平成12年1月22日

[流れ星]

    第43回数学的な応募問題

 <解答募集期間:1月22日〜2月6日>

[野球]

 

 太郎さんは、大の巨人ファンです。2000年の今年は長嶋監督の最後の年になるかもしれません。

是非、連勝を重ねてリーグ優勝をと願っています。n試合野球を戦って、勝敗表を見てみます。

このとき、2連勝以上している確率a(n)について、次の問に答えてください。

 ただし、お互いに戦うときの勝つ確率は互角とし、引き分けはないものとする。

問題1:n=1、2,3のとき、2連勝以上している確率a(n)を求めよ。

問題2:漸化式を考えて、一般の場合の確率a(n)を求めよ。

NO1<「jun」>さん一般1/23:22時57分受信,更新1/26 

野球の問題について考えています。

1.a(1)=? 定義できない?、a(2)=1/4、a(3)=3/8、a(4)=8/16、a(5)=19/32

から推測すると、

2.2^n・a(n)=2・2^(n−1)・a(n−1)+n−2 かな?

<水の流れ> 26日記入

問題1の答は正解ですが、問題2の漸化式が私の思いと違います。

NO2<「清川kiyo」>さん一般1/23:23時11分受信,更新1/26

こんばんは。いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。

解答:数学的ではないのですが。

  n=1 ○

      ×   条件を満たすもの 0個  満たさないもの 2個

  n=2 ○○

      ○×

      ×○

      ×○             1個             3個

  n=3 ○○○

      ○○×

      ○×○

      ○××

      ×○○

      ×○×

      ××○

      ××○            3個             5個

  n=4 ○○○○,○○○×,○○×○,○○××,○×○○,○×○×,○××○,○×××

      ×○○○,×○○×,×○×○,×○××,××○○,××○×,×××○,××××

            8個             8個

     上記のように条件を満たさないものは、2,3,5,8, とフィボナッチ数列が予想されます。

     F(n)をフィボナッチ数列とすると、条件を満たすものは 2^n−F(n+2)

     が予想されます。したがって、

     A(n)=(2^n-F(n+2))/(2^n)=1-F(n+2)/(2^n) が予想されます。

NO3<「こぼりすと」>さん学生1/24:0時13分受信,更新1/26

こぼりすとです。おひさしぶりです。確率の問題は好きなので解いてみました(テスト前なのに・・・)

漸化式までは出たんですが一般の確率までは出てません。いろいろ考えてみましたがまだ解けてません

どうやって解けばいいのかな・・・

問題1:n=1、2,3のとき、2連勝以上している確率a(n)を求めよ。

単純に数え上げればできる。答えだけ書くと

a(1)=0,a(2)=1/4,a(3)=3/8

問題2:漸化式を考えて、一般の場合の確率a(n)を求めよ。

n試合行って2連勝する場合は次の2通りに分けられる。

A.n−1試合目までにすでに2連勝している場合

B.n−3試合目まででは2連勝していなくて、n−2試合目が負け、

n−1およびn試合目が勝ちの場合

ここでそれぞれの確率は 

p(A)=a(n−1)

p(B)=(n−3試合目までで2連勝していない確率)*

(n−2、n−1、n試合目が負け勝ち勝ちとなる確率)

=(1−a(n−3))*(1/8)

ゆえに求める漸化式は

a(n)=p(A)+p(B)

=a(n−1)+(1/8)*(1−a(n−3))  ただし n>3

NO4<「浜田」>さん一般1/24:11時06分受信,更新1/26

<「浜田」>さん一般1/29:8時10分受信,本人の申し出により、削除しました。ご承知ください。

NO5<「ch3cooh」さん一般1/24:13時11分受信, 更新1/26

こんにちは、ch3coohです。(現時点で)一般式に展開できませんでした。ただし、漸化式としては解きました。

勝を含まなく、かつ最後が W(Win)で終わっている関数を gw(n), L(Lose)で終わっている関数を gl(n) とすると、

n 試合での2連勝を少なくとも一回含む関数 f(n)は f(n)= 1-(gw(n)+gl(n)) です。

gw, glは、次のような関数になります。

gw(1)= 0.5, gl(1)= 0.5

gl(n)= (gw(n-1)+gl(n-2))*0.5

gw(n)= gl(n-1) * 0.5

です。

単純に、最後の勝敗が W/Lとすると

gw'(n)= (gw(n-1)+gl(n-2))*0.5 となりますが、

その前の試合が勝ちで終わっている場合、今回の課題の条件を満たすので

順次除外していく訳です。

これで計算すると・・・

(手計算なので間違っているかもしれません)

gl(n) gw(n) F(n)

