平成18年11月12日
[流れ星]
第181回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:10月22日〜11月12日
[約数の個数]
皆さん、今年度の香川大学の入試問題を参考して出題します。是非チャレンジください。
数列{an}を次のように定める。
nの正の約数の個数が偶数ならば、an=0
nの正の約数の個数が奇数ならば、an=n
問題1:初項a1から第8項a8までの値を求めよ。
問題2:an=nとなるようなnはどのような数か理由をつけて答えよ。
問題3:初項a1から第2006項a2006までの和を求めよ。
問題4:初項a1から第n項anまでの和が2006以下となるようなnの最大整数を求めよ。
NO1「uchinyan」10/12 16時13分受信 更新11/12
第181回数学的な応募問題
[約数の個数]
問題1:
a(1) = 1, a(2) = 0, a(3) = 0, a(4) = 4, a(5) = 0, a(6) = 0, a(7) = 0, a(8) = 0
問題2:
n を素因数分解して n = p^a * q^b * r^c * ... となったとします。
約数は、p^x * q^y * r^z * ..., 0 <= x <= a, 0 <= y <= b, 0 <= z
<= c, ... なので、
その個数は、(a + 1) * (b + 1) * (c + 1) * ... 個 になります。
a(n) = n となるのは、約数の個数が奇数の場合なので、
(a + 1) * (b + 1) * (c + 1) * ... が奇数でなければなりません。
したがって、a, b, c, ... は、すべて偶数でなければなりません。
そこで、n の素因数分解の指数が偶数なので、n は、完全平方数ということになります。
問題3:
問題2:から分かるように、結局、a(n) のうち 0 でないのは、1 〜 2006 のうちの完全平方数だけです。
44 = sqrt(1936) < sqrt(2006)
< sqrt(2025) = 45 なので、
求める和 = 1^2 + 2^2 + 3^2 + ... + 44^2
= 1/6 * 44 * (44 + 1) * (2 * 44 + 1) = 1/6 * 44 * 45 * 89 = 29370
問題4:
同様に考えて、
S(k) = 1^2 + 2^2 + 3^2 + ... + k^2 = k(k+1)(2k+1)/6
とすると、完全平方数以外は a(n) = 0 であることに注意して、
n は、2006 < S(k) となる最小の k を用いて、n = k^2 - 1 と書けます。
そこで、
2006 < k(k+1)(2k+1)/6
12036 < k(k+1)(2k+1)
10710 = 17 * (17 + 1) * (2 * 17 + 1), 12654 = 18 * (18 + 1) * (2 * 18 + 1) なので、
n = 18^2 - 1 = 323
になります。
(感想)
問題4:は、引っ掛け問題っぽいですね...
なお、完全平方数にまつわるこの手の問題は、中学入試でも出ていたらしいです。
算数問題サイトにも、類題があります。例えば、
http://www.sansu.org/kakomon/toi009.html
初めてこの問題を解いたときに感じた感動を、今でも忘れません (^^;
NO2「kashiwagi」10/26 07時35分受信 更新11/12
181回問題
問1.一つ一つ書き出してみると、となることが分かる。
問2.上の値よりある数とは平方数であることが分かる。ある数の約数はかならず2数の積として表されるので偶数、しかし平方数は同じ約数なので一つ、即ち奇数となる。
問3. 442<2006<452 であるので求めるものは442までの平方数の和であり、公式を使い計算すると29370となる。
問4 を計算するとn=17 となる。
即ち、18の平方数324の一つ前までよいことになり求めるものは323である。
NO3「Toru」
10/27 13時12分受信 更新11/12
問題1 a1=1,a2=0,a3=0,a4=4,a5=0,a6=0,a7=0,a8=0
問題2 約数の数は、nを素因数分解した時の(各因数の指数+1)の積であるから
これが奇数になるためには、これらが全て奇数、すなわち指数が全て偶数、つまりn
が平方数であることが必要十分である。
問題3 1^2+2^+----+n^2=1/6 n(n+1)(2n+1)
において44^2=1936,45^2=2025より
2006までの平方数の和は
1+4+9+16+25+36+----------+44^2=1/6 x44x45x89=29370
問題4 f(n)=1/6 n(n+1)(2n+1)
においてf(17)=1785, f(18)=2109よりまた18^2=324
より323
NO4「浜田明巳」10/30 13時14分受信 更新11/12
NO5「kasama」 11/09 23時26分受信 更新11/12
問題1 1〜8を素因数分解すると、1,2=21,3=31,4=22,5=51,6=2131,7=71,8=23なので、a1=1,a2=0,a3=0,a4=4,a5=0,a6=0,a7=0,a8=0です。
問題2 正の整数aは素因数分解できて、a=p1α1p2α2・・・pmαmと表すことができます。すると、約数の個数は(α1+1)(α2+1)・・・(αm+1)ですから、これが奇数になるには、α1,α2,・・・,αmがすべて偶数でなければなりません。よって、an=nとなるようなnは平方数です。
問題3 2006以下の平方数の和を計算すればよいのです。2006以下の最大の平方数は442(=1936)なので、
k2=44×(44+1)×(2×44+1)/6=29370
です。
問題4 Σk2=n(n+1)(2n+1)/6≦2006を満足するnの最大値を求めればよいのです。あまり利口な方法ではありませんが、数が小さいので数式ソフトで調べるのが手っ取り早いです。
(15:51) gp > sum(k=1,17,k^2)
%1 = 1785
(15:51) gp > sum(k=1,18,k^2)
%2 = 2109
よって、182=324よりnの最大整数は323です。