平成30年10月28日
[流れ星]
第365回数学的な応募解答
<解答募集期間:9月30日〜10月28日>
[ユークリッドの互除法]
1以上の2つの整数m、n(ただしnはmより大きい)について次のような操作を行う。nをmで割ったときの商を書いておいて、余りがあれば今度mをその余りで割って、余りのある限り繰り返す。
例えば、m=31、n=98のときはこうなる。
98÷31=3、余りは5
31÷5=6、 余りは1
5÷1=5、余りがない、操作終了
このとき、出てきた商を順に書いてみると、3、6,5である。
そこで、31と98の相互関係は3,6、5であるという。また、相互関係に出てくる商の個数(31と98のときは3)を相互関係の長さという。
例えば、8と11の相互関係は1、2、1.2であるという。その長さは4である。
問題1 相互関係が1、2、1、1、3となる整数の組を1以上100以下の範囲ですべて求めなさい。
問題2 1以上100以下の範囲で相互関係が最も長くなるような整数の組を調べたところ、長さが9である組が最も長く、しかも1組しかありません。その1組を求めなさい。
「参考文献:ピーター先生と中学入試の算数に挑戦!」新潮社
「早起きのおじさん」 10/03 21時46分 受信 更新 10/28
●ユークリッドの互除法は、2数の最大公約数を求める方法です。
例えば、14580と2355の最大公約数は、次のように求められます。
まず、2数を並べて書きます。
大きい数を小さい数で割ります。(14580割る2355は、商6、余り450)
商6を14580の左側、余り450を14580の下に書きます。
そして、小さい数を余りで割ります。(2355割る450は、商5、余り105)
商5を2355の右側、余り105を2355の下に書きます。
次に、450と105を新たな2数として、上と同じことをします。
このようなことを繰り返していき、最後に余りが0となる場面があります。
このとき、すぐ前の余り15が、最初の2数の最大公約数となります。
ついでに、2355と14580の相互関係は、6,5,4,3,2となり、その長さは、5です。
●ユークリッドの互除法の仕組みを確認しておきます。
左右の2数の関係は、左にある商と余りを用いて、表すことができます。
左下がりの2数の関係は、右にある商と余りを用いて、表すことができます。
問題1
相互関係を計算する枠の左右に書いていきます。
黄色のところには、2数の最大公約数が入るので、1から5の場合を計算してみます。
上の仕組みを使い下から上に2数を求めます。
最大公約数が5のときは、大きい数が100より大きくなってしまいます。
よって、整数の組は、(18,25)、(36,50)、(54,75)、(72,100)の4つです。
問題2
100以下という制限があるので、なるべく小さくなるように考えます。
最大公約数が小さいこと、相互関係の数が小さいことを考えます。
最大公約数が1、相互関係が1の並びで最後のだけ2の場合を考えます。
相互関係の最後が1だと、下から2行目が1と1になってしまうからです。
右図の各数の関係を考えます。
商が最後以外1なので、i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=e+d、e=d+c、d=c+b、c=b+a、b=a+1、のようになります。
順番に前2数の和が、次の数になっています。
これらは、初項1、第2項2のフィボナッチ数列です。
{1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89}
計算しても、となり、(55,89)が求める組です。
●小さい2数になりそうな場合を考えます。
○相互関係の最後の数について
最大公約数が1、相互関係が1の並びで最後のだけ3の場合を考えます。
計算すると、となり、条件を満たしません。
○最大公約数が小さい場合
最大公約数が2、相互関係が1の並びで最後のだけ2の場合を考えます。
計算すると、となり、条件を満たしません。
○相互関係で1の並びの途中に2がある場合
・8番目の数が2のとき
aが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=e+d、e=d+c、d=c+b、c=b+a、b=2a+1
21 13 8 5 3 2 1 1
のようになり、i=89+2×21=131
・7番目の数が2のとき、
bが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=e+d、e=d+c、d=c+b、c=2b+a、b=a+1
13 8 5 3 2 1 1
のようになり、i=89+3×13=128
・6番目の数が2のとき、
cが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=e+d、e=d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
8 5 3 2 1 1
のようになり、i=89+5×8=129
・5番目の数が2のとき、
dが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=e+d、e=2d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
5 3 2 1 1
のようになり、i=89+8×5=129
・4番目の数が2のとき、
eが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=f+e、f=2e+d、e=d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
3 2 1 1
のようになり、i=89+13×3=128
・3番目の数が2のとき、
fが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=g+f、g=2f+e、f=2e+d、e=d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
2 1 1
のようになり、i=89+21×2=131
・2番目の数が2のとき、
fが増えた個数を数えると、
i=h+g、h=2g+f、g=2f+e、f=2e+d、e=d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
1 1
のようになり、i=89+34×1=123
・1番目の数が2のとき、
fが増えた個数を数えると、
i=2h+g、h=2g+f、g=2f+e、f=2e+d、e=d+c、d=2c+b、c=2b+a、b=a+1
1
のようになり、i=89+55×1=144
以上のようにどれも100を超えてしまいます。
