平成12年9月23日
[流れ星]第59回
数学的な応募問題<解答募集期間:9月10日〜9月24日>
[机の積み方]
太郎さんの学校では、年に3回教室の床にワックスをかけて綺麗に磨きます。そこで、机を廊下に移動して並べる
ことになります。廊下の左端から順に1列に、机を2段に積み上げます。作業の効率を考えて、いつも太郎さんは、
左端から詰めながら、下段に机を置いてから上段に置きます。ここで、生徒の椅子はないと考え、机は同じ物としてください。
(実際のワックスがけのときは、机と椅子を一緒に重ねて置きます。)
また、机の数は2n個があり、奇数個ではありません。
ここで、問題です。
問題1:この机の積み方は一体何通りあるでしょう。机が2個、4個、6個、・・・と考えて,下の参考図をみて実際に積んでみてください。
問題2:もし3段積みにして、左端から詰めながら、下段に机を置いてから中段に、そして上段に置きます。机は3n個として、このような積み方は一体何通りあるでしょう。
NO1 <『FIRE』(火事)>さんからの解答 16日18時33分受信 23日更新
初めてメール差し上げます。メールネームは『FIRE』(火事)として下さい。
実は、太郎さんの生徒の父です。子供からこのホームページのことを聞き、時々アクセスしていますが、いつも常連さんのすばらしい解答に感激してばかりでしたが、今回のは何とかなりそうだったので、学生時代に戻ったつもりで少し考えてみました。
メール上で数式の記載の仕方がわからず、きれいに書けていませんが、御許し下さい。
<問題1>の2n個の方だけの回答ですが、よろしいでしょうか?
n=1の時は1通り(例のとおり)
n=2の時は2通り(例のとおり)
n=3の時は5通り :並べる順番を()内に示す。
(左側の上段、下段、左から2個目の上段、下段・・・)の意味です。
(214365)(215364)(314265)(315264)(415263)
n=4の時は14通り
左端が(21・・・)(31・・・・)で始まる場合はn=2の場合と同じで各5通り。
(41)で始まると3通り(527385)(527386)(526387)
(51)で始まると1通り(51627384)
これらの並べ方を考える時、例えば「左端の下が1」「右端の上が8」の制約をもとに考えると漏れ無くカウントできます。
になります。これから一般項をA(n)とすると
A(n+1)=3
×A(n)-1・・・・・・(1) となり、よくある漸化式の問題になります。A(n)=3
×A(n-1)-1・・・・・・(2)(1)から(2)を両辺ともに引いて
A(n+1)-A(n)=3
×{A(n)-A(n-1)}となり、A(n+1)-A(n)を{B(n)}とおくと{B(n)}は初項B(1)=A(2)-A(1)=1、公比3の等比数列になる。
あとは等比数列の一般項を求めることになるので、
n-1
A(n)=A(1)+Σ{B(k)}
k=1
=1+1
×{(1-3^(n-1))/(1-3)} であるから、A(n)=1+{(3^(n-1)-1}/2 となります。
確認すると A(1)=1, A(2)=2, A(3)=5, A(4)=14となるので恐らく正しいと思います。以上でいいのかなと思います。
<水の流れ:コメント>17日11時発信 更新23日
A(1)=1, A(2)=2, A(3)=5, A(4)=14ここまでは正解です。
以上までの項については、これで良いのですが、この後は、うまくいっていないはずです。
それと、漸化式は、今の高校教育では習っていないタイプです。ヒントは、すでに、私のHPの中に載せてあります。
この数列は、過去3回ほど出てきています。調べるのが大変でしょうが。
NO2 <『FIRE』(火事)>さんからの解答 17日0時38分受信 23日更新
先ほどn=2 だけの回答を送った状態では気持ちが悪いので、n=3の場合も何とか考えました。
n=3 の場合について答えは予想できましたが、完全な証明は出来てません。
でもこれ以上は案が浮かばないので、送らせてもらいます。
<問題2>の3n個の場合、
n=1の時は1通り
n=2の時は5通り
n=3の時は21通りになります。
これの説明が面倒ですので、省略させてもらいます。
例えばn=2の場合は、2n個の場合から類推したら漏れなくカウントできます。
そうすると、n=2の時にA(n)の階差数列が初項4、公比4の等比数列になることから、
同様に計算できます。
これから一般項をA(n)とすると
A(n+1)=4
×A(n)+1・・・・・・(1)となり、よくある漸化式の問題になります。A(n)=4
×A(n-1)+1・・・・・・(2)(1)から(2)を両辺ともに引いて
A(n+1)-A(n)=4
×{A(n)-A(n-1)}となり、A(n+1)-A(n)を{B(n)}とおくと
{B(n)}は初項B(1)=A(2)-A(1)=4、公比4の等比数列になる。
あとは等比数列の一般項を求めることになるので、
n-1
A(n)=A(1)+Σ{B(k)}
k=1
=1+4
×{(1-4^(n-1))/(1-4)} であるから、A(n)=1+4
×{(4^(n-1)-1}/3 となります。確認すると A(1)=1, A(2)=5, A(3)=21となるので恐らく正しいと思いますが、
途中が厳密でないのですが、・・・。以上でいいのかなと思います。
<水の流れ:コメント>17日発信 23日更新
<問題2>の3n個の場合、
n=1の時は1通り(正解)n=2の時は5通り(正解)
n=3の時は21通り(違っています。まだ考えれます)
問題1と関連はあります。慣れない数式の入力でして、お時間を取らせているのでは
ないかと心配しています。この数列は、数学を教えている者にとっては、有名な数列ですので、お知りおきくだされば、幸いです。
NO3 <清川(kiyo)>さんからの解答 17日4時09分受信 23日更新
いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。カタラン数になります。
問題1 C(2n,n)/(n+1) = (2n)!/(n!(n+1)!)
