平成29年1月22日
[流れ星]
第342回数学的な応募解答
<解答募集期間:12月25日〜1月22日>
[歴史的な問題(2)]
2017年も引き続きご愛顧賜りますようよろしくお願いたします。
ローマ帝国時代エジプトのアレクサンドリアに住んでいたというディオパントスは3世紀中期の人で「代数学の父」と言われています。その中でも有名なのはラテン語版に書くこんだフェルマーの最終定理です。で、「数論」に関して多くも問題があります。前回に続きこの中にある問題です。皆さんはどこかで見られたかもしれませんが、ご容赦ください。
これからの問題では解は無数にありますが、そのうちの1つを見つけてください。また、ここでの「平方数」とは、ある有理数の2乗の値となっている有理数のことです。
問題1: a2+bも a+b2も平方数であるようなa,bを求めよ。
問題2: ab+12、bc+12,ac+12のそれぞれが平方数であるような、相異なる数a,b,cを求めよ。
<参考文献:古典数学の難問101:小野田博一著(日本実業出版)>
No1「uchinyan」
12/25 15時58分 受信 更新 1/22
1つ見つければいいので,取り敢えず,試行錯誤。
問題1:
a = 1 で探してみます。すると,b の分母は自然数の平方数です。
b = c/1 の場合,b は自然数ですが,a + b^2 = 1 + c^2 が平方数になることはないので,不可。
b = c/4 の場合,a + b^2 = 1 + c^2/16 = (4^2 + c^2)/16 が平方数になるには,
4^2 + c^2 が自然数の平方数なので,c = 3 かな,となりますが,
a^2 + b = 1 + 3/4 = 7/4,でうまくいきません。
b = c/9 の場合,a + b^2 = 1 + c^2/81 = (9^2 + c^2)/81 が平方数になるには,
9^2 + c^2 が自然数の平方数なので,ピタゴラス数を探すと,5^2 - 4^2 = 9,c = 2 * 5 * 4 = 40,が見つかります。
しかも,a^2 + b = 1 + 40/9 = 49/9 =
(7/3)^2,a + b^2 = 1 + (40/9)^2 = (41/9)^2,でうまくいきます。
そこで,(a,b) = (1,40/9),は解です。
同様にしてコツコツ調べれば,
(a,b) = (1/4,15/16),(1/4)^2 + 15/16 = 1^2,1/4 + (15/16)^2 =
(17/16)^2,
も見つかります。
なお,a,b は有理数という条件しかないので,実は,(a,b) = (1,0), (0,1), (1/3,1/3),なども解です。
問題2:
これは以外にも?自然数解,
(a,b,c) = (1,4,13),ab + 12 = 16 = 4^2,bc + 12 = 64 = 8^2,ca + 12 = 25 = 5^2,
がすぐに見つかりました。
なお,もう少し頑張ったら,
(a,b,c) = (1,4,33/16),ab + 12 = 16 = 4^2,bc + 12 = 81/4 = (9/2)^2,ca + 12 = 225/16 = (15/4)^2,
(a,b,c) = (1,1/4,33/4),ab + 12 = 49/4 = (7/2)^2,bc + 12 = 225/16 =
(15/4)^2,ca + 12 = 81/4 = (9/2)^2,
も見つかりました。
(感想)
ごめんなさい。今回もあまり真面目に解く気になれませんでした。
ギリシャ時代ならばともかく,現代では「プログラムを組めばいいじゃん」と思ってしまうからです。
もちろん,一般解を求めるのはそれなりに意味があると思いますが,面倒そうだし。
昨年はいろいろとありがとうございました。今年も宜しくお願い致します。
NO2「スモークマン」 01/01
20時09分 受信 更新 1/22
あけましておめでとうございます
今年もできる限り挑戦させていただきますので ^^
よろしくお願い申し上げます〜m(_ _)m〜
今回の問題は難しく諦めかけてたんですが…
見つけられた ^^; ような気がしましたので回答しまっす Orz〜
問題1: a2+bも a+b2も平方数であるようなa,bを求めよ。
回答
自明の解は…
(a,b)=(0,0),(0,m^2),(m^2,0),(-1,-1)・・・mは有理数
a^2+b=m^2
a+b^2=n^2
(a-b)(a+b-1)=(m-n)(m+n)
a-b=m-n
a+b-1=m+n
2a-1=2m
2b-1=2n
a^2+b=((2a-1)/2)^2
4a^2+4b=4a^2-4a+1
4a+4b=1
a=k, b=-k+1/4
so…
(a,b)=(k,-k+1/4),(-k+1/4,k)・・・kは整数
まだありそうな…^^;
問題2: ab+12、bc+12,ac+12のそれぞれが平方数であるような、相異なる数a,b,cを求めよ。
回答
見つけたって感じ…^^;
1*13+12=25
4*13+12=4(13+3)=8^2
1*4+12=4^2
でビンゴ♪
so...
