平成28年3月13日
[流れ星]
第331回数学的な応募解答
<解答募集期間:2月14日〜3月13日>
[部屋割り論法]
「・・・の中には少なくともひとつの・・・が存在する」という形の命題を証明するのに有効なのが部屋割り論法と呼ばれる証明方法です。
その論法は「n+1人をn室の部屋に入れたとき、少なくとも一つの部屋は2人以上の人が入ることになる」という当たり前の事実である。
ここで、
問題1:2n個の整数がある。それらの数をn個ずつの2組に分けるとき、どう分けても、各組の数の和S1、S2の差はnより小さいとする。
このとき、これらの2n個の数のうち、少なくともn+1個は相等しいことを証明せよ。
問題2:nを自然数とする。1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在することを示せ。(1993 大阪教育大学入試問題)
NO1「uchinyan」
02/16 13時49分 受信 更新 3/13
問題1:
2n 個の整数を小さい順に a(1), a(2), ..., a(2n) とします。ただし等しいものがあってもいいとします。
これを,a(1), ..., a(n) と a(n+1), ..., a(2n) に分けて,前者の和を S1,後者の和を S2,とすれば,
S2 - S1 が 2n 個の整数を二つに分けたときのそれぞれの和の差の最大なので,条件は,
S2 - S1 = (a(n+1) - a(1)) + ... + (a(n+i) -
a(i)) + ... + (a(2n) - a(n)) < n,
ここで,和の各項のいずれもが 0 でない場合は,それぞれが 1 以上なので,
S2 - S1 >= n となって条件を満たしません。そこで,少なくとも一つは 0 です。
そこで,a(n+i) - a(i) = 0,i は 1 〜 n のいずれか,とすると,a(i) の定義より,
a(i) = a(i+1) = ... = a(n) = a(n+1) = ... =
a(n+i-1) = a(n+i),
がいえ,少なくとも (n+i) - i + 1 =
n+1 個が等しいことになります。
問題2:
1 〜 2n から n+1 個を選ぶときに,それぞれの a に対して,
2a, 4a, 8a, 16a, ... のうち,1 〜 2n に存在し一つでも選んだ n+1 個にあれば命題は成立し,
a/2, a/4, a/8, a/16, ... のうち,1 〜 2n に存在し一つでも選んだ n+1 個にあれば命題は成立します。
そこで,命題が成立しないような反例を作るためには,a を一つ選ぶごとにこれらをすべて除くことになります。
ところが,a は奇数か,偶数の場合には 2 で割っていくといつかは奇数になり,得られる奇数はすべて異なるので,
取り得る a の個数は 1 〜 2n の奇数の個数と同じで n
個までです。
そこで,n+1 個を選ぶには,少なくとも 1 個は既に選んだものを 2 で何回か掛けた又は割ったものになります。
つまり,一方が他方を割り切る二つの数が必ず存在します。
以上のことより,題意は証明されました。
(例)
ちょっと分かりづらいかも知れないので n = 8 の例を示します。
「:」の,左が選んだ数,右が残っている数,です。
例えば,
:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16
---> 16:3 5 6 7 9 10 11 12 13 14 15
---> 15 16:3 5 6 7 9 10 11 12 13 14
---> 14 15 16:3 5 6 9 10 11 12 13
---> 13 14 15 16:3 5 6 9 10 11 12
---> 12 13 14 15 16:5 9 10 11
---> 11 12 13 14 15 16:5 9 10
---> 10 11 12 13 14 15 16:9
---> 9 10 11 12 13 14 15 16:
ここまでなので 8 個しか選べず,
8 + 1 = 9 個目を取るには倍数/約数の関係にある除いたものを取るしかありません。
他の例,
:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16
---> 1:3 5 6 7 9 10 11 12 13 14 15
---> 1 3:5 7 9 10 11 13 14 15
---> 1 3 5:7 9 11 13 14 15
---> 1 3 5 7:9 11 13 15
---> 1 3 5 7 9:11 13 15
---> 1 3 5 7 9 11:13 15
---> 1 3 5 7 9 11 13:15
---> 1 3 5 7 9 11 13 15:
