平成12年12月17日

[流れ星]

        第65回数学的な応募問題

          <解答募集期間:12月10日〜12月24日>

[サイコロの積]

太郎さんは、本を読んでいて大変素数に興味を持っています。ある合成数が何個の素数の積でできているかなどです。例えば、1桁の自然数の場合は、8=2×2×2 で素数3個から合成されています。素数の個数としてはこの8が最大です。

2桁の自然数の場合は、64=26  で2という素数6個から合成されています。他に6個の素数からできている合成数は、96=2×3 があります。これが2桁の自然のとき素数の個数は最大です。

 さて、サイコロの目の積の目を通してみます。「1の目」は素数0個、「2の目、3の目、5の目」は素数1個、「4の目」は4=2×2で2個、「6の目」は6=2×3で同じく2個から成り立っています。

 ここで、問題です。大きさの異なる3つのサイコロを同時に投げて、出た目の積をPとする。Pを素因数分解したとき、素数の個数で分類すると、目の積は何通りあるか。全部で6×6×6=216通りを順に考えてください。

問題1:素数が1個からなっているPの出方は何通りですか。

問題2:素数が2個からなっているPの出方は何通りですか。

問題3:素数が3個からなっているPの出方は何通りですか。

問題4:素数が4個からなっているPの出方は何通りですか。

問題5:素数が5個からなっているPの出方は何通りですか。

問題6:素数が6個からなっているPの出方は何通りですか。

問題7: 次のある考え方をすると、鮮やかに上の問題の答えを導いてくれます。これを考えてください。

問題8:さらに、大きさの異なる5つのサイコロを同時に投げて、出た目の積をPとする。Pを素因数分解したとき、素数の個数を数えたら、8個になりました。こんなPの出方は何通りですか。勿論、6=7776通り中での分類になります。

NO1<浜田>さんの解答 12月13日8時47分受信 17日更新

サイコロの積の問題解答
 いつものようにエクセルのマクロで解きました.現在このソフトが一番数学の問題を解くのに適しているような気がします.答の表示が簡単なのです.
 このマクロにより,素数の個数が次のように表示されます.

1,3,2
1,6,13,12,4
1,9,33,63,66,36,8
1,12,62,180,321,360,248,96,16
1,15,100,390,985,1683,1970,1560,800,240,32
1,18,147,720,2355,5418,8989,10836,9420,5760,2352,576,64
1,21,203,1197,4809,13923,29953,48639,59906,55692,38472,19152,6496,1344,128
1,24,268,1848,8806,30744,81340,166344,265729,332688,325360,245952,140896,59136,17152,3072,256
1,27,342,2700,14886,60858,191184,471852,927441,1462563,1854882,1887408,1529472,973728,476352,172800,43776,6912,512
1,30,425,3780,23670,110916,403530,1167120,2725365,5188590,8097453,10377180,10901460,9336960,6456480,3549312,1514880,483840,108800,1536    0,1024

 上の数列において,n行目m列目の数が,サイコロn個の積において,素数が(m−1)個からなっているPの出方を表しています.
 したがって答は,
問題1:9通り
問題2:33通り
問題3:63通り
問題4:66通り
問題5:36通り
問題6:8通り
問題8:800通り
Option Explicit
Sub Macro1()
Dim n As Integer
Dim kotae(20) As Long
 Dim j(10) As Integer
 Dim i As Integer
 For n = 1 To 10
 For i = 0 To 2 * n
 kotae(i) = 0
  Next i
  Call check(n, 1, j(), kotae())
  For i = 0 To 2 * n
  Cells(n, i + 1).Value = kotae(i)
  Next i
 Next n
 End Sub
 Sub check(ByVal n As Integer, ByVal m As Integer, ByRef j() As Integer, ByRef kotae() As Long)
 Dim wa As Integer
 Dim i As Integer
  j(m) = 1
  While j(m) <= 6
  If m < n Then
  Call check(n, m + 1, j(), kotae())
  Else
   wa = 0
   For i = 1 To n
   wa = wa + f(j(i))
  Next i
  kotae(wa) = kotae(wa) + 1
   End If
   j(m) = j(m) + 1
   Wend
  End Sub
 Private Function f(ByVal n As Integer) As Integer
  Select Case n
  Case 1 '1
  f = 0
   Case 2 '2
   f = 1
   Case 3 '3
    f = 1
    Case 4 '2*2
   f = 2
   Case 5 '5
    f = 1
    Case Else '2*3
    f = 2
    End Select
   End Function 

