平成13年10月14日

[流れ星]

        第84回数学的な応募問題解答

          <解答募集期間:10月1日〜10月15日>

[エレベーター]

 大垣市内にある高層建物は1階(地上階)から17階まであり、各階の間は等間隔です。エレベーターで1階から5階まで直行したら、16秒かかりました。
1階から11階まで直行したら、26秒かかりました。奇妙に見えますが、次のような考え方をすると、理解できます。
 このエレベーターは加速減速が遅く、動き出してから最大速度に達するまで、一定の加速度で動く。減速し始めてから停止するまでも一定の加速度で減速し、停止するまでには、動き出してから最大速度に達するまでと同じ時間が必要。中間は一定の最大速度で動くが、もし移動距離が短いと、最大速度に達しないうちに減速して、目的階に達する。ここで、問題です。

問題1:このエレベーターの加速度を求めよ。

問題2:動き出してから最大速度に達するまで、何秒かかりますか。

問題3:動き出してから最大速度に達したとき、エレベーターは何階と何階の間にいるでしょうか。

問題4:1階から16階まで直行するとき、何秒かかりますか。

問題5:1階からN階まで直行するとき、何秒かかるか、Nで表せ。

NO1「やぎ」さん 10/2:1時36分受信 更新10/14
 第 84回 問題解答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0    t3 t1 2t3 t1+t2   2t1+t2

 
 

 

 


エレベーターの速度を図に示す。1階と2階の距離をLとする。

すると,11階までの距離と時間および速度直線で囲まれた面積から(1)(2)式が成立する。

 

 t1Vm/2+t2Vm+t1Vm/2=(11-1)L    (1)

 2t1+t2=26             (2)

 

また、5階までについての式は(3)式となる。

 

(Vm/t1)t3^2=(5-1)L               (3)

 

 ただし t3=8

 

(1)(2)(3)を解くと t1=10,t2=6,Vm=10L/16となる。

 

問題1の解答 L/16/秒^2(ただしLは一階差の距離)

問題2の解答 10秒

問題3の解答 4階と5階の間

問題4の解答 34秒

問題5の解答 N=<7の場合 t=8sqr(N-1)

       N>7の場合 t=2(4N+21)/5  

 

NO2「BossF」さん 10/3:21時28分受信 更新10/14
@5階に直行する場合A11階に直行する場合、とし
エレベーターの最大速度をVmaxとします。
 また、これは、問題で指定されてないのですが1階分の距離を1とします。
 もう一つ、加速時と減速時の加速度も等しいとして、考えていきます。
(この2点はよろしいでしょうか?)

さて
(i)@AいずれもVmaxに達しない場合
(ii)@AいずれもVmaxに達する場合
(iii)AはVmaxに達するが、@はVmaxに達しない場合
のいずれであるかを判定します。
各々の場合のv-t gragh が添付ファイルのfig1〜3です。
いずれも、
青線とt軸に囲まれた部分(B)の面積=10
赤線とt軸に囲まれた部分(C)の面積=4 
でなければならないことに注意します。

(i)の時、BCは明らかに相似で、その比は13:8
ところが、面積比が5:2ですから、不適

(ii)の時、BCの差(黄色で示した部分)は平行四辺形で面積が6ですから、
Vmax=0.6 
これを用いてCの台形の上底を求めてみますと
(x+16)x0.6x1/2=4 より x=-8/3 となってしまいますから、不適

(iii)の時、Bの台形の両側の線を延長して出来る三角形を考えます。(緑で示した部分=D)
B+DはCと13:8の相似ですから、
B+D=4x169/64=169/16
∴D=169/16-10=9/16
よって、BDは面積比169:9 i.e. 13:3の相似
だから、Bの上底=6
これより、(26+6)xVmax/2=10
 i.e. Vmax=5/8…問題2の答

上の結果よりVmaxまで加速する時間とVmaxから停止するまでの時間の和は20秒、その
間に進む距離はCとの相似関係から 4x(20/16)^2=25/4…E
したがって16階に直行する時にかかる時間は
20+(15-25/4)÷5/8=34秒…問題4の答

同様にしてN(≧7)階までは
20+(N-1-25/4)÷5/8=(8N+42)/5
またN(≦6)階まで t (sec)とするとCとの相似関係より
16^2:t^2=4:N-1 ∴t=8{(N-1)^(1/2)}
まとめると
2≦N≦6の時、8{(N-1)^(1/2)}
7≦N≦17の時、(8N+42)/5   …問題5の答

(以下加速時と減速時の加速度も等しいと仮定して)
またCは二等辺ですから加速時間は8秒
よって加速度は
 1/2xax64=4 より 1/8(sec^-2)…問題1の答
EよりVmaxに達した時進んだ距離は25/8
 すなわち、3階と4階の間にいます…問題3の答

v-t graph の意味、加速度の意味、が分かっていれば、小学生にも解けますね(一部
を除いて)
また、加速時と減速時の加速度も等しいとしなくても、半分以上解けますね。
よい問題だと思います    

NO3「BossF」さん訂正 10/4:2時14分受信 更新10/14
(iii)の時、Bの台形の両側の線を延長して出来る三角形を考えます。(緑で示した部分=D)
B+DはCと13:8の相似ですから、
B+D=4x169/64=169/16
 ∴D=169/16-10=9/16
 よって、BDは面積比169:9 i.e. 13:3の相似
 だから、Bの上底=6
 これより、(26+6)xVmax/2=10  i.e. Vmax=5/8


