平成19年1月14日
[流れ星]
第184回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:12月24日〜1月14日
[自然数の分割]
皆さん、今までのご愛顧に深く感謝しつつ、引き続き平成19年もよろしくお願いします。
自然数nをいくつかの自然数の和として、n=n1+n2+・・・+nr(r≧1)
の形に表すことを考える。この分割の総数をQ(n)とする。
例えばn=3のとき、1+1+1、1+2、2+1、3 の4通りに表されるから、Q(3)=4となる。
次に、項の順序を考えた1≦n1≦n2≦・・・≦nr のときの総数をP(n)とする。
例えばn=3のとき、1+1+1,1+2,3の3通りになるからP(3)=3となる。
さらに、ここで、nをこのような和で表すすべての表し方について、項の積 n1×n2×・・・×nr を考え、その最大値をM(n) とする。例えばn=3のとき、項の積は1×1×1=1,1×2=2,3となるから、M(3)=3となる。
ここから、問題です。
問題1:Q(n)を求めよ。最初に、n=1,2,3,4,5,6と具体的に求めてから、考えてください。答えは指数の形でも良い。
問題2:P(n)をnで表したいのですが、未解決問題でして、そこで、n=1,2,3,4,5,6、7,8,と具体的に求めてから、n=20までのP(n)を知りたい。ここは、オイラーの5角数定理を用いて、次の漸化式を利用してください。
P(n)=P(n―1)+P(n―2)―P(n―5)―P(n―7)
+P(n―12)+P(n―15)―P(n―22)―P(n―26)+・・・
ただし、P(0)=1とする
問題3:M(n)を求めよ。最初に、n=1,2,3,4,5,6、7、8と具体的に求めてから、考えてください。
<参考文献1:数学の知性(w・ダンハム著中村由子訳)「現代数学社」
2:オイラーの無限解析(高瀬正仁訳)「海鳴社」
3:整数の分割(佐藤文広訳)「数学書房」>
<水の流れコメント:参考文献の記述は平成19年1月7日である>
NO1「kashiwagi」12/28 08時12分受信
更新1/14
184回
問1.着実に場合に分けて計算すると、
Q(1)=1
Q(2)=2
Q(3)=4
Q(4)=8
Q(5)=16 であるから、推定してQ(n)=2n-1
問2.これも地道に計算して、P(n)のnを変化させ以下の表を得る。
n |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
P(n) |
1 |
2 |
3 |
5 |
7 |
11 |
15 |
22 |
30 |
42 |
56 |
77 |
101 |
135 |
176 |
231 |
297 |
385 |
490 |
627 |
問3.
最初は見当がつかなかったのですが、最大値を分解すると2と3の累乗で表せることに気づき、試行錯誤の結果、3の倍数、余り1及び余り2で分類すれば良いことが閃きました。
M(1)=1
M(2)=2
M(3)=3
M(4)=4
M(5)=6
M(6)=9
M(7)=12
M(8)=18
M(9)=27
M(10)=36
M(11)=54
M(12)=81
・n=3N の時 M(n)=3N 但し、N≧1
・n=3N+1 の時 M(n)=22×3N-1 但し、N≧0
・n=3N+2 の時 M(n)=2×3N 但し、N≧0
NO2「Toru」 12/28 12時54分受信 更新1/14
第184回解答を送ります。はやいものでもう今年もおわり、1年間いろいろ楽しい問題をありがとうございました。
最近はちょっと他のことが忙しくなって、数学に費やす時間が少なくなってしまっておりますが、それだけにここの
問題は貴重です。来年もよろしくお願いします。 ペンネーム Toru
問題1
n=1 1 でQ(1)=1
n=2 1+1,2 でQ(2)=2
n=3 1+1+1,1+2,2+1,3 でQ(3)=4
n=4 1+1+1+1,1+1+2,1+2+1,2+1+1,2+2,1+3,3+1,4でQ(4)=8
n=5 1+1+1+1+1,1+1+1+2,1+1+2+1,1+2+1+1,2+1+1+1 1+2+2,2+1+2,2+2+1,
1+1+3,1+3+1,3+1+1,1+4,4+1,2+3,3+2,5 でQ(5)=16
n=6 1+1+1+1+1+1,1+1+1+1+2,1+1+1+2+1,1+1+2+1+1.1+2+1+1+1,2+1+1+1+1,
1+1+2+2,1+2+1+2,1+2+2+1,2+1+1+2,2+1+2+1,2+2+1+1,
1+1+1+3,1+1+3+1,1+3+1+1,3+1+1+1,2+2+2,
1+2+3,1+3+2,2+1+3,2+3+1,3+1+2,3+2+1,1+1+4,1+4+1,4+1+1,
1+5,5+1,2+4,4+2,3+3,6 Q(6)=32
n個のおはじきを並べてn-1個の間に+を入れるか入れないかと考えれば
Q(n)=2^(n-1)となります。
問題2
上記よりP(1)=1,P(2)=2,P(3)=3,P(4)=5,P(5)=7 P(6)=11
n=7のとき
1+1+1+1+1+1+1,1+1+1+1+1+2,1+1+1+1+3,1+1+1+2+2,1+1+1+4,1+1+2+3,
1+2+2+2,1+1+5,1+2+4,1+3+3,2+2+3,1+6,2+5,3+4,7 で p(7)=15
n=8のとき
1+1+1+1+1+1+1+1,1+1+1+1+1+1+2,1+1+1+1+1+3,1+1+1+1+2+2
1+1+1+1+4,1+1+1+2+3,1+1+2+2+2,1+1+1+5,1+1+2+4,1+1+3+3,
