AP=2

  より、半径=AB・AD/2AP=√65/2

 

3.答え:√(a^2+b^2+c^2+d^2)/2  (√は分子だけ)

 

 考え方:

  問題1と同じ考え方で、BDの中点をM、外接円の中心をNとすると、

  三角形MNDについて、∠NMD=90度より

  ND^2=MD^2+MN^2

     ={(b+d)/2}^2+{(a-c)/2}^2

  ここで、△APD∽△BPC より、 ac=bd を考慮すると、

  答えのようになります。

 

<水の流れ:コメント>5月20日

1番の問題は、他にもいろいろな解法があります。

2番、3番はそれを利用して、解くことができます。

当初、4番だけを作って、出題する予定でしたが、難しいと思って、誘導式にしてあります。

4番の解答をお待ちしています。

皆さん、答えがわかったら、その答えになる考え方とペンネームを添えて、

  メールで送ってください。待っています。

         

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

 

 

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