平成12年10月15日

[流れ星]

        第61回数学的な応募問題

          <解答募集期間:10月15日〜10月29日>

[約数の最大個数]

太郎さんは、学校で、ある自然数の約数の問題を扱っています。

(ここでは、約数は正の自然数としておきます。)

例えば、36=2×32 と素因数分解できますから、正の約数は、次の表のように表れます。

 36の約数

 3=1

 3=3

 3=9

 2=1

   1

   3

   9

 2=2

   2

   6

  18 

 2=4

   4

  12 

  36 

 

したがって、36の約数の個数は (2+1)×(2+1)=9  (個)

 また、36の約数の和は、この表の中の9個の和だから、分配法則から、

(1+2+4)×(1+3+9)=91   (答) 

ここで、授業中に、生徒に出した問題を書いておきます。

問1:36のこの約数の積を求めよ。

問2:36以下で、36との最大公約数が1である数の個数を求めよ。

問3:36以下で、36との最大公約数が1である数の和を求めよ。

 多くの読者の皆さんは、もうこの考え方はよくご存じでしょう。

そこで、新しい疑問を持ち始めました。1桁の自然数のとき、約数の最大個数は

6=2×3 、8=23  から 4個が最大個数の約数を持ちます。では、

問題4:2桁の自然数のとき、約数の最大個数を持つ自然数を求めよ。

問題5:3桁の自然数のとき、約数の最大個数を持つ自然数を求めよ。

 以上から、4桁の場合も出題したいのですが、太郎さんは、まだ答を見いだしていません。

NO1<清川(kiyo)>さんからの解答、15日18時23分受信;22日更新

いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。

解答 問題1 36^4*6=10077696   答え 10077696 。

問題2 36*(1-1/2)*(1-1/3)=12   答え 12個。

問題3 (1+35)*12/2=216       答え 216。

問題4  60=2^2*3*5

 72=2^3*3^2

 84=2^2*3*7

 90=2*3^2*5

 96=2^5*3        12個

問題5  840=2^3*3*5*7      32個

4桁の場合

7560=2^3*3^3*5*7

9240=2^3*3*5*7*11      64個

NO2<ch3cooh>さんからの解答、16日14時42分受信;22日更新

こんにちはch3coohです。記録に残る暑さだった夏も過ぎ ようやく涼しく(寒く??)なってきましたね

Q1 : 2^9 x 3^9

Q2 : 12

1,5,7,11,13,17,19,23,25,29,31,35

Q3 : 216

Q4 : 12

60 = 2^2 x 3 x 5

72 = 2^3 x 3^2

84 = 2^2 x 3 x 7

90 = 2 x 3^2 x 5

96 = 2^5 x 3

Q5 : 32

840= 2^3 x 3^1 x 5 x 7

この後は

(64)

7560 = 2^3 x 3^3 x 5 x 7

9240 = 2^3 x 3 x 5 x 7 x 11

(128)

83160= 2^3 x 3^3 x 5 x 7 x 11

98280= 2^3 x 3^3 x 5 x 7 x 13

となっています。

3,4,5桁が各々2^5, 2^6, 2^7となっているので次は2^8かというとそうではなく240でした。

(Q4, Q5 はプログラムで探索しました。

この出力を参考までに添付すると)

6=(2^1)(3^1) : 4 : max !!

8=(2^3) : 4 : max !!

10=(2^1)(5^1) : 4 : max !!

12=(2^2)(3^1) : 6 : max !!

18=(2^1)(3^2) : 6 : max !!

20=(2^2)(5^1) : 6 : max !!

24=(2^3)(3^1) : 8 : max !!

30=(2^1)(3^1)(5^1) : 8 : max !!

36=(2^2)(3^2) : 9 : max !!

48=(2^4)(3^1) : 10 : max !!

60=(2^2)(3^1)(5^1) : 12 : max !!

72=(2^3)(3^2) : 12 : max !!

84=(2^2)(3^1)(7^1) : 12 : max !!

90=(2^1)(3^2)(5^1) : 12 : max !!

96=(2^5)(3^1) : 12 : max !!

