平成16年6月6日
[流れ星]
第138回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:5月16日〜6月6日>
[相加・相乗平均]
NO1「H7K」
5/16: 13時30分受信 更新6/6更新
「H7K」 5/16: 22時10分受信 更新6/6更新
この問題については,先に積が決まっていたから,表現に苦労しました.幸い,似た問題を先日解いていました.あとの証明方法としては,
n=4のとき:a_1+a_2>=2 sqr(a_1a_2),a_3+a_4>=2 sqr(a_3a_4).
よって,a_1+a_2+a_3+a_4>=2(sqr(a_1a_2)+sqr(a_3a_4))>=4 sqr(sqr(a_1a_2a_3a_4)).
同様に,n=2^kのときも成立.
さて,n=k+1のとき成立しているとすると,
a_1+a_2+...+a_k+(a_1a_2...a_k)^(1/k)>=(k+1)(a_1a_2...a_k*(a_1a_2...a_k)^(1/k))^(1/k+1)
=(k+1)(a_1a_2...a_k)^(1/k)
よって,a_1+a_2+...+a_k>=k(a_1a_2...a_k)^(1/k)
であるので,n=kのときも成立.
以上より,任意のn>=2について,云々.とかがありますね.
<水の流れ>帰納法の証明は考えていましたが、関数としての発想は予定していませんでした。これも良し ですね。>
帰納法以外で証明はできるんでしょうか?
<水の流れ>現在は気がついていませんが。
NO2「toru」 5/18: 13時24分受信
更新6/6更新
問題1
数学的帰納法による。
証明すべきは、“a1a2-----an=1の時,a1+a2+-----+an≧n (n≧2)ただし、等号はa1=a2=----=an=1の時に限る”である。
1) n=2の時、a1a2=1 でa1≦1≦a2としてよい、a1+a2-2=(1-a1)(a2-1)≧0で等号はa1=a2=1の時に限る。よって成立する。
2) n=kで成り立つとして、n=k+1の時を考える、a1a2---aka(k+1)=1で適当に順番を並び変えて、ak≦1≦a(k+1)としてよい。
bk=aka(k+1)とすると、a1a2----a(k-1)bk=1だから仮定よりa1+a2+---+a(k-1)+bk≧k,(等号はa1=a2=---=bk=1の時に限る)
ak+a(k+1)-bk-1=(1-ak)(a(k+1)-1)≧0と辺辺をたすとa1+a2+---+a(k-1)+ak+a(k+1)-1≧kよりn=k+1で成り立つことが示された。
等号はa1=a2=---=a(k-1)=bk=1かつ ak=a(k+1)=1の時、すなわちa1=a2=-----=ak=a(k+1)=1に限る。
問題2
一般にa1a2----an=G の時、G^(1/n)=gとして、ak/g=bk (k=1,2---n) とするとb1b2--bn=1 問題1より、b1+b2+----bn≧n
すなわちa1+a2+---an≧ngから(a1+a2+---an)/n≧(a1a2----an)^(1/n)
第138回解答を送ります。残念ながら今回はカンニングです。普通は両辺の対数をとってy=logxが上に凸であることを使うのだと思いますが、
実に様々な証明法があるようで、興味深く思いました。またよろしくお願いします。
NO3「kashiwagi」5/19: 13時52分受信 更新6/6更新
138回
解答
問1.
n≧2に於いて、a1、・、anが全て正数のときa1 a2 ・・an=1が成り立つならば、(a1+
a2 +・・・・・+ an)≧n である
帰納法を使い証明する。
まずn=2で成立する事を証明する。
一般的に(√a1−√a2)2≧0が成立する。
即ち、a1+a2−2√a1a2≧0
a1+a2≧2√a1a2
= 2となり証明された。
次にn=kの場合成立すると仮定すると、
a1+ a2 +・・・・・+ ak ≧k
両辺にak+1を加えると
a1+ a2 +・・・・・+ ak+ ak+1 ≧k+
ak+1
ところで、a1
a2 ・・ak+1=1より
ak+1=1/a1
a2 ・・akであるから ak+1=1
因って、a1+
a2 +・・・・・+ ak+
ak+1 ≧k+ 1
が成立する。
問2.
(a1+
a2 +・・・・・+ an)≧n より
(a1+
a2 +・・・・・+ an)/n≧1
ここでa1
a2 ・・an=1の関係より1の乗根は何乗しても1であるから
= a1
a2 ・・an
=√(a1
a2 ・・an)
= (a1 a2 ・・an)
=・・・・
=(a1a2
・・an)
即ち、
(a1+
a2 +・・・・・+ an)/n≧(a1a2
・・an)
が成立する。
NO4「kasama」 5/25: 16時47分受信
更新6/6更新
【問題1】
数学的帰納法で証明します。
(1)n=2のとき
a1a2=1 ですから、一方が1以上で,他方が1以下で、
(a1-1)(a2-1)≦0 ⇒ a1a2+1≦a1+a2 ⇒ 2≦a1+a2となり、成立します。
(2)n=kのとき
a1a2・・・ ak=1で、a1+a2+・・・ +ak≧kが成り立つと仮定します。
(3)n=k+1のとき
1以上のものと1以下のものを選び、番号を付け替えて 、a1≧1、 a2≦1としても構いません。すると、
(a1-1)(a2-1)≦0 ⇒ a1a2+1≦a1+a2
ですから、
(a1+a2)+a3+・・・ +ak+1≧(a1a2+1)+a3+・・・ +ak+1
です。ここで、仮定(2)より、(a1a2)・・・ akak+1=1 と考えてると、
(a1a2)+a3+・・・ +ak+ak+1≧k なので、
a1+a2+a3+・・・ +ak+ak+1≧k+1 です。よって、n=k+1の場合も成り立ちます。
(1)、(2)、(3)よりすべてのnについて、a1a2・・・ an=1のとき、a1+a2+・・・ +an≧nが成り立ちます。
【問題2】
正数A1、A2、・・・、 Anに対して、
Ai/m1/n ⇒ ai
と変換すれば、問題1の条件式に帰着できます。ただし、m=A1A2・・・ Anとします。
すると、a1a2・・・ an=1のとき、a1+a2+・・・ +an≧nなので、
(A1+A2+・・・ +An)/m1/n≧n
⇒ (A1+A2+・・・ +An)/n≧m1/n
⇒ (A1+A2+・・・ +An)/n≧(A1A2・・・ An)1/n
です。
NO5「中川幸一」 6/07: 03時04分受信
更新6/7更新