平成30年12月23日
[流れ星]
第367回数学的な応募解答
<解答募集期間:11月25日〜12月23日>
[三角形の面積比]
△ABCの各頂点から、それぞれの対辺をm:nに分ける点をD,E,Fとし、直線AD,BE,CFを引く。また、図で示した三角形をPQRとする。
ただし、m≠nである。
問題1:m=1、n=2このとき、△ABCと△PQRの面積の比を求めよ。
問題2:△ABCと△PQRの面積の比をmとnで表せ。
NO1「早起きのおじさん」 11/28 17時32分 受信
「早起きのおじさん」 11/29 05時14分 受信 更新 12/23
367解答 早起きのおじさん
図は、m<nの場合です。(m>nのときも、同様に考えることができます)
図のように直線AGとBHを引きます。
△ABCの内部の点Qを通る3直線が三角形の各頂点を通るので、チェバの定理より、 よって、 △CFBを直線AGが通るので、メネラウスの定理より、 よって、 △CFBを直線ADが通るので、メネラウスの定理より、 よって、 以上から |
ここで、文字のローテーションを考えます。
A→B→C→Aへ戻る、D→E→F→Dへ戻る、P→Q→R→Pへ戻る、G→H
このローテーションを上の枠内に行うと、
となります。
線分の長さの比は、次の図のようになります。
△ABCから△ADCは、底辺が(m+n)からnの割合になるので、
となります。
この要領で、辺の長さの比を考えて、△PQRまで考えます。
1番目は、上でみたように、
2番目は、同様に、
3番目は、同様に、
4番目は、同様に、
なので、
まとめると、
問題1は、m=1、n=2として、
△ABC:△PQR=7:1
NO2「スモークマン」 12/08 00時41分 受信
更新 12/23
NO3「Kasama」
12/15 22時48分 受信 更新 12/23
補助線によってできた各三角形に着目すると、
=
−+
であることがわかります。数式で表現すれば、
△PQR=△ABC -
(△ABD+△BCE+△CAF) + △BDP+△CEQ+△AFR…@
です。これらの三角形の面積を辺の比を使って計算し、△ABCと△PQRの面積比を求めます。
(1)△ABD、△BCE、△CAFの面積比の計算
点D、E、Fは辺BC、CA、ABの内分点なので、
BD:CD=CD:AE=AF:BF=k:1-k(0<k<1)
と表すことができます。すると、△ABCと△ABD、△BCE、△CAFについて、辺の比から、
△ABD=△BCE=△CAF=k×△ABC…A
であることがわかります。
(2)△BDP、△CEQ、△AFRの面積比の計算
右図のように、
=、=、=
BD:CD=CE:AE=k:1-k(0<k<1)
BP:EP=s:1-s(0<s<1)
DP:AP=t:1-t(0<t<1)
とします。
△ABEにおいて、
=(1-s)+s(1-k)
また、△ABDにおいて、
=(1-t){(1-k)+k}
です。両者は同じベクトルで、、は一次独立なので、それらの係数は等しく、
1-s=(1-t)(1-k)
s(1-k)=(1-t)k
これらを解いて、
s=k/(k2-k+1)
t=k2/(k2-k+1)
この比とAを使って、三角形の面積を求めると、
△BDP=t×△ABD=t×k×△ABC=k3/(k2-k+1)×△ABC
です。△CEQ、△AFRについても同様なので、
△BDP=△CEQ=△AFR=k3/(k2-k+1)×△ABC…B
(3)△PQRの面積比の計算
@にABを代入すると、
△PQR={1-3k+3k3/(k2-k+1)}×△ABC=(2k-1)2/(k2-k+1)×△ABC
⇒△PQR:△ABC=(2k-1)2:k2-k+1…C
となります。
問題1
m:n=1:2=1/3:2/3なので、C式にk=1/3を代入すると、
△ABC:△PQR=25/49:43/49=7:1
です。
問題2
m:n=m/(m+n):n/(m+n)なので、C式にk=m/(m+n)を代入すると、
△ABC:△PQR={(n-m)/(n+m)}2/{(n2+mn+m2)/(n+m)2}=(n-m)2:n2+mn+m2
です。