平成31年2月17日
[流れ星]
第369回数学的な応募解答
<解答募集期間:1月20日〜2月17日>
[割り算の剰余]
お詫び 前回の問題で答えがすべて解っていないまま出題したことを深くお詫び申し上げます。
過去の神戸大学の入試問題から出題します。
問題1 xの整式P(x)をx−1で割った余りが1、x−2で割った余りが2、x−3で割った余りが3となった。
P(x)を(x−1)(x−2)(x−3)で割った余りを求めよ。
問題2 nを2以上の自然数とする。k=1,2,3,・・・,nについて、
整式P(x)をx−kで割った余りがkとなった。
P(x)を(x−1)(x−2)・・・(x−k)で割った余りを求めよ。
ヒント P(x)の表し方に工夫してください。
NO1「早起きのおじさん」 01/23 20時42分 受信 更新 2/17
●P(x) を x−1 で割った商を q1(x) 、x−2 で割った商を q2(x)とすると、
P(x) を (x−1)(x−2) で割った商を q12(x) とすると、余りは除式より次数が低いので、
P(1)=1、P(2)=2 なので、
よってP(x) を (x−1)(x−2) で割った余りは、x です。
問題1
●P(x) を x−1、x−2、x−3 で割った商をそれぞれq1(x)、q2(x)、q3(x)とすると、
P(x) を (x−1)(x−2)(x−3) で割った商を q123(x) とすると、余りは除式より次数が低いので、
P(1)=1、P(2)=2、P(3)=3 なので、
よってP(x) を (x−1)(x−2)(x−3) で割った余りは、x です。
●この方法でこの先を計算するのは大変ですが、以下の結果を想像させます。
P(x) を (x−1)(x−2)・・・(x−k) で割った商を
q12・・・k(x)
とすると、余りはx となる。
試してみると、
P(x) は (x−j) で割ると、余りはj です。
問題2
●P(x) を x−k で割った商を qk(x) とすると、
つまり、
同様に、
・・・
ここで黄色の部分は、等しくなります。
とおきます。
Q(1)=Q(2)=・・・=Q(k)=0 なので、Q(x) は、(x−1)(x−2)・・・(x−k) を因数に持ちます。
Q(x)を(x−1)(x−2)・・・(x−k) で割った商を q12・・・k(x) とすると、
となります。
NO2「浜田明巳」 01/24 11時27分 受信 更新 2/17
まず問題2を解いてから,問題1を解く.
問題2
k=1,2,3,・・・,n(n≧2)のとき,xの整式P(x)をx−kで割った余りはkである.
P(x)を(x−1)(x−2)(x−3)・・・(x−k)で割った余りは?
i). k=1のとき,P(x)をx−1で割った余りは,1である.
i). k≧2のとき,
P(x)をk次式(x−1)(x−2)(x−3)・・・(x−k)で割った商をQ(x),余りは,高々(k−1)次式であるので,
a0+a1x+a2x2+・・・+ak−1xk−1・・・(*)
とすると,
P(x)=(x−1)(x−2)(x−3)・・・(x−k)Q(x)+a0+a1x+a2x2+・・・+ak−1xk−1
条件より,
P(1)=a0+a1+a2+・・・+ak−1=1
P(2)=a0+2a1+22a2+・・・+2k−1ak−1=2
P(3)=a0+3a1+32a2+・・・+3k−1ak−1=3
・・・
P(k)=a0+ka1+k2a2+・・・+kk−1ak−1=k
係数に注意すると,このa0〜ak−1の連立方程式の解の1つは,明らかに,
a1=1,a0=a2=a3=a4=・・・=ak−1=0・・・(**)
また,条件より,余り(*)は一意的に存在する.
故に,(**)だけがこの連立方程式の解である.
故に,余りはxである.
まとめると,
k=1のとき,1,k≧2のとき,xである.
問題1
問題2の解答より,余りはxである.
NO3「にいばりZ12」 01/25 23時36分 受信 更新 2/17
問題1 xの整式P(x)をx−1で割った余りが1、x−2で割った余りが2、x−3で割った余りが3となった。
P(x)を(x−1)(x−2)(x−3)で割った余りを求めよ。
解答 P(x)を割り切れる項と割り切れない項である次の2項に分けます。
P(x)=(x-1)(x-2)(x-3)C+x (Cは任意多項式)
(x-1)で割ると商は
(x-2)(x-3)C+1
余りは
1
(x-2)で割ると商は
(x-1)(x-3)C+1
余りは
2
(x-3)で割ると商は
(x-1)(x-2)C+1
余りは
3
P(x)を(x-1)(x-2)(x-3)で割ると商はC
余りは
xとなります・・・回答
問題2 nを2以上の自然数とする。k=1,2,3,・・・,nについて、
整式P(x)をx−kで割った余りがkとなった。
P(x)を(x−1)(x−2)・・・(x−k)で割った余りを求めよ。
解答 問題1と同様にP(x)を割り切れる項と割り切れない項である次の2項に分けます。
P(x)=(x-1)(x-2)(x-3)・・・・(x-k)C+x (Cは任意多項式)
(x-k)で割ると商は
(x-1)(x-2)・・・(x-k+1)C+1
余りは
k
P(x)を(x-1)(x-2)(x-3) ・・・・(x-k)で割ると商はC
余りは
xとなります・・・回答
「にいばりZ12」 01/30 22時27分 受信
更新 2/17
問題2 akを2以上の自然数とする。ak=a1, a2, a3,・・・, anについて、
整式P(x)をx−akで割った余りがakとなった。(つまり(x−a1)で割ったらあまりa1、(x−a2)で割ったらあまりa2・・・、(x−an)で割ったらあまりan)
P(x)を(x−a1)(x−a2)・・・(x−an)で割った余りを求めよ。
整式P(x)をx−kで割った余りがkとなるためには
解答 問題1と同様にP(x)を割り切れる項と割り切れない項である次の2項に分けます。
P(x)=(x-a1)(x-a2)(x-a3)・・・・(x-an)C+x
(Cは任意多項式:Cの最高次数をTとしP(x) の最高次数k+Tとする)
整式P(x)をx−kで割った余りがkとなるためには割り切れない項がxである必要があります
∵余りがx-(x-ak)=ak
(x-a1)(x-a2)(x-a3)・・・・(x-an)で割ると商は
C
余りは
xとなります・・・回答
問題2-1
問題2の整式P(x)の最高次数をkとしたときのP(x)を求めよ
解答P(x)=(x-a1)(x-a2)(x-a3)・・・・(x-an)C+x
(Cは0より大きい任意自然数とする)
NO4「kasama」 02/09 20時55分 受信
更新 2/17
問題1 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
問題2 |
です。この行列Aのi行j列目の要素はxij=ij-1なので、Vandermondeの行列式によると det|A|=≠0 よって、この連立方程式には解が存在します。Cramerの公式を使って、a0⃣ a1 a2 … an-2 an-1 を随時求めると、 |
・・・・・・・・・・・・
つまり、a1=1、他は0です。よって、求める余りは、
R(x)=x です。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。