平成18年12月3日
[流れ星]
第182回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:11月12日〜12月3日
[群数列]
皆さん、過去のの宮崎大学の入試問題を参考して出題します。是非チャレンジください。
数列{an}は、an=[log2n]で定義されている。ただし、[x]は、xを超えない最大整数を表すものとする。
問題1:初項a1から第8項a8までの値を求めよ。
問題2:an=k(k≧0)となるような{an}をk群とするとき、k群に含まれる数列の項数と和をkで表せ。
問題3:初項a1から第2m −1項までの和をmで表せ。ただし、mは自然数
NO1「uchinyan」11/12 13時33分受信 更新12/3
第182回数学的な応募問題
[群数列]
a(n) = [log2(n)] などと書くことにします。
問題1:
a(n) は整数、log2(n) は n に関して単調増加、及び
log2(1) = 0 < 1 = log2(2) < 2 = log2(4) < 3 = log2(8) から、
a(1) = 0, a(2) = 1, a(3) = 1, a(4) = 2, a(5) = 2, a(6) = 2, a(7) = 2, a(8) = 3
問題2:
同様にして、
a(n) は整数、log2(n) は n に関して単調増加、及び log2(2^k) = k < k+1 = log2(2^(k+1)) から、
a(n) = k となる n は、2^k 〜 2^(k+1) - 1 です。
したがって、個数は、{2^(k+1) - 1} - {2^k - 1} = 2^(k+1) - 2^k = (2 - 1) * 2^k = 2^k 個です。
また、和 s(k) = k * 2^k になります。
問題3:
S(n) = 納k=1,n] a(k) とすると、問題2:より、S(2^m - 1) = 納k=0,m-1] s(k)、つまり、
S(2^m - 1) = 納k=0,m-1] k * 2^k = 納k=1,m-1] k * 2^k
になります。これから、
2 * S(2^m - 1) = 納k=1,m-1] k * 2^(k+1)
= 納k=1,m-1] (k+1) * 2^(k+1) - 納k=1,m-1] 2^(k+1)
= 納k=1,m-1] k * 2^k - 1 * 2^1 + m * 2^m - 納k=1,m-1] 2^(k+1)
= S(2^m - 1) + m * 2^m - 2 - 2^2 * 納k=1,m-1] 2^(k-1)
2 * S(2^m - 1) - S(2^m - 1) = m * 2^m - 2 - 4 * 納k=1,m-1] 2^(k-1)
S(2^m - 1) = m * 2^m - 2 - 4 * 納k=1,m-1] 2^(k-1)
= m * 2^m - 2 - 4 * {2^(m-1) - 1}/{2 - 1}
= m * 2^m - 2 - 4 * 2^(m-1) + 4
= (m - 2) * 2^m + 2
つまり、和は、(m - 2) * 2^m + 2 になります。
(感想)
標準的な問題ですが、様々な要素が盛り込まれており、よい復習になりますね。
NO2「Toru」
11/15 14時39分受信 更新12/3
問題1 a1=0,a2=1,a3=1,a4=2,a5=2,a6=2,a7=2,a8=3
問題2 an=kとなるのはn=2^k,2^k+1,----,2^(k+1)-1の2^k 個
よってk群の項数は2^k 和は k 2^k
問題3 0群から(m-1)群までの和を求めればよい
Σ(k=0〜(m-1))k 2^k =S とすると
2S=Σ(k=0〜(m-1))k 2^(k+1)=Σ(k=0〜(m-1))(k+1)2^(k+1) -Σ(k=0〜(m-1))
2^(k+1)
=Σ(k=1〜m))k 2^k-Σ(k=1〜m)2^k =S+m 2^m −(2^(m+1)-2)
よりS=(m−2) 2^m +2
別解1
1+x+x^2+----------x^(m-1)=(x^ m -1)/(x-1)の両辺を微分して
1+2x+3x^2+-------+(m-1)x^(m-2)=(m x^(m-1) (x-1)-(x^m-1))/(x-1)^2
=((m-1) x^m −mx^(m-1)
+1)/(x-1)^2 x倍して
x+2x^2+3x^3+------(m-1) x^(m-1)= ((m-1) x^(m+1) −m x^m
+x)/(x-1)^2
x=2とすれば S=(m-1) 2^(m+1)-m 2^m+2=(m-2) 2^m+2
別解2
Σ(k=0〜(m-1))k 2^k =Sm とすると
Sm=Sm-1 +(m-1) 2^(m-1) これを変型して
Sm −m 2^m=Sm-1-(m-1) 2^(m-1) −2^m さらに
Sm −m 2^m+2^(m+1)= Sm-1-(m-1) 2^(m-1) +2^m= -----=S1 −(2-1)
2^(2-1) + 2^2=2
よってSm= m 2^m − 2^(m+1) +2=(m-2) 2^m + 2
個人的には、あまり難しい問題よりもこれぐらいのものが、気分よく解けてよいなと思います。
問題3については、はるか昔、高校時代を思い出して、いろいろいじってみました。
NO3「kashiwagi」11/16 16時27分受信 更新12/3
<コメント:今回の問題も中々面白く解かせて頂きました。しかし、数字には 本当に面白い規則があるのですね。>
182回問題
問1.一つ一つ書き出してみると、となることが分かる。
問2.上の値より計算を繰り返すと以下の表に示す関係を得る。
k |
項数 |
和 |
0 |
1 |
0 |
1 |
2 |
2 |
2 |
4 |
8 |
3 |
8 |
24 |
4 |
16 |
64 |
|
|
|
k |
2k |
k2k |
問3. 上記よりk=1〜m-1までの総和を求めれば良い。今、
= を考え、両辺をxで微分する。
=
ここで両辺にxをかけると、
=
因って、 =
xに2を代入すると 、右辺は(m-2)2m + 2 となる。 これが求めるものである。
NO4「kasama」 11/21 15時57分受信
「kasama」 11/24 16時21分受信 更新12/3
【問題1】
順次計算していくと、以下のようになります。
a1=[log21]=0,
a2=[log22]=1,a3=[log22]=[1.584・・・]=1,
a4=[log24]=2,a5=[log25]=[2.321・・・]=2,a6=[log26]=[2.584・・・]=2,a7=[log27]=[2.807・・・]=2,
a8=[log28]=3
【問題2】
an=[log2n]=kとなるようなn は、区間[2k,2k+1)に含まれる整数です。よって、k群の項数は2kで、その和はk・2kです。
【問題3】
k群に含まれる項数は2kだから、0群からk-1群までの項数の和は20+21+22+・・・2k-1=2k-1です。
すると、初項から第2m-1項までの和は0群からm-1群までの項の和なので、
=(m-2)2m+2
です(補足参照)。
【補足】計算過程を補足しておきます。
S(x)=
とします(ただし、x>1)。そして、
x0+x1+x2+・・・+xm=(xm+1-1)/(x-1)
の両辺をxで微分すると、
0+1+2x+・・・+mxm-1=(mxm+1-mxm-xm+1)/(x-1)2
⇒左辺=1+x+・・・+xm-1 + 0+x+・・・+(m-1)xm-1⇒左辺=(xm-1)/(x-1)+S(x)
⇒S(x)=(mxm+1-mxm-xm+1)/(x-1)2-(xm-1)/(x-1)
x=2を代入して、整理すると、
=S(2)=(m-2)2m+2
です。
※青字は2006.11.24に修正
皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。