この場合も同様で,9 個目を取るには倍数/約数の関係にある除いたものを取るしかありません。
ただし,この例では選んだ 8 個の中で既に倍数/約数の関係にあるものがあります。
しかし,証明すべき命題は 9 個を選ぶことが前提なので,8 個の中のことはまた別の話です。
もう一つの例,
:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16
---> 16:3 5 6 7 9 10 11 12 13 14 15
---> 15 16:3 5 6 7 9 10 11 12 13 14
---> 5 15 16:3 6 7 9 11 12 13 14
---> 5 12 15 16:7 9 11 13 14
---> 5 7 12 15 16:9 11 13
---> 5 7 11 12 15 16:9 13
---> 5 7 9 11 12 15 16:13
---> 5 7 9 11 12 13 15 16:
この取り方はかなりランダムですが,これも同様です。
なお,実は,数学的帰納法での考え方に沿ったものです。
15, 16 の両方が選ばれる以外は,n-1 = 8 - 1 = 7 の帰納法の仮定により明らかなので,
15, 16 の両方が選ばれる場合がポイントになります。
(感想)で述べたようにこれがうまくいきませんでした。
(感想)
うーむ,今回は参った,苦労しました,試験だったら完全にアウトですね。
問題1:は,しばし考えたものの,広義の単調増加列に思い至った後は比較的容易に解けました。
もっとも,最初の証明はもっとややこしかったのですが,見直して大分スッキリしました。
問題2:は,最初は数学的帰納法で比較的容易にできるだろう,と思ったのですが,
かなりいい線までいった,一時はできたと思った,ものの,すぐに論理的な抜けが見つかり,
どうしてもそれを詰め切れませんでした。ちょっとのことのように思うのですが,
今もこの方向ではうまくいっていません。仕方がないので視点を変えたらあっさり。
もっとも,最初は(例)の2番目で述べたことで混乱しましたが,別の話と気付いて何とか。
論理的に大丈夫だろうと思いますが,どうかな。
NO2「スモークマン」 02/16
22時20分 受信
「スモークマン」 02/18 22時21分 受信
「スモークマン」 02/24 20時10分 受信
更新 3/13
問題1:2n個の整数がある。それらの数をn個ずつの2組に分けるとき、どう分けても、各組の数の和S1、S2の差はnより小さいとする。このとき、これらの2n個の数のうち、少なくともn+1個は相等しいことを証明せよ。
回答
m(1)<=m(2)<=…<=m(2n)
{m(2n)-m(2n-1)}+{m(2n-2)-m(2n-3)}+…+{m(2)-m(1)}<n
左辺はnペアあり、各ペアは0以上…
so…少なくとも1ペアは0である…それをm(k+1)=m(k)とするとき、
別のペアにしたら…その他のペアはかわらないので…m(k+1) or m(k) と等しいペアが少なくとも一つあることになる。
この操作はどのペアと取り替えてもどちらかは少なくとも0になる…so…少なくとも最初の1ペア(2個)+n-1ペア(n-1個)が等しいということ=少なくとも(2+n-1=n+1)個は等しいことが言える。
m(1)<=m(2)<=…<=m(2n)
{m(2n)-m(2n-1)}+{m(2n-2)-m(2n-3)}+…+{m(2)-m(1)}<n
左辺はnペアあり、各ペアは0以上…
so…少なくとも1ペアは0である…それをm(k+1)=m(k)とするとき、
別のペアにしたら…その他のペアはかわらないので…m(k+1) or m(k) と等しいペアが少なくとも一つあることになる。
<水の流れ> 2n個の数のうち、少なくともn+1個は相等しいとは言えないです。
あくまでも等しいペアが1組で2個しかないのです。
回答
*えっと...その等しい1ペアの数を他の(n-1)ペアのいずれかの数と入れ替えることを考えます。大小は決まります。
入れ替えてない部分は変わってないので、再び、最初と同じことが言え、
少なくとも、入れ替えた2個のペアのどちらかが0になります。
次はその等しい組を残りの(n-2)ペアのいずれかの数と入れ替えます。
入れ替えてない部分は変わらないので、やはり入れ替えた2ペアのいずれかが0になります。
これを繰り返すと...入れ替えられるペアの数は-1ずつ減って行き…差が0のペアは+1ずつ増えて行きます=等しい数が1個ずつ増えて行きます。最初から(n-1)ペア入れ替えたらお仕舞なので...等しい数は+(n-1)個、最初の等しい1ペアの数が2個あるので…
合計=2+(n-1)=n+1個の数は等しくなることが言えると思うのですが…^^;…?