1+2+2+3,2+2+2+2,1+1+6,1+2+5,1+3+4,2+2+4,2+3+3,1+7,2+6,3+5,4+4,
8 で22
漸化式を使うと
P(1)=1,P(2)=2
より
P(3)=P(1)+P(2)=3, P(4)=P(3)+P(2)=5, P(5)=P(4)+P(3)-P(0)=7,
P(6)=P(5)+P(4)-P(1)=11, P(7)=P(6)+P(5)-P(2)-P(0)=15
P(8)=P(7)+P(6)-P(3)-P(1)=22, P(9)=P(8)+P(7)-P(4)-P(2)=30,
P(10)=P(9)+P(8)-P(5)-P(3)=42,P(11)=P(10)+P(9)-P(6)-P(4)=56
P(12)=P(11)+P(10)-P(7)-P(5)+P(0)=77, P(13)=P(12)+P(11)-P(8)-P(6)+P(1)=101,
P(14)=P(13)+P(12)-P(9)-P(7)+P(2)=135,P(15)=P(14)+P(13)-P(10)-P(8)+P(3)+P(0)=
176,
P(16)=P(15)+P(14)-P(11)-P(9)+P(4)+P(1)=231
P(17)= P(16)+P(15)-P(12)-P(10)+P(5)+P(2)=297
P(18)=P(17)+P(16)-P(13)-P(11)+P(6)+P(3)=385
P(19)=P(18)+P(17)-P(14)-P(12)+P(7)+P(4)=490
P(20)= P(19)+P(18)-P(15)-P(13)+P(8)+P(5)=627
問題3 M(1)=1,M(2)=2,M(3)=3,M(4)=4,M(5)=2x3=6,M(6)=3x3=9,M(7)=2x2x3=12,
M(8)=2x3x3=18
ある因子nk≧4とするとこれを2とnk-2に分割すると 2(nk-2)-nk=nk-4≧0
よりさらに分割できるので各因子は3以下としてよい。
2^3<3^2だから2が3つあれば3を2つにした方がよいので2は2つ以下
1x1<2, 1x2<3,1x3<2x2だから1は含まない
よって
n=3kのとき因子はすべて3でM(n)=3^k
n=3k+1のとき2が2つと3が(k-1)個でM(n)=4x3^(k-1)
n=3k+2の時2が1つと3がk個 M(n)=2x3^k
ただしk=1,2,3,----で M(1)=1,M(2)=2
NO3「uchinyan」12/29 17時21分受信
1/14
何とか,第184回数学的な応募問題への解答が年内に間に合いました。送ります。
今回も結構奥が深く大変でした。しかも年末で,なかなか時間が取れなくて...
ただ,オイラーの5角数定理など,勉強になることも多く,楽しい時間を過ごせました。
2007年も宜しくお願い致します
第184回数学的な応募問題
[自然数の分割]
問題1:
取り敢えず,地道にやってみます。
n =
1 の場合,1 = 1 だけで,Q(1) = 1 通り。
n =
2 の場合,2 = 1 + 1 = 2 で,Q(2) = 2 通り。
n =
3 の場合,3 = 1 + 1 + 1 = 2 + 1 = 1 + 2 = 3 で,Q(3) = 4 通り。
n =
4 の場合,
4 =
1 + 1 + 1 + 1 = 2 + 1 + 1 = 1 + 2 + 1 = 1 + 1 + 2 = 3 + 1 = 2 + 2 = 1 + 3 = 4
で,Q(4) = 8 通り。
n =
5 の場合,
5
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1 = 1 + 2 + 1 + 1 = 1 + 1 + 2 + 1 = 1 + 1 + 1 + 2
= 3
+ 1 + 1 = 2 + 2 + 1 = 2 + 1 + 2 = 1 + 3 + 1 = 1 + 2 + 2 = 1 + 1 + 3
= 4
+ 1 = 3 + 2 = 2 + 3 = 1 + 4 = 5
で,Q(5) = 16 通り。
n =
6 の場合,
6
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1 + 1 = 1 + 2 + 1 + 1 + 1 = 1 + 1 + 2 + 1 + 1 = 1 + 1 + 1 + 2 + 1
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 2= 3 + 1 + 1 + 1 = 2 + 2 + 1 + 1 = 2 + 1 + 2 + 1 = 2 + 1 + 1 + 2
= 1
+ 3 + 1 + 1 = 1 + 2 + 2 + 1 = 1 + 2 + 1 + 2 = 1 + 1 + 3 + 1 = 1 + 1 + 2 + 2
= 1
+ 1 + 1 + 3 = 4 + 1 + 1 = 3 + 2 + 1 = 3 + 1 + 2 = 2 + 3 + 1 = 2 + 2 + 2
= 2
+ 1 + 3 = 1 + 4 + 1 = 1 + 3 + 2 = 1 + 2 + 3 = 1 + 1 + 4 = 5 + 1 = 4 + 2
= 3 + 3 = 2 + 4 = 1 + 5 = 6
で,Q(6) = 32 通り。
さて,以上の計算から明らかですが,要するに,
n =
1 + 1 + ...(n個)... + 1 + 1
と 1 を n 個並べて,どこで区切って 1 のグループを作るか,という場合の数と同じです。
グループ内の 1 の和が,元の n を分割したときの数になり,それらの数の和が
n になります。
