平成19年9月23日
[流れ星]
第196回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:9月2日〜9月23日
[集金の方法]
皆さん、次のような両替の問題を考えました。よろしくお願いします。
問題1:50n円を50円硬貨、10円硬貨だけで集金する方法は何通りあるか。nで表せ。
問題2:100n円を、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨だけで集金する方法は何通りあるか。nで表せ。
問題3:500n円を、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨だけで集金する方法は何通りあるか。nで表せ。
以上の問題で、nは自然数を表す。ただし、青の字は9月3日に修正しました。
<ヒント:解法が分からなかったら、n=1、2、3、・・・と実際に数えていき、漸化式を作ってください。>
<水の流れ:「新俳人澄朝」から、
「200円を50円硬貨、10円硬貨に両替する」とき、持っている200円は、100円玉2枚と考えるのか?50円硬貨4枚等とは考えないのか?」
「50円を50円硬貨、10円硬貨に両替する」とき、50円玉を50円硬貨で両替するというのか、言わないのか?」という疑問があり、上のようにしました。ご迷惑をおかけしましたことを陳謝します。>
NO1「uchinyan」09/02 14時13分受信 更新9/23
第196回数学的な応募問題
[硬貨の両替]
問題1:
50円硬貨を x 枚,10円硬貨を y 枚で両替するとすると,要するに,50n を 50x と 10y とに分解すればいいので,
50x + 10y = 50n
ただし,x, y は,x, y >= 0 の整数です。
式を簡単にして,
5x + y = 5n
y = 5n - 5x
x を 0, 1, 2, ..., n とすると,それぞれに対して y は一意に確定するので,n+1 通りになります。
問題2:
100円硬貨を x 枚,50円硬貨を y 枚,10円硬貨を z 枚で両替するとすると,x, y, z >= 0 の整数として,
100x + 50y + 10z = 100n
10x + 5y + z = 10n
z = 10n - (10x + 5y)
x, y に z >= 0 となるような 0 以上の整数を与えれば,z は一意に確定します。そこで,
0 <= 10x + 5y <= 10n
0 <= 2x + y <= 2n
となる 0 以上の整数の組 (x, y) の個数に等しくなります。これは,
0 <= y <= 2n - 2x
となる 0 以上の整数の組 (x, y) の個数なので,
x = 0, 1, 2, ..., n を与えれば,そのそれぞれの x の値に対して,
y = 0, 1, 2, ..., 2n - 2x (の 2n - 2x + 1 個)をとる
となります。そこで,個数の総数=両替の仕方,は,
[x=0,n]{[y=0,2n-2x]{1}}
[x=0,n]{2n-2x+1}
= (2n+1) * (n+1) - 2 * n(n+1)/2
= (n+1)^2 通り
になります。
問題3:
500円硬貨を x 枚,100円硬貨を y 枚,50円硬貨を z 枚,10円硬貨を u 枚で両替するとすると,
x, y, z, u >= 0 の整数として,
500x + 100y + 50z + 10u = 500n
50x + 10y + 5z + u = 50n
u = 50n - (50x + 10y + z)
x, y, z に u >= 0 となるような 0 以上の整数を与えれば,u は一意に確定します。そこで,
0 <= 50x + 10y + 5z <= 50n
0 <= 10x + 2y + z <= 10n
となる 0 以上の整数の組 (x, y, z) の個数に等しくなります。これは,
0 <= z <= 10n - 10x - 2y
となる 0 以上の整数の組 (x, y, z) の個数で,0 以上の整数の組 (x, y) を与えれば,z は,
z = 0, 1, ..., 10n - 10x - 2y (の 10n - 10x - 2y + 1 個)をとる
と分かります。このとき,x, y は,10n - 10x -
2y >= 0 となる 0 以上の整数なので,
0 <= y <= 5n - 5x
となっていなければなりません。これは,