(a,b,c)=(1,4,13)
まだあるんだろうか知らん…?
NO3「浜田明巳」 01/05 14時30分 受信 更新 1/22
VBSCRIPTで計算してみた.
問題1
a=0,bは平方数,またはb=0,aは平方数,またはa=b=−1となればよい.
max=100
kosuu=0
kotae=""
for a=-max to max
for b=a to max
c=a*a+b
if c>=0 then
sqr_c=int(sqr(c))
if sqr_c*sqr_c=c then
d=a+b*b
if d>=0 then
sqr_d=int(sqr(d))
if sqr_d*sqr_d=d then
kosuu=kosuu+1
if kosuu>1 then
kotae=kotae&chr(13)
end if
kotae=kotae&"a="&a&",b="&b&",a^2+b="&c&",a+b^2="&d
end if
end if
end if
end if
next
next
msgbox kotae
問題2 スクリプトは問題1と同様
「浜田明巳」 01/07 10時49分 受信 更新 1/22
(別解)
問題1(前回,0がからむ解しか求められなかったのが気になったので,a,bが整数でなく,a・b・(a2+b)・(a+b2)≠0の場合の解を求めてみた)
a=a1/a2,b=b1/b2,a1,a2,b1,b2は整数,a1/a2,b1/b2は既約分数,a1・b1≠0,a2≧2,b2≧2として,
a2+b=(p1/p2)2,a+b2=(q1/q2)2,p1,p2,q1,q2は正整数,p1/p2,q1/q2は既約分数
とする.
重複を避けるため,a≧bとして,a1,a2,b1,b2の絶対値の最大値を10として,VBSCRIPTで求めてみた.
a1,a2,b1,b2,p1,p2,q1,q2の順で表示する.
(−9/8)2−9/8=(3/8)2
(−5/4)2−3/2=(1/4)2,−5/4+(−3/2)2=12
(−4/3)2−4/3=(2/3)2
(1/3)2+1/3=(2/3)2
(1/8)2+1/8=(3/8)2
(3/2)2−5/4=12,3/2+(−5/4)2=(7/4)2
(3/4)2−1/2=(1/4)2,3/4+(−1/2)2=12
(3/8)2−1/8=(1/8)2,3/8+(−1/8)2=(5/8)2
(4/5)2+4/5=(6/5)2
(5/8)2−3/8=(1/8)2,5/8+(−3/8)2=(7/8)2
(5/8)2+3/8=5/8+(3/8)2=(7/8)2
(7/4)2−3/2=(5/4)2,7/4+(−3/2)2=22
(7/8)2−5/8=(3/8)2,7/8+(−5/8)2=(9/8)2
(8/5)2−3/5=8/5+(−3/5)2=(7/5)2
(ab≠0,a≠bなどの条件を付け加えれば,良かったかも知れない)
NO4「早起きのおじさん」 01/06 21時16分 受信 更新 1/22
342解答 早起きのおじさん
問題1
●まず、aもbも自然数として考えてみます。
仮にa=bとすると、a2+a=a(a+1)となります。
これは、連続する2数の積なので、平方数にはなりません。
aとbとは、等しくないのです。
式 a2+b において、aとbを入れかえると、b2+a になります。
この2つの式で、aとbは対等です。
仮にa>bとしてみます。
a2より大きな平方数で一番小さいものは、(a+1)2=a2+2a+1です。
波線部をbと考えると、aよりも大きくなります。
これは、仮定に反します。
aとbとは、自然数ではないのです。
●aとbは、有理数として考えます。
と考えると、
これを解いて、
例えば、p=2、q=1とすると、
問題2
●まず、
と考えて、
となる、a、bを探します。
なので、aもbも3の倍数です。
として、(*)に代入すると、
となるので、a、bは整数ではありません。
●そこで、a、bを有理数とし、通分して表します。
このとき、sはもともとの分母の最小公倍数です。
(*)に代入すると、
ここで、p、qは、3の倍数で、pは偶数でもあります。
そこで、
として、(**)に代入すると、
となり、sも3の倍数となるので、もともとの分母の最小公倍数でないことになります。
つまり、(■)の考えでは、うまくいきません。
●●そこで、地道にやってみます。
12=2×2×3 です。
●a=4としてみます。
4b+12=4(b+3)が平方数になるとすると、bの候補は、b=1, 6, 13,
22, 33, ・・・
・b=1なら、1×c+12が平方数なので、cの候補は、c=4, 13, 24, 37, ・・・
aが4なので、cは4ではありません。
a=4、c=13とすると、13×4+12=64=82
a=4、c=24とすると、24×4+12=108=62×3
a=4、c=37とすると、37×4+12=160=42×10