「スモークマン」 02/26 23時45分 受信
更新 3/13
問題2:nを自然数とする。1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在することを示せ。
(1993 大阪教育大学入試問題)
回答
n+1〜2n のn個は…
明らかにn=1のときは、1,2 から2個取り出すと題意を満たしている。
n>=2 のときは…
1<2n/(n+1)=m<2,
0<(n+k)/(n+k+1)<1
なので…
これらのn個同士は互いに割り切れない…
残りのm=2〜n から任意の1個mを選ぶとき、2m>=n+1なら題意を満たしており、
n/2^2<=m<=n/2 なら…n+1<=2^2*m<=2n
n/2^3<=m<=n/2^2 なら…n+1<=2^3*m<=2n
以下その繰り返しで…m=2〜nは...
n/2^k<=m<=n/2^(k-1) に含まれるので…n+1<=2^k*m<=2n
という、n+1<=2^k*m<=2n が存在するから、題意は満たされる。
NO3「早起きのおじさん」 02/21 16時43分 受信 更新 3/13
問題1
2n個の数を{k1,k2,・・・,kn,kn+1,・・・,k2n}とします。
また、k1≧k2≧・・・≧kn≧・・・≧kn+1≧・・・≧k2nの大小とします。
●その1の考え
和S1とS2の差が最も大きいのは、
S1=k1+k2+・・・+kn、S2=kn+1+・・・+k2n
のときです。
S1−S2=(k1+k2+・・・+kn)−(kn+1+・・・+k2n)
=(k1−kn+1)+( k2−kn+2)+・・・+(kn−k2n)≦n−1
ここで、( )はn個あります。
どの( )も差が正とすると、差がn以上になってしまいます。
つまり、aをある整数として、k1=・・・=kn=a+1で、kn+1=・・・=k2n=aのような場合です。
少なくてもどこかの( )は0でないと、不等式は成立しません。
i番目の( )が0とすると(つまりki=kn+i)、i番目からn+i番目のn+1個の数が等しくなります。
k1≧・・・≧ki=・・・=kn=kn+1=・・・=kn+i≧・・・≧k2n
j番目の( )も0とすると(i<jとします)、j番目からn+j番目のn+1個の数が等しくなります。
すると、j番目からn+i番目が重なるので、(n+j)−i+1=n+(j−i)+1個の数が等しくなります。
このときは結局、i番目からj番目の( )は0です。
●その2の考え
和Sをk1を含み、残りの2n−1個の中からn−1個を選んで合計したもの、sを残りの和とします。
少し分かりにくいので、n=3として、具体的にみてみます。
Sとする場合の表
S−sの5C2個の場合を並べます。
(k1+k2+k3)−(k4+k5+k6)≦2
・・・
(k1+k3+k4)−(k2+k5+k6)≦2
・・・
(k1+k4+k5)−(k2+k3+k6)≦2
・・・
(k1+k5+k6)−(k2+k3+k4)≦2
これらを辺々合計しますが、5C2=4C1+4C2に注意します。
つまり、4C2=3C1+2C1+1C1です。
5C2
k1−(4C2−4C1)(k2+k3+k4+k5+k6)≦5C2×2
つまり、
最大の数は、残りの数の平均からプラス2までの範囲にあります。
2n個の数の例
以上を踏まえて、nのときを調べます。
和Sをk1を含み、残りの2n−1個の中からn−1個を選んで合計したもの、sを残りの和とします。
S−sの2n−1Cn−1個の場合を並べます。
(k1+k2+・・・+kn)−(kn+1+・・・+k2n)≦(n−1)
・・・
(k1+k3+・・・+kn+1)−(k2+・・・+k2n)≦(n−1)
・・・
(k1+k4+・・・+kn+2)−(k2+・・・+k2n)≦(n−1)
