平成27年1月17日
[流れ星]
第329回数学的な応募解答
<解答募集期間:12月20日〜1月17日>
[通過領域+α]
皆さん、過去の大学入試問題を見ていると、「関数のグラフが通過する範囲を図示せよ」という問題を見かけます。
最近では今年東大で出題されていました。そこで、次の問題を考えました。
問題1:1次関数y=2tx−t2 がt≧0の範囲で変化するとき、この1次関数のグラフが通過する範囲を求め、図示せよ。
問題2:2次関数y=tx2+(1/4t)x がt>0の範囲で変化するとき、この2次関数のグラフが通過する範囲を求め、図示せよ。
問題3:3次関数y=x3−4tx2+2t2x がt≧0の範囲で変化するとき、この3次関数のグラフが通過する範囲を求め、図示せよ。
新年あけましておめでとうございます。平成28年もご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
問題4:「数学A」という教科書に整数の性質という章があります。(ここでは、約数は正の自然数としておきます。)
例えば、8=23 と素因数分解できますから、正の約数は、1,2,4,8です。
だから、8の約数の個数は 3+1=4 (個)
また、8と互いの素な数は、1,3,5,7の4個です。
これは大変興味深い結果です。正の約数の個数と互いに素な数の個数が一致しています。
勿論、自然数Nについて、N=ap×bq×cr×・・・と素因数分解できたとき、
Nの約数の個数は、 (p+1)(q+1)(r+1)・・・ で求まります。
N以下で、Nと互いに素の数の個数は、オイラー関数φ(N)で表すと、
φ(N)=N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c) ・・・で書けます。
ここで、問題です。自明な1は除いてもいいでしょう。
「自然数Nについて、Nの正の約数の個数と、N以下でNと互いに素な数の個数とが一致するような自然数Nは一体どんな数でしょう。」
NO1「uchinyan」
12/20 17時19分 受信 更新
領域の図示はテキストではできないので,可能な限り,式と言葉で表現することにします。
問題1:
y = 2tx - t^2,t >= 0
t^2 - 2xt + y = 0
これを t の2次方程式と見れば,t >= 0 で解をもつことが必要十分条件です。
f(t) = t^2 - 2xt + y = (t - x)^2 + y - x^2 として f(t) のグラフを考えれば,
x >= 0 の場合,y - x^2 <= 0,y <= x^2,
x < 0 の場合,f(0) <= 0,y <= 0,
結局,
x < 0 の場合:y <= 0,x >= 0 の場合:y <= x^2,
になります。
問題2:
y = tx^2 + (1/(4t))x,t > 0
(4x^2)t^2 - (4y)t + x = 0
これを t の方程式と見れば,t > 0 で解をもつことが必要十分条件です。
x = 0 の場合,y = 0,
x ≠ 0 の場合,
f(t) = (4x^2)t^2 - (4y)t + x = (4x^2)(t - y/(2x^2))^2 + (x^3 - y^2)/x^2 として f(t) のグラフを考えれば,
y/(2x^2) > 0 のとき,(x^3 - y^2)/x^2 <= 0,y^2 >= x^3,x < 0 又は y >= √(x^3),
つまり,y > 0 かつ y >= √(x^3),
y/(2x^2) <= 0 のとき,f(0) < 0,x < 0,
つまり,y <= 0 かつ x < 0,
結局,
x < 0 の場合:すべて,x = 0 の場合:y = 0,x > 0 の場合:y
>= √(x^3),
なります。
問題3:
y = x^3 - (4t)x^2 + (2t^2)x,t >= 0
(2x)t^2 - (4x^2)t + (x^3 - y) = 0
これを t の方程式と見れば,t > 0 で解をもつことが必要十分条件です。
x = 0 の場合,y = 0,
x ≠ 0 の場合,
f(t) = (2x)t^2 - (4x^2)t + (x^3 - y) = (2x)(t - x)^2 - (x^3 + y) として f(t) のグラフを考えれば,
x > 0 のとき,- (x^3 + y) <= 0,y >= - x^3,
x < 0 のとき,f(0) >= 0,y <= x^3,