1 1/2 1/2 0

2 1/2 1/4 1/4

3 3/8 1/4 3/8

4 5/16 3/16 1/2

5 1/4 5/32 19/32

6 13/64 1/8 43/64

となります。

下の関数で、gw(n), gl(n)を 次のように置き換えるとフィボナッチ数列になることが分かりました。(結構すぐにあきらめているのは良くないですね〜)

フィボナッチ数列の一般解を求める時間は今日はないので、明日以降に再度連絡します。

gw'(n)= gw(n)*(2^n)

gl'(n)= gl(n)*(2^n)

とすると、

gw'(1)= 1, gl'(n)= 1

gl'(n)= gw'(n-1)+gl'(n-1)

gw'(n)= gl'(n-1)

=>

gl'(n)= gl'(n-1)+gl'(n-2), gl'(1)= 1, gl'(2)= 2

この式から、gl(n),gw(n)を求めて、f(n)が求められるはずです。

NO6<「ch3cooh」さん一般1/26:10時39分受信,更新1/26

計算の手抜きのために…

gl'(n)= gl'(n-1)+gl'(n-2), gl'(1)= 1, gl'(2)= 2

gl'(0)= 1

一番最初の式を、2次方程式としてとくと…

(1±√5)/2

gl'(n)= (a+b*√5)*((1+√5)/2)^n+(c+d*√5)*((1-√5)/2)^n

但し、a,b,c,dは有理数

ここで、gl'(0)= 1, gl'(1)=1を代入すると、変数が4の連立方程式となる。

gl'(0)= 1

= (a+b*√5)*((1+√5)/2)^0+(c+d*√5)*((1-√5)/2)^0

= (a+b*√5)*1+(c+d*√5)*1

= (a+c)+(b+d)*√5

=>

a+c= 1, b+d= 0

gl'(0)= 2

= (a+b*√5)*((1+√5)/2)^1+(c+d*√5)*((1-√5)/2)^1

= (a+b*√5)*((1+√5)/2)+(c+d*√5)*((1-√5)/2)

= (1/2)*( (a+b*√5)*1+(c+d*√5)*1+(a+b*√5)*√5-(c+d*√5)*√5 )

= (1/2)*( (a+c+5*b-5*d)+(a+b-c+d)*√5 )

=>

a+5*b+c-5*d= 2

a+b-c+d= 0

(行列に変換します)

/ 1 0 1 0 \ / a \ / 1 \

| 0 1 0 1 | | b | = | 0 |

| 1 5 1 -5 | | c | | 2 |

\ 1 1 -1 1 / \ d / \ 0 /

=>

a= 1/2, b= 1/10, c= 1/2, d= -1/10

gl'(n)= (1/10)*( (5+√5)*( (1+√5)/2 )^n + (5-√5)*( (1-√5)/2 )^n )

gl(n)= gl'(n)*((1/2)^n)

= (1/10)*( (5+√5)*( (1+√5)/4 )^n + (5-√5)*( (1-√5)/4 )^n )

gw(n)= gl(n-1)/2

= (1/5)*( √5*( (1+√5)/4 )^n - √5*( (1-√5)/4 )^n )

 

f(n)= 1-(gl(n)+gw(n))

= 1-(1/10)*( (5+3*√5)*( (1+√5)/4 )^n + (5-3*√5)*( (1-√5)/4 )^n)

が答えとなります。

<水の流れ>26日記入

フィボナッチ数列の一般項はもう少し、簡単な式になっているはずですが・・・・

NO6<「sambaGREEN」>さん一般1/27:4時40分受信,更新1/27

こんばんは。sambaGREENです。

最初の挫折の原因判明。計算ミスで特性方程式が実数解を持たなかったのです。

(情けない・・・)

なんとか,漸化式解けました(ほんとかなぁ)ので投稿します。

         **********解答*****************

【問題1】

最初の試合で負けたとき,1からやり直しですから条件付き確率 a(n-1)。

○○のとき,あとは関係ありません。条件付き確率 1

○×のとき,1からやり直しですから条件付き確率 a(n-2)

