令和3年7月25日
[流れ星]
第403回数学的な連続応募問題
<解答募集期間:7月25日〜8月22日>
[田代神社の算額(1)]
岐阜県養老郡養老町高田 田代神社
現存する算額(養老町指定文化財) 縦65cmチ横99cm
上の写真は、天保12年(1841)8月に関流和算家谷松茂門人・土屋信義門人が奉献した年次算額である。
今回の三問は11歳から13歳までの児童の問題です。答えは当時の漢文を解読して、確かめてください。もちろん現代風の解答で答えとします。
第一問題
訓読
今図の如く方田あり、其[積をもって]円田を製せんと欲す。ただに云う、方面若干径を得る術如何と問う。
答えて曰く、方面を置き、定法一一二を乗じて得る。
関流土屋信義門人 十二歳童 土屋房吉 謹考
題意 与えられた正方形に等しい面積を持つ円の直径を求めよ。
参考:円周率πを3.14としています。
第二問題
訓読
今図の如く平方有り、内に四等の円を容れて、黒積を設く。その黒積若干、等径を得る術を問う如何。
答えて曰く、一箇を置き、内より円積率を減じ、余を以て黒積を除く平方これを開きこれを半ばして等径を得る。
同門 十三歳童 井口百一郎 謹考
参考 円積率とは円の面積を求めるときの定数。直径1の円の面積の定数π/4
題意 与えられた正方形の中に四個の等円を入れる。黒い部分の面積を知って等円の直径を求めよ。
第三問題
訓読
今図の如く平方内に二斜を隔てて、甲方三箇及び乙方一箇有り。ただ、甲方面の若干を云て、乙方面を得る術を問うに如何。
答えて曰く、五箇を置き平方これを開き、内より一箇を減じ、余りこれを半ばして甲方面を乗じて乙方面を得る。
同門 十一歳童 日比野平之丞 謹考
題意
正方形の内に二個の斜線を作り甲の正方形三個と乙の正方形一個を入れる。甲の正方形の一辺の長さを知って乙の正方形の一辺の長さを求めよ。
参考文献
1 「岐阜県の算額の解説」 木重治 著
2 養老・上石津神社の棟札・絵馬・古文書資料集
岐阜県神社庁養老上石津支部 発行 2018年発行
追加問題(提供者 ジョーカーさん)
ヒント:補題の利用。
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