結局,
x < 0 の場合:y <= x^3,x = 0 の場合:y = 0,x
> 0 の場合:y >= - x^3,
なります。
(ちょっとだけ考察)
領域図示の問題は境界の辺りが微妙でそれには役立ちませんが,概要は次のようにしても分かるでしょう。
問題1:
この1次関数は,y = x^2 の (t,t^2) における接線の式です。
このことから結果は容易に予想できます。
問題2:
x = 0 の場合は明らか。
x > 0 の場合は,相加相乗平均から,
y = tx^2 + (1/(4t))x >= 2√(tx^2 * (1/(4t))x) = √(x^3),
です。
x < 0 の場合は,x -> -x と置き換えれば,y = tx^2 - (1/(4t))x,ですが,
x に関係なく,t -> +0 で y -> -∞,t -> ∞ で y -> ∞,途中は連続的に変化します。
このことから結果は容易に予想できます。
問題3:
y = x^3 - (4t)x^2 + (2t^2)x は,x = 0,(2 ± √2)t,で x 軸と交わります。
このことと3次関数の増減や曲がり具合の様子から,ある程度は結果を予想できます。
正確ではないとしても,論理的に裏打ちされたある程度の予想があれば,助けにはなるでしょう。
(ちょっとだけ考察 終わり)
問題4:
a,b,c,… は素数,p,q,r,… は 0 以上の整数,ただし 1 は除くので少なくとも1つは 0 でない,として,
与えられているように,N = a^p * b^q * c^r * …,のとき,
n(N) = N の約数の個数 = (p + 1)(q + 1)(r +
1)…,
φ(N) = N(1 - 1/a)(1 - 1/b)(1 - 1/c)… ,
です。これはそのまま使います。
さて,φ(N) = n(N) となる N を求めるのですが,
φ(N)/n(N) = φ(a^p)/n(a^p) * φ(b^q)/n(b^q) * φ(c^r)/n(c^r) * … = 1,
として,φ(N)/n(N) = 1 となる N を探すことにします。
まず,x を x >= 2 の実数として,
f(x) = φ(x^p)/n(x^p) = (x^p * (1 - 1/x))/(p + 1) = (x^p - x^(p-1))/(p +
1),
を考えると,
f'(x) = (px^(p-1) - (p-1)x^(p-2))/(p + 1) = (px^(p-2) * (x - (p-1)/p)/(p
+ 1),
x >= 2 なので,f'(x) > 0,f(x) は x >= 2 で狭義に単調増加です。
したがって,φ(x^p)/n(x^p) は x = 2 が最小です。
次に,x を x >= 1 の実数として,
g(x) = φ(a^x)/n(a^x) = (a^x * (1 - 1/a))/(x + 1) = (a - 1) * a^(x-1)/(x
+ 1),
を考えると,log を底が e の自然対数として,
g'(x) = (a - 1) * (log(a) * a^(x-1) * (x + 1) - a^(x-1) * 1)/(x + 1)^2
= (a - 1) * a^(x-1) * (log(a) * (x + 1) - 1)/(x + 1)^2,
ここで,2^2 = 4 > e > 2,a >= 2 > e^(1/2),log(a) >= log(2) > 1/2,で,x >= 1 なので,
g'(x) の分子 = (a - 1) * a^(x-1) *
(log(a) * (x + 1) - 1) > 1 * 1 * (1/2 * (1 + 1) - 1) = 0,
そこで,g'(x) > 0,g(x) は
x >= 1 で狭義に単調増加です。
したがって,φ(a^x)/n(a^x) は x = 1 が最小です。
一般の N は幾つかの素因数のべき乗の積になるので,今調べた結果を掛け合わせたものになります。
これらのことと,
φ(2^1)/n(2^1) = 1/2,φ(2^2)/n(2^2) = 2/3,φ(2^3)/n(2^3) = 4/4 = 1,φ(3^1)/n(3^1) = 2/2
= 1,
より,φ(N)/n(N) = 1 となる N のうち,
N の素因数が 3 以上だけの場合は,N = 3^1 = 3,だけが解で,それ以外は φ(N) > n(N),
と分かります。
一方で,2^3 = 8 が解なので,
