平成28年4月10日
[流れ星]
第332回数学的な応募解答
<解答募集期間:3月13日〜4月10日>
[小数第k位で]
ある数字aをある数字bで割ったとき、小数点以下第k位で割り算が終わることがあります。
問題1:12
÷5=2.4 、 12÷60=0.2 のように12をある整数で割るとちょうど小数第1位を求めるところで割り算が終わる。
このような整数は5と60を含めて何個あるか。
問題2: 12
÷16=0.75 、 12÷150=0.08 のように12をある整数で割るとちょうど小数第2位を求めるところで割り算が終わる。このような整数は16と150を含めて何個あるか。
問題3:12÷b がちょうど小数第k位を求めるところで割り算が終わる。このような整数bは何個あるか。kを用いて表せ。
問題4:ある数字aをある数字bで割ったとき、小数点以下第k位で割り算が終わることがあります。このような整数bの個数について一般的な解法が発見できたら教えてください。
<にいばりZ12からの指摘:3月17日 0時19分>
問題1:12 ÷5=2.4 、 12÷60=0.2 のように12をある整数で割るとちょうど小数第1位を求めるところで割り算が終わる。
このような整数は5と60を含めて何個あるか。
題意を整理します
先ず@「整数」がマイナスを含まない(「のように」と言う例から自然数のように思われます)
次にA「ちょうど小数第1位を求めるところで割り算が終わる」の「ちょうど」にこだわると割り切れる場合は含みません(これは小数第1位が自然数のように感じます)。
したがって以後ある整数を自然数、割り切れる場合を除外として考えます。
NO1「uchinyan」
03/13 13時34分 受信 更新 4/10
問題1:
n を 0 以上の整数,m を 1 〜 9 の整数,として,
12/b = n +
m/10 = (10n + m)/10,120 = (10n + m)b,
となる正の整数 10n + m と b を求めればいいことになります。
これらは 120 の約数ですが,10n + m が 10 の倍数でないことがポイントです。
120 = 2^3
* 3 * 5 より,120 の約数の個数は (3 + 1)(1 + 1)(1 + 1) = 4 * 2 * 2 = 16 個,
そのうち 10 の倍数は 12 の約数 * 10 なので,12
= 2^2 * 3 より (2 + 1)(1 + 1) = 3 * 2 = 6 個,
そこで,10 の倍数でないのは 16 - 6 = 10 個,となって,対応する求める b も 10 個,になります。
問題2:
12/b がちょうど小数第2位で割り切れるならば 12/b * 10 = 120/b がちょうど小数第1位で割り切れ,逆もいえます。
そこで,問題1:と同様に,
120/b = n
+ m/10 = (10n + m)/10,1200 = (10n + m)b,
となって,1200 の約数のうち 10 の倍数でないものの個数を求めればいいです。
そこで,1200 = 2^4 * 3 * 5^2,120 = 2^3 * 3 * 5,より,
(4 + 1)(1
+ 1)(2 + 1) - (3 + 1)(1 + 1)(1 + 1) = 5 * 2 * 3 - 4 * 2 * 2 = 30 - 16 = 14 個,
になります。
問題3:
問題2:までで明らかなように,
求める個数 = 12 * 10^k の約数のうち 10 の倍数でないものの個数,
12 * 10^k
= 2^(k+2) * 3 * 5^k,12 * 10^(k-1) = 2^(k+1) * 3
* 5^(k-1),より,
求める個数 = ((k+2) + 1)(1 + 1)(k
+ 1) - ((k+1) + 1)(1 + 1)((k-1) + 1) = 2(2k + 3) 個,
になります。
(別解) 同じことを見方を変えただけですが...