・・・
例えば、a=4、b=1、c=13はうまくいきます。
・b=6なら、6×c+12=6(c+2)が平方数なので、cの候補は、c=4, 22, 52,
94, ・・・
aが4なので、cは4ではありません。
a=4、c=22とすると、22×4+12=100=102
a=4、c=52とすると、52×4+12=220=22×55
a=4、c=94とすると、94×4+12=388=22×97
・・・
例えば、a=4、b=6、c=22はうまくいきます。
・b=13, 22は上の解答と重なるので、省きます。
・b=33なら、33×c+12=3(11c+4)が平方数なので、cの候補は、c=4, 13, 39, ・・・
aが4なので、cは4ではありません。
a=4、c=13とすると、13×4+12=64=82
a=4、c=39とすると、39×4+12=168=22×42
・・・
例えば、a=4、b=33、c=13はうまくいきます。
・・・
●a=3としてみます。
3b+12=3(b+4)が平方数になるとすると、bの候補は、b=8, 23, 44,
71, 104, ・・・
・b=8なら、8×c+12=4(2c+3)が平方数なので、cの候補は、c=3, 11, 23,
39, ・・・
aが3なので、cは3ではありません。
a=3、c=11とすると、11×3+12=45=32×5
a=3、c=23とすると、23×3+12=81=92
a=3、c=39とすると、39×3+12=129=3×43
・・・
例えば、a=3、b=8、c=23はうまくいきます。
・b=23は上の解答と重なるので、省きます。
・b=44なら、44×c+12=4(11c+3)が平方数なので、cの候補は、c=2, 3, 23,
26, ・・・
aが3なので、cは3ではありません。
a=3、c=2とすると、2×3+12=18=32×2
c=23は、上の解と重なるので省きます。
a=3、c=26とすると、26×3+12=90=32×10
・・・
●a=6としてみます。
6b+12=6(b+2)が平方数になるとすると、bの候補は、b=4, 22, 52,
94, 148, ・・・
・b=4, 22は上の解と重なるので省きます。
・b=52なら、52×c+12=4(13c+3)が平方数なので、cの候補は、c=1, 6, 22,
37, ・・・
aが6なので、cは6ではありません。
a=6、c=1とすると、1×6+12=18=32×2
a=6、c=22とすると、22×6+12=144=122
a=6、c=37とすると、37×6+12=234=32×26
・・・
例えば、a=6、b=52、c=22はうまくいきます。
・・・
・b=94なら、94×c+12=2(47c+6)が平方数なので、cの候補は、c=6, ・・・
aが6なので、cは6ではありません。
・・・
・b=148なら、148×c+12=4(37c+3)が平方数なので、cの候補は、c=6, 13, ・・・
aが6なので、cは6ではありません。
a=6、c=13とすると、13×6+12=90=32×10
・・・
一般的に解を求めるのは、なかなか難しいです。
NO5「にいばりZ12」 01/07 02時15分 受信 更新 1/22
明けましておめでとうございます。
問題1
a2+b=c2
b2+a =d2
と置きます
辺々足して平方完成すると
(a+1/2) 2+(b+1/2) 2-1/4-1/4=c2+d2
上式は
(1/2) 2+c 2=(a+1/2)
2
(1/2) 2+d 2=(b+1/2)
2
を満たせば成立します。原始ピタゴラス数の比になればよいので
1/2:c:a+1/2=3:4:5
1/2:d:b+1/2=3:4:5
とすると
a=b=1/3,(c=d=2/3)が1つの回答となります
上記回答では原始ピタゴラス数の比を変えると有理解は無限にあります。
問題2
ab+12=d2・・・@
bc+12=e2・・・A
ac+12=f2・・・B
と置きます
a,b,cは相異なるので
a<b<cとし、a,b,cは自然数ととりあえず仮定します
仮定から
ab+12< ac+12< bc+12が言えます
まず、dの最小数が4であることに着目しa=1、b=4、d=4を得ます
fをd直近のd+1と置きます
@とBから
a (c-b)=2d+1
c=13 (e=5)・・・回答
この回答は、試行錯誤によるもので一般性が全く有りません
とりあえず、やってみたら偶然bc+12が平方数になっていたというものです。
先ず自然数解が無いことを示し、それから有理数解を導こうと考えていたのですが自然数解が存在してしまって驚いてしまいました。
数学的にもう少し突っ込んで考えなければならないと思いますので中間回答として投稿します(いつもながらですが・・・)
NO6「二度漬け白菜」 01/12
20時03分 受信 更新 1/22
本年もよろしくお願い致します.
