21世紀:平成13年2月4日
[流れ星]
第68回数学的な応募問題
<解答募集期間:2月4日〜2月18日>
[3の倍数]
太郎さんは、先日1年生対象に実力テスト問題を作りました。「私の一日」の2月1日のをご覧ください。
そこで、同じような問題を作りました。
数字1,2,3,4,5,6,7,8,9の9個から異なるk個の整数を選んで並べたk桁の整数を作ったとき、
次のように桁数に応じて、3の倍数ができる確率を求めよ。
問題1:k=1、2、3のとき、
問題2:k=4,5,6のとき、
問題3:k=7,8,9のとき
問題4:何か発見できたことを教えてください。
問題5:トランプのダイヤのカード13枚(ただし、J、Q、Kは11,12,13と考える)から、同時に3枚を取り出すとき、
その3枚のカードの和が13の倍数になる確率を求めよ。
(ヒント:問題4で発見したことを利用すると鮮やかに解けます。勿論、場合分けしても良いです。)
参考問題
数字0,1,2,3,4,5,6から3桁の整数Nをつくる。
Nの百の位をa、十の位をb、一の位をcとする。
次の条件を満たすNは全部で何個あるか、答えなさい。
(1)異なる数字でできる整数Nは全部で何個か。
(2)数字の重複を許してできる整数Nは全部で何個か。
(3)a>b>cを満たすNは全部で何個か。
(4)a<b<cを満たすNは全部で何個か。
(5)a≧b≧cを満たすNは全部で何個か。
(6)異なる数字でできるNの中で、3の倍数は全部で何個か。
解説(1)aは0を除く6通り、b、cはaに入れた数字を除いた6個から2つ選んで並べて
、 6×6P5 =6×6×5=180(個)
(2)aは0を除く6通り、b、cは重複を許すので、7個から選んで並べて、
6×7×7=294(個)
(3) 7個の数字から3つ選んでくると、1通りの大小関係ができる。
しかも、aは一番大きな数字だから、 決して0にならない。
よって、 7C3 =7×6×5÷(3×2×1)=35(個)
(4) 7個の数字から3つ選んでくると、1通りの大小関係ができる。
しかし、aは一番小さな数字だから、 0になりうる。
ここで、始めから、0を除いた6個の数字から3つ選んでおけばよい。
よって、 6C3 =6×5×4÷(3×2×1)=20(個)
<別解> 最初に0を含めた7の数字から3つ選んで、Nを作ると、 7C3 =35個できる。
ここから、aが0となっている場合、6つ数字から2つ選んでb、cに入れるのは、
6C2 =6×5÷(2×1)=15個を除いて、7C3 −6C2=35−15=20(個)
(5)7個の数字から重複を許して、3つ選んでくると、1通りの大小関係ができる。
しかし、a=b=c=0だけは3桁の数字と言わないから、1通り除く。
よって、7H3 −1= 9C3−1=9×8×7÷(3×2×1)−1=84−1=83(個)
(6)3で割った余りで、分類します。
A0={0,3,6},A1={1,4},A2={2,5}とおくと、Nが3の倍数であることは、
各位の数字の和が3の倍数ということと同じ。
そこで、余りが和が3の倍数であればよい。A0+A0+A0 、A0+A1+A2、の場合しかないので、
(a、b、c)の組としては、A0+A0+A0 からの(0,3,6)の 3C3=1
A0+A1+A2からは、 3C1× 2C1× 2C1=3×2×2=12
さて、上の組の中で、0を含むものはA0 から0を取ってきたときだから 4組ある。
従って、計5組は0を1つ含んでいる。ここから3桁の整数は2×2×1=4
また、残りの8組からは0が無いので、3桁の整数は3!=6
よって、 4×5+6×8=68(個)
<浜田>さんからの解答 2月20日11時17分受信 2月20日更新
遅くなりました.
規則性は見えなかったのですが,とりあえずプログラムだけ送ります.エクセルのマクロで作りました.
