平成28年1月17日
[流れ星]
第330回数学的な応募問題
<解答募集期間:1月17日〜2月14日>
[素数に関して]
今、高校で「数学A」にある整数の性質を教えています。6の約数は1、2、3、6で足すと12になります。これは大変珍しいことです。
どんな数でも約数の総和が元の数字の2倍になるとは限りません。このような性質をもつ数をユークリッドは2300年も前に発見しています。
ユークリッド原論(第9巻命題36)によると、「もし単位から始まり順次に1対2の比をなす任意個の数が定められ,それらの総和が素数になるようにされ,そして全体が最後の数にかけられてある数をつくるならば,その数は完全数であろう」と書いてあります。今風に書くと
1+2+4+8+・・・+2n−1=2n−1が素数となり、この数列の最後の項に掛けられる数が完全数ということです。
すなわち、nを正整数とするとき、nを正整数とするとき、2n−1が素数ならば、Nn=2n−1(2n−1)は完全数であろう。
では、Mn=2n−1に1から順に自然数を代入してそれが素数かどうかを考えて、完全数を見つけることにしょう。
M1=1素数でないね。M2=3は素数でN2=2×3=6は完全数、M3=7は素数でN3=4×7=28は完全数。M4=15は素数でないからN4は完全数でない。M5=31は素数だからN5=16×31=496は完全数。・・・、わかった。n=2、3、5って素数ですね。このときMnは全部素数です。だから、4番目の完全数はn=7。5番目はn=11のときに出てくるよね。そうかな?みんなどう思う。考えてみてくれないか。
ここで、問題です。
問題1:命題「nが素数のとき、Mn=2n−1は素数である」は真か偽か。真なら証明し、偽なら反例を挙げてよ。
問題2:逆に「nは2以上の整数とするとき、2n−1が素数ならば、nも素数である」は真か偽か。真なら証明し、偽なら反例を挙げてよ。
追加
問題3:nを正整数とする。nとn+2はともに素数(双子素数という)で、その間のn+1は6の倍数でないものとする。そのようなnをすべて求めよ。多くは双子素数の間にある数は6の倍数ですが、例外を見つけてください。
注:40年以上前に「ユークリッド原論」(定価6800円)を購入して持っています。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。