平成27年5月3日
[流れ星]
第319回数学的な応募解答
<解答募集期間:4月5日〜5月3日>
[周の長さと面積の関係]
問1:与えられた周の長さをもつ三角形の中で面積が最大となる三角形はどんな三角形か。理由もつけて。
問2:与えられた面積をもつ三角形の中で周の長さが最小となる三角形はどんな三角形か。理由もつけて。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。
NO1「uchinyan」
04/05 14時15分 受信 更新 5/3
問1:
三角形の3辺の長さを a,b,c,面積を S,周の長さを 2s = a + b + c,とします。
周の長さが一定なので,s = (a + b +
c)/2 は一定です。
ヘロンの公式より,
S = √(s(s-a)(s-b)(s-c)),S^2/s = (s-a)(s-b)(s-c)
相加相乗平均より,
((s-a)(s-b)(s-c))^(1/3) <= ((s-a) +
(s-b) + (s-c))/3 = s/3,
S^2/s = (s-a)(s-b)(s-c) <= s^3/27,
S <= √(s^4/27) = (√3/9)s^2 = 一定
不等号の等号は相加相乗平均の等号なので,s-a =
s-b = s-c,a = b = c,です。
これは実現可能で,三角形は正三角形になります。
(別解)
△ABC を考え,まずは BC を固定します。すると,AB + AC = 一定,と考えられます。
これより,A は B,C を焦点とする楕円上の点です。BC
を固定しているので,
△ABC の面積を最大にするには A から BC に下ろした垂線の長さを最大にすればいいですが,
楕円の性質から,これは A が BC の垂直二等分線上にあるときです。
つまり,BC を固定したとき △ABC は AB = AC の二等辺三角形です。
CA,AB を固定したときも同様のことが言えるので,
結局,AB = BC = CA の正三角形のときに,三角形の面積は最大になります。
問2:
三角形の3辺の長さを a,b,c,面積を S,周の長さを 2s = a + b + c,とします。
面積が一定なので,S は一定です。
ヘロンの公式より,
S = √(s(s-a)(s-b)(s-c)),S^2/s = (s-a)(s-b)(s-c)
相加相乗平均より,
s/3 = ((s-a) + (s-b) + (s-c))/3 >=
((s-a)(s-b)(s-c))^(1/3),
(2s/6)^3 >= (s-a)(s-b)(s-c) = S^2/s,
(2s)^4 >= (2^4 * 3^3)S^2,
2s >= (2 * 3^(3/4))√S = 一定
不等号の等号は相加相乗平均の等号なので,s-a =
s-b = s-c,a = b = c,です。
これは実現可能で,三角形は正三角形になります。
(別解)
△ABC を考えると △ABC = 一定 です。まずは BC を固定し,AB + AC が最小,を考えます。
△ABC = 一定 より,A は BC に平行な直線 L 上にあります。
この直線に関して C と対称な点 D を取ると,D は定点で,AB +
AC = AB + AD,です。
そこで,AB + AC が最小になるのは B,A,D が一直線上にあるときで,このとき,
∠ABC = ∠DAL = ∠CAL = ∠ACB,AB = AC,
つまり,BC を固定したとき △ABC は AB = AC の二等辺三角形です。
CA,AB を固定して解きも同様のことが言えるので,
結局,AB = BC = CA の正三角形のときに,三角形の周の長さは最小になります。
(感想)
これは以前に考えたことがあります。
いろいろな解法がありそうですが,数式によるものと図形的なものを書いておきました。
なお,三角形の条件を除くと,答えは円になるのですが,直感的には自然な気がします。
もっとも,厳密な証明は結構面倒だったような記憶があります。
NO2「にいばりZ12」 04/06 01時03分 受信
「にいばりZ12」
04/14 00時11分 受信 更新 5/3
問2:与えられた面積をもつ三角形の中で周の長さが最小となる三角形はどんな三角形か。
△ABCを考えますそれぞれの対辺をabcとします(また特に断らない限りA=∠A、B=∠B、A=∠Cとします)
またBCの中点をMとします。
中線定理から
c2+b2=2(AM2+(a/2)2)
いまaを底辺とし高さhの三角形を考えます
又、Aを通りBCに平行な直線Lを引きます
Aを動点としL上を移動させると
△ABCの面積は一定です
c2+b2が最小となるのはaが一定なのでAMが最小の時になります
