令和2年2月16日
[流れ星]
第382回数学的な応募解答
<解答募集期間:1月19日〜2月16日>
[規則性のある極限値]
過去に購読していた「初等数学」の第40号2000年9月号の中で、仁平政一さんの原稿を参考にして、作問しました。
2020年に因んだ問題の応募解答は別のフャイルにしました。
http://ryugen3.sakura.ne.jp/kadai12/kadai382b.htm
ここをご覧ください。
NO1「早起きのおじさん」 01/20 15時17分 受信 更新 2/16
382解答 早起きのおじさん
問題1
または、
問題2
または、
とおくと、
右辺は、
ここで、
よって、
問題3
問題4
とおくと、
右辺は、
ここで、
よって、
問題5
とおくと、
右辺は、
ここで、
よって、
問題6
とおくと、
右辺は、
ここで、
よって、
NO2「スモークマン」 01/25 17時44分 受信
更新 2/16
(1)
n(n+1)/(2n^2)=n^2/(2n^2)+1/(2n^2)
so…1/2
(2)
Σk(k+1)=Σk^2+Σk
=n(n+1)(2n+1)/6+n(n+1)/2
or
(1/n)^2+(2/n)^2+…+(n/n)^2<?<(n/(n+1))^2*{(2/(n+1)}^2+(3/(n+1))^2+…+(n+1)/(n+1))^2}
∫[0,1]x^2 dx<?<∫[0,1]x^2 dx
so…1/3
(3)
∫[0,1]√x*dx=[x^(3/2)/(1/2+1)]=2/3
(4)
(1/n)+(2/n)+…+(n/n)<?<((n+1)/n)*{2/(n+1)+3/(n+1)+…+(n+1)/(n+1)}
∫[0,1]xdx<?<(n+1)/n*∫[0,1]xdx
so…1/2
(5)
(1/n)^(p+1)+(2/n)^(p+1)+…+(n/n)^(p+1)<?<(n/(n+1))^(p+1)*{(2/(n+1))^(p+1)+(3/(n+1))^(p+1)+…+((n+1)/(n+1))^(p+1)}
so…
∫[0,1]x^(p+1) dx<?<∫[0,1]x^(p+1) dx
so…
1/(p+2)
(6)
(1/n)^(p+1)/2+(2/n)^(p+1)/2+…+(n/n)^(p+1)/2<?<((n+1)/n)^(p+1)/2*{(2/(n+1))^(p+1)/2+(3/(n+1))^(p+1)/2+…+((n+1)/(n+1))^(p+1)/2}
so…
∫[0,1] x^(p+1)/2 dx
=2/(p+3)
NO3「浜田明巳」
02/10 10時02分 受信 更新 2/16
問題1
(1+2+3+・・・+n)/n2
={1/2・n(n+1)}/n2
=1/2・(1+1/n)
→1/2(n→∞)
問題2
{1・2+2・3+3・4+・・・+n・(n+1)}/n3
=1/n3・Σ1≦k≦nk(k+1)
=1/n3・Σ1≦k≦n(k2+k)
=1/n3・{1/6・n(n+1)(2n+1)+1/2・n(n+1)}
=1/6・(1+1/n)(2+1/n)+1/2・(1/n+1/n2)
→1/3(n→∞)
問題3
limn→∞(√1+√2+√3+・・・+√n)/(n√n)
=limn→∞{(1/n)1/2+(2/n)1/2+(3/n)1/2+・・・+(n/n)1/2}/n
=limn→∞1/n・Σ1≦k≦n(k/n)1/2
=∫0≦x≦1x1/2dx
=2/3・[x3/2]0≦x≦1
=2/3
問題4
k>0のとき,k2<k(k+1)<(k+1)2より,
k<{k(k+1)}1/2<k+1
k=1,2,3,・・・,nを代入し,辺々を加えると,
1/2・n(n+1)<Σ1≦k≦n{k(k+1)}1/2<1/2・n(n+1)+n=1/2・n(n+3)
n2>0から,
1/2・(1+1/n)<1/n2・Σ1≦k≦n{k(k+1)}1/2<1/2・(1+3/n)
n→∞とすると,最左辺,最右辺は共に1/2に収束するので,はさみうちの原理より,
limn→∞1/n2・Σ1≦k≦n{k(k+1)}1/2=1/2
尚,問題1〜4の式の分母の次数は,それぞれ,
2,3,3/2,2
となり,答の逆数となっている.