一般に,ちょうど小数第k位で割り切れる,ということは,
その数を分数にすると分母が 10^k = 2^k *
5^k と書けるということです。
12 = 2^2 *
3 なので,割る数 b の,2 の因数は高々 2^(k+2),5 の因数は高々 5^k,で,
これら因数を少なくとも1つ含み,3 は含まないか1つ含み,それ以外の素因数は含まない,ことになります。
2^(k+2) を含む場合は,5^0 〜 5^k が可能なので k+1 個,
5^k を含む場合は,2^0 〜 2^(k+2) が可能なので k+3 個,
ただし,2^(k+2) * 5^k を重複して数えているので,これを引いて,(k+1) + (k+3) - 1 = 2k + 3 個,
これらのそれぞれに対して,3^0 と 3^1 の 2 通りがあり得るので,結局,2(2k + 3) 個,になります。
問題4:
問題3:までで明らかですが,α,β,γ,δ,ε,... を 0 以上の整数として,
a = 2^α *
5^β * 3^γ * 7^δ * 11^ε * …,… は 13 以上の素数の 0 以上のべき乗の積,
と素因数分解できるとすると,
求める個数
= a * 10^k
の約数のうち 10 の倍数でないものの個数,
= (α + k +
1)(β + k + 1)(γ + 1)(δ + 1)(ε + 1)… - (α + k)(β + k)(γ + 1)(δ + 1)(ε + 1)… -
= (2k + α
+ β + 1)(γ + 1)(δ + 1)(ε + 1)… 個,
になります。
(感想)
前回は苦戦しましたが,これは容易に解けたと思います。教科書の発展という感じの問題でしょうか。
NO2「早起きのおじさん」 03/13 17時08分 受信 更新 4/10
問題1
12をある数で割ったとき、商がちょうど小数第1位までの数になる場合、ある数の最大は120です。
120は、120=(2×2×2)×3×(5)のように、素因数分解できます。
式(A)の両辺に、120の約数を掛けてみます。
例えば、2×2×2×3=24を掛けてみると、やはり商は小数第1位までの数です。
しかし、2×2×5=20を掛けてみると、整数になってしまいます。
式(A)の右辺が0.1なので、10の倍数を掛ければ、整数になります。
の約数は、4×2×2=16個あります。
このうち、10、20、40、30、60、120の6個は10の倍数です。
だから、16−6=10個の数が題意を満たします。
つまり、120を残りの約数で割った、{120、60、30、15、40、20、10、5、24、8}整理して、
{5、8、10、15、20、24、30、40、60、120}は12を割ると小数第1位の小数になります。
問題2
12をある数で割ったとき、商がちょうど小数第2位までの数になる場合、ある数の最大は1200です。
1200は、1200=(2×2×2×2)×3×(5×5)のように素因数分解できます。
式(B)の両辺に、1200の約数を掛けてみます。
例えば、3×5×5=75を掛けてみると、やはり商は小数第2位までの数です。
しかし、2×2×3×5×5=300を掛けてみると、整数になってしまいます。
式(B)の右辺が0.01なので、100の倍数を掛ければ、整数になります。
の約数は、5×2×3=30個あります。
1200の約数の表
このうち、{10、20、40、80、30、60、120、240、50、150}の10個は10の倍数です。
これらを式(B)の両辺に掛けると、小数第1位の小数になります。
このうち、{100、200、400、300、600、1200}の6個は100の倍数です。
これらを式(B)の両辺に掛けると、整数になります。
だから、30−(10+6)=14個の数が題意を満たします。
問題3
12をある数で割ったとき、商がちょうど小数第k位までの数になる場合、ある数の最大は12×10kです。
12×10kは、12×10k
=2k+2×3×5kのように素因数分解できます。
12×10kの約数は、(k+3)×2×(k+1)個あります。
12×10kの約数の表
表の白い部分が題意を満たすところです。
つまり、10の倍数とならないところです。
だから、12×10kの約数全体から10の倍数となっているものを引いて、
(k+3)×2×(k+1)−(k+2)×2×k=2(2k+3)個となります。
問題4
p、qを素数として、
とします。
をある数bで割ったとき、商がちょうど小数第k位までの数になる場合、ある数bの最大を考えます。
の約数の個数は、(s+k+1)×(t+k+1)×(u+1)×(v+1)×・・・です。
このうち、10の倍数であるものは、(s+k)×(t+k)×(u+1)×(v+1)×・・・です。
だから、題意を満たすものは、
{(s+k+1)×(t+k+1)×(u+1)×(v+1)×・・・}−{(s+k)×(t+k)×(u+1)×(v+1)×・・・}
=(u+1)×(v+1)×・・・×{s+k+t+k+1}
=(u+1)×(v+1)×・・・×(s+t+2k+1}となります。
NO3「浜田明巳」
03/14 13時34分 受信 更新 4/10
先に問題3を解答する.
問題3
(12・10k−1)÷bが整数とならず,(12・10k)÷bが整数となればよい.
故に
(12・10kの正の約数の個数)−(12・10k−1の正の約数の個数)
を求めればよい.
12・10k−1=(22・3)・(2・5)k−1=2k+1・3・5k−1
12・10k=2k+2・3・5k
であるから,
(k+3)(1+1)(k+1)−(k+2)(1+1)k
=2(k2+4k+3)−2(k2+2k)
=4k+6(個)
問題1
問題3のk=1の場合なので,
4・1+6=10(個)
問題2
問題3のk=2の場合なので,
4・2+6=14(個)
問題4
(a・10k−1)÷bが整数とならず,(a・10k)÷bが整数となればよい.
