2019年令和元年6月9日
[流れ星]
第373回数学的な応募解答
<解答募集期間:5月12日〜6月9日>
[大垣八幡宮奉納算術]
先日、友人から、大垣八幡神社に奉納された算額を頂き、解いてみてはどうですかとメールをもらった問題を参考にして、改題して出題します。
ここでは、半径がrの円OをO(r)で表すことにします。
補題
それでは実際の奉納問題です。
問題
問題を現代風に書き変えます。
直角三角形ABCの中へ図にある辺に接する4個の円元D(a)、享D1(b)、貞O(c)、利O1(d)を図のように外接すように入れる。貞の直径2cは4寸、利の直径2dは1寸4分4厘のとき、直角を挟む長い方の辺の長さは144寸であることを示せ。ただし、中心がDで半径rの円をD(r)で表す。また、点E,F,G,Hはそれぞれの円の辺BC上の接点とする。また、点E1はD1から線分DEに下ろした垂線の足とする。
ここで、発展問題です。
となることを示せ。
<水の流れ>初め、股がどこの長さか理解できずにいて、悩みましたので、参考に書いておきます。
釣股弦の術 江戸時代の数学「和算」では直角三角形を釣股弦,三平方の定理のことを釣股弦の術という。 底辺を股,高さを釣(鈎,勺などとも書く),斜辺を弦と呼び,股>釣と約束する。直角三角形がどのような向きにあっても,直角を挟む長い方の辺を股,短い方の辺を釣と言います。
NO1「早起きのおじさん」 05/16 20時15分 受信 更新 6/9
373解答 早起きのおじさん
補題
AC=p、BC=qとします。
円O1とO3をみて、
円O2とO3をみて、
円O1とO2をみて、
(1)より、(2)より、これを(3)に代入すると、
問題
a、bの長さを求めます。
円O、D1、O1をみて、
円D、D1、Oをみて、
別に、
ここで、c=2、d=0.72を代入すると、
先ず、BCの長さを求めてみます。
BC=BE+ECです。
△D1E1Dが直角三角形なので、
△D1E1D∽△CEDなので、
よって、
次にABの長さを求めてみます。
△ABCが直角三角形なので、
です。
AL=AM=x とおきます。
AC=AL+LC=x+EC=x+24
AB=AM+MB=x+a=x+18
BC=42
よって、
よって、AB=126+18=144
これらの結果を比べて長い方の辺の長さは144寸。
発展問題
MB=a
として、計算してみると、
おまけ
直角二等辺三角形になる場合を調べます。
として考えます。
上の結果から、
これらが等しいとすると、
両辺をabで割ります。
ここで、 とおきます。
よって、式(4)は、
この2次方定式を解くと、(t>0)
この二つの円に外接する三角形は上のような概形になります。
NO2「浜田明巳」
05/20 13時44分 受信 更新 6/9
補題
O3を通り,ABに平行な直線と,O1A,O2Bとの交点をそれぞれI,Jとすると,
AC=IO3=(O1O32−O1I2)1/2
={(r1+r3)2−(r1−r3)2}1/2
=2(r1r3)1/2
同様に,
BC=O3J=2(r2r3)1/2
r1>r2として、O2からO1Aに垂線O2Kを下ろすと,同様に,
AB=KO2=2(r1r2)1/2
AB=AC+BCより,2(r1r2)1/2=2(r1r3)1/2+2(r2r3)1/2
r1r2r3≠0より,1/√r3=1/√r1+1/√r2
問題
2c=4,2d=1.44より,c=2,d=1.44/2
円D,D1,Oにおいて,補題より,
1/√c=1/√a+1/√b
円O,D1,O1において,補題より,
1/√d=1/√c+1/√b=(1/√a+1/√b)+1/√b=1/√a+2/√b
p=1/√a,q=1/√bとすると,
p+q=1/√c=1/√2=√2/2・・・(1)
p+2q=1/√d=√2/√1.44=√2/1.2=5√2/6・・・(2)
(2)−(1)より,q=√2/3
(1)より,p=√2/2−√2/3=√2/6
∴1/√a=√2/6,1/√b=√2/3
∴a=18,b=9/2
補題より,
EF=2(ac)1/2=2(18・2)1/2=12
FH=2(bc)1/2=2(9/2・2)1/2=6
∴EH=EF+FH=12+6=18
△CDEにおいて,D1H:DE=b:a=(9/2):18=1:4
∴EC=4/3・EH=4/3・18=24
円DとAB,ACとの接点をそれぞれP,Qとすると,
BE=BP=a=18
EC=CQ=24
さらに,
AP=AQ=x
とする.
△ABCにおいて,AB2+BC2=AC2
∴(x+18)2+(18+24)2=(x+24)2
∴2・18・x+182・2+2・18・24=2・24・x
∴2・6・x=2・18・(18+24)
∴x=126
∴AB=x+18=144
発展問題
(最初,{4cd(√c−√d)}/[(2√d−√c)[{4(cd)1/2−2c−d}]に,c=2,d=1.44/2
を代入するだけか,と思ってしまいました.忖度します)
上記問題より,
1/√a+1/√b=1/√c・・・(1)
1/√a+2/√b=1/√d・・・(2)
(2)−(1)より,1/√b=1/√d−1/√c
(1)より,1/√a=1/√c−(1/√d−1/√c)=2/√c−1/√d
a,bは存在するので,
√a=(√c√d)/(2√d−√c),√b=(√c√d)/(√c−√d)・・・(3)
このとき,EH=2√a√b
DE:D1H=a:bから,
EC=a/(a−b)・EH=(2a√a√b)/(a−b)
∴BC=BE+EC=a+(2a√a√b)/(a−b)
AP=AQ=xとすると,
AB=AP+PB=x+a
AC=AQ+QC=x+(2a√a√b)/(a−b)
AB2+BC2=AC2より,
(x+a)2+{a+(2a√a√b)/(a−b)}2={x+(2a√a√b)/(a−b)}2
∴2ax+2a2+2a・(2a√a√b)/(a−b)=2x・(2a√a√b)/(a−b)
∴2a{(2√a√b)/(a−b)−1}x=2a2{1+(2√a√b)/(a−b)}
a≠0より,
{2√a√b−(a−b)}x=a{(a−b)+2√a√b}
xは存在するので,
x=a・{(a−b)+2√a√b}/{2√a√b−(a−b)}
∴AB=x+a=a・{(a−b)+2√a√b}/{2√a√b−(a−b)}+a
=a・[{(a−b)+2√a√b}+{2√a√b−(a−b)}]/{2√a√b−(a−b)}
=(4a√a√b)/{2√a√b−(a−b)}
(3)より,
AB=4・[(cd)/(2√d−√c)2・(cd)/{(2√d−√c)(√c−√d)}]
/[(2cd)/{(2√d−√c)(√c−√d)}−(cd)/(2√d−√c)2+(cd)/(√c−√d)2]
cd≠0より,
AB={4cd・(√c−√d)/(2√d−√c)}/{2(2√d−√c)(√c−√d)−(√c−√d)2+(2√d−√c)2}
={4cd(√c−√d)}
/[(2√d−√c){2(−c−2d+3√c√d)−(c+d−2√c√d)+(4d+c−4√c√d)}]
={4cd(√c−√d)}/{(2√d−√c)(4√c√d−2c−d)}
NO3「三角定規」
06/03 10時25分 受信 更新 6/9