平成19年3月18日
[流れ星]
第187回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:2月25日〜3月18日
[歩いた時間]
皆さんはウォーキングをしませんか。8kmの距離を、最初の地点で時速6km、
最後の到着地点では時速4kmになり、途中の時速は、歩いた距離の1次関数で
表されるようにウォーキングするとき、歩いた時間を求めてください。
<コメント:このウォーキングはまっすぐ歩いてください。後戻りは考えていません。>
(25日午後5時追加)
NO1「uchinyan」02/25 13時29分受信 更新3/18
第187回数学的な応募問題
[歩いた時間]
出発地点を原点 O とし,到着地点を x 軸の正の方向になるように座標を導入します。
そして,出発してから t 時間後の位置を x(t) とします。
ここでちょっと気になるのですが,通常のウォーキングは後戻りとかはしないのでそう仮定します。
実際,後戻りを許すと,いつまでたっても到着地点に着かないことも可能で,問題になりません (^^;
この仮定の下では,t 時間後の位置 x(t) が歩いた距離になります。
そこで,t 時間後の時速 v(t) は,
v(t) = a * x(t) + b
まず,出発時点の条件から
t = 0 で x(0) = 0, v(0) = 6 なので
b = 6
次に,T 時間後に到着地点に着いたとすると,
t = T で x(T) = 8, v(T) = 4 なので
8a + b = 4
これから,a = - 1/4,b = 6 なので,
v(t) = - 1/4 * x(t) + 6
時速は位置の時間微分なので
dx/dt = v(t) = - 1/4 * x + 6
1/(- 1/4 * x + 6) * dx/dt = 1
両辺を t で 0 〜 T の範囲で積分して
∫[0,T]{1/(- 1/4 * x + 6)} * dx/dt
* dt = ∫[0,T]{1}dt
T = ∫[0,8]{1/(- 1/4 * x + 6)}dx
= [- 4 * log(- 1/4 * x + 6)][0,8]
= {- 4 * log(- 1/4 * 8 + 6)} - {- 4 * log(- 1/4 * 0 + 6)}
= - 4 * log(4) + 4 * log(6)
= 4 * log(3/2)
= 1.62186…
〜 1.622 時間
つまり,歩いた時間は,ほぼ 1.622 時間 = 1 時間 37 分 19 秒 〜 1 時間 37 分 になります。
(感想)
上記の解答中の
ここでちょっと気になるのですが,通常のウォーキングは後戻りとかはしないのでそう仮定します。
ここがちょっと引っかかるのですが,解答中にも書いたように,もし後戻りを許すとなると,
歩いた時間が無限大,ということも可能なので,考慮しませんでした。
これでよかったのですよね...? (^^;
もしこれでいいのならば,微分方程式の手ごろな復習だと思います。
なお,大雑把に,6km/h と 4km/h の平均 5km/h で 8km を行ったとすると,8/5 = 1.6 時間で,
これでもほぼ一致しますね。
NO2「kashiwagi」02/26 12時46分受信 更新3/18
<コメント:お世話になります。今回の問題は大好きな微分方程式の問題で、問題を 読みながら、分離型にすれば解けるなと、解法が浮かんで参りました。
正に楽しみながら解きましたが、8kmを1時間40分少々とは早いですね。
187回問題
今、速度をV、距離をX、時間をTとすると、題意より
V = dX/dT = AX+B ・・・・・・@が成り立つ。
又、初速と終速が各々6q/H、4q/H度先頭の数が4であるから
B = 6 8A + 6 = 4 が成立し、A = -1/4 となる。
即ち、V = (-1/4)X + 6 ・・・・・Aとなる。
@とAより dX/dT = (-1/4)X + 6
即ち、 dX/(-1/4)X + 6 = dT ・・・・・B が成立する。
因って、両辺を各々XとTで積分すると、
T = = 4log(3/2) ≒ 1.62時間
即ち、約1時間37分かかったことになる。
NO3「新俳人澄朝」02/26 16時51分受信 更新3/18
<コメント:第186回の解答集のアップ楽しく拝見させていただきました。
皆さんの解答のエレガントさに唖然!!
「歩く時間」の問題も楽しく考えさせて頂きました。この角度で問題作成可能な所に再び唖然!!
第187回の応募をさせて頂きます。区分求積法を少し勉強し利用しました。不十分なところが少しありますが、
まずはお送りします。
「新俳人澄朝」02/27 13時07分受信 更新3/18
微分方程式? 距離と時間と速さの関係なのだから……
そりゃそうだ!数学って面白いし不思議……
NO4「ぐーてん」02/26 17時32分受信 更新3/18
<コメント;微分方程式、久しぶりに解きました^^;>
歩いた距離をx,時間をtとおくと,題意より,
とおける
ここで,境界条件:, を代入して,
,
従って,
変数分離法により積分すると,
(ただし、cは積分定数)
初期条件:より,
従って,
x = 8を代入して,求めるtは,
ちなみに,x < 24としてxについて解くと,
となり,この歩き方だと24 km地点には永久にたどり着けないことになりますね。
NO5「Toru」 03/01 11時41分受信 更新3/18
第187回解答を送ります。微分方程式なんてほんとにひさしぶりという感じでした。
高校ではどの程度習うんでしたっヶ?
<水の流れコメント:現在の学習指導では「数学V」で微分方程式を履修します。>
距離を時間tの関数として x(t) とし
条件よりdx/dt =ax+b とすると
x=0 の時 dx/dt =6
x=8 の時 dx/dt=4
からb=6 , 4=8a+b で a=-1/4 , b=6
d(x-24)/dt=-1/4 (x-24) と変形して
x-24=C e^(-t /4 ) t=0, x=0 としてC=-24より
x=24(1- e^(-t /4 )) x=8とすればe^(-t
/4) =2/3 よりt=4(log3-log2) (時間)
4(log3-log2)=1.62186043--より1時間37分18秒6975-- となりますか。平均時速
5kmで1.6 時間ですからだいたいこんなものでよさそうな気もします。
NO6「三角定規」 03/04 19時44分受信 更新3/18
<コメント:毎回問題は拝見しているのですが,難しかったり,雑事に忙殺されていて解答を作っている余裕がなかったりで,失礼致しておりました。
今回の問題ですが,物理屋さんのホームグラウンドで,これは是非送らねばと思いました。>
NO7「「kasama」」 03/08 20時39分受信 更新3/18
『途中の時速は、歩いた距離の1次関数』なので、時速v、距離xとすると、
v=6+(4-6)x/8=6-x/4です。
距離xは時間tの関数と考えられ、その微係数が時速だから、v=dx/dtです。すると、上は
dx/dt=6-x/4となります。
この微分方程式を解くと、-4log(24-x)=t+C(定数)
となります。初期条件t=0のときx=0をあてはめると、C=-4log(24)ですから、
t=4log{24/(24-x)}です。
これにx=8を代入すると、t=4log(3/2)ですから、歩いた時間は、
4log(3/2)=1.62186・・・です。