N の素因数に 2 が含まれる場合は,2^p,p >= 4,では,φ(N)
> n(N),です。
つまり,3,8 以外に可能性があるのは,自明な
1 を除くと,
2^1 = 2,2^2 = 4,2^3 = 8,と 2 以外の素因数の組み合わせだけです。
そこで,N の 2 以外の素因数のべき乗の積を
M とします。すると,
φ(N)/n(N) = (φ(2^p)φ(M)))/(n(2^p)n(M)) = 1,φ(M)/n(M)
= n(2^p)/φ(2^p),
これに,上記の狭義の単調増加性を絡めて,N を探します。
ただし,φ(3^1)/n(3^1) = 1 なので,
N に 3 の素因数のべき乗が含まれない場合は,N が解ならば 3N も解になることに注意です。
2 の素因数のべき乗が 2^1 = 2 の場合
φ(2^1)/n(2^1) = 1/2,なので,φ(M)/n(M) = 2,です。
φ(3^1)/n(3^1) = 2/2 = 1,より,これとの積は解ではありません。
φ(3^2)/n(3^2) = 6/3 = 2,より,2 * 3^2 = 18,は解です。
φ(5^1)/n(5^1) = 4/2 = 2,より,2 * 5 = 10,は解です。また,先の注意より 30 も解です。
φ(7^1)/n(7^1) = 6/2 = 3,より,これとの積は解ではありません。
そして,狭義の単調増加性より,他に解はありません。
2 の素因数のべき乗が 2^2 = 4 の場合
φ(2^2)/n(2^2) = 2/3,なので,φ(M)/n(M) = 3/2,です。
φ(3^1)/n(3^1) = 2/2 = 1,より,これとの積は解ではありません。
φ(3^2)/n(3^2) = 6/3 = 2,より,これとの積は解ではありません。
φ(5^1)/n(5^1) = 4/2 = 2,より,これとの積は解ではありません。
そして,狭義の単調増加性より,他に解はありません。
2 の素因数のべき乗が 4 = 2^3 の場合
φ(2^3)/n(2^3) = 4/4 = 1,なので,φ(M)/n(M) = 1,です。
φ(3^1)/n(3^1) = 2/2 = 1,より,8 * 3^1 = 24,は解です。
φ(3^2)/n(3^2) = 6/3 = 2,より,これとの積は解ではありません。
そして,狭義の単調増加性より,他に解はありません。
以上より,自明な 1 以外の解は,
3,8,10,18,24,30,
になります。
(感想)
問題1:〜問題3;の領域の図示は,テキストでは図が描けないので,式と言葉でご勘弁を。
この手の問題は境界などでうっかりミスがあり得るので,大丈夫か少し心配です。
問題4:は,最初,はてどうするか,と思ったのですが,ひとまず上限を考えよう,と思ったらうまくいきました。
論理的に問題はないと思いますが,説明が少し分かりづらいかな,と心配。
2015年ももう少し。早いものです。2016年も宜しくお願い致します。
NO2「浜田明巳」
12/22 10時19分 受信 更新 1/17
問題1
y=2tx−t2(t≧0)より,
t2−2xt+y=0
f(t)=t2−2xt+yとする.
tの2次方程式f(t)=0がt≧0の範囲で解を持てばよい,
f(t)=(t2−2xt+x2−x2)+y=(t−x)2+(y−x2)
であり,f(t)のグラフは,下に凸の放物線であるから,グラフから,
i). x≧0,f(x)=y−x2≦0,f(0)=y≧0のとき,条件を満たす.
このとき,x≧0,y≦x2,y≧0
ii). f(0)=y≦0のとき,条件を満たす.
i),ii)より,求める領域は図の斜線部分である,ただし境界線を含む,
問題2
y=tx2+1/4・tx(t>0)より,
(x2+1/4・x)t−y=0
g(t)=(x2+1/4・x)t−yとする.
tの方程式g(t)=0がt>0の範囲で解を持てばよい.グラフから,
i). x2+1/4・x>0,g(0)=−y<0のとき,条件を満たす.
このとき,x(x+1/4)>0から,x<−1/4または0<xであり,y>0
ii). x2+1/4・x<0,g(0)=−y>0のとき,条件を満たす.
このとき,−1/4<x<0,y<0
iii). x2+1/4・x=−y=0のとき,条件を満たす.
このとき,x=0またはx=−1/4,y=0
i)〜iii)より,求める領域は,図の斜線部分である.境界線のx軸,y軸,直線x=−1/4上の点は除くが,点(0,0),(−1/4,0)を含む.
