平成12年11月5日
[流れ星]第62回
数学的な応募問題<解答募集期間:10月29日〜11月12日>
[約数と互いに素な数]
太郎さんは、学校で、ある自然数の約数の問題を扱っています。
(ここでは、約数は正の自然数としておきます。)
例えば、
8=23 と素因数分解できますから、正の約数は、1,2,4,8です。だから、8の約数の個数は
3+1=4 (個)また、8と互いの素な数は、1,3,5,7の4個です。
これは大変興味深い結果です。正の約数の個数と互いに素な数の個数が一致しています。
勿論、自然数Nについて、
N=ap×bq×cr×・・・と素因数分解できたとき、Nの約数の個数は、
(p+1)(q+1)(r+1)・・・ で求まります。N以下で、Nと互いに素の数の個数は、オイラー関数φ(N)で表すと、
φ(N)=N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c) ・・・
で書けます。ここで、問題です。自明な1は除いてもいいでしょう。
「自然数Nについて、Nの正の約数の個数と、N以下でNと互いに素な数の個数とが一致するような自然数Nは
一体どんな数でしょう。」
NO1<清川(kiyo)>さんからの解答、10月28日受信 11月5日更新
いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。
「自然数Nについて、N以下でNと互いに素な数の個数とNの正の約数の個数が一致
するような自然数Nは一体どんな数でしょう。」
ID Number: A020488
Sequence: 1,3,8,10,18,24,30
Name: sigma0(n) = phi(n).
Keywords: nonn,fini,full
Offset: 1
Author(s): dww
1の扱いはどうなるのでしょうか?
<水の流れ:コメント> 1については、約数でもあり、互いに素な数としても扱っています。特殊な数です。
すでに、どこかのサイトで載っているのですね。
NO2<浜田>さんからの解答、10月30日受信 11月5日更新
答は3,8,10,18,24,30の6個の数のようです.エクセルのマクロで解いてみました.
3 2
8 4
10 4
18 6
24 8
30 8
ption Explicit
Sub Macro1()
Dim n As Long
Dim n_max As Long
Dim 約数 As Long
Dim 互いに素 As Long
Dim 個数 As Long
Dim j As Long
n_max = 10000
個数 = 0
For n = 2 To n_max
Cells(1, 4).Value = n
約数 = 2 '1と自分自身をあらかじめいれてある
For j = 2 To Int(n / 2)
約数 = 約数 - (n Mod j = 0)
Next j
互いに素 = 1 '1をあらかじめいれてある
For j = 2 To n - 1
互いに素 = 互いに素 - (GCM(n, j) = 1)
Next j
If 約数 = 互いに素 Then
個数 = 個数 + 1
Cells(個数, 1).Value = n
Cells(個数, 2).Value = 約数
End If
Next n
End Sub
Private Function GCM(ByVal a As Long, ByVal b As Long) As Long
Dim dummy As Long
Dim min As Long
Dim amari As Long
GCM = a
min = b
While min > 0
amari = GCM - Int(GCM / min) * min
GCM = min
min = amari
Wend
End Function
<水の流れ:コメント>11月5日記入
当然、パソコンでの解答も予期していました。ありがとうございます。次ぎに、ご覧のように適する自然数は2桁しかありませんので、
自然数Nについて、
N=ap×bq×cr×・・・と素因数分解できたとき、(p+1)(q+1)(r+1)・・・ =N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c) ・・・
の不定方程式を考えてみると、良いですよ。読者の皆さん考えてくださいね。
NO3<やぎ>さんからの解答、11月5日受信 11月6日更新
第62回の問題を考えさせていただきました。
(p+1)(q+1)(r+1)---=a^p*b^q*c^r(1−1/a)(1-1/b)(1-1/c)--- (1)
(1)式を移項すると
1=a^p(1-1/a)/(p+1) b^q(1-1/b)/(q+1) c^r(1-1/c)/(r+1) ----- (2)
右辺の素因数aに関係するa^p(1-1/a)/(p+1)をf(a,p)とおくと
f(a,p)は次の表のようになる
P 1 2 3
a
2 1/2 2/3 1
3 1 2
5 2
また表の欄外のf(a,p)は2を超過するためf(a,p)の最小が1/2であるから(2)式を満足しない。(ほんとうは証明または説明しなければならないでしょうが)
この表から(2)式を満足する組み合わせを考えると
Nは 2^1*3^2=18
2^1*5^1=10
2^3= 8
3^1= 3
2^3*3^1=24
2^1*5^1*3^1=30
の6とおりとなる。
ここで、問題を戴きました。
半径a,b,cの三円が互いに接して配置されています、さてこの三円のぶつかる隙間にはいる小円の半径f(a、b、c)はどのような関数になるでしょうか。
また、この三円に外接する円の半径F(a,b,c)も求めてください。
<水の流れ:コメント>これを読んで、なぜか「和算」にありそうな問題と思いました。文献(日本の幾何ー何題解けますか?深川英俊著:森北出版)を調べてみました。内接する場合の円については、西洋では、「デカルトの円定理」として、知られています。デカルト(1596〜1650)がエリザベス王女に宛てた手紙の中で、論文にしたものです。
また、日本では、東京都新宿区神楽坂毘沙門堂に寛政8年(1751年)に掲額されたが、現在は存在しない。さて、読者の皆さん、一度挑戦ください。勿論!「やぎ」さんとの間には、シンクロナイズ(同時性:他の別々な所で同じことが起きていること)が行われただけです。人間の思考の中にはよくあります。
<自宅>
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