108=(2^2)(3^3) : 12 : max !!

120=(2^3)(3^1)(5^1) : 16 : max !!

168=(2^3)(3^1)(7^1) : 16 : max !!

180=(2^2)(3^2)(5^1) : 18 : max !!

240=(2^4)(3^1)(5^1) : 20 : max !!

336=(2^4)(3^1)(7^1) : 20 : max !!

360=(2^3)(3^2)(5^1) : 24 : max !!

420=(2^2)(3^1)(5^1)(7^1) : 24 : max !!

480=(2^5)(3^1)(5^1) : 24 : max !!

504=(2^3)(3^2)(7^1) : 24 : max !!

540=(2^2)(3^3)(5^1) : 24 : max !!

600=(2^3)(3^1)(5^2) : 24 : max !!

630=(2^1)(3^2)(5^1)(7^1) : 24 : max !!

660=(2^2)(3^1)(5^1)(11^1) : 24 : max !!

672=(2^5)(3^1)(7^1) : 24 : max !!

720=(2^4)(3^2)(5^1) : 30 : max !!

840=(2^3)(3^1)(5^1)(7^1) : 32 : max !!

1080=(2^3)(3^3)(5^1) : 32 : max !!

1260=(2^2)(3^2)(5^1)(7^1) : 36 : max !!

1440=(2^5)(3^2)(5^1) : 36 : max !!

1680=(2^4)(3^1)(5^1)(7^1) : 40 : max !!

2160=(2^4)(3^3)(5^1) : 40 : max !!

2520=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1) : 48 : max !!

3360=(2^5)(3^1)(5^1)(7^1) : 48 : max !!

3780=(2^2)(3^3)(5^1)(7^1) : 48 : max !!

3960=(2^3)(3^2)(5^1)(11^1) : 48 : max !!

4200=(2^3)(3^1)(5^2)(7^1) : 48 : max !!

4320=(2^5)(3^3)(5^1) : 48 : max !!

4620=(2^2)(3^1)(5^1)(7^1)(11^1) : 48 : max !!

4680=(2^3)(3^2)(5^1)(13^1) : 48 : max !!

5040=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1) : 60 : max !!

7560=(2^3)(3^3)(5^1)(7^1) : 64 : max !!

9240=(2^3)(3^1)(5^1)(7^1)(11^1) : 64 : max !!

10080=(2^5)(3^2)(5^1)(7^1) : 72 : max !!

12600=(2^3)(3^2)(5^2)(7^1) : 72 : max !!

13860=(2^2)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 72 : max !!

15120=(2^4)(3^3)(5^1)(7^1) : 80 : max !!

18480=(2^4)(3^1)(5^1)(7^1)(11^1) : 80 : max !!

20160=(2^6)(3^2)(5^1)(7^1) : 84 : max !!

25200=(2^4)(3^2)(5^2)(7^1) : 90 : max !!

27720=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 96 : max !!

30240=(2^5)(3^3)(5^1)(7^1) : 96 : max !!

32760=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1)(13^1) : 96 : max !!

36960=(2^5)(3^1)(5^1)(7^1)(11^1) : 96 : max !!

37800=(2^3)(3^3)(5^2)(7^1) : 96 : max !!

40320=(2^7)(3^2)(5^1)(7^1) : 96 : max !!

41580=(2^2)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 96 : max !!

42840=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1)(17^1) : 96 : max !!

43680=(2^5)(3^1)(5^1)(7^1)(13^1) : 96 : max !!

45360=(2^4)(3^4)(5^1)(7^1) : 100 : max !!

50400=(2^5)(3^2)(5^2)(7^1) : 108 : max !!

55440=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 120 : max !!

65520=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1)(13^1) : 120 : max !!

75600=(2^4)(3^3)(5^2)(7^1) : 120 : max !!

83160=(2^3)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 128 : max !!

98280=(2^3)(3^3)(5^1)(7^1)(13^1) : 128 : max !!

110880=(2^5)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 144 : max !!

131040=(2^5)(3^2)(5^1)(7^1)(13^1) : 144 : max !!

