平成14年4月30日
[流れ星]
第96回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:4月16日〜4月30日>
[授業の担当クラス]
太郎さんが勤務している高校のクラス数は、1年生7クラス、2年生8クラス、3年生8クラスあります。各クラスの授業時間割を編成するとき、なるべく隣のクラスを同じ担当者が待たないほうが、経験上少し編成しやすいのです。
例えば、1学年5クラスのときを考えます。
太郎さんが1クラスだけ担当する場合は {1}、{2}、{3}、{4}、{5}の5通りあります。
2クラス担当する場合は {1,3}、{1,4}、{1,5}、{2,4}、{2,5}、{3,5}の6通り。
3クラス担当する場合は {1,3、5}の1通りしかありません。ここで、問題です。
1学年1からnまでのクラスがあるとして、この学年からk個のクラスを選んで授業担当をします。ただし、時間割編成上隣り合わせのクラスは持たないとします。そこで、このような持ち方の方法をF(n,k)通りとします。次の設問に答えてください。
問題1:n=6のとき、F(6,1)、F(6,2)、F(6,3)を求めよ。
問題2:n=7のとき、F(7,1)、F(7,2)、F(7,3)、F(7,4)を求めよ。
問題3:F(n,1)、F(n,2)をnで表せ。
問題4:F(n,k)をnとkで表せ。
問題5:何か漸化式みたいものが発見できたら、教えてください。
NO1<H7K>さんから1回目4/17 23:04 受信 更新4/30
はじめまして。ペンネームはまだとくに考えていませんが、とりあえずは「H7K」でお願いします。
1.F(6,1)=6
F(6,2)=10 ( {1,3}{1,4}{1,5}{1,6}{2,4}{2,5}{2,6}{3,5}{3,6}{4,6} )
F(6,3)=4 ( {1,3,5}{1,3,6}{1,4,6}{2,4,6}
2.F(7,1)=7 F(7,2)=5+4+3+2+1=15
F(7,3)=10 ( 135,136,137,146,147,157,246,247,257,357 )
F(7,4)=1 ( 1257のみ )
3.F(n,1)=n F(n,2)=(n-2)+(n-3)+...+1=(n-1)(n-2)/2
4.と5.は現在考え中です。 解けたら、また送ります。
NO2<H7K>さんから2回目4/18 00:13 受信 更新4/30
4.を解きました。(風呂の中で考えました)
--- ---
F(n,k)は、「1<=a_1,a_k<=n,a_p+1<a_{p+1},a_p\in Nを満たす{a_p}の場合の数」と一致する。(明らか)
よって、「1<=a_1,a_k<=n,a_p+1<a_{p+1},a_p\in Nを満たす{a_p}の場合の数」(以下Pとする)を求めればよい。
B_p=a_p-1としてb_pを決めると、
Pは「0<=b_1,b_k<=n-k,b_p<b_{p+1},b_p\in Nを満たす{b_p}の場合の数」と等しくなるが、
これは0〜n-kまでの数をkこ順序なしで選ぶやり方と一致する。
よって、P={}_{n+1-k}C_k
よって、F(n,k)={}_{n+1-k}C_k
--- ---
いつも数式なんかはTeXで書くので、ここでもそれを使ってしまいました。
5.はまだ考え中です。
(まだこの問題を見てから1hもたってないのですが...) それでは。
NO3<H7K>さんから3回目4/18 16:01 受信 更新4/30
いつもとは違うOSから打っているので、題名が違うかもしれません。
typoをしてしまいました^^; b_p=a_p-1とかいう行があるはずですが、 ここはb_p=a_p-pの間違いです。 ああ、恥ずかしい...