x = 0, 1, 2, ..., n を与えれば,そのそれぞれの x の値に対して,
y = 0, 1, 2, ..., 5n - 5x をとる
となります。そこで,個数の総数=両替の仕方,は,
[x=0,n]{[y=0,5n-5x]{[z=0,10n-10x-2y]{1}}}
= [x=0,n]{[y=0,5n-5x]{10n-10x-2y+1}}
= [x=0,n]{(10n-10x+1) * (5n-5x+1) - 2 *
(5n-5x)(5n-5x+1)/2}
= [x=0,n]{(5n-5x+1) * (5n-5x+1)}
= [x=0,n]{(5n+1)^2 - 10 * (5n+1) * x + 25 * x^2}
= (5n+1)^2 * (n+1) - 10 * (5n+1) * n(n+1)/2 + 25 * n(n+1)(2n+1)/6
= (n+1)/6 * {6 * (5n+1)^2 - 30 * n(5n+1) + 25 * n(2n+1)}
= (n+1)/6 * {6 * (5n+1)(5n+1 - 5n) + 25 * n(2n+1)}
= (n+1)/6 * (50 * n^2 + 55 * n + 6)
= (n+1)(50n^2 + 55n + 6)/6 通り
になります。
(感想)
問題2:の答えがきれいになったので,ひょっとしたら,と期待しましたが,
問題3:の結果を見る限り,そううまくはいかないようです。
なお,さすがに,5円硬貨,1円硬貨での両替はなしですかねぇ〜 (^^;
<水の流れ:9月2日のときの問題文は硬貨の両替でした。ご迷惑をおかけしています>
NO2「スモークマン」 09/04 11時13分受信
「スモークマン」 09/05 01時30分受信
更新9/23
1.50n=50a+10b
n>=1
a=0,1,2,・・・,n
に対応して1:1で、bの値は決まる。
つまり、n+1通り。
2.100n=100a+50b+10c
a=0,1,2,・・・,n
a=0 のとき、100n=50*2n=50b+10c から、2n+1通り。
a=1 のとき、100(n-1)=50*2(n-1)=50b+10c から、2(n-1)+1=2n-1
a=2 のとき、100(n-2)=50*2(n-2)=50b+10c から、2(n-2)+1=2n-3
・
・
・
a=n のとき、100*0=50*0=50b+10c から、2(n-n)+1=2n-(2n-1)
つまり、2n*(n+1)+1-Σ(奇数:1〜2n-1):k=2n(n+1)-2n*n/2
=2n^2+2n+1-n^2
=n^2+2n+1
=(n+1)^2・・・答え
3.500n=500a+100b+50c+10d
a=0 のとき、100*5n=100b+50c+10d・・・(5n+1)^2
a=1 のとき、100*5(n-1)=100b+50c+10d・・・(5n-5+1)^2=(5n-4)^2
a=2 のとき、100*5(n-2)=100b+50c+10d・・・(5n-10+1)^2=(5n-9)^2
・
・
・
a=n のとき、100*5(n-n)=100b+50c+10d・・・(5n-5n+1)^2
(5n-(5k-1))^2=25n^2-10(5k-1)n+(5k-1)^2
合計=25n^2*(n+1)-10n*Σ(0〜n):(5k-1)+25Σ(0〜n):k^2-10Σ(0〜n):k+(n+1)
=25(n^3+n^2)-10n*(5n(n+1)/2-(n+1))+25*n(n+1)(2n+1)/6-10*n(n+1)/2+(n+1)
=25(n^3+n^2)-25n^2(n+1)+11n(n+1)+25(2n^3+3n^2+n)/6-5n(n+1)
=(150(n^3+n^2)-150(n^3+n^2)+36n(n+1)+25(2n^3+3n^2+n))/6
=(50n^3+111n^2+61n)/6
=n(50n^2+111n+61)/6
=n(50n+1)(n+61)/6・・・答え
n=0,+-1,+-2,+-3 でも整数になるからよさそうかな。。。^^;
*(k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1
(n+1)^3-1=3Σk^2+3n(n+1)/2+n
3Σk^2=(2(n^3+3n^2+3n+1)-3n^2-3n-2n-2)/2
=n(2n^2+3n+1)/2
=n(n+1)(2n+1)/2
Σk^2=n(n+1)(2n+1)/6
<水の流れ:問題3の答えがこちらと合っていないのですが・・・>