問題1〜3
k=1 -> 1/3
k=2 -> 1/3
k=3 -> 5/14
k=4 -> 1/3
k=5 -> 1/3
k=6 -> 5/14
k=7 -> 1/3
k=8 -> 1/3
k=9 -> 1
問題5
1/13
Option Explicit
Sub Macro1()
Dim j(9) As Integer
Dim kosuu(1, 9) As
Long
Dim g As Long
Dim i As Integer
For i = 1 To 9
Cells(i,
1).Value = I
Cells(i,
2).Value = ""
Cells(i,
3).Value = ""
kosuu(0,
i) = 0
kosuu(1,
i) = 0
Next I
Call check(1, j(),
kosuu())
For i = 1 To 9
g =
GCM(kosuu(0, i), kosuu(1, i))
Cells(i,
2).Value = kosuu(1, i) / g
Cells(i, 3).Value = kosuu(0, i) / g
Next I
End Sub
Sub check(ByVal n As Integer, ByRef j() As Integer, ByRef kosuu() As Long)
Dim wa As Integer
Dim i As Integer
j(n) = 1
While j(n) <= 9
If dame(n, j()) = 0
Then
kosuu(0, n) =
kosuu(0, n) + 1
wa = 0
For i = 1 To n
wa = (wa + j(i)) Mod
3
Next I
If wa = 0 Then
kosuu(1, n) =
kosuu(1, n) + 1
End If
If n < 9 Then
Call check(n + 1,
j(), kosuu())
End If
j(n) = j(n) + 1
Wend
End Sub
Private Function dame(ByVal n As Integer, ByRef j() As Integer) As Integer
Dim i As Integer
dame = 0
i = 1
While dame = 0 And i
< n
dame =
-(j(i) = j(n))
i = i + 1
Wend
End Function
Private Function GCM(ByVal a As Long, ByVal b As Long) As Long
If b = 0 Then
GCM = a
Else
GCM =
GCM(b, a - Int(a / b) * b)
End If
End Function
Sub Macro2()
Dim j(3) As Integer
Dim kosuu(1) As Long
Dim g As Long
Dim i As Integer
Cells(1, 1).Value =
""
Cells(1, 2).Value =
""
kosuu(0) = 0
kosuu(1) = 0
Call check(1, j(),
kosuu())
g = GCM(kosuu(0),
kosuu(1))
Cells(1, 1).Value =
kosuu(1) / g
Cells(1, 2).Value =
kosuu(0) / g
Sub check(ByVal n As Integer, ByRef j() As Integer, ByRef kosuu() As Long)
Dim wa As Integer
Dim i As Integer
j(n) = 1
While j(n) <= 13
If dame(n, j()) = 0
Then
If n < 3 Then
Call check(n + 1,
j(), kosuu())
Else
kosuu(0) = kosuu(0) +
1
wa = 0
For i = 1 To 3
wa = (wa + j(i)) Mod
13
Next I
If wa = 0 Then
kosuu(1) = kosuu(1) +
1
End If
End If
End If
j(n) = j(n) + 1
Wend
End Sub
Private Function dame(ByVal n As Integer,
ByRef j() As Integer) As Integer
Dim i As Integer
dame = 0
i = 1
While dame = 0 And i
< n
dame = -(j(i) = j(n))
i = i + 1
Wend
End Function
Private Function GCM(ByVal a As Long, ByVal b As Long) As Long
If b = 0 Then
GCM = a
Else
GCM = GCM(b, a -
Int(a / b) * b)
End If
End Function
<水の流れ:コメント>20日記入
皆さんに感謝しています。さて、規則性ですが、kが3と互いに素なら、3の倍数ができる確率は同じ1/3になります。時間をいただければ、その訳を書きたいとおもっています。
<水の流れ:規則性の解説>25日記入
3で割った余りで、分類します。A0={3,6,9},A1={1,4,7},A2={2,5,8}とおくと,3で割った余りが0,1,2であるものが同数です。
k=2の場合を説明します。任意の1つの整数を取り出し、それがたとえば25だとします。この25から出発して
各位の数字を1つずつ大きくする(ただし、9→1)ことを繰り返すと、
25→36→47→58→69→71→82→93→14→25
となり、最初の25に戻る。25を含めて9個の整数が得られる。これら9個を1つのグループと考えると、
9P2個の2桁の整数は、9P2÷9=8個のグループに排反に分けられる。
さて、上のグループの場合、3で割った余りは
1→0→2→1→0→2→1→0→2→1 と「1,0,2の繰り返し」になりますが、どのようなグループも
「1,0,2の繰り返し」か「0,2,1の繰り返し」か「2,1,0の繰り返し」となります。上の青の操作により、9で割った余りは2ずつ大きくなり、3で割った余りも2ずつ大きくなる。
ということで、k=2の場合は3で割った余りが0,1,2のものが同数となるわけです。この考え方からわかるように、kが3と互いに素ならば、“同数”がいえて、求める確率は1/3となる。
k=3,6場合は、3の余りを考えて組み合わせてください。
k=9のときは、各位の和が1+2+3+・・・+8+9=45で3の倍数ですから、当然、全部3で割り切れる。確率は1。
次に、問題5についても、最初に3枚のカードを取り出して、それぞれに1を加えていくと、14個目に戻ってしまう。
同じような考えで、最初に取り出したカードの数の和をnとすると、
n,n+3,n+6,n+9,n+12,n+15,n+18,n+21,n+24,n+27,n+30,n+33,n+36 の13個の数を13で割った余りはすべて異なり、0から12の13通りある。この証明は、背理法でおこなう必要があるが。
よって、和が13の倍数となるような3枚の取り出し方は、すべての取り出し方の1/13である。
したがって、その確率は、1/13となる。