区切りを入れる隙間は n-1 箇所で,各箇所で区切るか区切らないかの 2 通りずつあるので,
Q(n)
= 2^(n-1) 通り,になります。
問題2:
何やら奥が深そうなのですが,それは(考察1)にまわして,取り敢えず,誘導どおりにやってみます。
P(6)までは,問題1:の途中結果が使えます。
n =
1 の場合,1 = 1 だけで,P(1) = 1 通り。
n =
2 の場合,2 = 1 + 1 = 2 で,P(2) = 2 通り。
n =
3 の場合,3 = 1 + 1 + 1 = 2 + 1 = 3 で,P(3) = 3 通り。
n =
4 の場合,
4
= 1
+ 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1
= 3
+ 1 = 2 + 2
= 4
で,P(4) = 5 通り。
n =
5 の場合,
5
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1
= 3
+ 1 + 1 = 2 + 2 + 1
= 4
+ 1 = 3 + 2
= 5
で,P(5) = 7 通り。
n =
6 の場合,
6
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1 + 1
= 3
+ 1 + 1 + 1 = 2 + 2 + 1 + 1
= 4
+ 1 + 1 = 3 + 2 + 1 = 2 + 2 + 2
= 5
+ 1 = 4 + 2 = 3 + 3
= 6
で,P(6) = 11 通り。
n =
7 の場合,
7
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 3
+ 1 + 1 + 1 + 1 = 2 + 2 + 1 + 1 + 1
= 4
+ 1 + 1 + 1 = 3 + 2 + 1 + 1 = 2 + 2 + 2 + 1
= 5
+ 1 + 1 = 4 + 2 + 1 = 3 + 3 + 1 = 3 + 2 + 2
= 6
+ 1 = 5 + 2 = 4 + 3
= 7
で,P(7) = 15 通り。
n =
8 の場合,
8
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 2
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
= 3
+ 1 + 1 + 1 + 1 + 1 = 2 + 2 + 1 + 1 + 1 + 1
= 4
+ 1 + 1 + 1 + 1 = 3 + 2 + 1 + 1 + 1 = 2 + 2 + 2 + 1 + 1
= 5
+ 1 + 1 + 1 = 4 + 2 + 1 + 1 = 3 + 3 + 1 + 1 = 3 + 2 + 2 + 1 = 2 + 2 + 2 + 2
= 6
+ 1 + 1 = 5 + 2 + 1 = 4 + 3 + 1 = 4 + 2 + 2 = 3 + 3 + 2
= 7
+ 1 = 6 + 2 = 5 + 3 = 4 + 4
= 8
で,P(8) = 22 通り。
そこで,これ以上は,与えられた漸化式,ただし P(n) の引数は正の整数又は 0 として,
P(n)
= P(n-1) + P(n-2) - P(n-5) - P(n-7) + P(n-12) + P(n-15) - P(n-22) - P(n-26) +
...
P(0)
= 1
を使って,計算があっていれば (^^;
P(9)
= P(8) + P(7) - P(4) - P(2) = 22 + 15 - 5 - 2 = 30
P(10)
= P(9) + P(8) - P(5) - P(3) = 30 + 22 - 7 - 3 = 42
P(11)
= P(10) + P(9) - P(6) - P(4) = 42 + 30 - 11 - 5 = 56
P(12)
= P(11) + P(10) - P(7) - P(5) + P(0) = 56 + 42 - 15 - 7 + 1 = 77
P(13)
= P(12) + P(11) - P(8) - P(6) + P(1) = 77 + 56 - 22 - 11 + 1 = 101
P(14)
= P(13) + P(12) - P(9) - P(7) + P(2) = 101 + 77 - 30 - 15 + 2 = 135
P(15) = P(14) + P(13) -
P(10) - P(8) + P(3) + P(0) = 135 + 101 - 42 - 22 + 3 + 1 = 176
P(16) = P(15) + P(14) -
P(11) - P(9) + P(4) + P(1) = 176 + 135 - 56 - 30 + 5 + 1 = 231
P(17) = P(16) + P(15) -
P(12) - P(10) + P(5) + P(2) = 231 + 176 - 77 - 42 + 7 + 2= 297
P(18) = P(17) + P(16) -
P(13) - P(11) + P(6) + P(3) = 297 + 231 - 101 - 56 + 11 + 3 = 385
P(19) = P(18) + P(17) -
P(14) - P(12) + P(7) + P(4) = 385 + 297 - 135 - 77 + 15 + 5 = 490
P(20) = P(19) + P(18) -
P(15) - P(13) + P(8) + P(5) = 490 + 385 - 176 - 101 + 22 + 7 = 627
...