NO3「新俳人澄朝」9/23 13時35分受信 更新9/23
NO4「kashiwagi」09/16 08時37分受信 更新9/23
196回問題
題意に従い、nの値を変化させ表を作成して考えました。表は添付致しました。
問1.表から明らかなように となる。
問2.表から明らかなように となる。
問3.これは表から明らかとはいかず、の時500円硬貨が0枚の場合36通り、500円硬貨が1枚の時1通り、即ち、
同様にして の時時500円硬貨が0枚の場合121通り、500円硬貨が1枚の時36通り、500円硬貨が2枚の時1通り即ち、
これより次のように推定できる。
=
= = となる。
NO5「Toru」 09/18 11時51分受信 更新9/23
問題1 50円硬貨がn枚〜0枚で (n+1) 通り
問題2 100円硬貨が (n-k) 枚(k=0〜n)の時 残りの(50x2k) 円を50円硬貨
と10円硬貨だけで集金すると考えて問題1より(2k+1) 通り (k=0の時もok)
よって全体でΣ(k=0〜n)(2k+1)=(n+1)^2
(通り)
問題3 500円硬貨が (n-k) 枚(k=0〜n)の時 残りの(100x5k)円を100円硬
貨、50円硬貨、10円硬貨だけで集金すると考えて、問題2より (5k+1)^2 通り。
(k=0の時もok)
よって全体で
Σ(k=0〜n)(5k+1)^2=Σ(25k^2+10k+1)
=25n(n+1)(2n+1)/6 + 5n(n+1) +(n+1)=(n+1)(50n^2+55n+6)/6 (通り)
漸化式にしませんでしたが、内容的には同じようなことかと思っています。
両替えという言葉が問題となったようで、あらためて問題をつくる側の苦労を感じました。私なぞは最初から、
50n円を10円玉と50円玉で構成すると考えて、問題を感じもしませんでしたが、そう言われればそうですね。
個人的には、回答者の方でも出題者の意図を察するような、あうんの呼吸があってもよいような気がしてはい
ます。
NO6「ぐーてん」09/13 17時22分受信 更新9/23
出張続きでしばらくさぼっていましたが、一段落したので再開させていただこうと思います。よろしくお願いします。
なにしろ、私の実力では解くのに相当時間がかかっていますので^^;
(3)の図は、3D-CADを駆使して描いてみました。3D-CADの勉強にもなり、一石二鳥でした。
(1)使用できる50円玉の枚数は,0〜n枚のn+1通り.それぞれの場合において,残額全てを10円玉で集金すればよいので,求める方法の数はn+1通り.
(2)
使用する10円玉,50円玉,100円玉の枚数をi,j,k枚(i,j,kは0または自然数)とおくと,j,kは0≦k≦n,0≦j≦2n-2kを満たす任意の値をとり,それぞれの場合に残額を10円玉で集金すればよい(i=10n-10k-5j).
従って求める方法の数は,図(n=4の場合)に示すような領域に含まれる格子点の数に等しい.斜線で示すような合同でかつ同じパターンで格子点を含む領域を考えて求めると,
通り.
(3)
使用する10円玉,50円玉,100円玉,500円玉の枚数をi,j,k,l枚(i,j,k,lは0または自然数)とおくと,j,k,lは0≦l≦n,0≦k≦5n-5l,0≦j≦10n-10l-2kを満たす任意の値をとり,それぞれの場合に残額を10円玉で集金すればよい(i=50n-50l-10k-5j).
従って求める方法の数は,図(n=4の場合)に示すような領域に含まれる格子点の数に等しく,
NO7「bear56」 09/17 13時27分受信
「bear56」 09/18 00時05分受信 更新9/23
<コメント:勝手に付けた仮題は冗長な気がするし,問題3のnの式は変な感じがしますが,
どうするのが美しいのか,よくわかりません.数列の和の公式を使いました.>
集金の方法
仮題 まずは,10n円を10円硬貨だけで集金する方法は何通りあるかを考える.
10n円を集金する組み合わせの数をP10(n)とし,
10円硬貨の個数をaとする.
10n=10a
a=n
10円硬貨の個数aは,全てのnについてaが1通りづつ定まり,
その組み合せP10(n)は, P10(n)=狽P=n.
狽フ束縛変数はkとし,kは1≦k≦nの自然数.(以下,同様)
問題1 50n円を集金する組み合わせの数をP50(n)とし,
10m円を集金する組み合わせの数を先P10(m)とし(仮題),
10円硬貨の個数をa,50円硬貨の個数をbとする.