故に
(a・10kの正の約数の個数)−(a・10k−1の正の約数の個数)
となる.
No4「にいばりZ12」 03/17 01時09分 受信
更新 4/10
問題1:12 ÷5=2.4 、 12÷60=0.2 のように12をある整数で割るとちょうど小数第1位を求めるところで割り算が終わる。
このような整数は5と60を含めて何個あるか。
題意を整理します
先ず@「整数」がマイナスを含まない(「のように」と言う例から自然数のように思われます)
次にA「ちょうど小数第1位を求めるところで割り算が終わる」の「ちょうど」にこだわると割り切れる場合は含みません(これは小数第1位が自然数のように感じます)。
したがって以後ある整数を自然数、割り切れる場合を除外として考えます。
12
÷5=2.4=2+4/10
つまり
12÷p=q+r/10
120÷p=10q+r・・・・@
上記不定方程式の(p,q,r)p,r∈N、q∈Z、(q≧0)(10>r≧1)の解を全て数え上げる問題となります。
この場合pが決まると一意にqとrが決まります
ただし、q,rは整数、自然数なので120はpで割り切れなければ(pは120の約数)なりません。さらに、rが0でないことから、pは12の約数ではない事が解ります。
即ち、120の約数の個数から12の約数の個数を引いた個数が回答となります。
120を素因数分解すると23・3・5よって約数の個数は(3+1)(1+1)(1+1)=16
12を素因数分解すると22・3約数の個数は(2+1)(1+1) =6
よって16-6=10個・・・・回答
素因数分解の一意性
正の整数は素数の積に分解される。この分解は順番を区別しなければ一意的である
整除の基本定理
任意のa,b∈Z(a>0)に対して
b=qa+r,0≦r<a
を満たすq,r,∈Zがただ1組存在する。
・・・・初等整数論 銀林浩 著 国土社 数学ぶっくす3(40年ほど前に買った本です)
因みにp,q,rの組は(120,0,1) (60,0,2) (40,0,3) (30,0,4)
(24,0,5) (20,0,6) (15,0,8) (10,1,2) (8,1,5) (5,2,4) の10個となります。
問題2:
12 ÷16=0.75 、 12÷150=0.08 のように12をある整数で割るとちょうど小数第2位を求めるところで割り算が終わる。このような整数は16と150を含めて何個あるか。
問題1と同様に
12÷p=q+r/100
1200÷p=100q+r・・・・@
上記不定方程式の(p,q,r)p,r∈N、q∈Z、(q≧0)(100>r≧1)の解を全て数え上げる問題となります。
この場合pが決まると一意にqとrが決まります
ただし、q,rは整数、自然数なので1200はpで割り切れなければ(pは1200の約数)なりません。さらに、rが0でないこと及びrの1桁目が0でない(0ならちょうど小数第1位で計算が終わる)ことから、pは120の約数ではない(12の約数は120の約数の部分集合)事が解ります。
即ち、1200の約数の個数から120の約数の個数を引いた個数が回答となります。
1200を素因数分解すると24・31・52よって約数の個数は(4+1)(1+1)(2+1)=30
120を素因数分解すると23・31・51よって約数の個数は(3+1)(1+1)(1+1) =16
よって30-16=14個・・・・回答
因みにp,q,rの組は(1200,0,1) (600,0,2) (400,0,3)
(300,0,4) (240,0,5) (200,0,6) (150,0,8) (100,0,12) (80,0,15) (75,0,16)
(50,0,24) (48,0,25) (25,0,48) (16,0,75)の14個となります。
問題3:12÷b がちょうど小数第k位を求めるところで割り算が終わる。このような整数bは何個あるか。kを用いて表せ。
問題1,2でみてきたように、bの個数は12×10kの約数の個数から12×10k-1の約数の個数を引けばよいので
12×10kを素因数分解して
2(2+k)・31・5k
この数の約数の個数は
(2+1+k)(1+1)(1+k)
12×10k-1を素因数分解して
2(2+k-1)・31・5 (k-1)
この数の約数の個数は
(2+1+k-1)(1+1)(1+k-1)
よってbの個数はbnは
bn=(2+1+k)(1+1)(1+k)-(2+1+k-1)(1+1)(1+k-1)
=4k+6・・・・・・・・回答
問題4:ある数字aをある数字bで割ったとき、小数点以下第k位で割り算が終わることがあります。このような整数bの個数について一般的な解法が発見できたら教えてください。
piを素数(pi<pi+1)としてaを素因数分解します(p1=2, p3=5)
a=p1n1・p2n2・p3n3・p4n4・・・・・pmnm(mはaを素因数分解したときの最大素数の番号)
aの約数の個数は(1+n1)(1+n2)(1+n3)(1+n4)・・・・(1+nm)
aをある数字bで割ったとき、小数点以下第k位で割り算が終わるためには問題3から