図で明らかなようにAMが最小となるのはBC⊥MAです
(この時のMAは△ABCの高さに当たるのでhと置いておきます)
また、この時c=bとなるのでc2+b2=2cbが言え、c2+b2+2cb=(c+b)2もまた最小になります
よってc+bが最小になることが言えます。
故にc=bの場合(底辺aの二等辺三角形)がaを固定した場合周長が最小となります。・・・・@
次に、与えられた面積を持つ二等辺三角形の中で周の長さが最小となる三角形を考えます。
面積は、ah/2で与えられます。面積一定の条件からahは一定でなければなりません
この時c=bから
周の長さはa+2√(a2+h2)= a+2c
h=√(c2-(a/2)2)
面積ah/2=
a√(c2-(a/2)2)/2=const
= a√((2c-a) (2c+a))/4=const
ここで周長2c+a=l面積ah/2=Sとおくと
a=l-2c
2c-a=4c-l
となるので
S=(l-2c)√((4c-l)l)/4
c=klと置くと
S=l2(1-2k)√(4k-1)/4
この時
(1-2k)√(4k-1)は正の実数で、上に有界でありSが一定なので、最大値を取る時lは最小値を取ります
4k-1=t2と置きtの極値を計算すると√(1/3)。よってkの最大値は1/3となり・・・・・A
c =l/3
a=l-2cからa=c
c=bから
a=b=c
与えられた面積をもつ三角形の中でa=b=cの正三角形が周長が最小になると結論されます・・・・回答
別解
@からa、b、cの各辺を底辺としたときすべて二等辺三角形になる時lが最小となります。
そのような三角形はa=b=cとなり正三角形となります。
問1:与えられた周の長さをもつ三角形の中で面積が最大となる三角形はどんな三角形か。
問2の逆問題で、周長を最小(一定)に決めた場合面積が最大となるのはやはり正三角形です・・・回答
(∵最小になる周長を持った面積一定の三角形が、その形を(周長一定で)変えた時には元の三角形より問2の結論から小さくなります)
感想
Aの結果を得るのになんとか微分を使わないで解けないか考えましたが思いつきませんでした。
別解とした回答は自明ですが、厳密にはaの固定を解除しBを通りACに並行な直線を引き
Bを動点としc’=a’の時l>l’を繰り返しlの極値がa=b=cとするのが正道と思います。
閉じた多角形の場合でも同様なことが言え
与えられた面積をもつ多角形の中で周の長さが最小となる多角形はどんな多角形か。
という問題に対しての回答は、正多角形となり、
与えられた面積をもつn角形の中で周の長さが最小となるn角形はどんなn角形か。
という問題に対しての回答は、正n角形となり
n→∞とすると
円になります。
3次元で考えると
与えられた体積をもつ閉じた立体の中で表面積が最小となる立体はどんな立体か
という問題に対しての回答は球となりますが
2次元のように多角形のnに相当する多面体が作れません。
(そもそも2次元の場合も極めて厄介ですが)
答が(人の直観では)自明であるのに
証明が極めて難しい問題です。
「にいばりZ12」
04/21 23時47分 受信 更新 5/3
問2を四角形に拡張して考えてみました
(問2:与えられた面積をもつ三角形の中で周の長さが最小となる三角形はどんな三角形か。)
問2’:与えられた面積をもつ四角形の中で周の長さが最小となる四角形はどんな四角形か。
四角形ABCDを考えます
AB=a,BC=b,CD=c,DA=dとします(また特に断らない限りA=∠A、B=∠B、A=∠A、D=∠Dとします)
対角線BDに並行でA,Cを通る直線L,L’を引きBDを固定しAとCを動点とすると
問2の結果から
△ABDにおいてa+dが最小値を取るのはa=d
△CBDにおいてb+cが最小値を取るのはb=c
次にこの四角形の対角線ACに並行でB,Dを通る直線L,L’を引きACを固定しBとDを動点とすると
△ADCにおいてd+cが最小値を取るのはd=c
△ABCにおいてa+bが最小値を取るのはa=b
結局ここまでの操作でわかるのは
与えられた面積のの中で周の長さが最小となる必要条件として
a=b=c=d (四角形は菱形)・・・・@
またこの菱形の面積Sは一定で
S=1/2・a ^2・sin(B/2)・cos(B/2)・4 (対角線の積の1/2)
= a ^2・sin(B)
Sが一定でaを最小とするためには
sin(B)が最大値をとらなければなりません
sin(B)の最大値は1なので
B=π/2
D=π/2
∴A=C=(2π- B- D)/2=π/2= B=
D
となり
結局正方形となります。
NO3「浜田明巳」
04/07 08時22分 受信 更新 5/3
問1
三角形の周の長さをL,3辺の長さをa,b,c,周の長さの半分をs,面積をSとする.