になります。
(考察1)
「オイラーの5角数定理」というのはよく分からなかったので,Webで調べてみました。
ここでは,その調査結果をまとめておきます。なおこれは,
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/koramu/383_ip.htm
に従っています。なお,このサイトには,少し難しいのですが,いろいろなことが書いてあるようです。
まず,P(n) の話から始めます。P(n) の定義は,今回の問題の最初にあるように,
[P(n)の定義]
自然数 n を幾つかの自然数の和として,
n = n1 + n2 + ... + n_r, r >= 1, n_r >= ... >= n2 >= n1
の形に表した場合,この分割の総数を P(n) とする。
[P(n)の定義終]
になります。これを n1, n2, ..., n_r に実際に現れる数に注目すると,
[P(n)の言い換え]
P(n)
は,自然数 n に対して,
n = 1 * k1 + 2 * k2 + 3 * k2 + ..., k1 >= 0, k2 >= 0, k3 >= 0, ...
となる (k1, k2, k3, ...) の個数である。
[P(n)の言い換え終]
と考えることもできます。例えば,
5
= 1
+ 1 + 1 + 1 + 1 = 1 * 5 ---> (5, 0, 0, 0, 0, ...すべて 0 ...)
= 2
+ 1 + 1 + 1 = 1 * 3 + 2 * 1 ---> (3, 1, 0, 0, 0, ...すべて 0 ...)
= 3
+ 1 + 1 = 1 * 2 + 2 * 0 + 3 * 1 ---> (2, 0, 1, 0, 0, ...すべて 0 ...)
= 2
+ 2 + 1 = 1 * 1 + 2 * 2 ---> (1, 2, 0, 0, 0, ...すべて 0 ...)
= 4
+ 1 = 1 * 1 + 4 * 1 ---> (1, 0, 0, 1, 0, ...すべて 0 ...)
= 3
+ 2 = 1 * 0 + 2 * 1 + 3 * 1 ---> (0, 1, 1, 0, 0, ...すべて 0 ...)
= 5
= 1 * 0 + 2 * 0 + 3 * 0 + 4 * 0 + 5 * 1 ---> (0, 0, 0, 0, 1, ...すべて 0 ...)
です。
この P(n) を「オイラーの分割関数」ともいうそうです。
さて,こうした準備をすると,次のことが分かります。
次のような式 f(x) を考えます。ただし,以下の議論では x の値は関係しないので,
適宜,無限級数が収束する範囲にある,と仮定して議論を進めます。
f(x)
=
(1 + x + x^2 + ...) * (1 + x^2 + x^4 + ...) * (1 + x^3 + x^6 + ...) * ...
= 1
+ P(1) * x^1 + P(2) * x^2 + P(3) * x^3 + P(4) * x^4 + P(5) * x^5 + ...
= Σ[n=0,∞]
P(n) * x^n
つまり,f(x) を展開した形式の多項式の x^n の係数が P(n) になっています。
その意味で,f(x) のことを P(n) の母関数といいます。
x^n の係数が P(n) になるのはどうしてかというと,
x^k1
を (1 + x + x^2 + ...) の一般項
x^(2
* k2) を (1 + x^2 + x^4 + ...) の一般項
x^(3
* k3) を (1 + x^3 + x^6 + ...) の一般項
...
などとすると,
n =
1 * k1 + 2 * k2 + 3 * k2 + ..., k1
>= 0, k2 >= 0, k3 >= 0, ...
となる項の和,展開する前の式の係数は 1 なので個数と同じ,が x^n の係数になる
ことから明らかでしょう。
そこで,f(x) を実際に展開してその係数を調べれば P(n) が求まります。
しかし,これは結構大変です。
そこで,さらに次のような工夫をします。(収束すると仮定したからできるわけですが。)
f(x)
=
(1 + x + x^2 + ...) * (1 + x^2 + x^4 + ...) * (1 + x^3 + x^6 + ...) * ...
=
1/(1 - x) * 1/(1 - x^2) * 1/(1 - x^3) * ...