50n=10a+50b
(ミス)ここで,0≦a≦n,0≦b≦nである.
(修正)ここで,0≦a≦5n,0≦b≦nである.
b=nの場合は,a=0の1通りである.
b<nの場合は,仮題により,
5n=m+5b
m=5(n−b)
50円硬貨の個数bに対して,
残りの10円硬貨の個数aの組み合せは,
仮題により,m=5(n−b)として求められ,
b<nについて,P10(m)が定まる.
全ての組み合せP50(n)は,k=n−bとして,
P50(n)=狽o10(5k)+1
=狽P+1
=n+1.
したがって,
n+1通り.
問題2
100n円を集金する組み合わせの数をP100(n)とし,
50m円を集金する組み合わせの数をP50(m)とし(問題1),
10円硬貨の個数をa,50円硬貨の個数をb,100円硬貨の個数をcとする.
100n=10a+50b+100c
(ミス)ここで,0≦a≦n,0≦b≦n,0≦c≦nである.
(修正)ここで,0≦a≦10n,0≦b≦2n,0≦c≦nである.
c=nの場合は,a=0,b=0の1通りである.
c<nの場合は,問題1により,
100n=50m+100c
m=2(n−c)
100円硬貨の個数cに対して,
残りの10円硬貨の個数a,50円硬貨の個数bの組み合せは,
問題1により,m=2(n−c)として求められ,
c<nについて,P50(m)が定まる.
全ての組み合せP100(n)は,k=n−cとして,
P100(n)=狽o50(2k)+1
=煤i2k+1)+1
=2狽求{狽P+1
=2[n(n+1)/2]+n+1
=(n+1)(n+1)
=(n+1)^2
したがって, (n+1)^2通り.
問題3
500n円を集金する組み合わせの数をP500(n)とし,
100m円を集金する組み合わせの数をP100(m)とし(問題2),
10円硬貨の個数をa,50円硬貨の個数をb,100円硬貨の個数を,500円硬貨の個数をd とする.
500n=10a+50b+100c+500d
(ミス)ここで,0≦a≦n,0≦b≦n,0≦c≦n,0≦d≦nである.
(修正)ここで,0≦a≦50n,0≦b≦10n,0≦c≦5n,0≦d≦nである.
d=nの場合は,a=0,b=0,c=0の1通りである.
d<nの場合は,問題2により,
500n=100m+500d
m=5(n−d)
500円硬貨の個数dに対して,
残りの10円硬貨の個数a,50円硬貨の個数b,100円硬貨の個数cの組み合せは,
問題2により,m=5(n−d)として求められ,
d<nについて,P100(m)が定まる.
全ての組み合せP500(n)は,k=n−dとして,
P500(n)=煤mP100(5k)]+1
=煤m(5k+1)^2]+1
=25煤ik^2)+10狽求{狽P+1
=25[n(n+1)(2n+1)/6]+10[n(n+1)/2]+n+1
=[25n(n+1)(2n+1)+30n(n+1)+6(n+1)]/6
=(n+1)[25n(2n+1)+30n+6]/6
=(n+1)[50n^2+55n+5+1]/6
=(n+1)[5(n+1)(10n+1)+1]/6
したがって, (n+1)[5(n+1)(10n+1)+1]/6通り.
NO8「kasama」
09/19 22時41分受信
「kasama」 09/21 00時58分受信 更新9/23
問題1 50円硬貨で集金して、残りを10円硬貨で集金すると考えます。50円硬貨の集金は0円,50円,100円,…,50n円です。よって、場合数はan=n+1通りです。 |
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問題2 100円、50円、10円硬貨だけで100n円を集金する場合数をbnとします。100円硬貨を使う場合とそうでない場合に分けて考えます。100円硬貨を使わないときは、50円、10円硬貨だけで100n=50×2n円を集金する場合と同じだからa2n通りです。よって、漸化式は、 |
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問題3 500円、100円、50円、10円硬貨だけで500n円を集金する場合数をcnとします。上と同様にして、500円硬貨を使わないときは、100円、50円、10円硬貨だけで500n=100×5n円を集金する場合と同じだから、漸化式は、 |