(問題1)
a=5/6,b=13/12 (答)
(a=5/6,b=13/12 のとき,
a^2+b=(4/3)^2,a+b^2=(17/12)^2 となる.)
(問題2)
a=10/13,b=13/40,c=26/5 (答)
(a=10/13,b=13/40,c=26/5 のとき,
a*b+12=(7/2)^2,b*c+12=(37/10)^2,a*c+12=4^2 となる.)
(問題1に対する考察)
1-4*s*t≠0 を満たすような任意の複素数 s,t に対して,
a=(t^2+2*s^2*t)/(1-4*s*t),
b=(s^2+2*s*t^2)/(1-4*s*t)
とおく.
このとき,
a^2+b=((t^2+s-2*s^2*t)/(1-4*s*t))^2,
a+b^2=((s^2+t-2*s*t^2)/(1-4*s*t))^2
となる.
よって,s,t を 1-4*s*t≠0 を満たすような有理数にとれば,
a^2+b,a+b^2 はどちらも平方数となることがわかる.
s=1/2,t=1/3 としたものが上記の解答.
このようなs,tは次のように考えて見つけた.
a,b を複素数とする.
a^2+b=(a+s)^2,
a+b^2=(b+t)^2
を満たすような複素数s,tが存在する.
この2式から,関係式
(1-4*s*t)*a=t^2+2*s^2*t,
(1-4*s*t)*b=s^2+2*s*t^2
を得る.
(問題2に対する考察)
s,t,u を
s^2-12>0,t^2-12>0,u^2-12>0
を満たすような正の有理数とし,
a=t*(s^2-12)*(u^2-12)/(2*s*u*(t^2-12)),
b=u*(s^2-12)*(t^2-12)/(2*s*t*(u^2-12)),
c=s*(t^2-12)*(u^2-12)/(2*t*u*(s^2-12))
とする.
このとき,
a*b+12=((s^2+12)/(2*s))^2,
b*c+12=((t^2+12)/(2*t))^2,
c*a+12=((u^2+12)/(2*u))^2
となる.
s=4,t=5,u=6 としたものが上記の解答.
このようなs,t,uは次のように考えて見つけた.
a*b+12,b*c+12,c*a+12 のそれぞれが平方数であるとすると,
a*b+12=p^2,
b*c+12=q^2,
c*a+12=r^2
となるような有理数 p,q,r が存在する.
この3式より,
a^2=(p^2-12)*(r^2-12)/(q^2-12),
b^2=(p^2-12)*(q^2-12)/(r^2-12),
c^2=(q^2-12)*(r^2-12)/(p^2-12)
となる.
(p^2-12)=(p+s)^2,
(q^2-12)=(q+t)^2,
(r^2-12)=(r+u)^2
w)「箸覆襪芫u桙、な複素数 s,t,u が存在する.
(p^2-12)=(p+s)^2より,p=(-s^2-12)/(2*s).
よって,
(p^2-12)=(p+s)^2=((-s^2-12)/(2*s)+s)^2=((s^2-12)/(2*s))^2.
同様にして,
(q^2-12)=((t^2-12)/(2*t))^2,
(r^2-12)=((u^2-12)/(2*u))^2
となる.
このとき,
a^2=((s^2-12)*(u^2-12)*t/(2*s*u*(t^2-12)))^2,
b^2=((s^2-12)*(t^2-12)*u/(2*s*t*(u^2-12)))^2,
c^2=((t^2-12)*(u^2-12)*s/(2*t*u*(s^2-12)))^2
となる.
以上
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。