問題3
y=x3−4tx2+2t2x(t≧0)より,
2xt2−4x2t+(x3−y)=0
h(t)=2xt2−4x2t+(x3−y)とする.
tの方程式h(t)=0がt≧0の範囲で解を持てばよい.
h(t)=2x(t2−2xt+x2−x2)+(x3−y)=2x(t−x)2+(−x3−y)
であるから,
i). 2x>0,x≧0,h(x)=−x3−y≦0,h(0)=x3−y≧0のとき,条件を満たす.
このとき,x>0,−x3≦y≦x3
ii). 2x<0,x≧0,h(x)=−x3−y≧0,h(0)=x3−y≦0のとき,条件を満たすが,このようなxは存在しない.
iii). 2x>0,h(0)=x3−y≦0のとき,条件を満たす.
このとき,x>0,y≧x3
iv). 2x<0,h(0)=x3−y≧0のとき,条件を満たす.
このとき,x<0,y≦x3
v). 2x=−4x2=x3−y=0のとき,条件を満たす.
このとき,x=y=0
i)〜v)から,求める領域は図の斜線部分である.境界線の曲線y=x3(x<0),y=−x3(x>0)上の点は含み,y軸上の点は除く.また原点を含む.
問題4
VBSCRIPTで解いた,Nの最大値を5000としたときの解は,以下の6個の自然数であると分かる.
3,8,10,18,24,30
Nをもっと大きくした場合でも,解はこれらの6個であろう,
max=5000
kotae="Nの最大値="&max&chr(13)
kosuu=0
for N=2 to max
k1=0
for j=1 to N
k1=k1-(N mod j=0)
next
k2=0
for j=1 to N
k2=k2-(GCM(N,j)=1)
next
if k1=k2 then
kosuu=kosuu+1
if kosuu>1 then
kotae=kotae&","
end if
kotae=kotae&N
end if
next
msgbox kotae
'
function GCM(a,b)
if b>0 then
GCM=GCM(b,a mod b)
else
GCM=a
end if
end function
(最後に)
問題の条件でN≧2とするのは,当然といえば当然であるが,ここでささいな疑問がわきました,
N=1として,上記のプログラムを走らせた場合,1を解と表示します,
しかしN=1のとき,1とNは互いに素でしょうか? 確かに2数(?)の最大公約数は1ですが,その2数が等しい場合も互いに素であるといえるのでしょうか?
N=1はそんなに自明でしょうか?
「浜田明巳」
12/22 10時53分 受信 更新 1/17
(別解)グラフを使わない解法(個人的にはこちらの方が好きです)
問題1
f(t)=t2−2xt+yとして,tの2次方程式f(t)=0がt≧0の範囲で解を持てばよい,
2解をα,βとする.α,βは実数なので,判別式をDとすると,
D/4=x2−y≧0
∴y≦x2
解と係数の関係から,α+β=2x,αβ=y
i). α≧0,β≧0のとき,
α+β≧0,αβ≧0
∴2x≧0,y≧0
∴x≧0,y≧0
ii). α>0かつβ<0,またはα<0かつβ>0,またはα=0,またはβ=0のとき,
αβ≦0
∴y≦0
i),ii).をまとめると,・・・
問題2
g(t)=(x2+1/4・x)t−yとする.
tの方程式g(t)=0がt>0の範囲で解を持てばよい.
i). x2+1/4・x≠0のとき,x≠0かつx≠−1/4であり,
y/(x2+1/4・x)>0
∴x(x+1/4)・y>0
∴{(x<−1/4または0<x)かつy>0}または(−1/4<x<0かつy<0)
ii). x2+1/4・x=−y=0のとき,
(x,y)=(0,0),(−1/4,0)
i),ii)をまとめると,・・・
問題3
h(t)=2xt2−4x2t+(x3−y)とする.
tの方程式h(t)=0がt≧0の範囲で解を持てばよい.
i). 2x≠0のとき,x≠0である.