= Π[m=1,∞]
1/(1 - x^m)
そこで,
Σ[n=0,∞] P(n) * x^n = Π[m=1,∞] 1/(1 - x^m)
Π[m=1,∞] (1 - x^m) * Σ[n=0,∞] P(n) * x^n = 1
(1
- x) * (1 - x^2) * (1 - x^3) * ... * {1 + P(1) * x^1 + P(2) * x^2 + P(3) * x^3
+ ...{ = 1
になります。
ここで,g(x) = Π[m=1,∞] (1 - x^m) = (1 - x) * (1 -
x^2) * (1 - x^3) * ... を展開してみると,
級数中の係数がすべて 0 か +1, -1 の級数になり,とても思い付きそうにないのですが (^^;,
Π[m=1,∞] (1 - x^m)
= 1
- x - x^2 + x^5 + x^7 - x^12 - x^15 + x^22 + x^26 - x^35 - x^40 + x^51 + ...
= Σ[m=-∞,∞]
{x^(6 * m^2 - m) - x^(6 * m^2 + 5 * m + 1)}
= Σ[m=-∞,∞]
(-1)^m * x^(m(3m-1)/2))
が得られます。正直に言うと,得られるそうです (^^;
ここで,最後は,2m, 2m+1 をまとめて m としています。
また,m は負を取りますが,指数の m(3m-1)/2 は負にならないことに注意してください。
さらに,指数が m(3m-1)/2,すなわち,1, 5, 12, 22, 35, 51, ... という数列になっており,
これがピタゴラスの五角数になっています!
さて,この式の意味を考えてみましょう。
g(x)
= Π[m=1,∞] (1 - x^m) = (1 - x) * (1 - x^2) * (1 -
x^3) * (1 - x^4) * (1 - x^5) * ...
= 1
+ a(1) * x^1 + a(2) * x^2 + a(3) * x^3 + a(4) * x^4 + a(5) * x^5 + ...
= Σ[n=0,∞]
a(n) * x^n
は,(1 - x^m) の -x^m
が集まって x^n を作っており,n = m1 + m2 + m3 + ... となっています。
しかも,m = 1, 2, 3, ... と異なる自然数なので,これは,n を異なる自然数に分割しています。
さらに,-x^m とマイナスがあるので,これの偶数個の積は +,奇数個の積は - で,
n を異なる偶数個の自然数に分割する総数を Peven(n)
n を異なる奇数個の自然数に分割する総数を Podd(n)
とすると,
Peven(n) - Podd(n) = a(n)
を表しています。そころが,a(n) は実際には,
a(n)
= (-1)^m, for n = m(3m-1)/2, m = -∞ 〜 ∞
a(n)
= 0, それ以外
なので,
Peven(n) - Podd(n) = (-1)^m, for n =
m(3m-1)/2, m = -∞ 〜 ∞
Peven(n) - Podd(n) = 0, それ以外
となります。
実際,例えば,
n =
8 の場合
偶数個の異なる自然数への分割は 7 + 1 = 6 + 2 = 5 + 3 の 3 通り
奇数個の異なる自然数への分割は 8 = 5 + 2 + 1 = 4 + 3 + 1 の 3 通り
なので,その差は 0 となります。
n =
5 の場合
偶数個の異なる自然数への分割は 4 + 1 = 3 + 2 の 2 通り
奇数個の異なる自然数への分割は 5 の 1 通り
なので,その差は 1 となります。
この g(x) = Π[m=1,∞] (1 - x^m) の解釈から導かれる性質を,
オイラーの5角数定理,というらしいです。
一応まとめておくと,
[オイラーの5角数定理]
数 n に対する補正項をe(n)とおいて
#{偶数個の異なる整数への分割} = #{奇数個の異なる整数への分割} + e(n)
ここで,
e(n) = (-1)^m for n = m(3m±1)/2
e(n) = 0 それ以外
である。なお,
Π[m=1,∞] (1 - x^m) = Σ[n=0,∞] e(n) * x^n
となっている。
[オイラーの5角数定理終]
さて,このことを使うと,
Π[m=1,∞] (1 - x^m) * Σ[n=0,∞] P(n) * x^n = 1
(Σ[m=-∞,∞]
(-1)^m * x^(m(3m-1)/2))) * (Σ[n=0,∞] P(n) * x^n) = 1
Σ[m=-∞,∞]Σ[n=0,∞] P(n) * (-1)^m * x^(m(3m-1)/2 + n) = 1
ここで,m(3m-1)/2 + n を改めて n とおくと,以前の n は n - m(3m-1)/2 になり,
これが 0 以上の範囲で和を求めることになります。
Σ[n=0,∞] {Σ[m=-∞,∞ : n - m(3m-1)/2 >= 0] P(n - m(3m-1)/2) *
(-1)^m} * x^n = 1
そこで,
P(0)
= 1
Σ[m=-∞,∞ : n - m(3m-1)/2 >= 0] P(n - m(3m-1)/2) * (-1)^m = 0
P(n)
- P(n-1) - P(n-2) + P(n-5) + P(n-7) - P(n-12) - P(n-15) + P(n-22) + P(n-26) -
... = 0
P(n)
= P(n-1) + P(n-2) - P(n-5) - P(n-7) + P(n-12) + P(n-15) - P(n-22) - P(n-26) +
...