問題5
a1〜apを定数として,
k(k+1)(k+2)・・・(k+p)=kp+1+a1kp+a2kp−1+・・・+apk
とすると,
1/np+2・Σ1≦k≦nk(k+1)(k+2)・・・(k+p)
=1/np+2・Σ1≦k≦n(kp+1+a1kp+a2kp−1+・・・+apk)
=1/np+2・Σ1≦k≦nkp+1+a1・1/np+2・Σ1≦k≦nkp+a2・1/np+2・Σ1≦k≦nkp−1
+・・・+ap・1/np+2・Σ1≦k≦nk
ここで,1≦m≦p,mは整数とすると,
limn→∞1/np+2・Σ1≦k≦nkm
=limn→∞1/np+1−m・1/n・Σ1≦k≦n(k/n)m
=limn→∞1/np+1−m・limn→∞1/n・Σ1≦k≦n(k/n)m
=0・∫0≦x≦1xmdx
=0
∴limn→∞1/np+2・Σ1≦k≦nk(k+1)(k+2)・・・(k+p)
=limn→∞1/np+2・Σ1≦k≦n(kp+1+a1kp+a2kp−1+・・・+apk)
=limn→∞1/np+2・Σ1≦k≦nkp+1+a1・0+a2・0+・・・+ap・0
=limn→∞1/n・Σ1≦k≦n(k/n)p+1
=∫0≦x≦1xp+1dx
=1/(p+2)・[xp+2]0≦x≦1
=1/(p+2)
(確かに分母の指数が,答の逆数となっている)
問題6
p=0のとき,問題3と同問題となり,2/3
p>0のとき,問題5と同様に,
k(k+1)(k+2)・・・(k+p)=kp+1+a1kp+a2kp−1+・・・+apk
とする.
a>0,b>0のとき,(a+b)1/2<√a+√bであり,ai>0(1≦i≦p)であるから,
k(p+1)/2<{k(k+1)(k+2)・・・(k+p)}1/2
<k(p+1)/2+√a1・kp/2+√a2・k(p−1)/2+・・・+√ap・k1/2・・・(1)
ここで,
limn→∞1/n(p+3)/2・Σ1≦k≦nk(p+1)/2
=limn→∞1/n・Σ1≦k≦n(k/n)(p+1)/2
=∫0≦x≦1x(p+1)/2dx
=2/(p+3)・[x(p+3)/2]0≦x≦1
=2/(p+3)
limn→∞1/n(p+3)/2・Σ1≦k≦n{k(p+1)/2+√a1・kp/2+√a2・k(p−1)/2+・・・+√ap・k1/2}
=limn→∞1/n・Σ1≦k≦n(k/n)(p+1)/2
+√a1・limn→∞1/n1/2・1/n・Σ1≦k≦n(k/n)p/2
+√a2・limn→∞1/n・1/n・Σ1≦k≦n(k/n)(p−1)/2
+・・・
+√ap・limn→∞1/np/2・1/n・Σ1≦k≦n(k/n)1/2
=2/(p+3)+√a1・0+√a2・0+・・・+√ap・0
=2/(p+3)
(1)より,はさみうちの原理から,
limn→∞1/n(p+3)/2・Σ1≦k≦n{k(k+1)(k+2)・・・(k+p)}1/2=2/(p+3)
これは,p=0の場合も含む.
(分母の指数が,答の逆数となっている)
NO3「ジョーカー」
02/12 17時42分 受信 更新 2/16
NO4「三角定規」 02/15 10時59分 受信 更新 2/16
NO5「水の流れ」 02/22 17時 更新 2/122
皆さんからの解答に衷心より深くお礼を申し上げます。
さて、問題1から問題4までは、無限級数の極限値と定積分の公式を用いる解答も想定していました。そこで、一般の場合が問題5と問題6です。
こちらの予定していた解答は問題5に関しては「ジョーカー」や「三角定規」と同じで一般の連続する自然数の積の和の式を利用して求める解法です。
問題6に関しては、仁平政一さんが、さらに一般の場合を考えて投稿されていますので、この解答を載せておきます。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。