2解をα,βとする.α,βは実数なので,判別式をDとすると,
D/4=4x4−2x(x3−y)=2x(x3+y)≧0
∴(x≧0かつy≧−x3)または(x≦0かつy≦−x3)
x≠0から,
(x>0かつy≧−x3)または(x<0かつy≦−x3)
解と係数の関係から,α+β=2x,αβ=(x3−y)/(2x)
ア). α≧0,β≧0のとき,
α+β≧0,αβ≧0
∴2x≧0,(x3−y)/(2x)≧0
∴x>0,y≦x3
イ). α>0かつβ<0,またはα<0かつβ>0,またはα=0,またはβ=0のとき,
αβ≦0
∴(x3−y)/(2x)≦0
∴(x>0かつy≧x3)または(x<0かつy≦x3)
ii). 2x=0のとき,x=y=0
i),ii).をまとめると,・・・
(蛇足)
問題1,3ではt≧0であり,問題2ではt>0となっているので,気がつきました.
問題2の
(1/4t)x
を,
{1/(4t)}x
と解釈すると,次の解答となる.
y=tx2+{1/(4t)}xから,
x2t2−yt+1/4・x=0
g(t)=x2t2−yt+1/4・xとする.
xの方程式g(t)=0が,t>0の範囲で解を持てばよい.
i). x≠0のとき,判別式をDとすると,
D=y2−x3≧0
∴y2≧x3
2解をα,βとする.
解と係数の関係から,α+β=y/x2,αβ=1/(4x)
ア). α>0,β>0のとき,α+β>0,αβ>0
∴y/x2>0,1/(4x)>0
∴x>0,y>0
イ). α>0,β<0,またはα<0,β>0のとき,
αβ<0
∴1/(4x)<0
∴x<0
ii). x=0のとき,g(t)=−yt=0
故に−y=0,すなわち(x,y)=(0,0)となる.
i),ii)から,求める領域は図の斜線部分である.ただし,曲線y=x3/2(x>0)上の点は含み,y軸(x≠0)上の点は除く.また原点を含む.
NO3「早起きのおじさん」 12/25 14時42分 受信 更新 1/17
問題1
tの2次方程式の判別式を調べて、
よって、 が必要条件です。
さて、曲線 の上の点 における接線は、 より、 です。
下の図の接点のx座標がtです。
t≧0なので、右の図の青く塗った部分が求める範囲です。
問題2
tの2次方程式の判別式を調べて、
よって、が必要条件です。
(曲線 が境界線になります)
さて、上の曲線の式から、このグラフは、 でx軸と交わります。
また、 とすると、
より
つまり、グラフは境界線と で接します。
なので、グラフはxが大きくなると境界線から離れていきます。
右の図の青く塗った部分が求める範囲です。
念のためy軸の近くをグラフが通るかみておきます。
εは正でごく小さな値、Mはとても大きな値とします。
x=ε、y=Mをtの2次方程式に代入すると、
つまり、とても大きな数かとても小さな正の数のときです。
ついでに、x=−ε、y=−Mをtの2次方程式に代入すると、
つまり、tがとても小さな正の数のとき、グラフが左下でy軸のそばを通ります。
ただし、原点以外のy軸は除きます。
問題3
tの2次方程式の判別式を調べて、
曲線 が境界線になります。
さて、上の曲線の式から、このグラフは、 でx軸と交わります。
また、
とすると、
つまり、グラフは境界線と で交わり、 で接します。
また、式の形から のとき、 です。
右の図の青く塗った部分が求める範囲です。
また、x=ε、y=Mをtの2次方程式に代入すると、
つまり、とても大きなtのときに、y軸のそばをグラフが通ります。
これも原点以外のy軸は除きます。
問題4
以下a、b、c、・・・を素数とします。
●Nが素数のときを調べます。
N=aの約数は、2個です。
a以下でaと互いに素な数は、 個です。
ゆえに、N=a=3です。
3より大きな素数の約数の個数は2ですが、互いに素な数の個数が2より大きくなります。
● のときを調べます。
Nの約数は、p+1個です。
N以下でNと互いに素な数は、 個です。
問題の例にあったように、 のときは、 となります。
aが2より大きくなると、互いに素な数の個数が4より大きくなります。
のときを調べます。
・ のとき、約数は4個、互いに素な数は 個です。
aとbは異なるので、a=2、b=5つまり、N=10 となります。
・ のとき、約数は6個、互いに素な数は 個です。