<水の流れ:コメント> 4月18日 22時 発信
問1から問4まで正解です。問5の漸化式は思いつくのでは。「授業の担当クラス」の問題は 2つ隣のクラスまでも許さないとしても考えられます。さらに、3つ、4つ・・・dクラスまでと拡張できます
NO4<Iga>さんから4/18 21:08 受信 更新4/30
お久しぶりです、Igaです。何となくできそうなのでチャレンジしました。
問題1:n=6のとき、F(6,1)、F(6,2)、F(6,3)を求めよ。
F(6,1)=6 単にクラス数ですね
F(6,2)=10 =6C2−5
6クラスから2クラスを選び出す組み合わせの数から、隣り合うクラスの組み合わせの数をひきました。
F(6,3)=4 とりあえず、6クラスから3クラスを選ぶ組み合わせをすべて書き出し、
隣り合うクラスを含む組み合わせを除いて数えました。
問題2:n=7のとき、F(7,1)、F(7,2)、F(7,3)、F(7,4)を求めよ。
n=6のときと同様にして、とりあえず数えました。
F(7,1)=7 F(7,2)=15 F(7,3)=10 F(7,4)=1
問題3:F(n,1)、F(n,2)をnで表せ。
F(n,1)=n 隣り合うクラスを持つ事を考えなくてよいので、クラス数と同じになります。
=nC1
F(n,2)
nクラスから2クラス選ぶ組み合わせの数は nC2 =n(n−1)/2
そのうち、隣り合わせのクラスの組み合わせの数は n−1 =n−1C1
よって、F(n,2)=nC2−n−1C1
=n(n−1)/2−(n−1)
={n(n−1)−2(n−1)}/2
=(n−1)(n−2)/2
=n−1C2
問題4:F(n,k)をnとkで表せ。
問題3に続けて、F(n,3)を考えました。
nクラスから3クラス選ぶ組み合わせの数は nC3=n(n−1)(n−2)/6
選ぶ3クラスを{a,b,c}(a<b<c)とするとき
aとbが隣り合わせになる組み合わせの数は n−1C2=(n−1)(n−2)/2
bとcが隣り合わせになる組み合わせの数は n−2C2=(n−2)(n−3)/2
よって、F(n,3)=nC3−n−1C2−n−2C2
=n(n−1)(n−2)/6−(n−1)(n−2)/2−(n−2)(n−3)/2
={(n−1)(n−2)(n−3)−3(n−2)(n−3)}/6
=(n−2)(n−3)(n−4)/6
=n−2C3
同様に考えると式の形から、
F(n,4)=nC4−n−1C3−n−2C3−n−3C3
=n−3C4
と予想出来る。n=7のときで確認してみると、
F(7,4)=4C4=1
となり、問題2の結果と一致した。
以上より、 F(n,k)=n−(k−1)Ck
という式になると思うのですが、確かめてはいません。
とりあえず、今回はここまで出してみました。
またできそうだったらチャレンジします。
<水の流れ:コメント> 4月18日 22時50分 発信
問題1:正解です。
問題2:正解です
問題3:正解です
問題4:F(n,k)をnとkで表せ。
F(n,k)=n−(k−1)Ck 正解です
問5は組み合わせですから 漸化式は・・・
NO5<kachiwagi>さんから4/19 09:02 受信 更新4/30
問1. 題意より、F(6,1)=6C1=6
F(6,2)=6C2−(6−1) =15−5=10
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
○ |
○ |
× |
|
|
|
× |
○ |
○ |
|
|
|
|
|
○ |
○ |
|
|
|
|
|
○ |
○ |
|
|
|
|
|
○ |
○ |
上表の○の組み合わせは題意に合わないため除外する。この個数は6−1
F(6,3)=6C3−(5×4−4) =20−20+4=4
上表で○が連続する組み合わせは5×4だが二つの欄のように×をつけたものは同じ組み合わせであり、ダブって引いている。この様な例が全部で4個あるのでこれは加えねばならない。因って上記の様になる。
問2. 問1と同様の考え方でF(7,1)=7C1=7
F(7,2)=7C2−(7−1) =21−6=15
F(7,3)=7C3−(6×5−5) =35−30+5=10
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
○ |
|
○ |
|
○ |
|
× |
○ |
|
○ |
|
|
○ |
|
○ |
|
○ |
|
× |
|
○ |
○ |
|
|
○ |
|
○ |
|
○ |
|
|
○ |
|
|
○ |
○ |
|
× |
|
○ |
|
○ |
|
○ |
|
○ |
|
○ |
|
|
○ |
|
○ |
|
|
○ |
|
○ |
|
|
○ |
|
○ |
× |
|
○ |
|
○ |
|
○ |
上表より4つめの×を置けるのは4種類あるが、全て同じ組み合わせのため
F(7,4)=1
問3. 問1,2からF(n,1)=nC1=n
F(n,2)=nC2−(n−1) =(n−1) (n−2)/2=n−1C2
F(n,3)=nC3−〔(n−1) (n−2)
−(n−1)〕
=(n−2) (n−3)
(n−4)/6=n−2C3
問4. 問3よりの類推で
F(n,k)=n−(k−1)Ck
問5. 組み合わせの法則よりnCk=n−1Ck+n−1Ck−1である。
これより
n−(k−1)Ck=n−(k−2)Ck+n−(k−2)Ck−1となる。これをF関数で表すと、
F(n,k)=F(n−1,k) +F(n−2,k−1)となる。
この漸化式が求めるものである。
<水の流れ:コメント> 4月20日 18時 発信
正解でした。
こちらは、帰納法での証明まで考えていませんでした。考え方から発見できれば良しとね。
もちろん、キチンと証明する必要がありそうですが。
「授業の担当クラス」の問題は 連続するクラスの間を1クラス、2クラス、・・・、dクラスまで
許さないとしても考えられます。
NO6<H7K>さんから4回目4/19 19:23 受信 更新4/30
>組合わせ記号で書けますから、問5の漸化式は思いつくのでは。
考えてみます。
>「授業の担当クラス」の問題は 2つ隣のクラスまでも許さないとしても考えられま
>す。 さらに、3つ、4つ・・・dクラスまでと拡張できます。
lこ隣のクラスまで許さない場合は、
{}_{n+l(k-1)}C_k通りになるような気がします。
NO7<スモークマン>さんから1回目4/19 22:50 受信 更新4/30
F(n,k)=(n-2k+3)(n-2k+2)/2
になると思います。
<水の流れ:コメント> 4月20日 18時 発信
ペンネームを「スモークマン」さんとして、ネット上で載せさせていただきます。
さて、解答ですが、
問3で、 F(n,1)=n 隣り合うクラスを持つ事を考えなくてよいので、クラス数と同じになります。
NO8<スモークマン>さんから2回目4/21 21:59 受信 更新4/30
すいません考え方が違ってました。
k個のものがあって、その両端と、間のk+1個から、n-k個取り出す数から、k個から、n-k個取り出す回数と、2個から
n-k個取り出す回数を引くとよさそうに思いますがいかがでしょうか?