が得られます。
これが,問題2:で与えられていた漸化式,というわけです。
(考察2)
P(n)
の計算は,実は以前に考えたことがありました。
やはり漸化式です。ナイーブな式なので,結構計算は大変ですが,一応,紹介しておきます。
P(n)
は,
n = n1 + n2 + ... + n_r, r >= 1, n_r >= ... >= n2 >= n1
ということなので,
m を少なくとも一つ含み
m 以上だけの数の和で n を 表す場合の数を P(n,m) とすると,
P(n,m) = 0 for m > n/2
P(n,n/2)
= 1 for n:偶数
P(n)
= P(n,1) + P(n,2) + ... + P(n,[n/2]) + 1
P(n,m) = 1 + P(n-m,m) + P(n-m,m+1)
+ ... + P(n-m,m+k) for m+k
>= [(n-m)/2]
P(n,m) = 1 for m < [(n-m)/2]
ただし,[ ] はガウス記号です。特に
P(n,1)
= 1 + P(n-1,1) + P(n-1,2) + ... + P(n-1,[(n-1)/2]) = P(n-1)
具体的には,
P(1)
= 1
P(2)
= P(2,1) + 1 = 2
P(3)
= P(3,1) + 1 = P(2) + 1 = 3
P(4)
= P(4,1) + P(4,2) + 1 = P(3) + 1 + 1 = 3 + 1 + 1 = 5
P(5)
= P(5,1) + P(5,2) + 1 = f(4) + 1 + P(3,2) + 1 = 5 + 1 + 0 + 1 = 7
P(6) = P(6,1) + P(6,2) +
P(6,3) + 1 = P(5) + 1 + P(4,2) + 1 + 1= 7 + 1 + 1 + 1 + 1= 11
P(7) = P(7,1) + P(7,2) +
P(7,3) + 1 = P(6) + 1 + P(5,2) + 1 + 1 = 11 + 1 + 1 + 1 + 1= 15
P(8) = P(8,1) + P(8,2) +
P(8,3) + P(8,4) + 1 = P(7) + 1 + P(6,2) + P(6,3) + 1 + 1 + 1
=
15 + 1 + 1 + P(4,2) + 1 + 1 + 1 + 1
=
15 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
=
22
P(9)
= P(9,1) + P(9,2) + P(9,3) + P(9,4) + 1
=
P(8) + 1 + P(7,2) + P(7,3) + 1 + P(6,3) + 1 + 1
=
22 + 1 + 1 + P(5,2) + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
=
22 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1
=
30
P(10)
= P(10,1) + P(10,2) + P(10,3) + P(10,4) + P(10,5) + 1
=
P(9) + 1 + P(8,2) + P(8,3) + P(8,4) + 1 + P(7,3) + 1 + 1 + 1
=
30 + 1 + 1 + P(6,2) + P(6,3) + 1 + 1 + 1 + 1 + 3
=
30 + 2 + 1 + P(4,2) + 1 + 7
=
30 + 3 + 1 + 8
=
42
P(11)
= P(11,1) + P(11,2) + P(11,3) + P(11,4) + P(11,5) + 1
=
P(10) + 1 + P(9,2) + P(9,3) + P(9,4) + 1 + P(8,3) + P(8,4) + 1 + 1 + 1
=
42 + 1 + 1 + P(7,2) + P(7,3) + 1 + P(6,3) + 1 + 1 + 1 + 1 + 3
=
42 + 2 + 1 + P(5,2) + 1 + 1 + 1 + 7
=
42 + 3 + 1 + 10
=
56
P(12)
= P(12,1) + P(12,2) + P(12,3) + P(12,4) + P(12,5) + P(12,6) + 1
=
P(11) + 1 + P(10,2) + P(10,3) + P(10,4) + P(10,5) + 1 + P(9,3) + P(9,4) + 1 +
P(8,4) + 1 + 1 + 1
=
56 + 1 + 1 + P(8,2) + P(8,3) + P(8,4) + 1 + P(7,3) + 1 + 1 + 1 + 1 + P(6,3) + 1
+ 1 + 1 + 3
=
56 + 2 + 1 + P(6,2) + P(6,3) + 1 + 1 + 1 + 1 + 4 + 1 + 6
=
56 + 3 + 1 + P(4,2) + 1 + 15
=
56 + 4 + 1 + 16
=
77
P(13)
= P(13,1) + P(13,2) + P(13,3) + P(13,4) + P(13,5) + P(13,6) + 1
=
P(12)
+ 1
+ P(11,2) + P(11,3) + P(11,4) + P(11,5)
+ 1
+ P(10,3) + P(10,4) + P(10,5)
+ 1
+ P(9,4)
+ 1
+ 1 + 1
=
77
+ 1
+ 1 + P(9,2) + P(9,3) + P(9,4) + 1 + P(8,3) + P(8,4) + 1 + 1
+ 1
+ 1 + P(7,3) + 1 + 1
+ 1
+ 1
+ 3
=
77
+ 2
+ 1 + P(7,2) + P(7,3) + 1 + P(6,3) + 1 + 1 + 1 + 1 + 2
+ 2
+ 1 + 2
+ 5
=
77
+ 3
+ 1 + P(5,2) + 1 + 1 + 1 + 6
+
10
=
77 + 4 + 1 + 9 + 10
=
101
...