aとbは異なるので、a=2、b=3つまり、N=18 となります。
・ のとき、約数は8個、互いに素な数は 個です。
aとbは異なるので、a=3、b=2つまり、N=24 となります。
・ のとき、約数は10個、互いに素な数は 個です。
この場合、互いに素な数の個数は最低が、a=3、b=2のときの、 です。
それ以外は、a=2、b=3のときの、 個より多くなります。
・ のとき、約数は9個、互いに素な数は 個です。
この場合、互いに素な数の個数は最低は、a=2、b=3のときの、 です。
a、bの指数がともに2以上になると、該当する数はありません。
・ のとき、約数は8個、互いに素な数は 個です。
a、b、cは異なるので、a=2、b=3、c=5つまり、N=30 となります。
・ のとき、約数は12個、互いに素な数は 個です。
この場合、互いに素な数の個数は最低は、a=2、b=3、c=5のときの、16です。
a、b、cの指数がどれか2以上になると、該当する数はありません。
・ のとき、約数は16個、互いに素な数は 個です。
この場合、互いに素な数の個数は最低は、a=2、b=3、c=5、d=7のときの、48です。
該当する数はありません。
●以上から、3、8、10、18、24、30が該当します。
NO4「スモークマン」 12/31
23時32分 受信 更新 1/17
問題
「自然数Nについて、Nの正の約数の個数と、N以下でNと互いに素な数の個数とが一致するような自然数Nは一体どんな数でしょう。」
回答
N=1 の自明以外のもので…
素因数が1個のとき
(1) N=p^a
a+1=p^(a-1)*(p-1)
右辺は、pが2以外の奇素数でも偶数…
aは奇数
a=3のとき、4=2*p^2も成り立たず、それ以上の奇数でも、
左辺は加法的で右辺は累乗的で右辺の方が大きくなる(アバウトですが)
so…あるとしたら…
a=1
2=p-1・・・p=3・・・N=3
p=2 のとき
a+1=2^(a-1)
a=3・・・N=2^3
(2) N=p*q
4=(p-1)(q-1)
p-1=1, q-1=4・・・N=2*5=10
(3) N=p*q*r
8=1*2*4 しかない…
N=2*3*5=30
(4) N=p*q*r*s
16=1*2*4*2 でダメ…2^k=2^(n(n+1)/2)
2k=n(n+1)・・・2*1 or 2*3 しかない…ので素因数の数が4個以上ではなし
(5) N=p^a*q^b
(a+1)(b+1)=p^(a-1)*(p-1)*q^(b-1)*(q-1)
・ a=2のとき、
3(b+1)=p*q^(b-1)*(q-1)
p=3
b+1=q^(b-1)*(q-1)
b=1,q=2・・・N=3^2*2=18
・a=3 のとき、
4(b+1)=p^2*(p-1)*q^(b-1)*(q-1)
:p=2
b+1=q^(b-1)*(q-1)
b=1・・・2=q-1・・・q=3・・・N=2^3*3=24
a>=4 のときは、両辺の大小を考えたら無理だと思うんだけど、
どう言えばいいのかわからない…
以上ですべてだと思えるので…
1, 3, 8, 10, 18, 24, 30
NO5「二度漬け白菜」 01/06
22時19分 受信 更新 1/17
問題2の問題文中の式 y=t*x^2+(1/4t)*x についてですが,
この式を y=t*x^2+(1/(4t))*x と解釈して解答しました.
(問題1)
xを固定したときの,
tの関数 f(t)=2*t*x-t^2 (t≧0)の取り得る値の範囲を調べる.
f(t)
=2*t*x-t^2
=-(t-x)^2+x^2.
t が t≧0 の範囲を動くとき,
f(t)取り得る値の範囲は,
x≧0のとき:f(t)≦x^2,
x<0のとき:f(t)≦f(0)=0.
(問題2)
xを固定したときの,
tの関数 f(t)=t*x^2+(1/(4t))*x (t>0)
の取り得る値の範囲を調べる.
(d/dt)f(t)=x^2-x/(4*t^2).
x<0のとき:
(d/dt)f(t)>0,
lim[t→+0]f(t)=-∞,lim[t→∞]f(t)=∞.
よって f(t)の取り得る値の範囲は -∞<f(t)<∞.
x>0のとき:
(d/dt)f(t)の符号は t=(1/(2*√x)) を境にして
マイナスからプラスになる.
lim[t→+0]f(t)=∞,lim[t→∞]f(t)=∞.