・・・
(k1+kn+2+・・・+k2n)−(k2+・・・+kn+1)≦(n−1)
これらを辺々合計しますが、2n―1Cn−1=2n−2Cn−2+2n−2Cn−1に注意します。
つまり、2n―1Cn−1=2n−2Cn−2+2n−3Cn−2+・・・+n−2Cn−2です。
2n−1Cn−1 k1−(2n−2Cn−1−2n−2Cn−2)(k2+・・・+k2n)≦2n−1Cn−1×(n−1)
ここで、
なので
最大の数は、残りの数の平均からプラス(n−1)までの範囲にあります。
このことを考えます。
イ)まず、すべての数が等しい場合、条件を満たします。(元の状態)
ロ)元の状態において、最大の数k1に1から(n−1)まで加えても条件を満たします。
このとき、2n−1個の数は相等しいです。
ハ)Sにはn個の数があります。
元の状態において、k1からkn−1個の数に1ずつ加えても条件を満たします。
このとき、n+1個の数は相等しいです。
ニ)ロとハを合わせて、kiの大小関係を損なわないようにSの数を計n−1まで増やしていきます。
このときn+1より多い数が相等しくなります。
ホ)元の状態において、最小の数k2nから1から(n−1)まで引いても条件を満たします。
このとき、2n−1個の数は相等しいです。
ヘ)sにはn個の数があります。
元の状態で、kn+2からk2n個の数から1ずつ引いても条件を満たします。
このとき、n+1個の数は相等しいです。
ト)ホとヘを合わせて、kiの大小関係を損なわないようにsの数を計n−1まで減らしていきます。
このときn+1より多い数が相等しくなります。
チ)元の状態で、sからSの方に1ずつ条件を満たす範囲で数を移していきます。
この場合は、相等しい数は、n+1より多くなります。
リ)ニとトとチを合わせてsからSの方に1ずつ移し、Sは1ずつ加え、sは1ずつ減らすこともできます。
この場合、sからSに1移すと、Sに加えることのできる数(sから減らすこののできる数)は、2減ります。
この場合にもn+1より多い数が相等しくなります。
問題2
感じをつかむため、nをいくつか変えて、一方が他方を割り切らないように数を選んでみます。
そのとき素数を重視してみます。
・n=2のとき、{2,3}
・n=3のとき、{2,3,5}
・n=4のとき、{2,3,5,7}
ここまでは、n個の数を選ぶことができます。
しかし、
・n=5のとき、{2,3,5,7}
のように、n個選ぶことができません。
そこで、次の表を参考に選ぶ方法を変えます。
倍数の表(縦の数の倍数であるときに*をつけてある)
数をn+1から2nまでのn個にしてみます。
すると、
・n=2のとき、{3,4}
・n=3のとき、{4,5,6}
・n=4のとき、{5,6,7,8}
・n=5のとき、{6,7,8,9,10}
のようにnの値によらず、うまくいきます。
しかし、n+1個目の数は1からnの中から選ぶことになります。
すると、どう選んでもその数の倍数がn+1から2nまでの中に存在します。
NO4「浜田明巳」
02/23 13時29分 受信
「浜田明巳」
02/26 08時24分 受信 更新 3/13
問題1
条件を満たす2n個の整数を
a1,a2,a3,………,a2n とする.
このとき,
S1=Σ1≦k≦nak,S2=Σn+1≦k≦2nak とすると,
|S1−S2|<n である.
2n個の数
a1−m,a2−m,a3−m,………,a2n−m
も条件を満たすことを示す.・・・(*)
Σ1≦k≦n(ak−m)=S1−mn
Σn+1≦k≦2n(ak−m)=S2−mn
∴|(S1−mn)−(S2−mn)|=|S1−S2|<n
故に(*)が成り立つ.
mを適当に決めて,
a1−m,a2−m,a3−m,………,a2n−m の値で0の個数が一番多くなるようにする.