138600=(2^3)(3^2)(5^2)(7^1)(11^1) : 144 : max !!

151200=(2^5)(3^3)(5^2)(7^1) : 144 : max !!

163800=(2^3)(3^2)(5^2)(7^1)(13^1) : 144 : max !!

166320=(2^4)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 160 : max !!

196560=(2^4)(3^3)(5^1)(7^1)(13^1) : 160 : max !!

221760=(2^6)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 168 : max !!

262080=(2^6)(3^2)(5^1)(7^1)(13^1) : 168 : max !!

277200=(2^4)(3^2)(5^2)(7^1)(11^1) : 180 : max !!

327600=(2^4)(3^2)(5^2)(7^1)(13^1) : 180 : max !!

332640=(2^5)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 192 : max !!

360360=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(13^1) : 192 : max !!

393120=(2^5)(3^3)(5^1)(7^1)(13^1) : 192 : max !!

415800=(2^3)(3^3)(5^2)(7^1)(11^1) : 192 : max !!

443520=(2^7)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1) : 192 : max !!

471240=(2^3)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(17^1) : 192 : max !!

480480=(2^5)(3^1)(5^1)(7^1)(11^1)(13^1) : 192 : max !!

491400=(2^3)(3^3)(5^2)(7^1)(13^1) : 192 : max !!

498960=(2^4)(3^4)(5^1)(7^1)(11^1) : 200 : max !!

554400=(2^5)(3^2)(5^2)(7^1)(11^1) : 216 : max !!

655200=(2^5)(3^2)(5^2)(7^1)(13^1) : 216 : max !!

665280=(2^6)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 224 : max !!

720720=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(13^1) : 240 : max !!

831600=(2^4)(3^3)(5^2)(7^1)(11^1) : 240 : max !!

942480=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(17^1) : 240 : max !!

982800=(2^4)(3^3)(5^2)(7^1)(13^1) : 240 : max !!

997920=(2^5)(3^4)(5^1)(7^1)(11^1) : 240 : max !!

1053360=(2^4)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(19^1) : 240 : max !!

1081080=(2^3)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1)(13^1) : 256 : max !!

1330560=(2^7)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1) : 256 : max !!

1413720=(2^3)(3^3)(5^1)(7^1)(11^1)(17^1) : 256 : max !!

1441440=(2^5)(3^2)(5^1)(7^1)(11^1)(13^1) : 288 : max !!

1663200=(2^5)(3^3)(5^2)(7^1)(11^1) : 288 : max !!

 

現在のプログラムは、とりあえずある値を素因数分解して

その値の持つ約数の和を計算した後に、今までの約数の和と同じか以上の場合に

"max !!"という表示を付加する遅いプログラムのため、結構時間がかかっています。

(もっと高速なプログラムは考案中)

<水の流れ:コメント>16日20時記入

あまり、お仕事に差し支えないように してください。

おかげで、物知りになりました。有り難うございます。

今後もよろしくお願いします。

NO3<jun>さんからの解答、18日19時04分受信;22日更新

リンク解答ですので、ここを開いてください。

NO4<水の流れコメント>19日記入;22日更新

問2で、集合の個数から、junko さんは求めておられますが、この計算をさらに、発展させていきます。
 n(U)−n(A∪B)=n(U)−{n(A)+n(B)−n(A∩B)}
 =36−{(36÷2)+(36÷3)−(36÷6)}
 =36(1−1/2−1/3+1/6)
 =36(1−1/2)(1−1/3)
 =36×1/2×2/3
 =12 ・・・ (答)
さて、36以下で36との最大公約数が1である数とは、36以下で36と互いに素な数ということです。
 また、言葉を変えて言うと、2のい倍数でもなく3の倍数でもないという数のことです。
したがって、n(A∪B)の補集合となります。
 ここで、一般に、自然数Nについて、素因分解をします。
N=a^p×b^q×c^r・・・・とします。
このN以下の自然数でNと互いに素な数の個数はオイラー関数φ(N)といい、
φ(N)=N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c)×・・・ と表すことができます。 <終わり>

 

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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