a×10kの約数の個数からa×10k-1の約数の個数を引けばよいので
a×10kの約数の個数
=(1+n1+k)(1+n2)(1+n3+k)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
a×10k-1の約数の個数
=(1+n1+k-1)(1+n2)(1+n3+k-1)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
a×10kの約数の個数- a×10k-1の約数の個数
=(1+n1+k)(1+n2)(1+n3+k)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
-(1+n1+k-1)(1+n2)(1+n3+k-1)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
=((1+n1+k)(1+n3+k)-(1+n1+k-1)(1+n3+k-1))(1+n2)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
よってbの個数bnは
bn=(1+n1+n3+2k)(1+n2)(1+n4)(1+n5)・・・・(1+nm)
(niはaを素因数分解したときのi番目の素数の冪)・・・・回答
この式から
問題1 a=12 n1=2 n2=nm=1 n3=0
k=1 bn=10
問題2 a=12 n1=2 n2=nm=1 n3=0 k=2
bn=14
問題3 a=12 n1=2 n2=nm=1 n3=0 k=k
bn=4k+6
がただちに導けます。
問題4では「ある数字a」から始まっていますがこのaも題意から自然数と解釈します。
aがマイナスを含む整数の場合、自然数だけに適用できる「素因数分解の一意性」が適用できなくなります。
問題全体を通し初等整数論の範囲にあると考えさせて頂きました。
感想
とても面白い問題でした。他の回答者の方には物足りなかったかとは思いますが未熟な私には解きごたえがあり、楽しませて頂きました。
ところで、自然数aを自然数bで割った時すべて正の有理数で、
@割り切れる(bがaの約数、問題4におけるk=0)
A小数点以下k位で割り算が終わる(問題4)
Bf個の周期を持った循環小数になる(たとえば、0.00672672672672672・・・・・(f=4))
C周期を持たない循環小数になる(たとえば、0.00666666・・・・・)
等の場合があると思いますが、BCの場合bnが無限に存在することは(Aが有限集合であることから)容易にわかります。
ここで、BにおけるfやBとCのaに対するbの性質の違いを考えています。(初等整数論の範囲の問題と思います)
NO5「スモークマン」 03/17
21時29分 受信 更新 4/10
問題1
12 ÷5=2.4 、 12÷60=0.2
のように12をある整数で割るとちょうど小数第1位を求める
ところで割り算が終わる。
このような整数は5と60を含めて何個あるか。
回答
12=2^2*3
120=2^3*3*5
so…
4*2^2-3*2=10個
問題2
12 ÷16=0.75 、12÷150=0.08
のように12をある整数で割るとちょうど小数第2位を求める
ところで割り算が終わる。
このような整数は16と150を含めて何個あるか。
回答
1200=2^4*3*5^2
so…
5*2*3-4*2^2=14個
問題3
12÷b がちょうど小数第k位を求めるところで
割り算が終わる。このような整数bは何個あるか。kを用いて表せ。
回答
2^2*3*(2*5)^k=2^(k+2)*3*5^k
2^2*3*(2*5)^(k-1)=2^(k+1)*3*5^(k-1)
so…
2((k+3)(k+1)-(k+2)*k))
=2(2k+3)個
問題4
ある数字aをある数字bで割ったとき、小数点以下第k位で割り算が終わることがあります。このような整数bの個数について一般的な解法が発見できたら教えてください。
a=2^α*5^β*M・・・Mは2,5以外の素因数(たとえば、p^γ*q^δ*…)
a*10^k=2^α*5^β*M*2^k*5^k
a*10^(k-1)=2^α*5^β*M*2^(k-1)*5^(k-1)
【M】*(((α+k)+1)((β+k)+1)-(α+k)(β+k))
=【M】*(α+β+2k+1)・・・【M】は(γ+1)(δ+1)…
ですね ^^
NO6「二度漬け白菜」 04/02
21時45分 受信 更新 4/10
a,b,k を正整数とする.次が成り立つ.
aをbで割ったとき,小数点以下ちょうど第 k 位で割り算が終わる.
⇔
(a/b)*10^k は正整数であって,なおかつ,その一の位の数字は 0 でない.
⇔
(a/b)*10^k は10の倍数ではないような正整数.
正整数 n に対して,nの正の約数の個数をτ(n)で表す.
p[i]をi番目の素数とする(つまり,p[1]=2,p[2]=3,p[3]=5,p[4]=7,…).