そして,それらの値を改めて,
a1,a2,a3,………,a2n とする.
akのうち,正のものをx個,
0のものをy個,
負のものをz個(y≧x≧0,y≧z≧0,x+y+z=2n) とし,
ak≧an+k(1≦k≦n) とする.
x≧zとしても,一般性を失わない.
y≦nと仮定し,矛盾を導き出す.
ここで,y≦n≦x+zである.
ak>0,an+k<0(1≦k≦z)とすると,
ak−an+k≧2
ak>0,an+k=0(z+1≦k≦x)とすると,
ak−an+k≧1
また,
ak−an+k≧0(x+1≦k≦n)であるから,
S1−S2=(a1−an+1)+(a2−an+2)+(a3−an+3)+………+(an−a2n)
≧2z+(x−z)=x+z≧n
これは|S1−S2|<nに反する.
∴y≧n+1
故に題意は成立する.
問題2
1から2nまでの整数から,n+1個の相異なる数a1,a2,a3,………,an+1を選ぶ.
ak=2p(k)(2qk−1)(k=1,2,3,………,n+1)
p(k)は非負整数,qkは正整数,1≦qk≦n とすることができる.
2q1−1,2q2−1,2q3−1,………,2qn+1−1・・・(☆)はn+1個の奇数である.
ところが,1から2nまでの整数の中で,奇数はn個しかない.
故に(☆)内には,重複する奇数が少なくとも1組存在する.
それらを
2qx−1,2qy−1(1≦x<y≦n,2qx−1=2qy−1)とする.
ax=2p(x)(2qx−1)≠ay=2p(y)(2qy−1)であるから,ax,ayは約数,被約数の関係にある.
故に題意は成立する.
NO5「にいばりZ12」 02/23 23時50分 受信
更新 3/13
問題1:2n個の整数がある。それらの数をn個ずつの2組に分けるとき、どう分けても、各組の数の和S1、S2の差はnより小さいとする。
このとき、これらの2n個の数のうち、少なくともn+1個は相等しいことを証明せよ。
条件を整理します
2n個の整数の集合をHとしをの要素をa i(i=1→2n)、a i≦a
i+1とします
Hをn個づつ2組に分けた集合H1、H2の和の小さい方をS1大きい方をS2とします
S1を構成するの集合をH1でその要素をa i(i=1→n) 、S2を構成するの集合をH2でその要素をa
i(i=n+1→2n)
このように並べ替えると分割されるS1とS2の差は最大となり「どう分けても」の条件の最も厳しい状態となります。
S1=Σi=1→nai
S2=Σi=n+1→2nai
S1-S2≦0<nなので
S2- S1を考えます
S2- S1=(Σi=1→nai -Σi=n+1→2nai)<n
H1とH2の要素のうち、相等しい要素がn+1個より小さい(n個以下)と仮定すると
相等しくない要素はn-1個より大きく(n個以上)なります
相等しくない要素をH2から1個H1から1個取り出すとその差は
H2の要素はH1の要素より大きいので
an+j- an-k≧1(n≧j≧1、n-1≧k≧0)
S2- S1≧1×n=n>n-1
「S2と S1の差はn-1より大きい」
2n個の整数がある。それらの数をn個ずつの2組に分けるとき
「相等しい要素がn+1個より小さい」ならば「S2と S1の差はn-1より大きい」
この対偶命題は
「S2と S1の差はnより小さい」ならば「相等しい要素がn+1個以上」
上記後段「相等しい要素がn+1個以上」は、「少なくともn+1個は相等しい」と同値
よって
2n個の整数がある。それらの数をn個ずつのS2と S1の2組に分けるとき、どう分けても
「S2と S1の差はnより小さい」ならば「少なくともn+1個は相等しい」が言えます
・・・・・・・・回答
「にいばりZ12」
03/01 01時13分 受信 更新 3/13
問題2:nを自然数とする。1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在することを示せ。(1993 大阪教育大学入試問題)
・1から2nまでの数には奇数と偶数が同数(n個)含まれ、2nは偶数・・・・@
・1から2nの自然数の集合をHとします
・Hからn+1個の要素を取り出した集合をAとします。
・Aの中のに一方が他方を割り切るような二組の数が無いようなAを探しこのような集合をBとします。
・Aに1を含む場合、1はすべての自然数を割り切ります(なので、Bはその要素に1を含むことはできません)。・・・A
