平成11年11月2日
[流れ星]第33回
数学的な応募問題<解答募集期間:11月1日〜11月15日>
[五輪の和]
太郎さんは、来年のシドニーで行われるオリンピックの旗をみて次のような問題を考えました。
問題1:「下図の○の中に1から10までの数字を1つずつ入れて、どの円周上の数字の和も14になるように入れて
ください。」ただし、A<B<C<D<E とする。
問題2:「下図の○の中に1から9までの数字を1つずつ入れて、6つの正方形の周上の数字の和が同じになるように、
入れてください。」 ただし、A<C<G、A<I とする。
<出典問題1>:数とその歴史53話の中にあるトライ問題(上垣渉 何森仁 共著):三省堂
<出典問題2>:パズル数学入門(田村三郎 藤村幸三郎共著):講談社
太郎さんは、数字の入れ方を実際知りません。生徒に入れてもらって、考えようと思っています。
<sambaGREEN>さんからの解答:受信1日の午前2時34分
第33回解答を投稿します。
「問題2」は1つに決まる事を示すのが結構大変でした。
変な数列はどっかでみたような気がするのですが・・・。うーーん。考え中。
【問題1】
5つの輪の和の合計は A+B+C+D+E+2(F+G+H+I+H)=14×5
また,A〜Hの和は55であるから,F+G+H+I+H=70−55=15
したがって,F〜Hは1〜5,A〜Eは6〜10とわかる。
条件 A<B<C<D<E から A=6,B=7,C=8,D=9,E=10が決定。
A+F+G=14 より F+G=8,
E+F+J=14 より F+J=4となり G−J=4
したがって,G=5,J=1が決まり,順次,F=3,H=2,I=4が決定。
答 A=6,B=7,C=8,D=9,E=10 F=3,G=5,H=2,I=4,J=1
【問題2】
1つの正方形の和をkとすると,大,中の正方形に注目して
(A+G+I+C)+(B+D+H+F)+E=45であるから
2k+E=45・・・@
また,小さな4つの正方形の和の合計を考えると
(A+G+I+C)+2(B+D+H+F)+4E=4kとなるから
4E=k・・・A
@,Aから E=5,k=20
次に対角の位置にある小さな2つの正方形の和を考えると
(A+D+E+B)+(E+H+I+F)=40より
A+B+D+E+H+I+F=35 となり
C+G=10 また対称性から A+I=10・・・B
左上の正方形で E=5であるから,
A+B+D=15 となり,A,B,Dのうち奇数は1個または3個
しかし,1,3,7,9のうち3個の和で15は作れないから,奇数は1個
Bが奇数であるとすると,A,Dは偶数,したがって,C,Fも偶数
Bから,G,Iも偶数でなければならなくなるので,不可能。
Dが奇数の場合も同様に不可能で, Aが奇数,B,Dが偶数。
対称性から,A,G,I,Cが奇数となり,条件 A<C<G,A<IとBから
A=1,C=3,G=7,I=9 が決定
再び左上の正方形で A=1,E=5であるから B+D=14
また左下の正方形で G=7,E=5であるから D+H=8 よって B−H=6
したがって,B=8,H=2が決まり,順次D=6,F=4が決定。
答 A=1,B=8,C=3 D=6,E=5,F=4 G=7,H=2,I=9
<ch3cooh>さんからの解答:受信1日の午前10時22分
問1 A=6, B=7, C=8, D=9, E=10 F=3, G=5, H=2, I=4, J=1
これは、手で解きました(当てずっぽう)
手順としては、
(1)合計の数が14なので、内周の値(FGHIJ)は小さな値と予想
(2)順番に値を入れるとあまり都合が良く無さそう
(3)とりあえず、星型を書く要領で1,2,3,4,5を代入
(4)14にするための値を計算
(5)何と正解!!
と一発で解けました。(運が良すぎる)
他の答えは多分無いような気がします。(プログラムで試すべきか?)
問2
正方形がABED, BCFE, DEHG, EFIH, BFHD, ABCFIHGDとすると、
明らかにBFHD<ABCFIHGDであるため、答えはない。
但し、ABCFIHGDについて、隅の値のみを用いるとすると・・・
1,8,3,6,5,4,7,2,9 (これも手で解きました。)
手順は秘密(魔法陣の類似方法で原案作成、あとは手で調整) 以上
<ヨッシー>さんからの解答:受信1日の午後3時54分
第33回数学的な応募問題の答えです。
問題1
円上の3つの数をすべて足すと 14×5=70
このとき、F,G,H,I,Jは2回ずつ足されていて、その分
1+2+3+・・・+10=55
より大きい。つまり、F+G+H+I+J=15
よって、F,G,H,I,Jは1,2,3,4,5のいずれかで、
A,B,C,D,Eは6,7,8,9,10のいずれかであり、
しかもA<B<C<D<Eより、
A=6,B=7,C=8,D=9,E=10 である。
一方、1を含む円は合計14にするためには
1+5+8、1+4+9,1+3+10 の組み合わせしかなく、
1は、IかJに入る。
1がIに入ると、J=4となり、EとJですでに14になってしまう。
従って、1はJに入り、順々に調べると、
F=3,G=5,H=2,I=4,J=1 である。
問題2
「正方形の周上の数字」は「正方形の角の数字」と解釈します。
ACGIの合計とBDFHの合計が等しくEだけが取り残されることから、
1+2+・・・9=45 から、Eを引いて2で割った数が正方形の周上の数字の和になる。従って、Eは奇数である。
一方、小さい4つの正方形ABED,BCFE,DEHG,EFIH の合計をそれぞれ足すと
正方形の周上の数字の和の4倍の数ができ、これは、
1+2+・・・9=45 に比べて、BDHFが1回、Eが3回余計に足されている。そこで、以下のような表を作る。
E 周上の和 和の4倍 和の4倍−Eの3倍−45
1 22 88 40
3 21 84 30
5 20 80 20
7 19 76 10
9 18 72 0
ここで、和の4倍−Eの3倍−45 は、BDHFと一致するので、周上
の和と一致しなければならない。そして、そのようになるEの値は5である。
5を除く8つの数を、(ACGI)と(BDFH)に合計が20ずつになるように分けることを考える。
8つの数を小さい数(1,2,3,4)と大きい数(6,7,8,9)に分ける。