増える個数は、初項1、第2項1のフィボナッチ数列になっています。
問題1 相互関係が1、2、1、1、3となる整数の組を1以上100以下の範囲ですべて求めなさい。
a,b,c,d,e,fは自然数とし・・・@
a÷b=1余りc a>b
a>c
b÷c=2余りd b>c
b>d
c÷d=1余りe c>d c>e
d÷e=1余りf d>e d>f
e÷f=3余り0
e>f a>b>c>d>e>f・・・A
@
Aより
a=b+c
b=2c+d
c=d+e
d=e+f
e=3f
より
a=25f
b=18f
よって題意(a≦100)より
1≦f≦4
(a,b)=(25,18)、(50,36)、(75,54)、(100,72)・・・・回答
問題2 1以上100以下の範囲で相互関係が最も長くなるような整数の組を調べたところ、長さが9である組が最も長く、しかも1組しかありません。その1組を求めなさい。
1以上100以下の自然数の組は、100*99/2=4950組あります。これをすべて調べるのは難儀です。
そこで問題1と同じ要領で考えていきます。
記号が煩雑になるのでabcde・・・を、a1,a2,a3・・・と書き換えます。また商をq1 ,q2 ,q3・・・と書き換えます。
an-1で割り切れて終わる場合
a1÷a2=q1余りa3
a2÷a3=q2余りa4
a3÷a4=q3余りa5
・
・
・
an-3÷an-2=qn-3余りan-1
an-2÷an-1=qn-2余りan=0
q>0 、a1> a2> a3> a4>
a5>・・・>an・・・@
長さが9と言う事は、n-2が9、n-1は10、nは11です。
即ち、
a9÷a10=q9余りa11=0・・・A
a1とan-1との関係を書くと
a1= q1a2+a3
=q1(q2a3+a4)+a3
= q1(q2(q3a4+a5)+a4)+ (q3a4+a5)
= q1(q2(q3(q4
(q5a6+a7)+a6)+ (q5a6+a7))+
(q4(q5a6+a7)+a6))+ (q3(q4(q5a6+a7)+a6)+
(q5a6+a7))
= q1(q2(q3(q4
(q5(q6a7+a8)+a7)+ (q6a7+a8))+
(q5(q6a7+a8)+a7))+ (q4(q5(q6a7+a8)+a7)+
(q6a7+a8)))
+ (q3(q4(q5(q6a7+a8)+a7)+
(q6a7+a8))+ (q5(q6a7+a8)+a7))
= q1(q2(q3(q4
(q5(q6(q7a8+a9)+a8)+
(q7a8+a9))+ (q6(q7a8+a9)+a8))+
(q5(q6(q7a8+a9)+a8)+
(q7a8+a9)))+ (q4(q5(q6(q7a8+a9)+a8)+
(q7a8+a9))+ (q6(q7a8+a9)+a8)))
+ (q3(q4(q5(q6(q7a8+a9)+a8)+
(q7a8+a9))+ (q6(q7a8+a9)+a8))+
(q5(q6(q7a8+a9)+a8)+
(q7a8+a9)))・・・・B
ここまで書きましたが、@Aより
a10>0
a9>1
a8>2
が言えますのでBに
a9=2、a8=3、q7=1(各々の最小値)を代入してみると
= q1(q2(q3(q4
(q5(q6(4)+3)+ (4))+ (q6(4)+3))+ (q5(q6(4)+3)+
(4)))+ (q4(q5(q6(4)+3)+ (4))+ (q6(4)+3)))
+ (q3(q4(q5(q6(4)+3)+
(4))+ (q6(4)+3))+ (q5(q6(4)+3)+ (4)))
さらにq6に2を代入すると
= q1(q2(q3(q4
(q5(15)+ (11))+ (q5(11)+ (4)))+ (q4(q5(11)+
(4))+ (11)))
+ (q3(q4(q5(11)+
(4))+ (11))+ (q5(11)+ (4)))
これはq1〜q5まですべて1としても108となりoutです
よってq1〜q7=1が言えます(∵式の形からq6=1、q1〜q5を2としたときはa1がさらに大きくなります)
したがってBは次のように変形できます
a1= 21a8+13a9
ここから再度a1とa9との関係を書くと
a1= 21(q8a9+a10)+13a9
= 21(q8(q9a10+a11)+a10)+13a9
= 21(q8q9+1)a10+13a9 (∵Aよりa11=0)・・・C
a10<a9 からa10=1、a9=2(各々の最小値)としたときq9=2
Cに代入すると
a1= 42q8+47
q8が1より大きなの値をとるときa1は100より大きくなるので
q8=1
以上から
a 9=2
a 10=1
q1〜q8=1、q9=2
a1=89、a2=55
が一意に定まるので1組しかないことが言えます・・・・回答
調べてみるとフィボナッチ数列になるようです。(ラメの定理(小さい数の桁数の2倍以下の回数で求まる)もそれを利用しているようです)
今回は自力だけでどこまでやれるかやってみました。計算して並べるとフィボナッチ数列になっていました。
「スモークマン」 10/23
18時34分 受信 更新 10/28
問題365回
1以上の2つの整数m、n(ただしnはmより大きい)について次のような操作を行う。nをmで割ったときの商を書いておいて、余りがあれば今度mをその余りで割って、余りのある限り繰り返す。
例えば、m=31、n=98のときはこうなる。
98÷31=3、余りは5
31÷5=6、 余りは1
5÷1=5、余りがない、操作終了
このとき、出てきた商を順に書いてみると、3、6,5である。
そこで、31と98の相互関係は3,6、5であるという。また、相互関係に出てくる商の個数(31と98のときは3)を相互関係の長さという。
例えば、8と11の相互関係は1、2、1.2であるという。その長さは4である。
問題1 相互関係が1、2、1、1、3となる整数の組を1以上100以下の範囲ですべて求めなさい。
○/a=3
○/3a=1...a
○/4a=1...3a
○/7a=2...4a
○/18a=1...7a
最後の○=25a
so...(25,18),(50,36),(75,54),(100,72)
問題2 1以上100以下の範囲で相互関係が最も長くなるような整数の組を調べたところ、長さが9である組が最も長く、しかも1組しかありません。その1組を求めなさい。
割り切れずに続く...互いに素である...
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89
89/55=1...34
55/34=1...21
34/21=1...13
21/13=1...8
13/8=1..5
8/5=1...3
5/3=1...2
3/2=1...1
1/1=1 の9回
so...
(89,55)