・Aに2を含む場合すべての偶数を割り切ります。
集合Hは偶奇同数で各々n個存在します
したがって2をその要素に含むBは2以外の偶数はその要素に含まずまた、上記より1を含みません。
Hの要素の総数2nから2以外の偶数の数(n-1)を引き要素1の1個を引くと
2n-(n-1)-1=nとなりAがn+1個と言う条件を満たしません(なので、Bはその要素に2を含むことはできません)。・・・B
即ち、Bは3から2nまでの数(2n-2)個の内から互いに割り切れないn+1個の数の組み合わせとなります。
3≦nを考えます
Hを3からn、n+1から2n個の2組に分けた集合H1、H2とします
H1の要素は3からnの自然数、H2の要素はn+1から2nの自然数(H1の個数はn-2・H2の個数はn)
H2には一方が他方を割り切るような二つの数の組は存在しません。
∵2n/( n+1)<2 (n>2)・・C
Aの中のに一方が他方を割り切るような二組の数が無いようなAを探しこのような集合をBとします。
今Aの要素が1個のみH1に属し残りの要素はすべてH2に属するようなAを考えます。
この1個のみH1に属する要素をa1としこの要素がH2の要素の約数でなければAよりBが空集合でなくなります。
a1を場合分けします
(n+1)/2≦ a1≦n・・・・・・・・・・n+1≦2a1≦2n→a1がH2に2倍数を持つ領域
(n+1)/3≦ a1< (n+1)/2・・・・・・・n+1≦3a1< 3(n+1)/2≦2n→a1がH2に3倍数を持つ領域
(n+1)/4≦a1< (n+1)/3・・・・・・・n+1≦4a1< 4(n+1)/3≦2n→ a1がH2に4倍数を持つ領域
・
・
・
(n+1)/n≦ a1< (n+1)/(n-1)・・・・・・・n+1≦na1< n(n+1)/(n-1)≦2n →a1がH2にn倍数を持つ領域
一方H2に属する要素は、素数か合成数のいずれかです。
ABより3≦ a1≦nなのでH2に属する合成数の要素はその約数にH1に2つ以上の素因数を持ちます。
即ち、H1の要素はすべてH2の要素の約数でありよってa1をどのように選んでもBは空集合となります。
そこで、a1の倍数でH2に属する要素の代わりにH1からAの要素を選ぶと、その倍数がやはり2つ以上H2に属し且つ素因数分解の一意性からa1の倍数と異なる倍数がH2に存在することになります。
よってこの操作を繰り返してもBの空集合は変わりません。
従ってBは常に空集合であり、1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在する・・・・回答
「部屋割り論法」と言う言い回しも記憶にありますが、「鳩ノ巣原理」で覚えていました。
今回の問題の本解は、もっとずっとシンプルでエレガントだと思います。
NO6「アーベル」 02/28 19時33分 受信 更新 3/13
問題1:2n個の整数がある。それらの数をn個ずつの2組に分けるとき、どう分けても、各組の数の和S1、S2の差はnより小さいとする。
このとき、これらの2n個の数のうち、少なくともn+1個は相等しいことを証明せよ。
背理法で証明する。
相等しいものはn個以下であると仮定する
2n個を小さい順に並べて、最初のn個をa(i) 後半のn個をb(i)とする
a(i)よりb(i)までの個数はn+1だから仮定より任意のiでb(i)-a(i)>=1
よってΣb(i)-Σa(i)>=nとなり矛盾
問題2:nを自然数とする。1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在することを示せ。(1993 大阪教育大学入試問題)
問題1に結び付けられず、本質から外れる気がするけれど
強引に帰納法で証明しました
n=1のときは明らか
簡単のためn=9 のときを仮定して10のときに成立することを示す
仮定 1〜18から10個の数を選べば 割り切る2数がある
これに19、20を付け加え、11個を選ぶ。
選ぶ11個が1〜18にあれば仮定からOK
19、20のどちらか一方のみを含まれる場合
1〜18から10個選ぶので、この場合も仮定からOKだから
19、20の両方が選ばれた場合のみ考えればよい
このとき1〜18から9個選ぶけれど、20/2=10が含まれていれば問題ないので
10が含まれない場合のみ考えればよい。