Heronの公式から,
S={s(s−a)(s−b)(s−c)}1/2
∴S2/s=(s−a)(s−b)(s−c)
s−a>0,s−b>0,s−c>0から,相加平均と相乗平均の関係より,
S2/s=(s−a)(s−b)(s−c)
≦[{(s−a)+(s−b)+(s−c)}/3]3
={(3s−2s)/3}3
=s3/27
∴S2≦s4/27
∴S≦s2/(3√3)
=(L/2)2/(3√3)
=L2/(12√3)=定数
等号が成立するとき,
s−a=s−b=s−c
すなわち,a=b=cとなる.
故に正三角形のときに,面積Sが最大となる.
問2
2点B,Cをとり,直線BCと平行な直線n上に点Aをとる.
このとき,△ABCの面積Sは一定となる.
△ABCの周の長さが最小となるのは,AB=ACの二等辺三角形になる場合であることを示す.………(*)
Cの,直線nについて対称な点をC'とすると,
AB+AC=AB+AC'
故にAB+ACが最小となるのは,BAC'が1直線になる場合である.
このとき,AB=ACとなるので,(*)は示された.
B(−a/2,0),C(a/2,0),A(0,(2S)/a)(a>0)とすると,二等辺三角形ABCの面積は一定値Sとなる.
周の長さLは,
L=a+2[(a/2)2+{(2S)/a}2]1/2
=a+{a2+(16S2)/a2}1/2
=a+(a4+16S2)1/2/a
aで微分すると,
L'=1+[(4a3)/{2(a4+16S2)1/2}・a−(a4+16S2)1/2・1]/a2
=1+{(2a4)/(a4+16S2)1/2−(a4+16S2)1/2}/a2
=1+{2a4−(a4+16S2)}/{a2(a4+16S2)1/2}
=1+(a4−16S2)/{a2(a4+16S2)1/2}
={a2(a4+16S2)1/2+(a4−16S2)}/{a2(a4+16S2)1/2}
={a4(a4+16S2)−(a4−16S2)2}/[a2(a4+16S2)1/2{a2(a4+16S2)1/2−(a4−16S2)}]
=(48a4S2−256S4)/[a2(a4+16S2)1/2{a2(a4+16S2)1/2−(a4−16S2)}]
={16S2(3a4−16S2)}/[a2(a4+16S2)1/2{a2(a4+16S2)1/2−(a4−16S2)}]
L'=0とすると,a4=16/3・S2
∴a=(4/√3・S)1/2
またL'=1+(a4−16S2)/{a2(a4+16S2)1/2}において,a→+0とすると,
L'→−∞
a→∞とすると,
L'→2
L'は連続なので,
0<a<(4/√3・S)1/2のとき,L'<0
a>(4/√3・S)1/2のとき,L'>0
故にLは,a=(4/√3・S)1/2のとき,極小かつ最小である.
このとき,S=√3/4・a2
∴A(0,√3/2・a)
故に△ABCは正三角形である.
故に正三角形のときに,周の長さLが最小となる.
NO4「スモークマン」
04/10 23時36分 受信 更新 5/3
前回問はすっかり忘れてしまってましたが…解けたかどうか?