などです。P(13) までは,確かに一致しています。
これ以上も可能ですが,計算が大変なので,以下省略します。
問題3:
これも,取り敢えず,地道にやってみます。
問題2:の途中結果が使えます。右側に不等式で最大以外の積も書いておきます。
M(1)
= 1
M(2)
= 2 > 1
M(3)
= 3 > 2 > 1
M(4)
= 4 > 3 > 2 > 1
M(5)
= 6 > 5 > 4 > 3 > 2 > 1
M(6)
= 9 > 8 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 > 1
M(7)
= 12 > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 > 1
M(8)
= 18 > 16 > 15 > 12 > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4
> 3 > 2 > 1
最大を並べてみると,
1,
2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, ...
これを見ると,どうやら,因数に 2, 3 だけを含む場合になるようです。
そこで,これを念頭に置きながら考えてみました。
問題は,
n = n1 + n2 + ... + n_r, r >= 1, n_r >= ... >= n2 >= n1 >= 1
において,n1 * n2 * ... * n_r の最大値 M(n) を求めよ。
となります。
今,n1, n2, ..., n_r は,M(n) を与えるものとします。すると次のことがいえます。
まず,n1, n2, ..., n_r には,1 は含まれません。
もし含まれたとすると,n1 = 1 となります。
このとき,1 と n2 を足した 1 + n2 を一つの項とする分割が存在します。そして,
n1
* n2 * n3 * ... * n_r = n2 * n3 * ... * n_r
(1
+ n2) * n3 * ... * n_r = n3 * ... * n_r + n2 * n3 * ... * n_r
n3
* ... * n_r >= 1 なので,
(1
+ n2) * n3 * ... * n_r > n1 * n2 * n3 * ... * n_r
です。これは,n1 * n2 * ... * n_r が最大であることに矛盾します。
次に,n1, n2, ..., n_r には,5 以上は含まれません。
もし含まれたとすると,例えば,n_k >= 5, r
>= k >= 1 となります。
このとき,n_k を 2 と n_k - 2 >= 3 の二つに分ける分割が存在します。 そして,
n1
* n2 * ... * 2 * (n_k - 2) * ... * n_r - n1 * n2 * ... * n_k * ... *
n_r
=
n1 * n2 * ... * (n_k - 4) * ... * n_r
> 0
n1
* n2 * ... * 2 * (n_k - 2) * ... * n_r > n1 * n2 * ... * n_k *
... * n_r
です。これは,n1 * n2 * ... * n_r が最大であることに矛盾します。
そして,n1, n2, ..., n_r には,4 を含める必要はありません。
これは,先ほどの議論で n_k = 4 とすると,積が同じになってしまうので,
最初から,4 を 2 + 2 と分割したもので考えれば十分だからです。
結局,ここまでで,n1, n2, ..., n_r には,2 と 3 しか含まれないことが分かりました。
さらに,2 の個数に関して,2 は 2 個以下しか含まれない,ことが,次のようにして分かります。
2 が
m >= 3 個あったとします。この和は 2m >= 6 ですが,これを 3 で分割し直すことができて,
2m
= 3k or 3k + 1 or 3k + 2, k >= 2
と書けます。1 は先ほどの議論から分割には含められないので,少し変えて,
2m が
3 の倍数のとき:2m = 3k
2m が
3 で割って 1 余るとき:2m = 3(k-1) + 2 + 2
2m が
3 で割って 2 余るとき:2m = 3k + 2
と,2 の個数が 2 個以下になるユニ分割し直すことができます。
このときの積は,最初の分割で 2 以外の積を N とすると,
再分割前 N * 2^m
再分割後 N * 3^k or N * 3^(k^1) * 4 or N * 3^k * 2
これらの大小を比を取って調べます。ただし,値は正なので二乗して調べても同じなので,そうします。
・2m が 3 の倍数のとき:2m = 3k
(N
* 3^k)^2/(N * 2^m)^2 = 3^2k/2^2m = 3^2k/2^3k = (9/8)^k > 1
つまり,再分割後の方が大きくなります。
・2m が 3 で割って 1 余るとき:2m = 3(k-1) + 2 + 2
(N
* 3^(k-1) * 4)^2/(N * 2^m)^2 = 3^(2k-2) * 16/2^2m
=
3^(2k-2) * 16/2^(3k+1) = 3^(2k-2)/2^(3k-3) = (9/8)^(k-1) > 1 (k >= 2)