NO2<Iga>さんからの解答 12月14日15時53分受信 17日更新

2回目の応募のIgaです。よろしくお願いします。
今回の問題も、素直に数えれば何とかできそうなのでチャレンジしました。
Pを素因数分解したときの素数の個数は、3つのさいころの目それぞれの素数の個数の和になっているので、その組み合わせを数えることにしました
問題0 素数が0個からなっているPの出方は何通りですか
 素数が0個からなるPは3つのさいころとも「1の目」がでたときだけなので、1通り。

問題1 素数が1個からなっているPの出方は何通りですか
  Pが素数1個からなっているのは、3つのさいころのうち、ひとつだけが素数1個の目で、
  他の2個は1の目(素数0個)のときである。この組み合わせを[1,0,0]と表すことにします。
また、素数1個からなる目の出方は「2の目、3の目、5の目」の3通りで、素数0個の目は「1の目」しかないので1通り。
さらに、素数1個の目が3つのうちどのさいころにでるかの場合の数は、  <1,0,0>、<0,1,0>、<0,0,1>  の3通りなので、
      [1,0,0] ⇒ (3×1×1)×3=9通り

問題2 素数が2個からなっているPの出方は何通りですか
    Pが素数2個からなるのは、3つのさいころのうち、1つのさいころが素数2個からなる目が出て
  他の2個が1の目(素数0個)がでる場合と、2つのさいころにそれぞれ素数1個の目が出て、
  残りの1個が1の目(素数0個)がでたときである。
  ○[2,0,0]の場合
   素数が2個の目は「4の目、6の目」の2通り。
   3つのさいころの場合の数が3通りであるから、
        (2×1×1)×3=6通り
  ○[1,1,0]の場合
   前述の問題1のように素数1個の目の出方は3通り。
   3つのさいころの場合の数が3通りであるから、
   したがって、(3×3×1)×3=27通り
 以上よりPが素数2個からなるのは、6+27=33通り

問題3 素数が3個からなっているPの出方は何通りですか
    1つのさいころの目で素数3つからなるものはないので、素数3個からなるPの出方は、
  (素数2個の目、素数1個の目、1の目)と(素数1個の目、素数1個の目、素数1個の目)の2つの場合である。
   ○[2,1,0]の場合
   3つのさいころの場合の数が6通りであるから、
     ⇒ (2×3×1)×6=36
  ○[1,1,1]の場合 ⇒ (3×3×3)=27
 以上より、36+27=63通り

問題4 素数が4個からなっているPの出方は何通りですか。
  同様に考えて、
  ○[2,2,0]の場合 ⇒ (2×2×1)×3=12
  ○[2,1,1]の場合 ⇒ (2×3×3)×3=54
 以上より 54+12=66

問題5 素数が5個からなっているPの出方は何通りですか。
  ○[2,2,1]の場合だけなので ⇒ (2×2×3)×3=36通り

問題6 素数が6個からなっているPの出方は何通りですか。
  ○[2,2,2]の場合だけなので ⇒ (2×2×2)=8通り

※確認 問題0〜問題6の場合の数を合計すると
    1+9+33+63+66+36+8= 216通り

問題8 さらに、大きさの異なる5つのサイコロを同時に投げて、出た目の積をPとする。Pを素因数分解したとき、
素数の個数を数えたら、8個になりました。こんなPの出方は何通りですか。勿論、65=7776通り中での分類になります。

5つの{0,1,2}の組み合わせで合計を8にする方法は[1,1,2,2,2]、[2,2,2,2,0]の2通り
  ○[1,1,2,2,2]の場合
   5つのさいころの目の出方の場合の数は10通りなので
    (3×3×2×2×2)×10=720
  ○[2,2,2,2,0]の場合
   5つのさいころの目の出方の場合の数は5通りなので
      (2×2×2×2×1)×5=80
 以上より、Pが8個の素数からなるのは  720+80=800通り


以上です。問題7については、うまい考え方が浮かびませんでした。
よろしくお願いします。
<水の流れ:コメント>うまい出し方は、多項式の展開係数の中にでてきます。考えてください。

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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