今回は考えやすい問題だと思いましたぁ☆
問1:与えられた周の長さをもつ三角形の中で面積が最大となる三角形はどんな三角形か。理由もつけて。
回答
任意の底辺を一定にして、それを楕円の焦点と考えれば、残りの2辺の和は一定なので、その底辺に対する頂点は、高さが最大になるときで、明らかに二等辺三角形なので、どの底辺においても言えるときが最大=正三角形 ^^
問2:与えられた面積をもつ三角形の中で周の長さが最小となる三角形はどんな三角形か。理由もつけて。
回答
任意の底辺において、その底辺の平行線を考えると、面積が等しいので、底辺の端を焦点とする楕円を考えると、その平行線が楕円と接するとき(二等辺三角形)が、残りの2辺の和が最小なので(楕円の外側の点だと2辺の和はより大きくなるから)、どの底辺においても言えるときが最小=正三角形 ^^
別解を考えました ^^
相加相乗平均で…
各辺をa,b,c
s=(a+b+c)/2
ヘロンの公式から…
△の面積は
√(s(s-a)(s-b)(s-c) なので…
相加相乗から…
√の中は…
s+(s-a)+(s-b)+(s-c)>=4(s(s-a)(s-b)(s-c))^(1/4)
(1)
sが一定のとき…
(s-a)+(s-b)+(s-c)>=3((s-a)(s-b)(s-c))^(1/3)
右辺の最大値は△の面積の最大値になるので…これは、s-a=s-b=s-cのとき、つまり、a=b=c のときで、正三角形。
(2)
右辺が一定のとき…左辺=s+(s-a)+(s-b)+(s-c)=a+b+c=2s なので…
2s>=4(s(s-a)(s-b)(s-c))^(1/4)
1>=2((1-a/s)(1-b/s)(1-c/s))^(1/4)
等号が成り立つときが、左辺は最小なのだから、a/s=b/s=c/s で、sが最小のときかつ、a=b=c のときなので…正三角形。
NO5「早起きのおじさん」 04/12 12時52分 受信 更新 5/3
問1
●与えられた周の長さをもつ三角形で1辺の長さを固定した場合、面積が最大となるのは、
その辺を底辺とする二等辺三角形のときです。
固定された1辺をFF’とします。
2点F、F’を焦点とする楕円を考えると、周上の点から焦点までの距離の和は一定です。
FF’を底辺とする三角形の面積の最大は、高さが最大のときです。
△PF’Fが二等辺三角形のとき、△PF’F>△P’F’Fです。
次に、PF底辺にして、周の長さが変わらないように二等辺三角形QFPをつくります。
すると、△PF’F<△QFPです。
このようにしてできた二等辺三角形の等辺を底辺にして、周の長さが変わらないように新たな二等辺三角形をつくります。
正三角形でない二等辺三角形の底辺は他の等辺に比べて長い場合と短い場合があります。
等辺の一つを底辺にして、他の二辺の和が一定になるように、新たな二等辺三角形をつくります。
すると、三角形の辺の長さの差が前よりも小さくなります。
このことを繰り返していくとだんだん正三角形に近づいていくことが予想されます。
さて、与えられた三角形の周の長さを3aとします。
左の図で、はじめの二等辺三角形の底辺をF’F=anとします。
すると、等辺PFの長さは、 です。
よって、次の二等辺三角形の底辺の長さ です。
グラフは、an+1とanの関係を示したものです。
赤の太線が意味のある範囲です。
y=xの補助線を書いています。
横軸上に最初の底辺の長さをとります。
するとグラフの値が次の底辺の長さになります。
そこから横に補助線とぶつかるまで進みます。
そこから今度は縦に進んでグラフとぶつかったところがその次の底辺の長さの値になります。
このようなことを繰り返していくと次第に縦横aに吸い込まれていきます。
つまり、1辺がaの正三角形に近づいていきます。
●さて、このことを計算で確かめてみます。
上の結果より、与えられた三角形の周の長さが3aのとき、底辺の長さがxの二等辺三角形の等辺の長さは、 です。
するとヘロンの公式から三角形の面積Sは、
根号内のカッコの中をyとおくと、
なので、x=0、aでy’=0となります。
x=aをSの式に代入すると、 となります。
これは、1辺がaの正三角形の面積です。
問2
●与えられた面積をもつ三角形で1辺の長さを固定した場合、残りの2辺の和が最小となるのは、
その辺を底辺とする二等辺三角形のときです。
固定された1辺を底辺BCとします。
底辺BCに平行で△P’BCの頂点P’を通る補助線を考えると、補助線上に頂点をもつ三角形の面積は一定です。
底辺以外の2辺の和の最小は、二等辺三角形のときです。
△PBCが二等辺三角形のとき、PB+PC<P’B+P’Cです。
Cについて、補助線に関して対称の位置にC’をとると、△P’CC’が二等辺三角形になるので、P’C=P’C’です。
だから、BC’が直線のとき、底辺以外の2辺の和が最小です。
次に、PBを底辺にして、面積が変わらないように二等辺三角形QPBをつくります。
すると、CP+CB>QP+QBです。
このようにしてできた二等辺三角形の等辺を底辺にして、面積が変わらないように新たな二等辺三角形をつくります。