 上の結果よりVmaxまで加速する時間とVmaxから停止するまでの時間の和は20秒…E

  その間に進む距離はCとの相似関係から 4x(20/16)^2=25/4…F
 したがって16階に直行する時にかかる時間は
 20+(15-25/4)÷5/8=34秒…問題4の答
 
Fより、Vmaxまで加速しVmaxから停止するまでに動く距離は25/4=6.25

すなわちVmaxまで加速しそこから減速停止すると、7.25階に止まる事になります

したがって上と同様にしてN(≧8)階まで直行すると
 20+(N-1-25/4)÷5/8=(8N+42)/5
 またN(≦7)階まで t (sec)とするとCとの相似関係より
 16^2:t^2=4:N-1 ∴t=8{(N-1)^(1/2)}
まとめると
2≦N≦7の時、8{(N-1)^(1/2)}
8≦N≦17の時、(8N+42)/5   …問題5の答

 (以下加速時と減速時の加速度も等しいと仮定して)
 またCは二等辺ですから加速時間は8秒
よって加速度は
 1/2xax64=2 より 1/16(sec^-2)…問題1の答

 

Eより、Vmaxに達する時間は 10秒…問題2の答


FよりVmaxに達した時進んだ距離は25/8=3.125
 すなわち、4階と5階の間にいます…
問題3の答

お手数をおかけしました…汗

 

NO4「kashiwagi」さん 10/4:9時27分受信 更新10/14
題意より以下の様に仮定します。

       建物1階分の高さをHm

       エレベーターの加速度をαm/s

       エレベーターの速度をv、最高速度をVm/s

       最高速度に達するまでの時間をt

       減速を開始する時刻をt

       停止するまでの時間をTs

       1階から5階までは距離が短いので最大速度にならず減速する

       以上の仮定から二つの場合を考慮し立式すると、

       v=8α      @

       4H=(1/2)・8α・16 =64α     A

       V=αt1         B

       =T−t2         C

       10H=(1/2)・(T+t−t)・V      D

       CとDから10H=tV      E

       これにB、Cを代入し、10H=αt=α(T−t)t2         F

       これにAを代入し、tの2次方程式t−26t+160=0      G

       これを解いて10と16を得る。因って、t=16、t=10      H

       以上の条件から問題を解くと、

(問1)    加速度はAとB、Hより、α=H/16=V/10m/s

(問2)    最大速度に達する時間はt10秒

(問3)    最大速度に達するまでの距離は(1/2)・α・10=25H/8、この値は

3Hと4Hの間にあるので、4階と5階の間にある。

(問4)    Fの左辺に15H、α=H/16とt=10を代入し、t=24を得る。これらをCに代入し、T=34秒となる。

(問5)    問4と全く同様な計算を行う。但し、Fの左辺に(N−1)Hを代入する。

因って、t=(8/5)(N−1)を得る。

即ち、T=(2/5)(4N+21)となる。

 

NO5「シグ」さん 10/8:21時25分受信 更新10/14
各階の間隔をd,加速度a,最大速度V,そしてVに達するまでの時間をkとおくと、最大速度 V=ak とおける。
 題意 ”動き出してから最大速度に達するまで、一定の加速度で動く。減速し始めてから停止するまでも一定の加速度で減速し、停止するまでには、動き出してから最大速度に達するまでと同じ時間が必要。”より,1階にいる最初の時間を t=0 とすると1階から5階に行く際3階を通過するときは t=8 であることがわかる。同様に11階まで行く際その中間ある
6階を通過するときは t=13 である。
 ここで(@) k<8 のとき,
 2d=ak^2/2+V(8−k)
 5d=ak^2/2+V(13−k) 
これを解くと,k=28/3>8となり不適。

(A) 8≦k≦13 のとき
 2d=a8^2/2
 5d=ak^2/2+V(13−k) 
これを解くと k=10,16 条件より k=16 は不適だから k=10

(B) 13<k のとき,
 2d=a8^2/2
 5d=a13^2/2 
これを解くと,a=0 となってしまい不適。

(@)(A)(B)より k=10。(問題2)

動き出してから最大速度に達したときの高さをyとすると
  y=ak^2/2=50a
(A)の上式より a=d/16 だから y=25d/8
 3<25/8<4 より 3d<y<4d
ゆえに最大速度に達した時、エレベーターは4階と5階の間。(問題3)

1階から16階まで直行するときT(16)秒かかるとすると,
  15d=2[50a+10a{T(16)/2−10}] ,d=16a より
                      T(16)=34。(問題4)

1階からN階まで直行するときT(N)秒かかるとすると,
N<9 のとき
 (N−1)d=2[a{T(N)/2}^2/2] ,d=16a より
                      T(N)=8√(N−1)


つまり 8(N−1)^1/2 と言う意味です。どう書いたらいいのかわからなくてわかりにくい表現になってしまいました。
N≧9 のとき
 (N−1)d=2[50a+10a{T(N)/2−10}] ,d=16a より
                      T(N)=(8N+42)/5
ゆえに,N<9 のとき T(N)=4√N−1
     N≧9 のとき T(N)=(8N+42)/5。(問題5)

 問題1だけがわかりませんでした。
あえて答えるとすれば
『各階の間隔をdとしたとき加速度a=d/16。』
です。

はじめまして。初めての応募です。
 

 

 

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp