令和元年11月24日
[流れ星]
第379回数学的な応募解答
<解答募集期間:10月27日〜11月24日>
[素数の和]
初めのn個の素数の和をSnとおく。
例えば、S1=2、S2=2+3=5、S3=2+3+5=10 である。
任意の自然数nに対して、SnとSn+1の間に平方数が存在することを証明せよ。
素数列は、2、3、5、7、11、13、17、・・・について、そのn番目の数がnのどういう関数となるか分かっていません。上の問題を証明することは困難になります。
そこで、「一般化」した次の問題を証明してください。
問題 自然数列{an}は次の条件をみたしている。
a1=2、a2=3、an+1―an≧2(n≧2)
Sn=a1+a2+・・・+an
とおくとき、任意の自然数nに対して、SnとSn+1の間に平方数が存在することを証明せよ。
ヒント:背理法を利用してください。
<出典:「数学的思考の構造」塚原成夫 著 (現代数学社)>
NO1「スモークマン」 10/29
23時47分 受信 更新 11/24
回答
S(n)=2+3+a(3)+a(4)+...+a(n)
>1+3+5+7+...
=n^2
S(n+1)>(n+1)^2
so...
n^2+1<=S(n)
(n+1)^2+1<S(n+1)
so...
S(n)とS(n+1)との間には、(n+1)^2という平方数が存在してる
QED
一般化して考えることがブレークスルーになるというのが面白いですね ^^☆
<水の流れ:Sn=2+3+a3+a4+a5+・・・+an
>1+3+5+7+9+・・・+(2n−1)
=n2
∴n2<Sn,(n+1)2<Sn+1
しかしだからといって,
n2<Sn≦(n+1)2<Sn+1
となるかどうかは分からない.
n2<(n+1)2<Sn<Sn+1
かも知れない.
「スモークマン」 11/14 20時35分 受信
更新 11/24
なるほど...!!
so... もう一度考えてみました...
n2<(n+1)2<Sn<Sn+1
とすると、
S(n+1)は(n+2)^2-1までとなりますが、
S(n+1)=(n+2)^2-1 or (n+2)^2-2なら、S(n+2)>(n+2)^2+0 or +1 なので、S(n+1)とS(n+2)の間には(n+2)^2という平方数があり、
S(n+1)=(n+2)^2-3 or (n+2)^2-4 なら、S(n+3)>(n+2)^2+0 or +1 なので、S(n+1)とS(n+2)の間に(n+2)^2
以下、多分、同様に言えることとなり、
実際に、 2,3,5,7で、2^2<3^2<S(3)<S(4)を満たしているので言える。
結局、
(1) n2<Sn≦(n+1)2<Sn+1 のときは明らか。
(1) n2<(n+1)2<Sn<Sn+1 のときは、上のアプローチで...
ということではいかがでしょうか?
NO2「早起きのおじさん」 11/01 17時34分 受信 更新 11/24
とします。
よって
ゆえに となります。
第2項以降が等差2の数列(奇数)は、SnとSn+1 の間に平方数(n+1)2 (項数の平方)があります。
問題の条件は、 なので、当然Snは第2項以降が奇数の場合より大きくなります。
だから、SnとSn+1の間に平方数が存在するのは当たり前の感じがします。
例えていうと「歩いてどの障害も越えられるとき、走ってもすべての障害を越えられることを示せ」という感じです。
走るときは歩くときよりより歩幅が広くなるのですから。
「感じ」が合っているか確かめます。
Sn+1が(n+k)2 を超える場合を考えます。(n≧2、k≧1)
に、 を加えると、 となります。
この値は、(n+k)2 の次の平方数より1大きくなります。
第n項までは、 とします。
そして、
とします。
すると、
さて、最小のSn+2を考えます。
とします。
この値と、先ほどの値を比べます。
なので、kが1より大きいときは、 の方が大きいので、Sn+2 が平方数を超えるのは明らかです。
実際、
となります。
この値は、k≧2のとき、正となります。
つまり、k≧2のとき、Sn+1とSn+2の間に 個の平方数が存在します。
S1,S2,S3,・・・,Snのどこか隣り合う二数の間に2個以上の平方数があったとします。
すると、Snを超えない最大の平方数は、(n+1)2以上になります。
よって、an+1は、2(n+1)+1より大きくなるので、Sn+1は、少なくとも (n+2)2 を超えます。
今回は、出題の意図がよく分かりませんでした。
背理法を使うとありますが、ヒントもよく理解できませんでした。
NO3「二度漬け白菜」 11/04
15時09分 受信 更新 11/24
(証明)
n≧2なる任意の自然数 n に対して,
a[n]
=(a[n]-a[n-1])+(a[n-1]-a[n-2])+…+(a[3]-a[2])+(a[2]-a[1])+a[1]
≧2*(n-2)+(3-2)+2
=2*n-1.
つまり,a[n]≧2*n-1 (n≧2) である.
よって,
S[n+1]
=a[1]+Σ[j=2〜n+1]a[j]
=2+Σ[j=2〜n+1]a[j]
≧2+Σ[j=2〜n+1](2*j-1)
=1+(n+1)^2.
つまり,1+(n+1)^2≦S[n+1] (n≧1) ---(1)
が成り立っている.
また,2≦j≦n なる任意の自然数 j,n に対して,
a[n+1]
=(a[n+1]-a[n])+(a[n]-a[n-1])+…+(a[j+1]-a[j])+a[j]
≧2*(n-j+1)+a[j].
よって,
a[j]≦a[n+1]-2*(n-j+1) (2≦j≦n) ---(2)
が成り立っている.
2=S[1]<4<S[2]=5 であるから,S[1] と S[2] の間には
確かに平方数が存在する.
いま,2以上のある自然数 N に対して,S[N] と S[N+1] の間に平方数が
存在しなかったと仮定する.
このとき,
K^2≦S[N]<S[N+1]≦(K+1)^2 ---(3)
なる自然数 K が存在する.
(1),(3)より,1+(N+1)^2≦(K+1)^2 であるから, K≧N+1 ---(4)
(3)より, S[N+1]-S[N]≦(K+1)^2 - K^2.
よって,a[N+1]≦2*K+1.
これと(2)とから,
a[j]≦2*(K-N+j)-1 (2≦j≦N)
である.
よって,
S[N]
=a[1]+a[2]+…+a[N]
=2+Σ[j=2〜N]a[j]
≦2+Σ[j=2〜N](2*(K-N+j)-1)
=K^2+2-(K-N+1)^2
≦K^2+2-2^2 (∵ (4)より K-N+1≧2)
=K^2-2
<K^2.
つまり,S[N]<K^2 となるが,これは(3)に反する.
よって矛盾が生じた.
よって,2以上の任意の自然数 n に対して,S[n] と S[n+1] の間に平方数が
存在する.
以上より,任意の自然数 n に対して,S[n] と S[n+1] の間に平方数が
存在することが示せた. (証明終)
(以上)
NO4「浜田明巳」
11/09 10時44分 受信 更新 11/24
a1=2,a2=3,an+1−an≧2(n=2,3,4,・・・),Sn=Σ1≦k≦n ak
背理法で証明する.
ある正整数nにおいて,m2≦Sn<Sn+1≦(m+1)2となる整数mが存在すると仮定すると,
Sn+1≦(m+1)2
−Sn≦−m2
辺々を加えると,
an+1=Sn+1−Sn≦(m+1)2−m2=2m+1
∴an+1≦2m+1
an+1−an≧2より,
an≦an+1−2≦2m−1
∴an−1≦an−2≦2m−1−2
∴an−2≦an−1−2≦2m−1−2・2
・・・
∴an−(n−3)≦2m−1−2(n−3)=2(m−n)+5・・・@
∴an−(n−2)≦2m−1−2(n−2)=2(m−n)+3・・・A
Aより,a2=3≦2(m−n)+3
∴m≧n
i). m=nのとき,@より,
a3≦5
また,a3≧a2+2=5
∴a3=5
同様に,
a4=a3+2=7
a5=a4+2=9
・・・
∴an=2n−1(n≧2)
a1=1+1から,
Sn+1=1+Σ1≦k≦n+1(2k−1)
=1+2・1/2・(n+1)(n+2)−(n+1)
=n2+2n+2
>(n+1)2=(m+1)2
∴Sn+1>(m+1)2
これは,Sn+1≦(m+1)2に反する.
ii). m>nのとき,
n=1のとき,m2≦S1<S2≦(m+1)2,すなわち,
m2≦2,5≦(m+1)2
となる整数mは存在しない.
n=2のとき,m2≦S2<S3≦(m+1)2,すなわち,
m2≦5,10≦5+a3≦(m+1)2(∵a3≧a2+2=5)
となる整数mは存在しない.
以上より,n≧3となる.
このとき,
an≦2m−1
an−1≦2m−3
an−2≦2m−5
・・・
a3≦2(m−n)+5
a2=3
a1=2
辺々を加えると,
Sn=a1+a2+a3+・・・+an
≦2+3+{2(m−n)+5}+{2(m−n)+7}+{2(m−n)+9}+・・・+(2m−1)
={1+3+5+・・・+(2m−1)}+1−[5+7+9+・・・+{2(m−n)+3}]
<1+3+5+・・・+(2m−1)
=Σ1≦k≦m(2k−1)
=2・1/2・m(m+1)−m
=m2
∴Sn<m2
これは,m2≦Snに反する.
以上により,すべての正整数nにおいて,Sn<m2<Sn+1となる整数mが存在する.
(大変な証明でした)
<水の流れ:出典の解答 12月2日 記述>
背理法により結論を否定します。
ある自然数nに対して適当な自然数kとの間に以下の関係が成立することとなる。
k2≦Sn<Sn+1≦(k+1)2 ・・・・@
すると、an+1=Sn−1―sn≦(k+1)2―k2
故に an+1≦2k+1
定義の式より an≦an+1−2
故に an≦2k−1
an−1≦2k−3
・・・・・・・・・
a3≦(2k+1)−2(n―2)
a2≦(2k+1)−2(n―1)=x
ここで、xの値によって、「場合分け」する。
(1) x=3のとき
このとき a3≦5 となる。
一方 {an}の定義式より、a2=3 ,a3≧a2+2=5であるから、a3=5
以下同様にして、この場合には上の不等号≦はすべて=となる。すると、
an+1+an+・・・a3+a1=(2k+1)+(2k−1)+・・・+3+2
>(2k+1)+(2k−1)+・・・+3+1
=(k+1)2
故に Sn+1>(k+1)2となり、@ に矛盾する。
(2)x>3のとき
xは奇数より a3≦5 となる。すると、
an+an−1+・・・a3+a1≦(2k―1)+(2k−3)+・・・+5+2
<(2k―1)+(2k−3)+・・・+5+3+1
=k2
故に Sn<k2となり、@ に矛盾する。
(1)、(2)いずれの場合にも矛盾が生じて、「一般化」した上の問題が証明されたことになる。 証明終わり。