もし18までに選ぶ9個の中に割り切る2数があれば問題ないから
このような2数が全く無いと仮定する。このとき10を加えてみると
帰納法の仮定より、10個の中には割り切る2数が存在する。
10を加えて、“はじめて”存在するのだから、1〜18に10の倍数か
10の約数があることになる。10*2>18 だから倍数はなく、
10の約数があることになる。この約数は当然20の約数になっている。
一般のn=k でも同じだから帰納法は成立する。
「アーベル」 02/29 22時23分 受信
更新 3/13
問題2:nを自然数とする。1から2nまでの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも、その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在することを示せ。(1993 大阪教育大学入試問題)
問題1には結び付けられなかったけれど、再考しました
1〜2nを偶数奇数に分ける
1,3,5,……,2n-1 Aとする。
2,4,……,2n Bとする
Bは2でくくれるものはくくりだし2^a*k kは奇数とする
このときkは明らかにAの中に存在する。
n+1個選ぶから、A、B両方から1個以上選ばれている。
このBから選ばれたものの奇数部分kがAから選ばれた中にあれば
割り切れるからOK。
でなければ、例えばAから5個選ばれていたら、Bからn-4個
Aで選ばれなかった奇数はn-5個で、Bから選んだn-4個
の奇数部分kはn-5種類しかない
よって鳩ノ巣より同じkの2つがあり2^aのaが小さいか同じものが
割り切ることになる。
NO7「二度漬け白菜」 03/08
22時10分 受信 更新 3/13
[問題1]
背理法で証明する.
2n個の整数のうち,相等しいものは高々 n 個しかないと仮定する.
これら2n個の整数を小さい順に並べて,
a[1],a[2],a[3],… ,a[2n] とする.
a[1]≦a[2]≦a[3]≦…≦a[2n]であり,相等しいものは高々 n 個なのであるから,
1≦k≦n なるすべて整数 k に対して,a[n+k]-a[k]≧1
--- (★)
が成り立つはずである.
S=a[1]+a[2]+…+a[n],
T=a[n+1]+a[n+2]+…+a[2n]
とする.
与えられた条件より,T-S<n が成り立っている.
一方,
T-S
=Σ[k=1..n](a[n+k]-a[k])
≧Σ[k=1..n](1) (∵★)
=n
これは矛盾.
よって,2n個の整数のうち,少なくとも n+1 個は相等しい.
[問題2]
(証明)
任意の正の奇数 k に対して,無限集合 S[k] を次で定める.
S[k]={k*2^p | p = 0,1,2,… }.
2*n 以下の任意の正整数は M*2^r (rは0以上の整数.Mは奇数であって,1≦M≦2*n-1)
という形にかける.
つまり,2*n 以下の任意の正整数は,n個の集合 S[1],S[3],S[5],…
,S[2*n-1]
のいずれかに属する.
いま,1 から 2*n までの自然数の中から勝手に(n+1)個の自然数を選ぶとする.
部屋割り論法により,ある奇数 m (1≦m≦2*n-1)が存在して,
勝手に選んだ(n+1)個のうちの少なくとも2つの数 a, b (a<b) が S[m] に属する.
このとき,a=m*2^r,b=m*2^t (r,tは0以上の整数で,r<t)
とかけるので,a が b を割り切る.
よって,1 から 2*n までの自然数の中からどのように(n+1)個の自然数を選んでも,
その中に一方が他方を割り切るような2つの数の組が存在する。(証明終)
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[問題2]に関して:
以下のサイトに同じ趣旨の問題がありました.
Mathematical Excalibur
https://www.math.ust.hk/excalibur/
Vol.1 No.1 というファイルの最初の頁の,Example 2. がまさにそれです.
https://www.math.ust.hk/excalibur/v1_n1.pdf
<水の流れ: このサイトの発見には驚きと感謝の念で一杯です。ありがとうございます。大学入試問題作成者はこのサイトを参考にしたのでしょうか。>