よって,a(n)=1/2*a(n-1)+1/4*a(n-2)+1/4 が成立。

a(1)=0,a(2)=1/4 はあきらか。

漸化式より,a(3)=1/2*1/4+1/4=3/8,a(4)=1/2*3/8+1/4+1/4=1/2

      a(5)=1/2*1/2+1/4*3/8+1/4=19/32

【問題2】

a(n)−k=1/2*(a(n-1)−k)+1/4*(a(n-2)−k)とすると

a(n)=1/2*a(n-1)+1/4*a(n-2)+1/4kとなり,k=1

よって,a(n)−1=1/2*(a(n-1)−1)+1/4*(a(n-2)−1)

b(n)=a(n)−1とおくと,

b(n+2)=1/2*b(n+1)+1/4*b(n),

b(1)=a(1)−1=−1,b(2)=a(2)−1=−3/4 を解けばよい。

b(n+2)−αb(n+1)=β(b(n+1)−αb(n))とすると,

b(n+2)=(α+β)*b(n+1)−αβ*b(n)となり,α+β=1/2,αβ=−1/4

α,βは特性方程式 x^2−1/2*x−1/4=0の解,(1±√5)/4

α=(1+√5)/4,β=(1−√5)/4とするとき,

c(n)=b(n+1)−αb(n)とおくと,c(1)=b(2)−αb(1)=(-2+√5)/4=pとする

c(n)=b(n+1)−αb(n)=(β^n)*p ・・・式(1)

同様にして,b(n+1)−βb(n)=(α^n)*q,・・・式(2) 但しq=(-2-√5)/4          

式(2)−式(1)から  (α−β)b(n)=((α^n)*q−(β^n)*p)

よって,b(n)=1/(α−β)*((α^n)*q−(β^n)*p)

したがって,a(n)=1−2/√5*((α^n)*q+(β^n)*p)

      ただし,α=(1+√5)/4,β=(1−√5)/4,p=(√5−2)/4,q=(√5+2)/4

「追伸」 n=1,2は確認しましたが,それ以下は確認する体力がありませんでした。

     もうすぐ,朝です。お休みなさい。検証はお願いします。

     実は,n試合したときに2連勝以上する場合の数d(n)についての漸化式もたてていました

     d(n)=d(n-1)+d(n-2)+2^(n-2) です。

     d(n)がもとまれば,a(n)=d(n)/2^n でa(n)が求まるはずですが,

     上記のものより綺麗な表記になるのでしょうか?

<水の流れ> 27日記入

計算ご苦労様でした。解法を教えていますが、いざ、自分で計算となると、よく間違います。

d(n)=d(n-1)+d(n-2)+2^(n-2) から、d(n)がもとまれば,a(n)=d(n)/2^n でa(n)が求まるはずですね。

<水の流れ> 2月6日日記入

 この問題は、「みず」の流れ先にある「大相撲本場所」や「大相撲の星取表」にある2連敗以上しない事象が余事象になっています。

 だから、T(n)をn試合戦って、2連勝しない確率とすると、明らかに、T(1)=1、T(2)=3/4である。

 ここで、n>2のときを次の2つの場合で考えることにする。

 【1】最初負けたときは、あとの(n−1)試合を2連勝しない確率T(n―1)  と

 【2】 最初勝った場合は、連続して勝てないので、2回戦は負けでなくてはならない。そして、残りの(n−2)試合で2連勝しない確率T(n―2)とを考られる。

 したがって、T(n)=(1/2) T(n―1)+(1/4) T(n―2)    (n>2のとき)

 この漸化式の両辺に、2^n をかけてみると、2^nT(n)=2^(n−1)T(n―1)+2^(n−2)T(n―2)

 ここで、S(n)=2^nT(n)とすると、S(n)=S(n−1)+S(n−2) となる。

 これは、フィボナッチ数列の漸化式であるから、フィボナッチ数列{1,1,2,3,5,8,13,・・・,}をF(n)とおいて、S(n)=F(n+2)とおくと、S(n)={2,3,5,8,13,・・・,}となり、

 求める確率a(n)は、a(n)=1−T(n)=1−F(n+2) /2n  となる。(答)

 また、この漸化式から、一般項を出すのは、後で、授業編で「母関数」から導きます。お楽しみに!

 

 

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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