<水の流れ:コメント> 4月22日 記入
「スモークマン」さんから問4について、解答をもらいました。太郎さんは、正しいかどうか判断に迷っています。誰かコメントください。よろしくお願いします。
NO9<H7K>さんから5回目4/22 22:20 受信 更新4/30
5.を解きました。
---
選んだ中で、一番番号の大きいクラス(aとする)によって場合分けをする。
◎a=nのとき:
1-(n-2)の中から条件に沿って(r-1)クラス選ぶ→F(n-2,r-1)
◎a=n-1のとき
1-(n-3)の中から条件に沿って(r-1)クラス選ぶ→F(n-3,r-1)
....
◎a=2r-1のとき:
1-(2r-2)の中から条件に沿って(r-1)クラス選ぶ→F(2r-2,r-1)
よって、
F(n,r)=\sum_{k=2r-2}^{n-2}F(k,r-1)
---
<水の流れ:コメント> 4月22日 23時 発信
どこから、どこまで合計するかですが、Kの一番小さい和ですが、k=2r-3までではな
いかと悩んでいます。
_F(n,r)=sum_{k=2r-3}から{n-2}F(k,r-1)となりませんか。
NO10<H7K>さんから6回目4/23 17:48 受信 更新4/30
◎a=2r-1のとき:
1-(2r-2)の中から条件に沿って(r-1)クラス選ぶ→F(2r-2,r-1)
よって、
F(n,r)=\sum_{k=2r-2}^{n-2}F(k,r-1)
どこから、どこまで合計するかですが、Kの一番小さい和ですが、k=2r-3までではな
いかと悩んでいます。
> _F(n,r)=sum_{k=2r-3}から{n-2}F(k,r-1)となりませんか。
すみません、その通りです^^;
#考えてみれば、kの最小値が偶数になることはありえませんね^^;
<水の流れ:コメント> 4月23日 22時 発信
こんにちは。お返事ありがとうございます。
F(n,r)の値はパスカルの三角形の中にありますから、
F(n,r)=sum_{k=2r-3}から{n-2}F(k,r-1)となりませんか。
上のような漸化式が出てきます。 これを発見してもらいたかったことです。感謝しています。
NO11<H7K>さんから7回目4/23 22:49 受信 更新4/30
> F(n,r)の値はパスカルの三角形の中にありますから、
確かに考えれば、そうなりますね。
それにしても、パスカルとは...思いつきませんでした。
拡張させたとき(kこ隣まで許さない場合)では、
G(n,r,k)=Σ{i=(k+1)(r-1)-1 to n-(k+1)}G(i,r-1,k)
となると思います。
また機会が有れば、投稿すると思います。これからも、よろしくお願いします。
<水の流れ:コメント> 4月30日 記入
今回 初めて方からの応募があり、本当に感謝しています。応募ありがとうございます。
この問題の一般化は、隣り合う数だけでなく、その1個となり、2個隣の数と、一般にd個の隣クラスまで含めないとすることも考えられます。このときの解答は F(n,k)=n−(k−1)Ck と同じ方法で F(n,k)=n−d(k−1)Ck となります。
また、1組のクラスからn組までの数を巡回させると、1もnも隣り合うことになり、これも同時に含めないことになります。
このときの解答は F(n,k)={n−k+1Ck}―{n−k―1)Ck―2} 通りとなります。