問題2 奇数番のカタラン数が予想されます。
C(4*n-2,2*n-1)/(2*n)
n=1
1 )
3
2
1
n=2
1 )
5 6
3 4
1 2
2 )
4 6
3 5
1 2
3 )
5 6
2 4
1 3
4 )
4 6
2 5
1 3
5 )
3 6
2 5
1 4
n=3
1)
7 8 9
4 5 6
1 2 3
2)
6 8 9
4 5 7
1 2 3
3)
6 7 9
4 5 8
1 2 3
4)
5 8 9
4 6 7
1 2 3
5)
5 7 9
4 6 8
1 2 3
6)
7 8 9
3 5 6
1 2 4
7)
6 8 9
3 5 7
1 2 4
8)
6 7 9
3 5 8
1 2 4
9)
5 8 9
3 6 7
1 2 4
10)
5 7 9
3 6 8
1 2 4
11)
7 8 9
3 4 6
1 2 5
12)
6 8 9
3 4 7
1 2 5
13)
6 7 9
3 4 8
1 2 5
14)
4 8 9
3 6 7
1 2 5
15)
4 7 9
3 6 8
1 2 5
16)
5 8 9
3 4 7
1 2 6
17)
5 7 9
3 4 8
1 2 6
18)
4 8 9
3 5 7
1 2 6
19)
4 7 9
3 5 8
1 2 6
20)
5 6 9
3 4 8
1 2 7
21)
4 6 9
3 5 8
1 2 7
22)
7 8 9
2 5 6
1 3 4
23)
6 8 9
2 5 7
1 3 4
24)
6 7 9
2 5 8
1 3 4
25)
5 8 9
2 6 7
1 3 4
26)
5 7 9
2 6 8
1 3 4
27)
7 8 9
2 4 6
1 3 5
28)
6 8 9
2 4 7
1 3 5
29)
6 7 9
2 4 8
1 3 5
30)
4 8 9
2 6 7
1 3 5
31)
4 7 9
2 6 8
1 3 5
32)
5 8 9
2 4 7
1 3 6
33)
5 7 9
2 4 8
1 3 6
34)
4 8 9
2 5 7
1 3 6
35)
4 7 9
2 5 8
1 3 6
36)
5 6 9
2 4 8
1 3 7
37)
4 6 9
2 5 8
1 3 7
38)
3 8 9
2 6 7
1 4 5
39)
3 7 9
2 6 8
1 4 5
40)
3 8 9
2 5 7
1 4 6
41)
3 7 9
2 5 8
1 4 6
42)
3 6 9
2 5 8
1 4 7 今後とも宜しくお願いします。
<水の流れ:コメント>17日発信 更新23日
そうです。清川さんにとっては、カタラン数はお手のものですが、カタランの作問できた喜びは、自分ながらちょっと、嬉しくなります。根本が分かっていれば、いろいろと出来るものですね。
問題2は、それでは、3段積みのときは、一体どうなるだろうと拡げてみなくなったのです。これで、4段積みや、5段積みが
可能になってきそうですありがとうございます。まだ、カタランの問題はストックがありませけど、いずれ出題します。時期を見てね。
さて、解答のアップは時期を見て行いますので、ちょっとお許しください。
NO4 <清川(kiyo)>さんからの解答 17日17時53分受信 23日更新
いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。
4段の場合(4n個) a(n) = 12*(4n)!/(n!(n+1)!(n+2)!(n+3)!)
今後とも宜しくお願いします。
ID Number: A005790 (Formerly M4954)
Sequence: 1, 14, 462, 24024, 1662804, 140229804, 13672405890, 1489877926680, 177295473274920
Name: 4-dimensional Catalan numbers.
References Snover, Stephen L.; Troyer, Stephanie F.; A four-dimensional
Catalan formula. Proceedings of the Nineteenth Manitoba Conference on
Numerical Mathematics and Computing (Winnipeg, MB, 1989).
Congr. Numer. 75 (1990), 123-126.
Formula: a(n) = 12(4n)!/n!(n+1)!(n+2)!(n+3)!.
G.f.: 4_F_3 ( [ 1,3/2,5/4,7/4]; [ 3,4,5 ]; 256 x ).
Keywords: nonn.easy
Offset: 1
Author(s): njas
<太郎さんのコメント>:本当にありがとうございます。やはり、素敵なお友達がいることは、助かります。サンクス
<自宅>
mizuryu@aqua.ocn.ne.jp最初のページへもどる