平成11年10月16日
[流れ星]第31回
数学的な応募問題<解答募集期間:10月16日〜10月30日>
[化学反応]
先日、太郎さんのお子さんが外部団体(岐阜新聞主催)の学力テストを受けてきました。この問題を参考にして、今回の応募問題を作ってみました。
2つの容器A,Bがあり、容器Aには物質aが、また、容器Bには物質bが、それぞれの箱の中にいくつか入っています。この物質a,bは、容器を開くと次のように化学反応を起こします。
物質a
:物質aは容器を開いてから、5分後に6個が反応して1個の異なる物質a(1) に変化する。このとき、6個に満たないときaは変化せずに物質aのままで残る。引き続き、5分後には物質a(1)6個が反応して1個の異なる物質a(2)に変化し、6個に満たない物質a(1)はそのまま残る。このようにして、物質aは5分ごとに、物質a(1),a(2),a(3),a(4),……と変化していく。物質b
:物質bは容器を開いてから、2分後に4個が反応して1個の異なる物質b(1) に変化する。このとき、4個に満たないときbは変化せずに物質bままで残る。引き続き、2分後には物質b(1)4が反応して1個の異なる物質b(2)に変化し、4個に満たない物質b(1)はそのまま残る。このようにして、物質bは2分ごとに、物質b(1),b(2),b(3),b(4),……変化していく。このとき、次の問題に答えてください。
問題1:今、容器Bの中には55個の物質bがある。容器を開いてから4分後には、どのような物質が何個あるかを求めなさい。
問題2:今、容器A,Bの中には、物質a,bがそれぞれ1999個ずつ入っている。同時にそれぞれの容器を開いたとき、異なる物質が変化しなくなるのは、どちらの容器が何分早いかを求めなさい。
問題3:容器Aを開けたところ、物質aが5個、物質a(1)が3個,物質a(2)が0個,物質a(3)が2個,物質a(4)が2個となって変化が終わった。容器を開けてから変化が終わるまでにかかった時間は何分間であるか。また、容器を開ける前には容器Aの中には物質aがいくつ入っていたのかを求めなさい。
太郎さんは、このような不思議な物質が化学反応していくのと、先日の核反応臨界事故との関係を思い出しながら、考えてたいと思っています。
皆さん、答えがわかったら、その答えになる考え方とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。
<ch3cooh>さんからの解答、10月15日受信、19日更新
(1)55= 3,1,3(4進数)です。時間は4分経過しているので、3桁目まで有効で、
b : 3個 b(1): 1個 b(2): 3個 です。
(2) Aは、5分で1/6 Bは、2分で1/4であるため、Bの減衰率の方が大きい。
そのため、Bの反応が先に終了することが予測できる。
実際に計算すると、
A: log(1999)/log(6)= 4.241...
B: log(1999)/log(4)= 5.4825...
で、Aでは4世代、Bでは5世代で終了する。(6^4=1296, 4^5=1024)
Aでは、4*5= 20Min, Bでは5*2= 10Minで反応が終了する。
結果は、Bの反応が10分前に終了する
(3) 2,2,0,3,5(6進数)であるので、 1296*2+216*2+6*3+5= 3047
物質Aが3047個存在していた。 4世代の反応が必要であるため、反応終了までに20分の時間がかかる。
<水の流れ:コメント> 17日記入、19日更新
「Aは、5分で1/6 Bは、2分で1/4であるため、Bの減衰率の方が大きい。そのため、Bの反応が先に終了することが予測できる。実際に計算すると、…」
この考え方には予想しませんでした。なるほど。納得。
<浜田 明巳>さんからの解答、10月16日受信、19日更新
数学的な応募問題[化学反応]解答
a=a(0),b=b(0)とします.変化が終わったときのa(n),b(n)は,変化前のa,bをそれぞれ6進法,4進法に表したときの,右から(n+1)桁目の数を表します.
問題1:55(10)=313(4)ですから,b=3,b(1)=1,b(2)=3
問題2:1999(10)=13131(6)=133033(4)ですから,Aは4×5分=20分,Bは5×2分=10分かかります.故にBの方が10分早い.
問題3:22035(6)=3047(10)であるから,4×5分=20分かかり,最初に3047個あったことになります.
参考までにUBASICで作ったプログラムを添付します.
10 'asave "kagaku.ub"
20 cls 3:MAX=50
30 dim A(1,MAX),Amod(1),Atime(1),KOTAE(1),A$(1)
40 Amod(0)=6:Amod(1)=4:Atime(0)=5:Atime(1)=2:A$(0)="A":A$(1)="B"
50 print "問題1":A(1,0)=55:KAISUU=int(4/Atime(1)):J1=1
60 for J2=1 to KAISUU:gosub *KEISAN:next
70 for J=0 to KAISUU:print "b(";right(str(J),1);")=";A(1,J);" ";:next
80 print:print
90 print "問題2"
100 for J1=0 to 1:A(J1,0)=1999:J2=0
110 while A(J1,J2)>0:J2+=1:gosub *KEISAN:wend
120 KOTAE(J1)=Atime(J1)*(J2-1):print A$(J1);":";KOTAE(J1);"分後";
130 if J1=0 then print
140 next
150 print " ";A$((KOTAE(1)<KOTAE(0)));":";abs(KOTAE(1)-KOTAE(0));"分早い"
160 print
170 print "問題3":KOTAE=0:DETA=0:J1=0
180 while DETA=0:KOTAE+=1:A(0,0)=KOTAE
190 for J2=1 to 4:gosub *KEISAN:next
200 DETA=and{A(0,0)=5,A(0,1)=3,A(0,2)=0,A(0,3)=2,A(0,4)=2}
210 wend
220 print 4*Atime(0);"分間 ";KOTAE;"個"
230 end
240 *KEISAN:A(J1,J2)=A(J1,J2-1)\Amod(J1):A(J1,J2-1)@=Amod(J1):return
<ヨッシーさん>からの解答です。10月18日受信、19日更
問題1
55を4進数で表すと313(4)であり、4分間で反応は2回起こるので、
物質bが3個、b(1)が1個、b(2)が3個。・・・(答)
問題2
容器A:1999を6進数で表すと、13131(6)であり、反応1回(1桁上がる)に5分
かかるので、5×4=20(分)
容器B:1999を4進数で表すと、133033(4)であり、反応1回に2分かかるので、
2×5=10(分)
答え 容器Bの方が10分早い
問題3:6進法での22035(6)は10進法では3047
反応時間は5×4=20(分)
答え 反応が終わるまでに20分、初めの個数は3047個
<水の流れ:コメント> 19日記入、19日更新
このn進法の考え方が高校生になってからの役立ちます。
<自宅>
mizuryu@aqua.ocn.ne.jp最初のページへもどる