正整数 n が,素数 p[i] で最大 t 回だけ割り切れるとき,
t=f(n,p[i])とかくことにする.
a=Π[i≧1](p[i]^f(a,p[i])) であるので,
τ(a)=Π[i≧1](f(a,p[i])+1).
a*10^k
=(Π[i≧1](p[i]^f(a,p[i])))*(p[1]^k)*(p[3]^k)
=(p[1]^(f(a,p[1])+k))*(p[2]^f(a,p[2]))*(p[3]^(f(a,p[3])+k))*Π[i≧4](p[i]^f(a,p[i])).
τ(a*10^k)
=Π[i≧1](f(a*10^k,p[i])+1)
=(f(a,p[1])+k+1)*(f(a,p[2])+1)*(f(a,p[3])+k+1)*Π[i≧4](f(a,p[i])+1)
=τ(a)*(f(a,p[1])+k+1)*(f(a,p[3])+k+1)/(f(a,p[1])+1)/(f(a,p[3])+1).
(a/b)*10^k =
(a*10^k)/b が 正整数となるような b は,全部で τ(a*10^k) 個 ある.
このτ(a*10^k)個の b のうち,(a*10^k)/b が10の倍数となるものは,
f(b,2)<f(a*10^k,2) かつ f(b,5)<f(a*10^k,5)
を満たすものである.
このようなbの個数は,
f(a*10^k,p[1])*f(a*10^k,p[3])*(f(a*10^k,p[2])+1)*Π[i≧4](f(a*10^k,p[i])+1)
=f(a*10^k,p[1])*f(a*10^k,p[3])*(Π[i≧1](f(a*10^k,p[i])+1))/(f(a*10^k,p[1])+1)/(f(a*10^k,p[3])+1)
=(f(a,p[1])+k)*(f(a,p[3])+k)*τ(a*10^k)/(f(a,p[1])+k+1)/(f(a,p[3])+k+1)
=τ(a)*(f(a,p[1])+k)*(f(a,p[3])+k)/(f(a,p[1])+1)/(f(a,p[3])+1).
よって,(a/b)*10^k が10の倍数ではないような正整数となるような正整数 b の個数は,
τ(a*10^k)-τ(a)*(f(a,p[1])+k)*(f(a,p[3])+k)/(f(a,p[1])+1)/(f(a,p[3])+1)
=τ(a)*((f(a,p[1])+k+1)*(f(a,p[3])+k+1)-(f(a,p[1])+k)*(f(a,p[3])+k))/(f(a,p[1])+1)/(f(a,p[3])+1)
=τ(a)*(f(a,2)+f(a,5)+2*k+1)/(f(a,2)+1)/(f(a,5)+1).
[問題1]
12/b を計算するとき,小数点以下ちょうど第1位で割り算が終わるような正整数 b の個数は,
τ(12)*(f(12,2)+f(12,5)+2*1+1)/(f(12,2)+1)/(f(12,5)+1)
=6*(2+0+2*1+1)/(2+1)/(0+1)
=10個 (答)
[問題2]
12/b を計算するとき,小数点以下ちょうど第2位で割り算が終わるような正整数 b の個数は,
τ(12)*(f(12,2)+f(12,5)+2*2+1)/(f(12,2)+1)/(f(12,5)+1)
=6*(2+0+2*2+1)/(2+1)/(0+1)
=14個 (答)
[問題3]
12/b を計算するとき,小数点以下ちょうど第 k 位で割り算が終わるような正整数 b の個数は,
τ(12)/(f(12,2)+f(12,5)+2*k+1)/(f(12,2)+1)/(f(12,5)+1)
=6*(2+0+2*k+1)/(2+1)/(0+1)
=2*(2*k+3)個 (答)
[問題4]
a/b を計算するとき,小数点以下ちょうど第 k 位で割り算が終わるような正整数 b の個数は,
τ(a)*(f(a,2)+f(a,5)+2*k+1)/(f(a,2)+1)/(f(a,5)+1) (答)
例:a=2016,k=28
のとき
τ(2016)=36,f(2016,2)=5,f(2016,5)=0.
2016/b を計算するとき,小数点以下ちょうど第28位で割り算が終わるような正整数bの個数は,
τ(2016)*(f(2016,2)+f(2016,5)+2*28+1)/(f(2016,2)+1)/(f(2016,5)+1)
=36*(5+0+2*28+1)/(5+1)/(0+1)
=372 個
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今回の問題を考えてみて,数学の答案を作成することの難しさを改めて感じました.
自分の書いた答案が,読む人にうまく伝わるのか?
自分の考えを,他人に伝えるのは難しい作業ですね.
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。