つまり,再分割後の方が大きくなります。
・2m が 3 で割って 2 余るとき:2m = 3k + 2
(N
* 3^k * 2)^2/(N * 2^m)^2 = 3^2k * 4/2^2m
=
3^2k * 4/2^(3k+2) = 3^2k/2^3k = (9/8)^k > 1
つまり,再分割後の方が大きくなります。
結局,いずれの場合も,3 で再分割した後の方が積は大きくなります。
これで,M(n) を与える n1, n2, ..., n_r には,
2 と
3 しか含まれず,しかも,2 は 2 個以下しか含まれない,
ことが分かりました。
以上のことから,n をできるだけ 3 で分割して 2 の個数が 2 個以下になるようにしたとき,
分割で現れる数の積は最大になることが分かります。
これは,n を 3 で割って,余りが 1 になっときだけ,2 を 2 個使う分割にすることと同じです。
結局,n >= 1 として,
・n が 3 で割って 0 余るとき:M(n) = 3^(n/3)
・n が 3 で割って 1 余るとき:M(n) = 4 * 3^((n-4)/3) for n >= 4, M(1) = 1
・n が 3 で割って 2 余るとき:M(n) = 2 * 3^((n-2)/3)
になります。
(考察3)
意味があるのかどうかよく分かりませんが,分割を実数まで拡張すると,
ちょっと面白いことが分かります。
今,正の実数 a が与えられたとして,
これを k 個の正の実数 a(1), a(2), ..., a(k) に分割したとします。
a(1)
+ a(2) + ... + a(k) = a
このときの,M(a) = a(1) * a(2) * ... * a(k) の最大を考えます。
最初に,k を固定して考えます。
正の実数を考えているので,相加相乗平均から
a/k
= (a(1) + a(2) + ... + a(k))/k >= (a(1) * a(2) * ... * a(k))^(1/k) =
(M(a))^(1/k)
なので,M(a) の最大値は,a(1) = a(2) = ... = a(k) のときで,(a/k)^k になります。
つまり,a を k 個に分割したときの最大値は (a/k)^k になります。
次に,k を 1, 2, 3, 4, ... と変化させたときに,(a/k)^k がどのように変化するかを調べます。
k は自然数ですが,様子を調べるために,正の実数
x に拡張して,y = (a/x)^x のグラフを考えます。
底を e とする自然対数を取って,
log(y)
= x * (log(a) - log(x))
両辺を x で微分して
y'/y
= (log(a) - log(x)) + x * (- 1/x) = log(a) - log(x) - 1 = log(a/e * 1/x))
y'
= 0 は x = a/e で,y > 0 なので,x = a/e の前後で,y' は + -> 0 -> - となり,
y は
x = a/e で最大値 e^(a/e) を取ります。
x は実際には自然数
k なので,a/e を計算してそれをはさむ二つの整数のどちらかで,
(a/k)^k
が,したがって,M(a) が最大値を取ることになります。
問題2:に戻ると,a は自然数 n,a(1), a(2), ..., a(k) も自然数 n1, n2, ..., n_r なので,
a(1)
= a(2) = ... = a(k) が成立するとは限らず,その後の議論もうまくは行きません。
しかし,e = 2.71828... で 2 と 3 の間,しかも,3 に近いことを考えると,
最大値を与える x = a/e は r = n/3 に近く,最大値 M(a) = e^(a/e) は M(n) = 3^r に近く,
近似的に数値の間でも対応関係が見て取れると思います。
(感想)
今回も結構奥が深く大変でした。しかも年末で,なかなか時間が取れなくて...(^^;
ただ,オイラーの5角数定理など,勉強になることも多く,楽しい時間を過ごせました。
2007年も宜しくお願い致します
m(__)m
NO4「浜田明巳」01/04 12時01分受信 1/14
n | Q(n) | P(n) | M(n) |
1 | 1 | 1 | 1 |
2 | 2 | 2 | 2 |
3 | 4 | 3 | 3 |
4 | 8 | 5 | 4 |
5 | 16 | 7 | 6 |
6 | 32 | 11 | 9 |
7 | 64 | 15 | 12 |
8 | 128 | 22 | 18 |
9 | 256 | 30 | 27 |
10 | 512 | 42 | 36 |
11 | 1024 | 56 | 54 |
12 | 2048 | 77 | 81 |
13 | 4096 | 101 | 108 |
14 | 8192 | 135 | 162 |
15 | 16384 | 176 | 243 |
16 | 32768 | 231 | 324 |
17 | 65536 | 297 | 486 |
18 | 131072 | 385 | 729 |
19 | 262144 | 490 | 972 |
20 | 524288 | 627 | 1458 |