よって f(t)の取り得る値の範囲は
f(t)≧f(1/(2*√x))=√(x^3).
x=0のとき:
このとき,f(t)=0.
(問題3)
xを固定したときの,
tの関数 f(t)=x^3-4*t*x^2+2*t^2*x (t≧0)
の取り得る値の範囲を調べる.
f(t)
=x^3-4*t*x^2+2*t^2*x
=2*x*(t-x)^2-x^3.
x<0のとき:
f(t)の取り得る値の範囲は
f(t)≦f(0)=x^3.
x>0のとき:
f(t)の取り得る値の範囲は
f(t)≧-x^3.
x=0のとき:
このとき,f(t)=0.
(問題4)
自然数Nについて,Nの正の約数の個数と,N以下でNと互いに素な
数の個数とが一致するような自然数Nは,N=1を除けば,
N=3, 8, 10, 18, 24, 30 の6個のみ.(答)
任意の素数 p と任意の正整数 a を変数とする
2変数関数 f(p,a) を次のように定める.
f(p,a)=((p-1)/(a+1))*p^(a-1).
f(p,a)は p の狭義単調増加関数であり,
なおかつ a の狭義単調増加関数でもある.
f(p,a)のいくつかの値は次.
f(2,1)=1/2 f(3,1)=1
f(5,1)=2 f(7,1)=3
f(2,2)=2/3 f(3,2)=2 f(5,2)=20/3 f(7,2)=14
f(2,3)=1 f(3,3)=9/2 f(5,3)=25
f(2,4)=8/5 f(3,4)=54/5
f(2,5)=8/3
nを2以上の正整数とする.
正整数 n の素因数分解を,
n=Π[i=1..m](p[i])^(a[i]) (p[1]<p[2]<p[3]…,a[i]は正整数)
とする.
nの正の約数の個数をτ(n),n以下の正整数で,nと互いに素なもの
の個数をφ(n)とすると,
τ(n)=Π[i=1..m](a[i]+1),
φ(n)=n*Π[i=1..m](1-1/p[i])=Π[i=1..m](p[i]-1)*(p[i])^(a[i]-1).
(主張)τ(n)=φ(n) を満たすような n の素因数は高々3個である.
(証明)
τ(n)=φ(n) を満たすような n が4個以上の素因数をもったとする.
nの素因数分解は
n=Π[i=1..m](p[i])^(a[i]) (p[1]<p[2]<p[3]…,a[i]は正整数,mは4以上の整数)
とできる.τ(n)=φ(n)より,
Π[i=1..m](a[i]+1)=Π[i=1..m](p[i]-1)*(p[i])^(a[i]-1).
両辺をΠ[i=1..m](a[i]+1)で割って,
1=Π[i=1..m]((p[i]-1)/(a[i]+1))*(p[i])^(a[i]-1).
つまり,
Π[i=1..m]f(p[i],a[i])=1.
一方,i≧4なるとき,p[i]≧7.
ゆえに i≧4なるとき f(p[i],a[i])≧f(7,a[i])≧3>1.
よって,
Π[i=1..m]f(p[i],a[i])>Π[i=1..3]f(p[i],a[i])≧f(2,1)*f(3,1)*f(5,1)=1.
これは矛盾.(証明終)
τ(n)=φ(n) を満たすような n がちょうど3個の素因数をもつとき
を考える.
n の素因数分解を
n=((p[1])^(a[1]))*((p[2])^(a[2]))*((p[3])^(a[3])) (p[1]<p[2]<p[3],a[1],a[2],a[3]は正整数)
とすると,τ(n)=φ(n)より,
f(p[1],a[1])*f(p[2],a[2])*f(p[3],a[3])=1
となる.これを満たすものは,
f(2,1)*f(3,1)*f(5,1)=1 のみ.
このとき,n=30.
τ(n)=φ(n)を満たすような n がちょうど2個の素因数をもつのは,
f(2,1)*f(3,2)=1,
f(2,1)*f(5,1)=1,
f(2,3)*f(3,1)=1
の3通りのみ.
このとき,n=18,10,24.
τ(n)=φ(n)を満たすような n がちょうど1個の素因数をもつのは,
f(2,3)=1,
f(3,1)=1
の2通りのみ.
このとき,n=8,3.
<水の流れ:丁寧で分かりやすい解法に感謝しています>
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。