小さい数から3つ選ぶと多くても(2+3+4=)9にしかならず、合計を20に
するにはさらに11を足さなければならないので、小さい数からは高々2つしか選べない。
大きい数から3つ選ぶと少なくても(6+7+8=)21になり、合計20を超えてしまう。
よって、大きい数からは高々2つしか選べない。
以上より、小さい数、大きい数から2つずつ選ぶ。
(ACGI)(BDFH)の選び方は、
1(1289)(3467)
2(1379)(2468)
3(1469)(2378)
4(2369)(1478)
5(3467)(1289)
6(2468)(1379)
7(2378)(1469)
8(1478)(2369)
の8通りある(順不同)。
例えば、1の組み合わせで、9をひとつの角に入れたとすると、(BDFH)の中から2数を選び、
合計を(20−5=)15にしなければならないが、そういう選び方はない。
そのような選び方が出来るのは、2だけである。
A<C<G,A<I を考慮して、数字を入れると、
A=1,B=8,C=3,D=6,E=5,F=4,G=7,H=2,I=9
<水の流れ:コメント> 1日記入
こんなに早く解答のメールが寄せられていて、皆さんに感謝します。
次回も1から9までの数字を入れる問題を考えていますし、グレゴリオ暦の問題も出す計画で、美しい話の第10話に載せておいたのです。また、歴史上の未解決も考えています。これからのチャレンジしてください。よろしくね。
<浜田明巳>さんからの解答:受信11月2日の午後5時10分、3日更新
第33回数学的な応募問題[五輪の輪]
もう既に解答が寄せられたとの事.皆さんの手際の良さには感心させられます.私はいつものようにパソコンの解答プログラムを組もうと,躍起になってバグ取りをして,ようやくついさっき完成させました.
今回も十進basicで作ってみました.
問題1:AからJまで順に
6 7 8 9 10 3 5 2 4 1
問題2:AからIまで順に
1 8 3 6 5 4 7 2 9 で,和は20です.
ちなみに,問題2において,「6つの正方形の周上の」は,「6つの正方形の頂点上の」にすべきではないでしょうか? そうでないと答が出ないと思います.周上という場合,正方形ACIGにおいて,点B,F,H,Dの数字も加える事になります.
!五輪の輪
for a=1 to 10-4
for g=1 to 10
let f=14-a-g
if f>=1 and f<=10 and f<>a and f<>g then
for b=a+1 to 10-3
if b<>g and b<>f then
let h=14-b-g
if h>=1 and h<=10 and h<>a and h<>g and h<>f and h<>b then
for c=b+1 to 10-2
if c<>a and c<>g and c<>f and c<>h then
let i=14-c-h
if i>=1 and i<=10 and i<>a and i<>g and i<>f and i<>b and i<>h and i<>c then
for d=c+1 to 10-1
if d<>a and d<>g and d<>f and d<>b and d<>h and d<>i then
let j=14-d-i
if j>=1 and j<=10 and j<>a and j<>g and j<>f and j<>b and j<>h and j<>c and j<>i and j<>d then
let e=14-f-j
if e>=5 and e<=10 and e>a and e<>g and e<>f and e>b and e<>h and e>c and e<>i and e>d and e<>j then
print a;b;c;d;e;f;g;h;i;j
end if
end if
end if
next d
end if
end if
next c
end if
end if
next b
end if
next g
next a
end
!五輪の輪2
for a=1 to 9-2
for b=1 to 9
if b<>a then
for e=1 to 9
if e<>a and e<>b then
for d=1 to 9
if d<>a and d<>b and d<>e then
let wa=a+b+e+d
for h=1 to 9
if h<>a and h<>b and h<>e and h<>d then
let g=wa-d-e-h
if g>a+1 and g<=9 and g<>b and g<>e and g<>d and g<>h then
let f=wa-b-d-h
if f>=1 and f<=9 and f<>a and f<>b and f<>e and f<>d and f<>h and f<>g then
let c=wa-b-e-f
if c>a and c<g and c<>b and c<>e and c<>d and c<>h and c<>f then
let i=wa-e-f-h
if i>a and i<=9 and i<>b and i<>e and i<>d and i<>h and i<>g and i<>f and i<>c and wa=a+c+i+g then
!if i>a and i<=9 and i<>b and i<>e and i<>d and i<>h and i<>g and i<>f and i<>c and wa=a+b+c+f+i+h+g+d then
print a;b;c;d;e;f;g;h;i;wa
end if
end if
end if
end if
end if
next h
end if
next d
end if
next e
end if
next b
next a
end
<水の流れ:コメント>2日記入
問題文の中に「
6つの正方形の周上の数字の和」と表現しましたが、間違いの指摘を二人の方から頂きました。「6つの正方形の頂点上の」が正しいようです。勿論、原文と表現を一部変更して、作成しましたので、皆さんに誤解を招く結果になったことをこの紙面でお詫びします。以後、気をちけたいです。<自宅>
mizuryu@aqua.ocn.ne.jp最初のページへもどる