平成14年1月15日
[流れ星]
第90回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:1月1日〜1月15日>
[交代級数の和]
今、オイラーの書いた「無限解析入門」という本が手元にあります。ここの中に次のような無限級数の和を求めています。
皆さんも、考えてください。ただ、オイラーの足下にも及ばない太郎さんにとって、ある無限級数を関数として考えました。
問題 (1−1/2)+(1/4−1/5)+(1/7−1/8)+・・・=Σ(k=0〜∞)[(1/3k+1)−(1/3k+2)]
ここで、x−x2/2+x4/4−x5/5+x7/7−x8/8+・・・=f(x) とおいて考えてください。
NO1「kashiwagit」さんからの解答 1/14 8時17分受信 更新 1月15日
f(x)=x−x2/2+x4/4−x5/5+――― であるので、この式をxで微分すると、
f’(x) =1−x+x3−x4+x6+―――
=(1−x)(1+x3+x6+――― )
=(1−x)/(1−x3)=1/(1+x+x2) ―――@
f(x)はf’(x)を積分したものであり、求めるものはf(1)の値であるから、f’(x)を0から1まで積分すれば良い。
又、明らかにf(0)=0である。―――A
f(1)−f(0)=∫10f’(x)dx=∫101/(1+x+x2)dx
=∫101/{(x+1/2)2+3/4}dx―――B
ここで(2/√3)・(x+1/2)=tanθと置くと、xの0から1までの積分はθをπ/6からπ/3まで積分することになり、
dx=(2/√3)・1/cos2θdθ―――Cに注意して式Bの計算を行うと、√3・π/9となる。
即ち、f(1)−f(0)
=∫101/{(x+1/2)2+3/4}dx=√3・π/9
ここでAの関係より、f(1)
=√3・π/9
求める解答は正にf(1)であるので、√3・π/9が求める値である。
<水の流れ:コメント>
こちらの、予定していたのと、全く同じでして、流石、お見事って感じです。
以 上.