正三角形でない二等辺三角形の底辺は他の等辺に比べて長い場合と短い場合があります。
等辺の一つを底辺にして、面積が変わらないように、新たな二等辺三角形をつくります。
すると、三角形の辺の長さの差が前より小さくなります。
このことを繰り返していくとだんだん正三角形に近づいていくことが予想されます。
さて、与えられた三角形の面積をSとします。
左の図で、はじめの二等辺三角形の底辺をBC=anとします。
すると、二等辺三角形の高さが なので、 より、 です。
よって、次の二等辺三角形の底辺の長さ です。
結果が予想できるので、 (1辺がaの正三角形の面積)として、
として、グラフをかきます。
赤の太線が意味のある範囲です。
y=xの補助線を書いています。
横軸上に最初の底辺の長さをとります。
するとグラフの値が次の底辺の長さになります。
そこから横に補助線とぶつかるまで進みます。
そこから今度は縦に進んでグラフとぶつかったところがその次の底辺の長さの値になります。
このようなことを繰り返していくと次第に縦横aに吸い込まれていきます。
つまり、1辺がaの正三角形に近づきます。
●さて、このことを計算で確かめてみます。
上の結果より、与えられた三角形の面積 のときのとき、
底辺の長さがxの二等辺三角形の等辺の長さは、 です。
すると3辺の和yは、
分母は常に正なので、分子=0とすると、
なので、x=±aのとき、y’=0になります。
よって、底辺がaで面積がの二等辺三角形なので正三角形になります。
●●
式1のグラフを青、式2のグラフを赤で書いてみます。
正三角形のときが、題意にあうようなグラフになっています。
問題1で、三辺の和が一定のときの面積の最大を考えています。
正三角形でない場合は、正三角形のときより面積が小さいわけです。
正三角形でない場合、図形を拡大して正三角形の面積と同じにします。
すると、辺の長さの和は正三角形のときより長くなります。
問題2は、面積の方からみています。
正三角形でない場合、図形を拡大して正三角形の面積と同じにします。
すると、辺の長さの和は正三角形のときより長くなります。
問題2は、面積の方からみています。
内容的にはどちらの問題も同じことになります。
NO6「二度漬け白菜」 04/30
22時41分 受信 更新 5/3
問1: 面積が最大となるのは正三角形のみ.
次の事が成り立つ.
「周の長さが一定であるような凸n角形のうち,面積が最大となるものは
n個の辺の長さが全て等しい凸n角形である.」
(証明)
A[0]A[1]≠A[1]A[2] であるような凸n角形 A[0]A[1]A[2]…A[n-1]
は面積最大ではないことを示す.
点A[1]を通り A[0]A[2]に平行な直線を m とし,mについてA[2]と対称
な点を B[2] とする.
また,P は m 上の動点とする.
凸n角形 Δ_1 = A[0]A[1]A[2]…A[n-1] と Δ_2 = A[0]PA[2]A[3]…A[n-1]
の面積と周の長さを比較する.
|三角形A[0]A[1]A[2]| = |三角形A[0]PA[2]|
であるので,|Δ_1| = |Δ_2|.
また,A[0]P+PA[2] = A[0]P+PB[2] であるので,この値が最小になるのは
A[0],P,B[2] が同一直線上にあるとき,つまりA[0]P=PA[2]のときである.
このようにPを選んでおけば,Δ_2の周の長さのほうがΔ_1の周の長さより
短くなる. そこで,Δ_2を相似拡大して,その周の長さがΔ_1の周の長さ
に等しくなるようにすると,その面積は|Δ_1|より大きくなる.
したがって,|Δ_1|は最大ではない.
以上の議論から,周の長さが一定であるような凸n角形のうちで 面積が
最大なものは,全ての辺の長さが等しいということがわかる. (証明終)
問2:周の長さが最小となるのは正三角形のみ.
面積が S となるよう正三角形の一辺の長さを L とする.
正三角形ではないような三角形 Δ を考え, Δの面積が S だとする.
Δの周の長さを L" とするとき, L" > L である.
( L" ≦ L だったとする. Δを,周長が L になるまで相似拡大したものを
Δ" とする. このときΔ" の面積は S 以上である.
一方,Δ" は正三角形ではなく,その周長は L であるので,問1で示したことを考えれば
Δ"の面積はSより小さいはずである. 矛盾が生じたので L" >
L でなくてはならない. )
最近,「Mathematics Stack Exchange」という海外の数学の質問サイト
に登録しました. そこで興味深いものを見つけました.
第316回「平方の和と差」の解答のなかで,
「任意の正の有理数 r に対して,r = (a^3 +
b^3)/(c^3 + d^3)
となるような正の整数 a,b,c,d が存在する.」
という記事が紹介されていましたね.
この問題をさらに一般的に考察しようとしている質問が,先の数学質問サイト
にあります.
かなりの難問のようです.